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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
取消2007300404 審決 商標
審判199930552 審決 商標
取消200130551 審決 商標
審判199930328 審決 商標
無効2008890064 審決 商標

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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 117
管理番号 1179310 
審判番号 取消2007-300236 
総通号数 103 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-07-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-03-07 
確定日 2008-06-02 
事件の表示 上記当事者間の登録第1953147号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1953147号商標(以下「本件商標」という。)は、「テディベアー」及び「TEDDYBEAR」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和60年2月7日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として昭和62年5月29日に設定登録され、その後、平成9年5月27日及び平成18年12月26日の2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

2 請求人の主張の要点
請求人は、商標法第50条第1項の規定により本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証を提出している。
(1)請求の理由
請求人が種々調査した結果、本件商標は商標権者により、少なくとも過去3年以内に日本国内で本件商標と「同一形態(ロゴ)の商標の使用」がされていないことが判明した。
したがって、本件商標は取消されるべきものである。
(2)弁駁の理由
(ア)「本件商標」の使用は正確でない。
「本件商標」はカタカナ文字の「テディベアー」と英文字の「TeddyBear」が同じ大きさで上下に組み合わせてあり、それが「登録要件」である。然るに被請求人が市場で使用したとして提出した「証拠」を見ると「TeddyBear」のみが使用されているに過ぎない。それは後述するように「不正な目的」で使用する為であった。その為「商標登録」をより容易に得る為、敢えて「カタカナ」を組み合わせて商標出願したに過ぎない。
このように目的を変えて使用することは好ましくなく、登録した商標の一部を使用しただけで、被請求人が終始主張する如く「社会通念上同一と認める商標」を使用したとこじつけるのは容認出来ず、「正確」な登録商標の使用とは言えない。
(イ)被請求人が主張するような「社会通念上同一と認められる商標」等の使用方法が認められるとすれば、有名な「ブランド名」の「類似商標」や「周辺商標」を故意に「商標登録」して、実際には更に上記「有名ブランド」に近いものを使用する事が可能であり社会的に各方面で不正が行われるようになる。
(ウ)被請求人が主張するアルファベットの使い方にはさしたる理由も無い。
後述する如く「Teddy」が「セオドア・ルーズベルト大統領」のニックネームであることを考えれば「Teddy(セオドア)テディベア」と言われるもので、それらを想像させる為、最初の文字を大文字でその他を小文字に、故意に変更したものとしか考えられない。
(エ)被請求人と「ドウシシャ」の関係が不明瞭である。
被請求人は「ドウシシャ」が「通常使用権者」と主張するが、提出された「商標登録原簿」にはその登記がない。
(オ)「本件商標」の使用は「不正な目的」で為されている。
「本件商標」の使用は「商標登録制度」の目的である、自己の商品を長年の努力や投資によって消費者に著名にさせ認知させ、その成果や努力を「商標権者」に長く報いるものとするのでは無く、ただ単に米国第26代「セオドア・ルーズベルト大統領」の有名なエピソードである「小熊のテディベア」の「著名性」に便乗し商売をする為であったとしか考えられない。
その為、被請求人の使用は英文字の「TeddyBear」に限定したものである。個々の商品には「小熊のテディベア」の絵をあしらい、その事のみを大きく強調して、一般の消費者にあたかも自分達が「セオドア・ルーズベルト大統領」と関係あるような誤認をさせる使用をしている。
