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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y33 審判 全部申立て 登録を維持 Y33 |
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管理番号 | 1179427 |
異議申立番号 | 異議2007-900408 |
総通号数 | 103 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-07-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-08-24 |
確定日 | 2008-05-19 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5052501号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5052501号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件商標は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成17年7月21日に登録出願され、第33類「ぶどう酒」を指定商品として平成19年6月8日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由(要点) (1)引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は以下の13件である。 (a)登録第2143785号商標(以下「引用商標1」という。)は、「HAUS」の欧文字を横書きしてなり、昭和61年10月8日登録出願、第28類「酒類」を指定商品として、平成元年5月30日に設定登録され、その後、同11年1月26日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。 (b)登録第2163850号商標(以下「引用商標2」という。)は、「好侍」の文字と「ハウス」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、昭和60年5月1日登録出願、第28類「果実酒、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成元年8月31日に設定登録され、その後、同11年4月20日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。 (c)登録第2185314号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和61年3月26日登録出願、第28類「果実酒、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成元年10月31日に設定登録され、その後、同11年6月15日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。 (d)登録第2203249号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ハウス」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和62年3月31日登録出願、第28類「酒類」を指定商品として、平成2年1月30日に設定登録され、その後、同11年11月2日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。 (e)登録第2203250号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和62年3月31日登録出願、第28類「酒類」を指定商品として、平成2年1月30日に設定登録され、その後、同11年11月2日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。 (f)登録第3229180号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成4年12月29日登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、同8年11月29日に設定登録され、その後、同18年11月29日に商標権の存続期間が満了し、同19年8月8日にその登録が抹消されたものである。 (g)登録第3229181号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成4年12月29日登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同8年11月29日に設定登録され、その後、同18年11月29日に商標権の存続期間が満了し、同19年8月8日にその登録が抹消されたものである。 (h)登録第3273609号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成5年2月5日登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同9年4月4日に設定登録され、その後、同19年4月4日に商標権の存続期間が満了し、同年12月26日にその登録が抹消されたものである。 (i)登録第3273610号商標(以下「引用商標9」という。)は、別掲(6)のとおりの構成よりなり、平成5年2月5日登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同9年4月4日に設定登録され、その後、同19年4月4日に商標権の存続期間が満了し、同年12月26日にその登録が抹消されたものである。 (j)登録第3368973号商標(以下「引用商標10」という。)は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成5年2月5日登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、同10年2月13日に設定登録されたものである。 (k)登録第3368974号商標(以下「引用商標11」という。)は、別掲(6)のとおりの構成よりなり、平成5年2月5日登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、同10年2月13日に設定登録されたものである。 (l)登録第4465388号商標(以下「引用商標12」という。)は、「How’s」の欧文字を標準文字で書してなり、平成12年4月24日登録出願、第29類、第30類、第31類、第32類及び第33類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同13年4月6日に設定登録されたものである。 (m)登録第4843461号商標(以下「引用商標13」という。)は、別掲(7)のとおりの構成よりなり、平成16年8月11日登録出願、第29類、第30類、第31類及び第32類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同17年3月4日に設定登録されたものである。 以下、これらの登録商標を総称するときは、単に「引用商標」という。 (2)本件商標と引用商標とは称呼上類似するものであり、かつ、その指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。 (3)申立人が創業以来90余年に亘り「ハウス」、「HOUSE」の文字又はこれらに家の図形を配した商標(以下「使用商標」という。)を使用した結果、使用商標は申立人の業務に係る商品を表示する商標として周知著名になっており、使用商標と本件商標は類似するものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合には、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 引用商標6ないし9は、存続期間の満了により、その商標権が消滅しているものであるから、以下、残余の引用商標1ないし5及び10ないし13と本件商標との類否について検討する。 本件商標は、別掲(1)のとおり、「HOUSE」の欧文字と「WINE」の欧文字とを上下二段に横書きし、各文字の間に家を描いた如き図形を配した構成からなるところ、その構成中の「HOUSE」及び「WINE」の文字は、「レストランが銘柄をつけずに出す、手ごろな価格のワイン」(「知恵蔵2006」2006年1月1日発行 朝日新聞社)の意味合いをもって取引者・需要者等に親しまれている「ハウスワイン」の語を欧文字により表記したものというべきであり、本件商標の指定商品との関係においては自他商品の識別力が無いか又は極めて弱いものである。 そして、前記した構成からなる本件商標は、「HOUSE」、「WINE」の各欧文字と家を描いた如き図形とが視覚上もまとまりよく一体的に表されており、しかも、該家を描いた如き図形は上記「HOUSE」の欧文字と相俟って「ハウスワイン」を暗示させるにすぎず、本件商標は、構成全体をもって自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきである。 そうすると、本件商標は、その構成中の「HOUSE」の欧文字と図形部分のみを分離・抽出して、これより生ずる「ハウス」の称呼のみをもって取引に資されるものというべきではないから、単なる「ハウス」の称呼は生じないものと判断するのが相当である。 してみれば、本件商標から「ハウス」の称呼を生ずるとし、その上で本件商標と引用商標とが称呼上類似するものであるとする申立人の主張は、前提を欠き理由がないといわざるを得ず、他に、本件商標と引用商標とが称呼上類似するものであるとすべき理由を見いだすことができない。 また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観及び観念においても相紛れるおそれはない。 したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても類似するところのない非類似の商標といわなければならないから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人の提出に係る証拠によれば、使用商標が申立人の業務に係る商品「即席カレー、カレールー、即席シチュー」等について使用する商標として取引者・需要者間に相当程度広く認識されていることが認められる。 しかしながら、使用商標は引用商標3又は4と実質的に同一であり、本件商標と引用商標3又は4とが非類似のものであることは前示のとおりであるから、本件商標と使用商標も非類似の商標であって別異のものというべきである。加えて、使用商標が使用されている「即席カレー、カレールー、即席シチュー」等と本件商標の指定商品である「ぶどう酒」とは、いずれも食品分野に属する商品とはいえ、需要者や流通経路等が相違するなど、必ずしも極めて密接な関係を有する商品とまではいえないものである。 かかる事情の下において、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者がその構成中の「HOUSE」の欧文字及び図形部分に着目して使用商標ないしは引用商標を連想・想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別 掲 (1)本件商標 (2)引用商標3 (3)引用商標5 (4)引用商標6及び7 (5)引用商標8及び10 (6)引用商標9及び11 (7)引用商標13 |
異議決定日 | 2008-04-24 |
出願番号 | 商願2005-67303(T2005-67303) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(Y33)
T 1 651・ 271- Y (Y33) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 佐藤 達夫、渡邉 健司 |
特許庁審判長 |
中村 謙三 |
特許庁審判官 |
末武 久佳 前山 るり子 |
登録日 | 2007-06-08 |
登録番号 | 商標登録第5052501号(T5052501) |
権利者 | マグニフィセント ワイン カンパニー エルエルシー |
商標の称呼 | ハウスワイン、ハウス |
代理人 | 北口 貴大 |
代理人 | 森 智香子 |
代理人 | 城山 康文 |
代理人 | 川津 義人 |
代理人 | 岩瀬 吉和 |