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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y25 審判 全部申立て 登録を維持 Y25 |
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管理番号 | 1179412 |
異議申立番号 | 異議2007-900376 |
総通号数 | 103 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-07-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-08-10 |
確定日 | 2008-05-26 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5045363号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5045363号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5045363号商標(以下「本件商標」という。)は、平成18年2月1日に登録出願され、別掲のとおりの構成よりなり、第25類「被服」を指定商品として、同19年5月11日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由(要旨) (1)商標法第4条第1項第10号について 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、青色で彩色された「Johnstons」の欧文字よりなる商標又は「JOHNSTON」の欧文字よりなる商標(以下、これらを「使用商標」という。)を商品「被服」について、継続して使用しており、遅くとも本件商標の出願日である平成18年2月1日当時においては、需要者間において、申立人の製造、販売に係る商品を表彰するものとして広く知られるに至っていたものであるから、本件商標の構成中「JOHNSTON」の欧文字部分は、それ自体独立した要部として機能するものであって、これと使用商標とは称呼及び外観上類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品「被服」と使用商標についての使用に係る商品「被服」とは同一又は類似するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「JOHNSTONS OF ELGIN」の欧文字を横書きしてなり、昭和63年10月13日に登録出願され、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成3年1月31日に設定登録された登録第2300963号商標(以下「引用商標」という。)を引用し、この商標の構成中「ELGIN」の欧文字部分は商品の産地・販売地の表示としても認識されるものであり、使用商標の周知性とも相俟って、引用商標の構成中「JOHNSTONS」の欧文字部分はそれ自体独立した要部として機能するものである。 したがって、本件商標は、引用商標と称呼上類似するものであり、かつ、両商標の指定商品は同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第10号について 申立人の提出した証拠(甲各号証)によれば、申立人が「Johnstons」、「JOHNSTONS」及び「ジョンストンズ」と指称されていること、申立人がカシミアなどの高級生地、マフラー、セーター等を扱うスコットランドの老舗メーカーとして、及び当該商品が輸入され販売され、その際に使用商標が使用されていること等の一定の事実は認められるとしても、提出された係る証拠によっては、使用商標が使用された「マフラー、セーター」等について、本件商標の登録出願時前における我が国への輸入あるいは販売数量、宣伝、広告等の方法、期間、地域も明らかではないものであるから、使用商標が使用された商品の我が国における周知性を客観的に判断することができない。 そうすると、これらの証拠によっては、使用商標が本件商標の登録出願時に申立人の業務に係る商品「マフラー、セーター等の被服」を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めるに十分なものということはできない。 したがって、使用商標が本件商標の登録出願時において、我が国の需要者の間に広く認識されていた商標であったと認めることができない以上、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。 (2)商標法第4条第1項第11号について 引用商標は、前記した構成よりなるところ、該文字は、同じ書体、同じ大きさで視覚上もまとまりよく一連に表してなるものであるから、かかる構成においては構成文字全体をもって一体的に看取されるものであって、これより生ずると認められる「ジョンストンズオブエルギン」の称呼もやや冗長に亘るとしても、無理なく一連に称呼できるものであり、かつ、構成全体としては特定の意味合いを想起し得ない一種の造語商標といわなければならない。 しかして、引用商標の構成中の「ELGIN」の欧文字部分が英国の地名を表すものであることは認め得るとしても、該文字が商品「被服」等の生産地、販売地として、どの程度我が国の取引者、需要者に認識されたものかを具体的に示す証拠に乏しく、我が国におけるその認識は不明というほかない。 そうとすると、「ELGIN」の欧文字は、これに接する取引者、需要者をして商品「スカーフ、ニット等の被服」の産地・販売地を表すものとして認識されるとみるのは困難であり、また、構成中の「JOHNSTONS」が我が国の需要者の間に広く認識されていたものとも認められないものであるから、引用商標は、その構成中「JOHNSTONS」の文字部分が独立して認識されるとして、これに相応して単に「ジョンストンズ」の称呼が生じることを前提とする申立人の主張は採用できない。 したがって、本件商標からはその構成文字に照らし「ジョンストン」の称呼が生ずるとしても、これと引用商標から生ずる上記一連の称呼とは、その音構成及び構成音数における差異から明瞭に区別できるものである。 そして、両商標は、それぞれの構成に照らし、外観においては判然と区別し得る差異を有するものであり、また、引用商標は、親しまれた既成の観念を有する成語を表したものとはいえから、観念においては両者を比較することができない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別 掲 本件商標 |
異議決定日 | 2008-05-08 |
出願番号 | 商願2006-11990(T2006-11990) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(Y25)
T 1 651・ 255- Y (Y25) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 大橋 信彦 |
特許庁審判長 |
中村 謙三 |
特許庁審判官 |
前山 るり子 末武 久佳 |
登録日 | 2007-05-11 |
登録番号 | 商標登録第5045363号(T5045363) |
権利者 | 松下 幸司 |
商標の称呼 | ジョンストン |
代理人 | 鈴木 一永 |
代理人 | 鈴木 正次 |
代理人 | 涌井 謙一 |
代理人 | 石川 義雄 |
代理人 | 小出 俊實 |
代理人 | 山本 典弘 |
代理人 | 鈴江 武彦 |