被請求人が提出した証拠写真(乙第3号証)を見てみると、ギフト箱を開けた状態(最初の写真)の上部のブランド名「TeddyBear」の下に「SINCE 1902」と書かれている。その他、ギフト箱そのもの(最後の写真)にも同じ「SINCE 1902」の表示がある。この1902年は「セオドア・ルーズベルト大統領」が狩りに行って「小熊に会った日」であり、エピソードの期日そのものである。(甲第1号証)
被請求人も「テディベア」が「セオドア・ルーズベルト大統領」の「知的財産権」であることは提出した「ジーニアス英和辞典」(乙第4号証)・「ランダムハウス英和大辞典」(乙第5号証)にも記述されているように、自ら認識しているはずだ。
これは「不正競争防止法」に抵触する「不法」行為であると言える。このような使用法は認められない。
(カ)このような国際間での信用を失墜させる行為を「日本の特許庁」としても放置するべきではない。そもそも「セオドア・ルーズベルト大統領」のエピソード「テディベア」は有名であり、先進国では「テディベア」は「小熊の人形」として「一般名称」とされ「商標登録」が出来ない商標となっている。
(キ)「テディベア」は知的財産権である。
「TEDDY BEAR」とは、アメリカの「セオドア・ルーズベルト大統領」のニックネームである。「TEDDY BEAR」はルーズベルトの小熊」として知られている。そもそも「TEDDY BEAR」は、「ルーズベルト大統領」のエピソードによって1902年に誕生している。そのことは多くの人が知るところである。現在はアメリカは元より全世界で「TEDDY BEAR」はアメリカ第26代「セオドア・ルーズベルト大統領」の「知的財産権」として認められている。これに関する資料を提出する。(甲第1号証)
(ク)そもそも「Teddy」は「セオドア・ルーズベルト大統領」のニックネームであり、現在でも、第二次大戦当時の有名な「フランクリン・ルーズベルト大統領」と区別する為、アメリカ人が「セオドア・ルーズベルト」を「Teddy」の愛称で呼ぶのが一般的な習慣となっている。
(ケ)請求人は正規の「テディベア」商標の使用権者である。
1907年アメリカの「セオドア・ルーズベルト大統領」の偉業を称えるために公益法人「セオドア・ルーズベルト協会」が設立された。
請求人は平成17年4月15日、同協会と契約して同協会の「知的財産」である「テディベア」商標の日本での使用権を得ている立場である。(甲第2号証)
協会が請求人に与えた「委任状」及び請求人が協会から日本国内での「商標出願」を行うことを認められた書類を提出する。(甲第3号証及び甲第4号証)
(コ)「セオドア・ルーズベルト協会」はアメリカで国民の尊敬を集めた公的機関である。(甲第5号証)
(タ)「セオドア・ルーズベルト大統領」は「日露戦争」を仲裁した日本の大恩人である。
上記「ルーズベルト協会」では、日米の政財界からの強い要請もあり、2005年9月に「日露戦争終結100周年記念行事」を行った。
アメリカでは、2005年、米国ニューハンプシャー州のダートマス大学において日露講和条約調印100周年を記念する「国際会議」が開催された。(甲第6号証)
日本では、「日本海海戦」に関係した「東郷神社」で、5月28日に「100周年記念式典」が行われた、日本を代表する政財界の人々が参列された。(甲第7号証)
(チ)それらの行事の一環として、「セオドア・ルーズベルト協会」が2005年9月に行った「日露戦争終結100周年」を記念する為の「商品化」をし、その収入を日米同事業の活動資金にしたいとの要請に従い請求人がその事業を行ったところ、被請求人の「類似商標権侵害」抗議等の妨害を受けその事業を中止せざるを得なくなっている。
又、同協会より請求人が「ROOSEVELT TEDDY BEAR」の商標登録申請を行ったところ、本件商標が「類似商標」として登録を拒まれている。
その為に、上記協会より「他人の著名名称を日本の会社が無断で商標登録し、且つ同事業の妨害を行った」と、大変な非難を浴びた。
以上の事情があり、被請求人の不正な事業の継続には反対している。
(ツ)被請求人の商標登録行為は「知的財産権」を否定するものである。
最近も「イナバウアー商標事件」の新聞報道がされたが、近年の「知的高等裁判所」設立以来、日本でも商標の「先願主義」の行き過ぎが否定されている。
その商標が外国で如何に著名であるかが尊重されている。その点従来の日本にあった「先願主義」(早い者勝ち)の考えは時代に即さず、多くが否定されている。それらの類似事件を提出する。
a)イナバウアー b)キューピー運送会社 c)くまのプ一さん d)赤毛のアン e)ELLE f)CHANEL g)阪神優勝 h)キューピー食品会社(甲第8号証)と(i)上記事件等の第三者のニュース(l)及び(j)上記事件等の第三者のニュース(2)を提出する。(甲第9号証及び甲第10号証)
「本件商標」はその最たるもので、被請求人は米国の「セオドア・ルーズベルト大統領」の「著名性」と「信用性」を悪用して金儲けを行う行為であり、アメリカ国内でも大変な非難を受けている。
