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審判番号(事件番号) データベース 権利
取消200230169 審決 商標
取消200331116 審決 商標

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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z09
管理番号 1179178 
審判番号 取消2007-300395 
総通号数 103 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-07-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-04-02 
確定日 2008-05-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第4480538号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4480538号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4480538号商標(以下「本件商標」という。)は、「MYRIAD RECORDS」及び「ミリアッド レコーズ」の文字を2段に横書きしてなり、平成11年3月3日に登録出願、第9類「録音済みコンパクトディスクその他のレコード,録画済みコンパクトディスク,電子応用機械器具及びその部品,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、平成13年6月8日に設定登録されたものである。そして、平成19年4月17日に本件審判の請求の登録がされたものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しない。
よって、本件商標は商標法第50条の規定により取消しを免れないものである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 被請求人により提出された証拠について検証する。
(ア)乙第2号証ないし乙第6号証について
被請求人は乙第2号証ないし乙第6号証として、「MYRIAD RECORDS」が付されていると主張する下記の「録音済みコンパクトディスク」の写真を提出している。
乙第2号証;アーティスト名「DEVELOP=FRAME」曲名「Realize」品番CODA-1792
乙第3号証;アーティスト名「DEVELOP=FRAME」曲名「CHASE」品番CODA-1835
乙第4号証;アーティスト名「洞口桃子」曲名「Do me right」品番COCA-15359
乙第5号証;アーティスト名「Dear」曲名「Song for・・・」品番CODA-1793
乙第6号証;アーティスト名「洞口桃子」曲名「NUDE」品番CODA-1830
上記は、いずれもシングルサイズのコンパクトディスクであるが、これらのディスクが収納されているケースは、乙第2号証及び乙第3号証は長方形のケースであり、乙第4号証ないし乙第6号証は正方形のケースである。
まず、乙第2号証及び乙第3号証の長方形のケースには、裏面にコロムビアミュージックエンタテインメント株式会社(以下、「コロムビアミュージックエンタテインメント」という。)と株式会社アンリミテッドグループの標章と思われる図形と並べて、ミリアッドレコーズの頭文字「M」を模したと思われる標章(以下、「M図形」という。)があり、M図形の下に英文字「MYRIAD RECORDS」が小さく記されている。
次に、乙第4号証ないし乙第6号証の正方形のケースには、裏面に、コロムビアミュージックエンタテインメントと株式会社アンリミテッドグループの標章と思われる図形と並べてM図形の下に小さく記された「MYRIAD RECORDS」の文字があり、図形の右に「MYRIAD RECORDS」,「UNLIMITED RECORDS」、「COLUMBIA RECORDS」の英文字が記されている。
さらに、乙第4号証及び乙第6号証の正方形ケース表面のコード番号左、コンパクトディスクの表面にも、M図形とともに解読不可能な程小さく「MYRIAD RECORDS」の文字が記されている。
以上の証拠を見ると、自他商品の識別標識として使用されているのはM図形であって、「MYRIAD RECORDS」は付記的に記されているようにも見受けられるが、仮に「MYRIAD RECORDS」が自他商品の識別標識として付されていたとしても、付された時期が上記証拠からは不明である。
被請求人が乙第2号証ないし乙第6号証として提出している「録音済みコンパクトディスク」は8cmサイズのものであるが、当該サイズの商品は現在ではまず見かけないものである。
2000年の初めから、CDショップの12cmサイズ用ディスプレイ棚が充実し始めたこともあり、全体的なレコード業界の流れとして、シングルであっても、8cmサイズではなく12cmサイズを生産するようになっていったのである。
少なくとも、2000年の終わり頃には、8cmサイズのコンパクトディスクを見かけることはほぼ無くなったと考えられるため、乙第2号証ないし乙第6号証は2000年前後に制作されたコンパクトディスクと推測される。
よって、これら旧型のコンパクトディスクが実際に本件審判の請求の登録前3年以内に我が国において販売されていたことが必要である。
(イ)乙第7号証ないし乙第15号証について
被請求人は、乙第7号証ないし乙第15号証として、これらの「録音済みコンパクトディスク」の販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから発売元である被請求人に対し、発行された印税支払明細書(2004年4月より2006年6月まで)の写しを提出している。
