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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z25 |
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管理番号 | 1180943 |
審判番号 | 取消2007-300730 |
総通号数 | 104 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2008-08-29 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2007-06-06 |
確定日 | 2008-06-11 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4411103号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4411103号商標(以下「本件商標」という。)は、平成11年9月27日に登録出願、「ABERCRO」の欧文字を横書きしてなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同12年8月25日に設定登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び同第2号証を提出した。 本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、被請求人、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品について使用された事実がない。したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきである。 3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証[登録商標の使用説明書(2)において「乙第3号証」及び「乙第4号証」を提出しているので、これをそれぞれ「乙第8号証」及び「乙第9号証」に置き換えることとする。また、枝番号を含む。]を提出した。 本件商標は、登録商標の使用説明書(1)及び(2)から明らかなとおり、通常使用権者である東京都江戸川区西小岩5-8-17有限会社中富商店(以下「中富商店」という。)により、本件商標の指定商品中「被服」に属する「カジュアルシャツ」及び「ズボン(短パン)」について、平成17年8月1日より現在に至るまで継続して日本国内で使用するものである。したがって、本件商標の登録が取り消されなければならない理由は、存在しない。 被請求人は、主に被服についての商標の織りネーム、下げ札等、及び商品の包装袋等を、被服の製造業者、卸売業者、小売業者等より注文を受けて製作することを業務とするものである。当業界では、商標の織りネーム、下げ札、包装用袋等の製作という商標にかかわる業務であるところから、しばしば商標を使用する織りネーム等の発注者より、発注者の使用する商標を受注者の名義で商標の登録をすることをも依頼されることがあり、また、受注者側も受注した商標の安全の確保や保護のため、また、顧客との関係を保つためにも、その商標の登録をして、発注者とは、使用契約をするのが、ある程度慣行ともなっているところである。そして、本件商標も当初は、大手量販店の依頼を受けて、被請求人が登録をしたものであるが、その後大手量販店が本件商標の使用を止めた際に、被請求人の名義でもあったところから、その後の使用に関しては被請求人の自由にとの了承を得ていたもので、平成17年8月1日に現通常使用権者である中富商店と使用契約を締結して、現在に至るものである[使用説明書(1)の乙第2号証]。 まず、本件商標が通常使用権者により、日本国内での使用の事実を示す証拠方法として、商品「カジュアルシャツ」及び「ズボン(短パン)」の写真[使用説明書(1)(2)の乙第3号証]及び織りネーム及び下げ札の現物[使用説明書(1)(2)の乙第4号証]を添付したが、商品「カジュアルシャツ」及び「ズボン(短パン)」には、本件商標「ABERCRO」の織りネーム、及び下げ札が付されており、これにより本件商標の使用の実体が明らかなものである。また、下げ札の裏面にある「NAKATOMI.CO TOKYO」の文字から、本件商標を付した商品「カジュアルシャツ」及び「ズボン(短パン)」が通常使用権者である中富商店のものであることが証明されるところである。 次に、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内で使用されている事実を示すものとして、中富商店の発注書、被請求人の納品書(控)及び中富商店の納品書(控)[使用説明書(1)の乙第5号証ないし乙第7号証]を添付したが、これらの各取引書類の日付から、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内で使用されている事実が十分に証明されるものである。 なお、これらが日本国内で使用されているものであることは、通常使用権者が取引先である東京都墨田区千歳3-3-20、フィアックに納品した納品書(控)の乙第7号証の取引書類においてより証明されるものである。 以上のとおり、本件商標は、通常使用権者である中富商店により、本件商標の指定商品中「被服」に属する「カジュアルシャツ」及び「ズボン(短パン)」について、本件取消審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において使用されている事実は、明らかなものである。 4 当審の判断 (1)被請求人の提出に係る乙第1号証ないし乙第9号証によれば、以下の事実が認められる。 乙第2号証は、商標権者である被請求人と中富商店とが、本件商標に関して「紳士・婦人用品」における本件商標の使用を許諾する平成17年8月1日付け「商標権使用許諾契約書」である。 乙第3号証は、「カジュアルシャツ」の写真であり、そこには、「ABERCRO」の文字が付された「織りネーム」「下げ札」が使用されている。 乙第4号証は、乙第3号証と同じ「織りネーム」「下げ札」の現物と認められ、「下げ札」の裏面には、商品の品番を表すものと認められる「AC-T01」の記号が付されている。 乙第5号証の1及びし2は、中富商店より被請求人に対し、「ABERCROトップス用下げ札」等を発注した2005年8月10日及び同年11月17日付けの発注書である。 乙第6号証の1ないし3は、被請求人が中富商店に「ABERCROトップス用下げ札」等を納品した2005年8月29日、同年12月5日及び2006年4月7日付けの納品書である。 乙第7号証の1ないし3は、請求外「フィアック」に対する中富商店の2006年1月20日及び同2月15日付の納品書であるが、該納品書の「品番・品名」の項には、乙第4号証及び乙第9号証に示された「下げ札」の裏面に付されている商品の品番と認められる「AC-T01」及び「AC-T03」の記号と同じものが記載されている。 乙第8号証は、「ボトム(ズボン)」の写真であり、そこには、「ABERCRO」の文字が付された「織りネーム」「下げ札」が使用されている。 乙第9号証は、当該「織りネーム」「下げ札」の現物と認められ、「下げ札」の裏面には、商品の品番を表すものと認められる「AC-T03」の記号が付されている。 (2)まとめ してみれば、前記の乙各号証よりすれば、本件商標は、通常使用権者と認められる中富商店が、本件商標と社会通念上同一と認められる「ABERCRO」の商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定商品中「被服(カジュアルシャツ、ズボン)」について、使用していたものと認められるものである。 一方、請求人は上記3の答弁に対し、弁駁していない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきではない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-01-10 |
結審通知日 | 2008-01-17 |
審決日 | 2008-01-30 |
出願番号 | 商願平11-87087 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(Z25)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田中 亨子 |
特許庁審判長 |
山口 烈 |
特許庁審判官 |
寺光 幸子 鈴木 新五 |
登録日 | 2000-08-25 |
登録番号 | 商標登録第4411103号(T4411103) |
商標の称呼 | アバークロ、アベルクロ |
代理人 | 浅村 肇 |
代理人 | 橘高 郁文 |
代理人 | 坂倉 夏子 |
代理人 | 浅村 皓 |
代理人 | 土屋 良弘 |