請求人が本件商標を出願した当時「昭和60年」は今から22年前であり、その当時との商標権を含めた「各知的所有権」の認識は大きく進化しており、そのような傾向を踏まえての判断を期待したい。

3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第15号証(枝番を含む。)を提出している。
本件商標は、通常使用権者が、社会通念上同一と認められる商標を、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、取消請求に係る指定商品について使用している。
(1)乙第3号証は、通常使用権者である株式会社ドウシシャ(以下「ドウシシャ」という。)が、実際に販売したタオルの写真である。3種類のタオルには、いずれも、端の方に「TeddyBear」の文字が表示されている。また、それぞれのタオルに付されたタグにも、「TeddyBear」の文字が表示されている。さらには、タオルセットの包装箱の上面と側面にも、「TeddyBear」の文字が大きく表示されている。
本件商標は、その構成文字に相応し、「テディベアー」の称呼を生ずるものである。欧文字部分の「TEDDYBEAR」は、「ぬいぐるみの熊」を意味する英語であり(乙第4及び第5号証)、わが国において定着しているものである。そして、カタカナ文字部分の「テディベアー」は、該英語の音を表記したものである。他方、使用されている商標「TeddyBear」(以下「使用商標」という。)は、本件商標を構成する「TEDDYBEAR」と同一の文字からなり、「T」「B」の文字以外を小文字にしたにすぎないものである。したがって、使用商標は、本件商標と同一の称呼及び観念のみを生ずるものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。
また、販売された商品である「タオル」は、「布製身回品」に該当し、取消請求に係る指定商品に包含されるものである。
さらに、タグの裏面には、「企画・発売元 株式会社ドウシシャ」と表示され、ドウシシャがこのタオルを販売したことがわかる。
(2)乙第6号証は、被請求人からドウシシャに送った本件商標の使用料の請求書の写しであり、乙第7号証は、被請求人名義の当座勘定照合表の写しである。乙第6号証の1において、平成16年(2004年)10月18日付で、被請求人がドウシシャに2004年4月1日から9月30日までの使用料を請求しており、これに対応し、乙第7号証の1において、平成16年(2004年)10月29日付で、ドウシシャがその金員を被請求人名義の当座預金口座に振り込んでいる。乙第6号証の2、乙第7号証の2以下についても、上記と同様に対応している。これらのことから、ドウシシャが本件商標の通常使用権者であることがわかる。
(3)乙第8号証は、使用商標を付したタオルを掲載したカタログであって、ドウシシャが頒布したものの抜粋写しである。当該カタログには、乙第3号証で示したタオルと同一の商品の写真が表示され、ページ上部中央及び各商品名の上部に「TeddyBear」の文字が表れている。また、当該カタログの表紙下部には、「2004 Spring & Summer」と表示されているので、2004年4月には頒布されていたことがわかる。
乙第9号証は、ドウシシャの仕入先買掛元帳の抜粋写しである。ページ左上部の「仕入先」の欄に記載されている「(株)クリエーション」は、乙第8号証で示したカタログの印刷者である。2004年3月22日及び23日の「商品名」の欄に「ヒットセラー カタログ VOL VOL.1」とあり、その右の「数量」の欄には、上から「300」「11,200」「4,000」「2,000」の数字が表示されている。これらのことから、ドウシシャが、株式会社クリエーションから、当該カタログを2004年3月22日及び23日に計17,500部仕入れていることがわかり、これを同年4月以降頒布したことが推認される。
以上のとおり、ドウシシャは、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した商品カタログを、2004年4月以降頒布していたものである。
(4)乙第10号証は、使用商標を付したタオルを掲載したカタログの抜粋写しである。当該カタログは、株式会社エニシルが2004年中を通して225,800部頒布したものであり、乙第3号証で示したタオルと同一の商品の写真が表示され、ページ中央よりやや左上に「TeddyBear」の文字が表れている。また、当該カタログの表紙下部には、「2004 GOLDEN GIFT」と表示されているので、2004年中を通して頒布されていたことがわかる。さらに、当該カタログの裏表紙には、「社団法人全日本ギフト用品協会 認定No.1003」と表示されており、乙第11号証により、カタログによるギフト商品の卸売販売をしている「株式会社エニシル」のカタログであることが推認できる。