被請求人は上記印税支払明細書に乙第2号証ないし乙第6号証に係る品番が明記されていることをもって、本件商標が使用されている事実としている。
しかし、そもそも印税支払明細書は楽曲ごとの著作権使用料の支払を示すものであり、商品であるコンパクトディスク自体の流通を示すものではない上に、乙第7号証ないし乙第15号証を確認した限りにおいては、上記品番に係る楽曲への著作権使用料さえも、発生していないように見受けられる。
(a)乙第7号証について
右上に「04-6-30 8687」と記されたページに、「カタログ番号」として、品番COCA-15359(乙第4号証)、品番CODA-1830(乙第6号証)、品番CODA-1793(乙第5号証)、品番CODA-1792(乙第2号証)、品番CODA-1835(乙第3号証)が、確かに記載されている。
そして、カタログ番号の右を見ると、「計算基準率」、「印税単価」、「計算印税額」の欄が黒く塗りつぶされており、ここにどのような数字が記されていたのか不明である。また、それ以外の欄である「基準数量」、「控除数量」、「計算対象数量」の欄には塗りつぶされた跡がなく、何も記載されていない。
他の品番と比べてみると、乙第7号証の右上に「04-6-30 8689」と記されたページの品番COCX-30886および品番COCX-31034の行のみ、「計算基準率」、「印税単価」だけではなく右の「基準数量」、「計算対象数量」、「計算印税額」の欄にも黒く塗りつぶされた跡がある。
同じページの品番COCA-15361の「計算印税額」には塗りつぶされることなく「0」の数字が示されているが、当該品番の「基準数量」および「計算対象数量」の欄は空欄となっており、何も数字が記載されていない。
以上のことから、対象となる計算期間に著作権使用料が発生すると、「基準数量」に数字が記載され、これから「控除数量」を引いた「計算対象数量」に「印税単価」を乗じたものが「計算印税額」として記されていると推察される。
よって、「基準数量」、「計算対象数量」および「計算印税額」に数字が記載されていないものについては、対象となる計算期間に著作権使用料が発生していないことがわかる。
そうすると、乙第7号証の右上に「04-6-30 8687」と記されたページの乙第2号証ないし乙第6号証に対応する品番の「基準数量」、「計算対象数量」の欄は空欄であることから、これらの楽曲に対する著作権使用料は発生しておらず、当該品番に係る商品が2004年4月から2004年6月の間に市場において取引された形跡は見受けられない。
(b)乙第8号証について
右上に「04-9-30 12614」と記されたページに、「カタログ番号」として、品番COCA-15359、品番CODA-1830、品番CODA-1793、品番CODA-1792、品番CODA-1835が記載されている。
しかし、カタログ番号の右の「計算基準率」、「印税単価」、「計算印税額」の欄が黒く塗りつぶされ、それ以外の欄である「基準数量」、「控除数量」、「計算対象数量」の欄には塗りつぶされた跡がなく、何も記載されていない。
よって、2004年7月から2004年9月の間にも、これらの楽曲の著作権使用料は発生しておらず、当該品番に係る商品が市場において取引された形跡は見受けられない。
(c)乙第9号証について
右上に「04-12-31 9122」と記されたページに、「カタログ番号」として、品番COCA-15359、品番CODA-1830、品番CODA-1793、品番CODA-1792、品番CODA-1835が記載されている。
カタログ番号の右の「計算基準率」、「印税単価」、「計算印税額」の欄は黒く塗りつぶされ、それ以外の「基準数量」、「控除数量」、「計算対象数量」の欄には塗りつぶされた跡がなく、何も記載されていない。
なお、「計算印税額」の欄は塗りつぶされているものの、「0」という数字が記載されていることを所々確認することができる。よって、上述の推認のとおり、「基準数量」、「計算対象数量」が空欄となっている乙第2号証ないし乙第6号証に関しては「計算印税額」が「0」であることが見て取れる。
このため、2004年10月から2004年12月の間にも、これらの楽曲の著作権使用料は発生しておらず、当該品番に係る商品が市場において取引された形跡は見受けられない。
(d)乙第10号証について
右上に「05-3-31 13076」と記されたページに、「カタログ番号」として、品番COCA-15359、品番CODA-1830、品番CODA-1793、品番CODA-1792、品番CODA-1835が、記載されている。
カタログ番号の右の「計算基準率」、「印税単価」、「計算印税額」の欄は黒く塗りつぶされ、それ以外の「基準数量」、「控除数量」、「計算対象数量」の欄には塗りつぶされた跡がなく、何も記載されていない。
なお、「計算印税額」の欄は塗りつぶされているものの、「0」という数字が記載されていることを所々確認することができ、乙第2号証ないし乙第6号証に関する「計算印税額」が「0」であることが見て取れる。
このため、2005年1月から2005年3月の間にも、これらの楽曲の著作権使用料は発生しておらず、当該品番に係る商品が市場において取引された形跡は見受けられない。
(e)乙第11号証について
右上に「05-6-30 9459」と記されたページに、「カタログ番号」として、品番COCA-15359、品番CODA-1830、品番CODA-1793、品番CODA-1792、品番CODA-1835が記載されている。
カタログ番号の右にある「計算基準率」、「印税単価」、の欄は黒く塗りつぶされ、それ以外の欄である「基準数量」、「控除数量」、「計算対象数量」の欄には塗りつぶされた跡がなく、何も記載されていない。
なお、乙第11号証においては、「計算印税額」の欄が全く塗りつぶされておらず、全て「0」という数字が記載されていることがはっきりと分かる。
