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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 118 |
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管理番号 | 1179335 |
審判番号 | 取消2007-300632 |
総通号数 | 103 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2008-07-25 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2007-05-16 |
確定日 | 2008-06-03 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第1545326号の1商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第1545326号の1商標(以下「本件商標」という。)は、「AGATHA」の文字を書してなり、昭和54年10月31日に登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、同57年10月27日に設定登録されたものであるが、その後、2回に亘り商標権存続期間の更新登録がされている。また、平成5年3月8日に、指定商品中「くし」について商標権の一部放棄の登録がなされ、また、同年6月28日に、指定商品中「身飾品、頭飾品、ボタン類、宝玉およびその模造品」について分割移転がされた。さらに、指定商品については、平成16年8月11日、第8類「ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,マニキュアセット」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」、第21類「化粧用具(「くし」及び「電気式歯ブラシ」を除く。)」及び第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」に書換登録がなされたものである。 また、本件審判請求の登録は、平成19年6月1日になされている。 2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を次のように述べた。 請求の理由 本件商標は、その指定商品中の第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」について、継続して3年以上、我が国において、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても使用されていない。よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、指定商品中の第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」について取消すべきものである。 3 被請求人の主張 被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第6号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)被請求人は、昭和50年の前半から現在に至るまで、本件商標をその指定商品である「かばん類」について使用している。 被請求人は、その前身である「株式会社ミヤコ袋物店」の時代から、かばん、ハンドバッグ、ポシェット、リュックサックなどを製造しており、平成元年以降は子会社であった「株式会社シャレル東京」を通じて、これらの商品を小売店に提供して来ている(乙第1号証)。 なお、「株式会社ミヤコ袋物店」は、平成19年5月1日に「株式会社シャレル東京」を吸収合併してその名称を「株式会社ミヤコ・シャレル」と変更しており、現在では、被請求人が上記かばん類の製造販売を一貫して行っている(乙第2号証)。 (2)乙3号証について 乙第3号証の1は、「大丸ホームショッピング(通信販売)」のチラシの表裏両面の写である。 当該チラシの表紙の右上に「お申込み締切日」及び「平成16年7月12日」の文字が表示されている。 また、当該チラシの裏面の上部に、被請求人の「トートバッグ」及び「ショルダーバッグ」の写真が掲載され、「申込番号」として「0520-16251」が表示され、また、識別標識として本件商標「AGATHA」が表示されている。 なお、当該「申込番号」の前半に表示された「0520」 は、通信販売を特定するための番号であり、「-(ハイフン)」 を挟んで表示された「16251」 は株式会社大丸が決定した商品番号である。 乙第3号証の2は、当該通信販売における「商品搬入依頼書写」(依頼書番号 3920)である。 同号証は、株式会社大丸が消費者の購入申込に基づき、被請求人に対し、「ショルダーバッグとトートバッグの組合せのベージュ色(50セット)及び同黒色(50セット)」の搬入を、FAXで依頼したものである。 同号証の下部の「摘要」欄に表示された数字は、被請求人が伝票処理を行ったことを示すもので、「04.05.20」の数字は「2004年5月20日」を示し、「758194」の数字は、上記搬入依頼品の出荷が完了した旨の処理表示である。 乙第1号証の3(当審注:「乙第3号証の3」の誤りと思われる。)は、株式会社大丸の「仕入先明細」であり、上段右上の「No.00256」 において、乙第3号証の2に係る依頼書番号「3920」の商品が、5月22日付けで買い取り品として記帳され、「仕入れ金額」欄に、「379500円」と記載されている。 乙第3号証の4は、株式会社大丸の「支払通知書」であり、締め切り日を同じくする他の商品(乙第3号証の3「仕入明細」の中段「No.00213」及び下段「No.00067」参照)の販売代金と共に、「平成16年7月15日」(お支払い日 16.7.15)に「金528,707円」(仕入高(明細書別紙) 528707)を、被請求人に支払ったことを通知している。 (3)乙第4号証について 乙第4号証の1は、「三越カタログ(通信販売)-2005秋冬号」の写である。 同号証の1頁目右上には「受付期限 2006.1.31」の表示がある。 同号証の2頁目右上には、被請求人の「手提げバッグ」「申込番号・・・1605-63476」の表示、同右下には、「ショルダーバッグ」「申込番号・・・1605-63467」、同左上には、「ポシェット」「申込番号・・・1605-63465」及び同左下には、「リュック」「申込番号・・・1605-63477」とそれぞれ表示され、その識別標識として、本件商標「AGATHA」が表示されている。 