乙第11号証は、社団法人全日本ギフト用品協会のウェブページ抜粋写しである。これによると、ギフト商品の販売をしている同協会の会員が発行するカタログの信用・信頼度を、同協会が審査し、認定番号を承認、付与することになっている。そして、「認定番号1003」が付されているのは、「(株)エニシル」が発行する「Golden Gift」であり、乙第10号証に示したカタログと一致する。
乙第12号証は、株式会社エニシルのウェブページ抜粋写しである。乙第10及び第11号証とあわせみると、株式会社エニシルは、カタログを用いて、使用商標を付したタオルを販売していた。
(5)以上より、通常使用権者が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、取消請求に係る指定商品について使用していることは明らかである。

4 当審の判断
(1)請求人は「被請求人は『株式会社ドウシシャ』が『通常使用権者』と主張するが、提出された『商標登録原簿』にはその登記がない」旨主張しているので、この点について検討する。
商標権者は、当該商標権について他人に通常使用権を許諾することができるとされ、その登録の効果は当該商標権又は専用使用権をその後に取得した者に対してその効力を生ずるとされ(商標法第31条第1項)、通常使用権の発生の要件は商標権の登録原簿への登録によるものでなく、当事者間の許諾契約により効力を生ずるものと解される。
また、被請求人の提出に係る乙第3号証(タオルの写真)によれば、株式会社ドウシシャが、実際に販売したタオルと認められ、さらに乙第6号証及び乙第7号証によれば、株式会社ドウシシャが、被請求人に対して使用料を支払っていることが認められる。
してみれば、当該販売の写真(乙第3号証)の存在と使用権の使用料と認められる書証(乙第6号証及び乙第7号証)により、被請求人(商標権者)と株式会社ドウシシャ(通常使用権者)との関係は証明されたものといえるから、株式会社ドウシシャは、本件商標に関する通常使用権者であるといい得るものである。
(2)次に、被請求人の提出に係る証拠についてみれば、以下の事実が認められる。
(ア)乙第3号証は、通常使用権者が実際に販売した「タオル」(以下「使用商品」という。)の写真と認められるところ、該使用商品自体、また、そのタグ及び包装箱には、「TeddyBear」(使用商標)の文字が表示されており、その使用商標と本件商標の欧文字部分とは、その綴り字において「T」及び「B」の文字以外を小文字で表しているが、両者から生ずると認められる「テディベアー」の称呼を同じくするものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということができる。
また、使用商品は、本件商標の指定商品中「布製身回品」の範疇に属する商品であると認められる。
(イ)乙第6号証の1は、被請求人から通常使用権者に送った本件商標の使用料の請求書及び乙第7号証の1は、被請求人名義の当座勘定照合表とそれぞれ認められるところ、平成16年10月18日付で、被請求人が通常使用権者に平成16年4月1日から同年9月30日までの使用料を請求しており、これに対応し、平成16年10月29日付で、通常使用権者がその金員を被請求人名義の当座預金口座に振り込んでいることが認められる。
乙第6号証の2、乙第7号証の2についても、同様に平成17年4月26日付で、被請求人が通常使用権者に平成16年10月1日から平成17年3月31日までの使用料を請求しており、これに対応し、平成17年5月12日付で、通常使用権者がその金員を被請求人名義の当座預金口座に振り込んでいること、及び、乙6号証の3、乙7号証の3以下についても、同様に平成17年10月24日付で、被請求人が通常使用権者に平成17年4月1日から平成17年9月30日までの使用料を請求しており、これに対応し、平成17年10月31日付で、通常使用権者がその金員を被請求人名義の当座預金口座に振り込んでいることが認められる。
そして、該乙第6号証及び乙第7号証と上記乙第3号証から、使用商標を付した使用商品は、本件審判の請求の登録日前3年以内に使用されていたものと認められる。
(ウ)乙第8号証は、使用商標を付した使用商品を掲載したカタログと認められるところ、該カタログには、乙第3号証の使用商品とほぼ同一の写真が表示され、ページ上部中央及び各商品名の上部に「TeddyBear」の文字が表されている。
また、該カタログの表紙下部には、「2004 Spring & Summer」と表示されていることから、該カタログは、2004年の春以降には頒布されていたと認められる。