よって、2005年4月から2005年6月の間の当該品番に係る「計算印税額」は「0」であり、これらの楽曲の著作権使用料は発生しておらず、商品が市場において取引された形跡はない。
(f)乙第12号証について
右上に「05-9-30 13453」と記されたページに、「カタログ番号」として、品番COCA-15359、品番CODA-1830、品番CODA-1793、品番CODA-1792、品番CODA-1835が記載されている。
カタログ番号の右の「計算基準率」、「印税単価」、「計算印税額」の欄は黒く塗りつぶされ、それ以外の「基準数量」、「控除数量」、「計算対象数量」の欄には塗りつぶされた跡がなく、何も記載されていない。
よって、2005年7月から2005年9月の間にも、これらの楽曲の著作権使用料は発生しておらず、当該品番に係る商品が市場において取引された形跡は見受けられない。
(g)乙第13号証について
右上に「05-12-31 9754」と記されたページに、「カタログ番号」として、品番COCA-15359、品番CODA-1830、品番CODA-1793、品番CODA-1792、品番CODA-1835が記載されている。
カタログ番号の右にある「計算基準率」、「印税単価」、「計算印税額」の欄は黒く塗りつぶされ、それ以外の欄である「基準数量」、「控除数量」、「計算対象数量」の欄には塗りつぶされた跡がなく、何も記載されていない。
なお、「計算印税額」の欄は塗りつぶされているものの、「0」という数字が記載されていることを所々確認することができ、乙第2号証ないし乙第6号証に関する「計算印税額」が「0」であることが見て取れる。
よって、2005年10月から2005年12月の間にも、これらの楽曲の著作権使用料は発生しておらず、当該品番に係る商品が市場において取引された形跡は見受けられない。
(h)乙第14号証について
右上に「06-3-31 14004」と記されたページに、「カタログ番号」として、品番COCA-15359、品番CODA-1830、品番CODA-1793、品番CODA-1792、品番CODA-1835が記載されている。
カタログ番号の右の「計算基準率」、「印税単価」、「計算印税額」の欄は黒く塗りつぶされ、それ以外の「基準数量」、「控除数量」、「計算対象数量」の欄には塗りつぶされた跡がなく、何も記載されていない。
よって、2006年1月から2006年3月の間にも、これらの楽曲の著作権使用料は発生しておらず、当該品番に係る商品が市場において取引された形跡は見受けられない。
(i)乙第15号証について
右上に「06-6-30 10171」と記されたページに、「カタログ番号」として、品番COCA-15359、品番CODA-1830、品番CODA-1793、品番CODA-1792、品番CODA-1835が記載されている。
カタログ番号の右の「計算基準率」、「印税単価」、「計算印税額」の欄は黒く塗りつぶされ、それ以外の欄である「基準数量」、「控除数量」、「計算対象数量」の欄には塗りつぶされた跡がなく、何も記載されていない。
よって、2006年4月から2006年6月の間にも、これらの楽曲の著作権使用料は発生しておらず、当該品番に係る商品が市場において取引された形跡は見受けられない。
以上のとおり、本件商標が付されているとする乙第2号証ないし乙第6号証に係る品番に対応する乙第7号証ないし乙第15号証の「基準数量」及び「計算対象数量」の欄は、全て空欄となっている。
このことから、2004年4月から2006年6月の間に著作権使用料は一切発生しておらず、これらの品番に係る商品が市場において取引された形跡もないことになる。
印税支払明細書には、たとえ当該商品が倉庫に保管されているのみ、あるいは在庫もないような商品であったとしても、過去に発売された商品については、一通り品番が記載されているものであり、このような証拠を提出する他ないことが、被請求人が本件商標を使用していないことを物語っている。
もし、乙第2号証ないし乙第6号証が本件審判の請求の登録前3年以内に我が国において使用されていたならば、これらの品番に係る商品「コンパクトディスク」をいつの時点で何枚生産したのかが分かる資料、各年の販売枚数が分かる資料、在庫の変動が分かる資料、レコード店などへの納品書等が提出可能であると考えられるが、そのような証拠は一切提出されていない。
なお、過去に生産された商品を被請求人がただ在庫として所持しているのみで、実際に、市場において商品が取引され、または広告宣伝などがなされていない場合に、在庫として所持する行為が商標法第2条第3項各号に規定する商標の使用に該当すると捉えられるべきではない。
そして、在庫所持のみで実際に商品が販売等されていない状態を使用と認めず、これに係る登録が取り消されるべきであることは過去の審決からも明らかである(甲第1号証及び甲第2号証)。
よって、本件商標についても、乙第2号証ないし乙第15号証において、たとえ在庫の存在が推認できたとしても、これにより本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標が使用されていたことにはならない。
(ウ)乙第16号証及び乙第17号証について
乙第16号証及び乙第17号証は、いずれもamazon.co.jpにおけるアーティスト「洞口桃子」および「DEVELOP=FRAME」の検索結果であるが、商品を購入した場合、それぞれ4?5日、1?2週間以内に発送されるとの記載をもって本件商標が使用されているとしている。
しかし、当該証拠には何ら品番が記されていないため、これら販売の提示がされている商品に本件商標が付されているかどうかは不明である。
さらに、amazon.co.jpなどのウェブページでは、中古商品が多く取引されており、たとえ新品の商品であったとしても何年も前に市場に流れた商品の在庫が転々流通し販売されていることが多い。
