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審決分類 審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 登録しない Y25
管理番号 1177847 
審判番号 不服2006-15297 
総通号数 102 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-07-18 
確定日 2008-05-02 
事件の表示 商願2005- 97272拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成からなり、第25類「被服」を指定商品とし、平成17年5月10日に登録出願された商願2005-40447号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同年10月18日に登録出願されたものである。

2 引用商標
拒絶査定において本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第1387340号商標(以下「引用商標」という。)は、「ADORE」及び「アドア」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和50年12月15日に登録出願、第17類「被服、その他本類に属する商品」を指定商品として、同54年8月30日に設定登録されたものである。その後、当該商標権は、2回に亘り存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続するものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、別掲のとおり、「熱愛する。礼賛する。」の意味を有する英語である「ADORE」の文字を上段に書し、その下に、上段の文字に比して約半分程度の小さな文字で「BODY DRESSING」と表してなるものである。
しかして、本願商標の構成中、上段に大きく顕著に表された「ADORE」の文字部分と下段に小さく表された「BODY DRESSING」の文字部分とは、上記のとおり、文字の大きさにおいて軽重の差を有すること及び両文字部分が上下二段に表されていることから、視覚上、分離して観察されるうえ、本願商標全体から生ずる「アドアボディドレッシング」の称呼もやや冗長であって一連に称呼し難いものであり、また、観念上においても、両文字部分が常に不可分一体のものとして認識されるとすべき格別の理由はないから、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際にあっては、いずれか一方の文字部分のみを捉え、これより生ずる称呼及び観念をもって取引に資される場合も決して少なくないというべきである。
してみれば、本願商標は、その構成中、大きく顕著に表された「ADORE」の文字部分のみも独立して自他商品の識別機能を有する部分ということができることから、該文字部分に相応して「アドア」の称呼及び(熱愛する。礼賛する。)の観念を生ずるものとみるのが相当である。
一方、引用商標は、「ADORE」及び「アドア」の文字を上下二段に横書きしてなるから、「アドア」の称呼及び(熱愛する。礼賛する。)の観念を生ずるものである。
そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、「アドア」の称呼及び(熱愛する。礼賛する。)の観念を共通にする商標であって、かつ、本願商標中の「ADORE」の文字部分と引用商標中の「ADORE」の文字部分とは、その配列を含め構成文字を同じくするものであるから、外観においても近似するものといえる。
したがって、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念において類似するものであり、外観においても近似するものであるから、外観、称呼及び観念が与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、時と処を異にする取引の実際にあって、これらを同一又は類似の商品に使用した場合、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ないから、本願商標は、引用商標に類似する商標といわなければならない。
また、引用商標の指定商品には、本願商標の指定商品「被服」が含まれていることは明らかである。
したがって、本願商標は、引用商標に類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品中、同一又は類似の商品「被服」について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(2)請求人は、本願商標について、上段と下段を分離させて使用される必然性は全くなく、一語として使用されるものとして採択されたものであり、観念にしても、統一性をもっている旨主張する。
しかしながら、本願商標が需要者をして、請求人が主張するように「ボディドレッシングを崇拝する、又は礼賛する」との意をもって認識され記憶されるものであるとすべき的確な証拠は見出せない。
また、採択の意図に拘わらず、一の商標にあって、複数の要部を有し、その各要部から取引に資される複数の称呼や観念を生ずることがあるのは、経験則の教えるところである(最高裁判所昭和38年3月5日第1小法廷・昭和37年(オ)第953号判決参照)。
そして、本願商標は、二段の文字から構成されるものであり、その文字部分が、それぞれ独立して自他商品の識別機能を果たすとみるのが不自然であるとする程に、渾然一体と融合した構成態様をもって表されたとは言い難いものである。本願商標にあって、顕著に表されている「ADORE」の文字部分は、強く印象を留め記憶され得るから、簡易迅速を旨とする取引にあっては、当該文字部分から生ずる称呼や観念をもって取引に資される場合があるというべきである。
本件の場合、明確な観念の相違によって両商標が判然と区別され得る場合とは異なるうえ、称呼を共通にするものでありながら、前記の外観上の相違によって、この共通点を凌駕し、両商標が同一の商品に使用された場合に、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれがない、とは到底いい難いものである。
したがって、請求人の主張は、採用できない。

(3)以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原審の判断は妥当なものであるから、原査定を取消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本願商標




審理終結日 2008-02-26 
結審通知日 2008-02-29 
審決日 2008-03-11 
出願番号 商願2005-97272(T2005-97272) 
審決分類 T 1 8・ 26- Z (Y25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 日向野 浩志 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 渡邉 健司
岩崎 良子
商標の称呼 アドアボディードレッシング、アドレボディードレッシング、アドア、アドレ、ボディードレッシング、ドレッシング 
代理人 高橋 雅和 
代理人 高橋 剛 

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