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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z1825 |
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管理番号 | 1177704 |
審判番号 | 取消2007-300213 |
総通号数 | 102 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2008-06-27 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2007-02-28 |
確定日 | 2008-04-10 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4564304号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4564304号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4564304号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成13年7月6日に登録出願、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同14年4月26日に設定登録され、その後、商標登録の取消審判(予告登録日:平成19年6月11日)により、指定商品中、第25類「被服」については、その登録を取り消すべき旨の審決がされ、同19年11月22日に審判の確定登録がされたものである。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求めると主張し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び同第2号証を提出した。 本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、被請求人、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、本件指定商品について使用された事実が存しないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。 3 被請求人の答弁 被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第4号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)本件商標は、本件審判の予告登録前3年以内に、日本国内において、被請求人によって、本件指定商品中第18類の「かばん類」に使用されている。 (2)被請求人は、本件商標が付された商品かばんを、中国で生産し、それを輸入して、日本国内の卸売業者や小売店に譲渡(販売)している。 (3)乙第1号証の1ないし3は、被請求人が販売するかばんの写真であり、かばんの表面には、実線とその内側に実線に沿って二重の破線を配した左右相対の五角形の外形と、その内側に二重の破線で表された交差した二つの弧を配した図形が明確に表されていて、この図形は本件商標と社会通念上同一である。そして、該写真の左上にある、太文字で記された「3T61」、「3T63」及び「3T65」は商品番号であり、この商品番号をもって取り引きが行われている。 以上のことから、本件商標が、平成17年8月24日に、取消請求に係る商品の一つである「かばん類」に使用されていたことが証明される。 (4)乙第2号証は、被請求人が中国から、かばんを輸入した際のインボイス(乙第2号証の1)及び輸入許可通知書(乙第2号証の2)の写しである。 インボイス写しの「DESCRIPTIONS」の欄には「BAG」の記載があり、また、「3T61」、「3T63」及び「3T65」の品番が示されている。これらの品番は、乙第1号証で特定した品番と同一である。 (5)乙第3号証は、被請求人の社内資料である仕入先元帳の写しである。 (6)乙第4号証は、被請求人の社内資料である得意先元帳の写しである。 (7)以上のとおり、乙第1号証から同第4号証を総合的に勘案すると、被請求人が、本件審判の予告登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、本件審判請求に係る商品中「かばん類」について、使用していたことは明白である。 4 当審の判断 (1) 被請求人は、本件商標は、本件取消請求に係る指定商品中の「かばん類」について、本件取消審判の請求の登録(平成19年3月19日)前3年以内に日本国内において使用されているものである旨主張する。そこで、被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。 ア 乙第1号証の1ないし同3は、被請求人の関係者が平成17年8月24日に撮影したとみられるかばんの写真である。かばんの側面に本件商標と同様のステッチ及びリベット留めを施されたポケットが付されている。そして、それぞれの写真には当該かばんの商品番号と思しき「3T61」、「3T63」及び「3T65」の記号が記されている。 