よって、このようなページに掲載されていたとしても、被請求人自身が販売しているものではないため、被請求人の使用行為とは認められない。
なお、過去の審決(甲第2号証)においても、「被請求人の統制が及ばない範囲において当該在庫商品が第三者により転売等されているとしても、当該事実のみをもって被請求人または使用権者自身が登録商標を使用しているということはできない」と判断されている。
同様に、乙第16号証及び乙第17号証のウェブページも、被請求人の預かり知らぬ範囲で商品が転々流通しているにすぎないと考えられるため、被請求人の使用行為とはいえない。
被請求人自身が当該amazon.co.jpにおける販売に関与しているならば、過去3年間において乙第2号証ないし乙第6号証に係る商品の受注記録、発送記録等が提出されるべきである。
イ その他の事情として、下記の事実を補足する。
乙第2号証及び乙第3号証に係るアーティスト「DEVELOP=FRAME」は、2003年4月3日をもって解散しているようである(甲第3号証)。
乙第5号証に係るアーティスト「Dear」も、2000年から2001年にかけての間に方向性の違いにより、メンバーが脱退し、これが原因で解散しているようである(甲第4号証)。
乙第4号証及び乙第6号証に係るアーティスト「洞口桃子」については、バンドではなく個人で活動するアーティストであるため、現在の状況は把握できなかった。
以上のとおり、証拠に係るアーティストのうち、2アーティストは既に解散しているのであり、このように所属するアーティストがほとんどいない状況では、本件商標の使用のみならず、被請求人会社自体の営業が存続しているのかが不明である。
インターネットで被請求人会社を検索してみても、結果として発見されたのは2000年前後のものばかりであり、現在の活動を示す検索結果は発見することができなかった。
ウ 以上のように、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その請求に係る「録音済みコンパクトディスク」を含む指定商品について使用されていないものである。

3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、さらに、請求人の弁駁に対し答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第17号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標の使用について
ア 被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内において本件商標を日本国内において使用していることを、乙第2号証ないし乙第17号証(枝番を含む。)を提出し、証明するものである。
(ア)乙第2号証は、「MYRIAD RECORDS」なる商標を付した品番CODA-1792の「DEVELOP=FRAMEのRealize」のCDの表裏の写真である。
(イ)乙第3号証は、「MYRIAD RECORDS」なる商標を付した品番CODA-1835の「DEVELOP=FRAMEのCHASE」のCDの表裏の写真である。
(ウ)乙第4号証は、「MYRIAD RECORDS」なる商標を付した品番COCA-15359の「洞口桃子のDo me right」のCDの表裏の写真である。
(エ)乙第5号証は、「MYRIAD RECORDS」なる商標を付した品番CODA-1793の「DearのSong for・・・」のCDの表裏の写真である。
(オ)乙第6号証は、「MYRIAD RECORDS」なる商標を付した品番CODA-1830の「洞口桃子のNUDE」のCDの表裏の写真である。
(カ)乙第7号証は、CDの発売元である被請求人に対して、CDの販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから提出された、2004年4月から6月までの販売期間内における2004年6月30日に発行された印税支払明細書の写しである。
(キ)乙第8号証は、CDの発売元である被請求人に対して、CDの販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから提出された、2004年7月から9月までの販売期間内における2004年9月30日に発行された印税支払明細書の写しである。
(ク)乙第9号証は、CDの発売元である被請求人に対して、CDの販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから提出された、2004年10月から12月までの販売期間内における2004年12月31日に発行された印税支払明細書の写しである。
(ケ)乙第10号証は、CDの発売元である被請求人に対して、CDの販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから提出された、2005年1月から3月までの販売期間内における2005年3月31日に発行された印税支払明細書の写しである。
(コ)乙第11号証は、CDの発売元である被請求人に対して、CDの販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから提出された、2005年4月から6月までの販売期間内における2005年6月30日に発行された印税支払明細書の写しである。
(サ)乙第12号証は、CDの発売元である被請求人に対して、CDの販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから提出された、2005年7月から9月までの販売期間内における2005年9月30日に発行された印税支払明細書の写しである。