(エ)乙第9号証は、通常使用権者の仕入先買掛元帳と認められるところ、ページ左上部の「仕入先」の欄に記載されている「(株)クリエーション」は、上記乙第8号証のカタログの印刷業者と認められ、2004年3月22日及び同月23日の「商品名」の欄に「ヒットセラー カタログ VOL VOL.1」とあり、その右の「数量」の欄には、上から「300」「11,200」「4,000」「2,000」の数字が表示されていることから、通常使用権者が、株式会社クリエーションから、該カタログを2004年3月22日及び同月23日に計17,500部納入され、これを同年4月以降頒布したことが推認される。
そして、該乙第8号証及び乙第9号証から、通常使用権者は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付したカタログを、2004年4月以降頒布していたものといい得るものであるである。
(オ)乙第10号証は、使用商標を付した使用商品を掲載したカタログと認められるところ、該カタログには、乙第3号証の使用商品とほぼ同一の写真が表示され、ページ中央よりやや左上に「TeddyBear」の文字が表されている。
また、該カタログの表紙下部には、「2004 GOLDEN GIFT」と表示されていることから、2004年中を通して頒布されていたと認められる。さらに、該カタログの裏表紙には、「社団法人全日本ギフト用品協会 認定No.1003」と表示されており、乙第11号証により、カタログによるギフト商品の卸売販売をしている「株式会社エニシル」のカタログであることが推認できる。
(カ)乙第11号証は、社団法人全日本ギフト用品協会のウェブページと認められるところ、これによると、ギフト商品の販売をしている同協会の会員が発行するカタログの信用・信頼度を、同協会が審査し、認定番号を承認、付与することになっている。
そして、「認定番号1003」が付されているのは、「(株)エニシル」が発行する「Golden Gift」であり、乙第10号証のカタログと一致するものである。
(キ)乙第12号証は、株式会社エニシルのウェブページと認められるところ、該ウェブページと乙第10号証及び乙第11号証とをあわせみると、株式会社エニシルは、カタログを用いて、使用商標を付した使用商品を販売していたといい得るものである。
(3)以上の認定事実を総合すると、少なくとも、本件審判の請求の登録日(平成19年3月26日)前3年以内には、通常使用権者が本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用商品について使用していたものと認められる。
(4)請求人は、甲第1号証ないし第10号証提出し、上記2(2)弁駁の理由の(オ)ないし(ツ)において種々述べている。
しかしながら、本件取消審判は、商標法第50条の規定に基づくもので、その趣旨は、「本条は、登録商標の不使用による商標登録の取消の審判についての規定である。
すなわち、商標法上の保護は、商標の使用によって蓄積された信用に対して与えられるのが本来的な姿であるから、一定期間登録商標の使用をしない場合には保護すべき信用が発生しないかあるいは発生した信用も消滅してその保護の対象がなくなると考え、他方、そのような不使用の登録商標に対して排他独占的な権利を与えておくのは国民一般の利益を不当に侵害し、かつ、その存在により権利者以外の商標使用希望者の商標の選択の余地を狭めることとなるから、請求をまってこのような商標登録を取り消そうというのである。いいかえれば、本来使用しているからこそ保護を受けられるのであり、使用をしなくなれば、取り消されてもやむを得ないというのである。(工業所有権法逐条解説 第16版)であって、上記2(2)(オ)ないし(ツ)の主張は、該趣旨に該当しないものであるから、請求人の主張は採用することができない。
(5)以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、指定商品中「布製身回品」の範疇に属する使用商品について通常使用権者により使用されていたものと認められるから、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-12-05 
結審通知日 2007-12-11 
審決日 2007-12-27 
出願番号 商願昭60-9965 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (117)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 小林 和男
特許庁審判官 石田 清
小川 きみえ
登録日 1987-05-29 
登録番号 商標登録第1953147号(T1953147) 
商標の称呼 テディベアー、テッディーベアー 
代理人 曾我 道治 
代理人 岡田 稔 
代理人 坂上 正明 

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