イ 乙第2号証の1及び2は、被請求人が中国からかばんを輸入したことを示す「COMMERCIAL INVOICE」(乙第2号証の1)及び「輸入許可通知書」(神戸税関ポートアイランド出張所長発行、乙第2号証の2)であるところ、「COMMERCIAL INVOICE」には、右上部に「INVOICE NO 05DBT20914」、「Date 08-Sep-2005」、左上部に被請求人と認め得る「YUBISHA INDUSTRY CO.,LTD」、 中央表中の「DESCRIPTIONS」の欄に「BAG」、「3T61」、「3T63」及び「3T65」の記載があり、「輸入許可通知書」には、「申告年月日20050920」、被請求人と認め得る「YUBISHA INDUSTRY CO.,LTD」、「インボイス番号 B-05DBT20914」及び「輸入許可日 H17.09.21」の記載がある。 これら、「COMMERCIAL INVOICE」と「輸入許可通知書」のインボイス番号は合致し、また、「COMMERCIAL INVOICE」の「BAG」における「3T61」、「3T63」及び「3T65」の番号が、乙第1号証の1ないし3のかばんの写真に表示された商品番号とも一致する。 ウ 「仕入先元帳」(乙第3号証)には、右上部に「平成17年9月30日現在」の記載、商品名の欄には、「3T61デニムファーテンF1ポ」、「3T65デニムファーテンF2H」及び「3T63デニムファーテンFテサ」の記載がある。この「3T61」、「3T63」及び「3T65」の番号は、乙第1号証の1ないし3のかばんの写真に表示された商品番号と一致する。 仕入先名、単価、金額、買掛金残高は、黒く塗り潰されて不明である。 エ 「得意先元帳」(乙第4号証の1ないし4)には、右上部に被請求人の名称等の記載があり、それぞれ、中央表上部には「17年年9月30日現在」、「17年10月5日現在」、「17年10月20日現在」及び「17年10月14日現在」、そして、商品コードの欄には「3T61」、「3T63」及び「3T65」の記載がある。この「3T61」、「3T63」及び「3T65」の番号は、乙第1号証の1ないし3のかばんの写真に表示された商品番号と一致する。 単価、金額及び売掛金残高は、黒く塗り潰されて不明である。 (2)以上によれば、被請求人は、2005年(平成17年)9月21日当時に、中国から乙第1号証の1ないし3の写真に表示されたかばん(商品番号「3T61」、「3T63」及び「3T65」)を輸入し、その後、該商品を卸売業者又は小売業者に譲渡したことが推認されるものである。 ところで、写真に掲載されたかばんは、前記(1)アのとおり、側面に本件商標と同様のステッチ及びリベット留めを施されたポケットが付されていることは認められる。 しかしながら、該かばん側面に付されたポケットは、五角形の上辺を除く4辺に毛皮の装飾が施されていることと相俟って、本件商標と社会通念上同一の商標を付されているものとはいい難いばかりでなく、通常、かばん等についての商標の使用は、かばん内側等に織りネームを付すか、持ち手部分もしくはファスナーの引き手部分等にタグを付けて使用することが一般的であると認められるものであるから、該かばん側面に付されたポケットに施されたステッチ等は、商標として用いられているというよりは、むしろ、ポケットを付すことによる利便性を図った機能的、あるいは意匠的効果を狙ったデザインとして使用されているとみるのが相当であり、自他商品の識別標識として機能を果たし得る態様での使用とは認め難いものである。 してみれば、上記写真に掲載されたかばんは、本件商標と社会通念上同一といえる商標が、商品「かばん」に使用されているという証拠が示されているということはできない。 そして他に、被請求人は、本件商標が自他商品識別標識としての機能を果たし得る態様をもって取消請求に係る指定商品について使用されていた事実を客観的に認めるに足る証拠(例えば、新聞・雑誌等への広告、パンフレット、チラシ、取引書類等)を何ら提出していない。 (3)以上のとおり、被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標の使用をしていることを証明したということはできないものであり、その指定商品について、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。 したがって、本件商標の商標登録は、商標法第50条の規定により、取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本件商標 |
審理終結日 | 2008-01-22 |
結審通知日 | 2008-01-28 |
審決日 | 2008-02-28 |
出願番号 | 商願2001-61828(T2001-61828) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Z
(Z1825)
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最終処分 | 成立 |
特許庁審判長 |
伊藤 三男 |
特許庁審判官 |
佐藤 松江 酒井 福造 |
登録日 | 2002-04-26 |
登録番号 | 商標登録第4564304号(T4564304) |
代理人 | 浅村 肇 |
代理人 | 浅村 皓 |
代理人 | 倉内 義朗 |
代理人 | 坂倉 夏子 |
代理人 | 土屋 良弘 |