(シ)乙第13号証は、CDの発売元である被請求人に対して、CDの販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから提出された、2005年10月から12月までの販売期間内における2005年12月31日に発行された印税支払明細書の写しである。
(ス)乙第14号証は、CDの発売元である被請求人に対して、CDの販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから提出された、2006年1月から3月までの販売期間内における2006年3月31日に発行された印税支払明細書の写しである。
(セ)乙第15号証は、CDの発売元である被請求人に対して、CDの販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから提出された、2006年4月から6月までの販売期間内における2006年6月30日に発行された印税支払明細書の写しである。
(ソ)乙第16号証は、「amazon.co.jp」において、「洞口桃子」と入力した検索結果の写しである。
(タ)乙第17号証は、「amazon.co.jp」において、「DEVELOPFRAME」と入力した検索結果の写しである。
イ 上記乙第2号証ないし乙第17号証において、
(ア)乙第2号証における「MYRIAD RECORDS」なる商標を付した「DEVELOP=FRAMEのRealize」のCDの品番は、CODA-1792であり、CDの発売元である被請求人に対して、CDの販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから提出された、2004年4月から2006年6月までの販売期間内において発行された印税支払明細書の写し(乙第7号証ないし乙第15号証)にも明記されている。
(イ)乙第3号証における「MYRIAD RECORDS」なる商標を付した「DEVELOP=FRAMEのCHASE」のCDの品番は、CODA-1835であり、CDの発売元である被請求人に対して、CDの販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから提出された、2004年4月から2006年6月までの販売期間内において発行された印税支払明細書の写し(乙第7号証ないし乙第15号証)にも明記されている。
(ウ)乙第4号証における「MYRIAD RECORDS」なる商標を付した「洞ロ桃子のDo me right」のCDの品番は、COCA-15359であり、乙第7号証ないし乙第15号証におけるCDの発売元である被請求人に対して、CDの販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから提出された、2004年4月から2006年6月までの販売期間内において発行された印税支払明細書の写しにも明記されている。
(エ)乙第5号証における「MYRIAD RECORDS」なる商標を付した「DearのSong for・・・」のCDの品番は、CODA-1793であり、乙第7号証ないし乙第15号証におけるCDの発売元である被請求人に対して、CDの販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから提出された、2004年4月から2006年6月までの販売期間内において発行された印税支払明細書の写しにも明記されている。
(オ)乙第6号証における「MYRIAD RECORDS」なる商標を付した「洞ロ桃子のNUDE」のCDの品番は、CODA-1830であり、乙第7号証ないし乙第15号証におけるCDの発売元である被請求人に対して、CDの販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから提出された、2004年4月から2006年6月までの販売期間内において発行された印税支払明細書の写しにも明記されている。
(カ)乙第16号証における「amazon.co.jp」において「洞口桃子」と入力した検索結果には、乙第4号証の「洞ロ桃子のDo me right」のCDを購入した場合直ぐに発送され、乙第6号証の「洞ロ桃子のNUDE」のCDを購入した場合通常4?5日以内に発送されると明示されている。
(キ)乙第17号証における「amazon.co.jp」において「DEVELOP=FRAME」と入力した検索結果には、乙第2号証の「DEVELOP=FRAMEのRealize」のCDを購入した場合通常1?2週間以内に発送されると明示されている。
(2)弁駁に対する答弁
ア 請求人は平成19年8月24日に弁駁書を提出し、弁駁の理由の中で種々主張しているので、当該主張に対し以下反駁するものである。
(ア)乙第2号証ないし乙第6号証について
請求人は、「MYRIAD RECORDS」なる商標は付記的に記されているようにも見受けられ、また付された時期が当該証拠からは不明であると主張している。
当該「MYRIAD RECORDS」なる商標はいわゆるレーベルと呼ばれるものであり、数々のCD等がそのレーベルによって製造されたことの出所を表示し、他のレーベルとの出所の混同を防止するために付する自他商品の識別標識である。
したがって、その文字の大きさに関係なく、CD等においてそのレーベルを表記する位置、大きさ等は他のCD等と比較しても同様の大きさであって、「MYRIAD RECORDS」なる商標は十分自他商品の識別機能を有するものといえるものである。
また、乙第2号証ないし乙第6号証として提出している「録音済みコンパクトディスク」は8cmサイズと主張しているが、乙第2号証ないし乙第3号証は8cmサイズのCDであるが、乙第4号証ないし乙第6号証はその写真を見ても明らかに12cmCDであることを認識できる。
いわゆる、CDは通常の商品と相違し、CDを再プレスした場合でもその製造日、プレス日等は明記されず、初めにCDを制作した日付がCDカバー・ケース等に明記される極めて特殊な商品である。