同号証の「申込番号」の前半に表示された「1605」 は、「秋冬号の通信販売」であることを特定するための番号であり、その後の「-(ハイフン)」を挟んで表示された「63476」、「63467」、「63465」及び「63477」は、「三越通信販売事業本部が決定した商品番号」である。 乙第4号証の2ないし4は、「2005年9月14日付け」の「三越通信販売事業本部」の「仕入伝票」(「伝票No.0586」、「伝票No.0539」、「伝票No.0616」、「伝票No.0648」、「伝票No.0640」及び「伝票No.0550」)であり、同年9月30日の締め日における「三越 05-09-30締 支払明細」(乙第4号証の5)には、それぞれの伝票に対応した金額が掲載されている。 また、乙第4号証の6は、「2005年12月23日付け」の「三越通信販売事業本部」の「仕入伝票」(「伝票No.0722」及び「伝票No.0733」)であり、同年12月31日の締め日における「三越 05-12-31締 支払明細」(乙第4号証の7)には、それぞれの伝票に対応した金額が掲載されている。 2005年の秋冬号における通信販売については、9月及び12月の2ケ月分のみの取引伝票類を提出しているが、これらの伝票から、カタログを見た消費者が本件商標を使用した上記の商品を2ケ月で420個注文したことを示しているのである。 (4)乙第5号証について 三越通信販売事業本部は、消費者のグループに対応して異なる商品を掲載した通信販売を実施している。 乙第5号証の1は、通信販売のカタログ「sage 初夏号」の写である。締め切り日は2006年8月31日となっている。 同号証の5頁目右下に、被請求人の「カジュアルバッグ」「申込番号 63652」と表示され、その識別標識として、本件商標「AGATHA」が表示されている。 乙第5号証の1に係る通信販売においては、各モデルが着用している服や装身具、バッグを商品掲載頁とリンクさせる手法を取り入れていて、実際に使用する商品の雰囲気が理解できるようにしている。 乙第5号証の2は、「2006年3月23日付け」の「三越通信販売事業本部」の「仕入伝票」(「伝票No.0614」及び「伝票No.0528」)であり、同年3月31日の締め日における「三越 06-03-31締 支払明細」(乙第5号証の3)には、当該伝票に対応した金額が掲載されている。 乙第5号証の4は、「2006年6月30日付け」の「三越通信販売事業本部」の「仕入伝票」(伝票No.0175)であり、同日付けの締め日における「三越 06-06-30締 支払明細」(乙第5号証の5)には、当該伝票に対応した金額が掲載されている。 2006年sage初夏号における通信販売についても、3月及び6月の2ケ月分のみの取引伝票類を提出しているが、これらの伝票から、カタログを見た消費者が本件商標を使用した上記の商品を上記の2ケ月で70個注文したことを示しているのである。 (5)合併前における取引について 被請求人は、上記(1)において、「株式会社ミヤコ袋物店」とその子会社である「株式会社シャレル東京」とが合併したことを述べたが、乙第3ないし乙5号証はいずれも合併前の資料であるため、合併前の取引形態について以下に説明する。 メーカーである「株式会社ミヤコ袋物店」は、かばんの企画、デザインなどを創案すると共に、サンプル及びアイテムごとの絵型(商品説明書・乙第6号証の1及び2)を作成し、「株式会社シャレル東京」を通じて各小売店(通信販売会社を含む)に配布し、これに基づいて各小売店から「株式会社シャレル東京」が注文を受けることになる。 乙第3号証ないし乙第5号証に示した通信販売会社の場合は、商品管理上、各社独自の管理番号を用いるから(乙第3号証の1及び2)、「株式会社シャレル東京」において番号の対比調整をして社内処理を行うことになる。 乙第3号証の2 、乙第4号証の2ないし4及び6、乙第5号証の2及び4として提出している伝票に手書きで被請求人側の商品番号を記入しているのは、社内処理のためのものである。 各通信販売会社は、乙第6号証に示した絵に基づいて通信販売の対象とする商品を選定し、乙第3号証の1、乙第4号証の1及び乙第5号証の1に示したチラシやカタログを作成して消費者に頒布し、消費者の注文に基づいて「株式会社シャレル東京」から商品を仕入れることになる。 換言すれば、メーカーである「株式会社ミヤコ袋物店」は本件商標を使用した絵型を用いて販売会社である「株式会社シャレル東京」と取引を行い、「株式会社シャレル東京」はこの絵型を用いて各通信販売会社を始めとする小売店との間で取引を行い、各通信販売会社はその選択に係る本件商標を使用した商品をチラシやカタログを用いて消費者に広告すると共に商品を周知させ、消費者は本件商標によって商品を選択して購入申込を行い、商品を購入しているのである。 (6)まとめ したがって、被請求人が商品取引市場において本件商標を指定商品について使用していることは明らかであり、本件商標がいずれの指定商品についても継続して3年以上使用されていないことを理由としてその登録を取り消すことはできない。 4 当審の判断 (1)被請求人提出の証拠(乙第1号証ないし乙第6号証)によれば、商標権者の合併前、本件商標の通常使用権者であったと認められる株式会社シャレル東京が、平成16年5月に株式会社大丸との間で、また、平成17年9月、平成18年3月及び同6月に三越株式会社との間で、「AGATHA」の文字を表示した手提げバッグ、ショルダーバッグ、ポシェット、リュック等を現に取引したと認め得るものである。 (2)しかして、本件商標と前記使用に係る商標「AGATHA」とはその構成態様を同じにするものであり、また、当該商標の使用に係る商品は本件商標の指定商品に包含されるものであること明らかである。 してみると、本件商標は、指定商品中「バッグ類」について、本件審判請求の登録前3年以内と認められる時期に、通常使用権者によって使用をされたと認め得るものである。 (3)したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが指定商品について使用をしていないものには該当しないから、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできないものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-01-07 |
結審通知日 | 2008-01-11 |
審決日 | 2008-01-23 |
出願番号 | 商願昭54-82391 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(118)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
渡邉 健司 岩崎 良子 |
登録日 | 1982-10-27 |
登録番号 | 商標登録第1545326号の1(T1545326-1) |
商標の称呼 | アガサ、アガタ |
代理人 | 肥田 正法 |
代理人 | 佐藤 雅巳 |
代理人 | 古木 睦美 |