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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない Y30
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y30
管理番号 1179223 
審判番号 不服2007-19615 
総通号数 103 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-07-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-07-12 
確定日 2008-05-21 
事件の表示 商願2005-117552拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年12月14日に登録出願されたものである。そして、願書記載の商品については、同18年8月25日付け及び同18年10月24日付けの2度の手続補正書により補正された結果、第30類「あんかけ用のとろみをつけた調味料,その他の調味料(但し、水あめ及び氷砂糖を除く。)」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2289716号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和63年9月22日に登録出願、第31類「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」と指定商品として、平成2年12月26日に設定登録され、その後、平成13年11月14日に指定商品を第30類「調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」とする指定商品の書換登録がされたものである。
同じく登録第2353365号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和63年10月6日に登録出願、第31類「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」と指定商品として、平成3年11月29日に設定登録され、その後、平成13年11月21日に指定商品を第1類「人工甘味料」、第5類「乳糖,乳児用粉乳」、第29類「食用油脂,乳製品」、第30類「調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」、第31類「ホップ」及び第32類「ビール製造用ホップエキス」とする指定商品の書換登録がされたものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおりであるところ、その構成中、右側に書された「銀あん」の文字部分は、指定商品との関係からみると「あんかけのあんの一つで、調味しただしを煮立たせて、その中に水溶きカタクリ粉を加えてとろみをつけたもの。」を指称する語であるとことが認められる(社団法人 全国調理師養成施設協会編集発行、「調理用語辞典」282頁 平成10年3月14日 第一版第17刷発行。)。
そうとすると、本願商標の構成中、上記のとおりの意味を有する「銀あん」の文字部分は、「あんかけのあんの一つ」程の意味合いを容易に認識させるものであり、本願の指定商品との関係では、自他商品識別標識としての識別力を有しないか、又は、弱いものといわざると得ないから、本願商標において自他商品識別標識としての識別力を有する部分は、構成中の左側に、黒塗りの矩形内に顕著に書された「極」の漢字と、その下に小さくその読みを表示したと認め得る「きわみ」の平仮名文字とみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、「極」及び「きわみ」の文字部分に相応して「キワミ」の称呼及び「きわまるところ。」の観念を生ずと判断するのが相当である。
これに対し、引用商標1は、別掲(2)のとおり、左上から右下斜めに向かって毛筆書風に「きわみ」の平仮名文字を大きく書し、その下段に、円輪郭内に「一番」の文字を配した図形と、その右横に「一番食品株式会社」の文字とを小さく配した構成からなるものであるところ、これら文字部分と図形部分とを常に一体とみるべき特段の事情がないところから、その構成中、看者の注意を惹き易く顕著に大きく書された「きわみ」の文字部分を捉え、取引に資されることも少なくないというべきである。
そうとすると、引用商標1は、該文字に相応して「キワミ」の称呼及び「きわまるところ。」の観念を生ずというべきである。
同じく、引用商標2は、別掲(3)のとおり、縦長矩形輪郭内に、左下から右上にせり上がった波の上に魚が飛び跳ねているような図形を配し、やや左上には、大きく毛筆書風に「極」の漢字とその左側に「極」の読みを表示したと認め得る「きわみ」の平仮名文字を小さく配し、この縦長矩形輪郭の右縦辺に向かって「KIWAMI」の欧文字を配した構成からなるところ、これら文字部分と図形部分とを常に一体とみるべき特段の事情がないところから、その構成中、看者の注意を惹き易く顕著に大きく書された「極」及び「KIWAMI」の文字部分を捉え、取引に資されることも少なくないというべきである。
してみれば、引用商標2は、該文字に相応して「キワミ」の称呼及び「きわまるところ。」の観念を生ずるというべきである。
そうすると、本願商標と引用商標1及び引用商標2とは、それぞれの構成に照らし外観上の差異があってもなお、「キワミ」の称呼及び「きわまるところ。」の観念を共通にする類似の商標であり、また、本願商標の指定商品は、各引用商標の指定商品中に包含されると認め得るものである。
なお、請求人は、引用商標1及び引用商標2は、併存登録されているものであり、各引用商標の出願から登録までの経緯(物件第4号証ないし第13号証を提出している。)を参照すると、引用商標1では「きわみ」、引用商標2では「極/きわみ/KIWAMI」の各文字は、いずれも自他商品識別力を欠き、類否判断の対象とされるべきではないと判断されたものと認められるから、これらの存在(引用商標1及び引用商標2)により本願商標を拒絶した原審の認定は、極めて不当である旨主張している。
しかしながら、請求人は、「極」等の文字が、自他商品識別力としての機能を果たし得ないとする証拠を何ら提出しているものでなく、また、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断するべきものであり、過去の登録例等の判断に拘束されることなく検討されるべきものと解されるから、請求人の上記主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第4条1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)本願商標




(2)引用商標1




(3)引用商標2




審理終結日 2008-03-03 
結審通知日 2008-03-10 
審決日 2008-04-07 
出願番号 商願2005-117552(T2005-117552) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (Y30)
T 1 8・ 262- Z (Y30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 福島 昇 
特許庁審判長 小林 和男
特許庁審判官 小川 きみえ
石田 清
商標の称呼 キワミギンアン、キワミ、ギンアン 
代理人 特許業務法人松田特許事務所 

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