また、一旦製造された8cmサイズのCDは再プレスすることになっても8cmサイズのCDで供給されるものであり、12cmCDに変更し製造されることは原則あり得ないものである。
したがって、乙第2号証ないし乙第3号証は8cmサイズのCDであるものの、乙第2号証ないし乙第6号証をすべて8cmサイズとし、乙第2号証ないし乙第6号証は2000年前後に制作されたコンパクトディスクと推測されるという請求人の主張は明らかに誤謬である。
(イ)乙第7号証ないし乙第15号証について
請求人は、被請求人が提出した乙第7号証ないし乙第15号証に係る印税支払明細書に乙第2号証ないし乙第6号証に係る品番が明記されていることをもって、本件商標が使用されている事実としているようであるが、そもそも印税支払明細書は楽曲ごとの著作権使用料の支払いを示すものであり、商品であるコンパクトディスク自体の流通を示すものではないと主張している。
しかし、「MYRIAD RECORDS」なる商標を付した乙第2号証ないし乙第6号証に係るCDの品番が、CDの発売元である被請求人に対してCDの販売元であるコロンビアミュージックエンタテインメントから提出された2004年4月から2006年6月までの販売期間内において発行された印税支払明細書中に明記されていることは、「MYRIAD RECORDS」なる商標を付した乙第2号証ないし乙第6号証に係るCDは何ら廃盤とはなっておらず、両者間において、乙第2号証ないし乙第6号証に係るCDの取引関係が終了しておらず、乙第2号証ないし乙第6号証に係るCDが商品の流通過程におかれていることは明らかである。
したがって、乙第2号証ないし乙第6号証に係るCDの発売元である被請求人は、単に当該CDの在庫だけを保有していることにはならないものである。
なお、請求人は、印税支払明細書には、たとえ当該商品が倉庫に保管されているのみ、あるいは在庫もないような商品であったとしても、過去に発売された商品の品番については、一通り品番が記載されているものであると主張している。
しかし、印税支払証明書が請求人の主張のようなものであるとの証明もなされておらず、その主張は恣意的な主張にすぎないものである。
この点に関し、請求人は甲第1号証ないし甲第2号証を提出しているが、甲第1号証は「被請求人が事業を中止した後においては、現在も在庫商品を所持していたとしていても、当該行為は商標の使用には該当しないとされた事案」であって、あくまでも被請求人が事業を中止した後において、単に在庫商品を所持しているだけでは商標の使用には該当しないと判断されているにすぎないものである。
したがって、本件においては、被請求人は事業(当該製品の発売等)を中止しておらず、また乙第2号証ないし乙第6号証に係るCDは何ら廃盤とはなっておらず、乙第2号証ないし乙第6号証に係るCDの取引関係は終了していないことから、甲第1号証の事案とは明らかに異なるものであり、採用することはできないものである。甲第2号証は「被請求人が提出した乙第1号証の総合カタログは審判の請求の登録前3年以内のものではなく、乙第2号証の在庫証明も審判の請求の登録前3年以内の登録商標の使用を立証するものではないとされた事案」であって、あくまでも証明期間の問題であって、在庫証明が登録商標の使用に当たらないとは何ら判断されていないものである。
したがって、本件においては、乙第2号証ないし乙第6号証に係るCDは何ら廃盤とはなっておらず、乙第2号証ないし乙第6号証に係るCDの取引関係は終了していないことから、甲第2号証の事案とは明らかに異なるものであり、採用することはできないものである。
(ウ)乙第16号証ないし乙第17号証について
請求人は、当該証拠には何ら品番が記されていないため、これら販売の提示がされている商品に本件商標が付されているかどうかは不明である、と主張している。
しかし、乙第16号証は「amazon.co.jp」において、「洞口桃子」と入力した検索結果であり、品番は記されていなくとも、「Do me right 洞口桃子」と明記され、乙第4号証の「洞口桃子のDo me right」のCDのジャケットの表紙が掲載され、価格が税込み1050円であることから、当該商品は乙第4号証の「洞口桃子のDo me right」のCDに他ならず、当該CDには「MYRIAD RECORDS」なる商標が付されているものである。
また品番は記されていなくとも、「NUDE 洞ロ桃子」と明記され、価格が税込み1050円であることから、当該商品は乙第6号証の「洞口桃子のNUDE」のCDに他ならず、当該CDには「MYRIAD RECORDS」なる商標が付されているものである。
乙第17号証は「amazon.co.jp」において、「DEVELOP FRAME」と入力した検索結果であり、品番は記されていなくとも、乙第2号証の「DEVELOP=FRAMEのRealize」のCDのジャケットの表紙が掲載され、価格が税込み1050円であることから、当該商品は乙第2号証の「DEVELOP=FRAMEのRealize」のCDに他ならず、当該CDには「MYRIAD RECORDS」なる商標が付されているものである。
さらに、請求人は、「amazon.co.jp」などのウェブページでは、中古商品が多く取引されており、たとえ新品の商品であったとしても何年も前に市場に流れた商品の在庫が転々流通し販売されていることが多い、と主張しているが、斯かる主張は請求人の恣意的なものであり、そのような商品であるとの証明も何らなされていないので採用することはできない。
なお、「amazon.co.jp」においては、その商品が中古、ユーズド商品のみである場合は、価格:¥1,050(税込)とは明記されないものであることから、明らかに新品を販売していることに他ならないものである。
したがって、被請求人が本件商標「MYRIAD RECORDS/ミリアッド レコーズ」と取引の通念において同一性を失わない商標「MYRIAD RECORDS」を本件審判の請求の登録前3年以内に使用していたことは明らかである。
(エ)甲第3号証ないし甲第6号証について
請求人は、乙第2号証ないし乙第3号証のCDに係るアーティスト「DEVELOP=FRAME」及び乙第5号証のCDに係るアーティスト「Dear」が解散していると主張している。
しかし、アーティストが亡くなったり、アーティストのグループが解散していたとしても、それと共にCDが廃盤になったり、発売中止になることはなく、既に解散しているグループや、亡くなったアーティストのCDが現在でも一般に発売されていることから、当該事実は商標の使用の有無を左右するようなものではない。
(3)以上のように、乙第1号証ないし乙第17号証から、被請求人は本件商標の商標権者として、本件商標と取引の通念において同一性を失わない商標「MYRIAD RECORDS」を本件審判の請求に係る指定商品中に包含する商品「録音済みコンパクトディスク」について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用していたことは明らかである。

4 当審の判断
(1)被請求人の提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第2号証は、「録音済みコンパクトディスク」(CD)のパッケージの表裏を写した写真と認められるところ、このパッケージの表面には、中央上部に「DEVELOP=FRAME」及び「Realize」の表示があり、その右上に「シングル」「初回封入特典」「オリジナルステッカー」及び「CODA-1792」と記載したシールが貼付されており、左下に「CD」「SINGLE」の表示がされている。
そして、その裏面の下部に付されたバーコードの上部に、「M図形」と「MYRIAD RECORDS」の文字が2段に表示されている。
イ 乙第3号証は、CDのパッケージの表裏を写した写真と認められるところ、このパッケージの表面には、「DEVELOP=FRAME」及び「CHASE」の表示があり、右上に「CD Extra(Promotion Video収録)」「CODA-1835」等と記載したシールが貼付されており、右下に「CD」「SINGLE」の表示がされ、その裏面の下部に付されたバーコードの上部に、「M図形」と「MYRIAD RECORDS」の文字が2段に表示されている。
ウ 乙第4号証は、CDのパッケージの表裏を写した写真と認められるところ、その帯部には、「Do me right」「momoko horaguchi」の文字と共に、「M図形」と「MYRIAD RECORDS」の文字が2段に表示されており、「COCA-15359」の品番が表示されている。裏面の帯部にも、「M図形」と「MYRIAD RECORDS」の文字が2段に表示されており、また、「MYRIAD RECORDS」の文字が表示されており、透けているパッケージからCDの現物が確認できる。
エ 乙第5号証は、CDのパッケージの表裏を写した写真と認められるところ、表面には「Dear」及び「Song for・・・」の文字が表示され、「CODA-1793」の品番が表示されている。裏面には、「M図形」と「MYRIAD RECORDS」の文字が2段に表され、また、「MYRIAD RECORDS」の文字が表示されており、透けているパッケージからCDの現物が確認できる。
オ 乙第6号証は、CDのパッケージの表裏を写した写真と認められるところ、その帯部には、「NUDE・洞口桃子」の文字が表示され、その左側に「M図形」と「MYRIAD RECORDS」の文字が2段に表示され、「CODA-1830」の品番が表示されている。そして、裏面には、「M図形」と「MYRIAD RECORDS」の文字が2段に表示され、また、「MYRIAD RECORDS」の文字が表示されており、透けているパッケージからCDの現物が確認できる。
カ 乙第7号証ないし乙第15号証は、いずれも、コロンビアミュージックエンタテインメントから被請求人に宛てた印税支払明細書の写しと認められる。これらには、「計算期間」として、各々「04年4月?04年6月」、「04年7月?04年9月」、「04年10月?04年12月」、「05年1月?05年3月」、「05年4月?05年6月」、「05年7月?05年9月」、「05年10月?05年12月」、「06年1月?06年3月」、「06年4月?06年6月」の記載がある。
また、明細書はいずれも同じ形式で打ち出されたものであり、「カタログ番号、収録番号、曲名、製品、権利、基準、基準数量、計算基準率、控除数量、計算対象数量、印税単価、計算印税額」の各欄がある。そして、「カタログ番号」の欄には、乙第2号証ないし乙第6号証のCDに表示された記号に相応すると認められる「CODA-1792」「CODA-1835」「COCA-15359」「CODA-1793」「CODA-1830」が記載されており、その「曲名」の欄にはそれぞれのアーティスト名及び楽曲名が記載されている。その「製品」の欄には「CD」、「基準」の欄には「売上」と記載されている。しかし、いずれの記号に対応する「基準数量」及び「計算対象数量」の欄は空欄で記載がなく、また、その「計算印税額」の欄は、「0」が記入されているか、黒く塗りつぶされて記載内容が確認し得ない。
なお、乙第8号証や乙第14号証のカタログ番号「COCX30886」に対応する「基準数量」「計算対象数量」及び「計算印税額」の欄には、大半は黒く塗りつぶされてはいるものの、何らかの実数が記入されているのが認められる。
キ 乙第16号証及び乙第17号証は、いずれも、「2007/05/23」における「amazon.co.jp」の検索結果の写しと認められるところ、その「洞口桃子」に係る結果表示面には、「Do me right」のCDの画像及び価格等が掲載され、また、「NUDE」としてCDの価格等が掲載されているが、CDの画像はない。
また、その「DEVELOP FRAME」に係る結果表示面には、「Realize」のCDの画像及び価格等が掲載され、さらに、「CHASE」としてCDの価格等が掲載されているが、CDの画像はなく、「在庫切れ」との表示がある。
(2)本件商標は、前記1のとおり、「MYRIAD RECORDS」と「ミリアッド レコーズ」の文字からなるものであるところ、前記(1)アないしオのCDに表示された商標は、「M図形」とその下に図形とは明らかに分離して「MYRIAD RECORDS」の文字を表したもの、あるいは、「MYRIAD RECORDS」の文字を表したものであり、本件商標とその構成文字「MYRIAD RECORDS」及び「ミリアッドレコーズ」の称呼を共通にするものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認め得るものである。
また、商品「録音済みコンパクトディスク」(CD)が本件商標の指定商品の一であることは明らかである。
しかし、乙第2号証ないし乙第6号証からは、本件商標の使用の時期が、本件審判の請求の登録前3年以内であることを特定し得る証左は見出せない。
(3)ところで、著作権が伴う楽曲を録音したCDが現に販売されたときには、その定価や売上数に応じて、著作権使用料として、これに対する印税(印紙税)が作曲家や歌手等に支払われることは、公知に属する事項というべきである。
してみれば、被請求人が提示する乙第7号証ないし乙第15号証における印税支払明細は、当該印税支払いの対象となるCDの売上があったことを推認させるに足りる資料というのが相当である。
しかして、乙第7号証ないし乙第15号証によれば、当該印税支払明細は、本件審判の請求の登録前3年以内である平成16年4月から平成18年6月に至る期間に関するものと認められる。
そして、当該支払明細書の中において、例えば、乙第8号証及び乙第14号証における「カタログ番号」の欄「COCX30886」のように、その「基準数量」「計算対象数量」及び「計算印税額」の欄に、大半が黒塗りで見えないものがあるとしても、何らかの実数が記入されていることを把握し得るものについては、現に印税の支払いがあったものと推認できるものである。
しかし、本件商標を表示したCD(乙第2号証ないし乙第6号証)に係る品番COCA-15359、品番CODA-1830、品番CODA-1793、品番CODA-1792、品番CODA-1835については、その「基準数量」及び「計算対象数量」の欄はいずれも空欄で何らの記載もなく、また、「計算印税額」の欄も、「0」が記入されているか、黒塗りで記載内容が把握できないものである。
してみると、当該印税支払明細書の中に、本件商標を表示したCD(乙第2号証ないし乙第6号証)に係る品番COCA-15359等の項目はあっても、「基準数量」及び「計算対象数量」の欄に何らの記載がないのは、その期間内には売上がなかったとみるのが自然であるから、これらの項目の記載のみによっては、たとえ、その在庫があることを推認し得るとしても、本件審判の請求の登録前3年以内において、本件商標を表示したCDが、現に譲渡されたと推認することはできない。
しかして、本件商標を表示したCD(乙第2号証ないし乙第6号証)に関する納品伝票、請求書等の取引書類や生産数や売上数等を示す書類等の写しの提示が一切なされずに、印税支払明細書の中に本件商標を表示したCD(乙第2号証ないし乙第6号証)に係る品番COCA-15359等の項目があることのみをもって、直ちに本件審判の請求の登録前3年以内に商標法第2条第3項の規定における商標の使用行為があったとは認め難いといわざるを得ない。
また、乙第16号証及び乙第17号証には、「洞口桃子」や「DEVELOP FRAME」に係るCDが掲載されていることが認められる。しかし、掲載されているCDの現物の写真と乙第2号証ないし乙第6号証の写真を比較し、また、掲載されている他の記載を併せみても、この資料のみによっては、掲載されているCDが本件商標を表示したCDであるとは断じ得ず、また、被請求人の販売に係るCDであるとも断じ得ないばかりか、これらの掲載が本件審判の請求の登録前3年以内のものであるとすべき証左もない。
以上のとおりであるから、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標がその指定商品について本件審判の請求の登録前3年以内に使用されていたことを被請求人が立証したものとは認められない。
(4) したがって、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品について使用されていなかったものというべきであり、かつ、その使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められないから、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-03-14 
結審通知日 2008-03-18 
審決日 2008-04-01 
出願番号 商願平11-17832 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (Z09)
最終処分 成立 
前審関与審査官 巻島 豊二守屋 友宏 
特許庁審判長 林 二郎
特許庁審判官 杉山 和江
鈴木 修
登録日 2001-06-08 
登録番号 商標登録第4480538号(T4480538) 
商標の称呼 ミリアッドレコーズ、ミリアッド、マイリアド 
代理人 小谷 武 
代理人 柿本 邦夫 
代理人 木村 吉宏 
復代理人 奥村 陽子 
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