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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y03 審判 全部申立て 登録を維持 Y03 |
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管理番号 | 1176088 |
異議申立番号 | 異議2007-900313 |
総通号数 | 101 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-05-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-07-06 |
確定日 | 2008-01-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5036353号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5036353号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5036353号商標(以下「本件商標」という。)は、「O’LEARY」の欧文字と「オリリー」の片仮名文字とを二段に書してなり、平成18年9月6日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年2月15日に登録査定され、同年3月30日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由(概要) 1 引用商標 登録第2722213号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和62年2月21日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年6月20日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 2 理由の要点 (1)商標法第4条第1項第11号について 引用商標は、別掲のとおり、幾何学図形の中に欧文字にて「NO」と横書きし、その下段にて「NAJ-OLEARI」と書してなるところ、その構成中、欧文字の「NAJ-OLEARI」の部分からは「ナイオレアリ」「ナジオレアリ」「ナヨレアリ」といった称呼も生ずるが、「NAJ」の部分と「OLEARI」の部分とがハイフンによって区切られており、「OLEARI」の部分からは「オレアリ」という称呼が生ずる。 また、「NAJ」の部分に対して「OLEARI」の部分のほうが文字数が多いことから、「OLEARI」の部分が主要部と需要者が看取することは多分に考えられる。簡易迅速を尊ぶ取引実情を鑑みると、需要者は商標全体を常に称呼するとは限らず、主要部となる「OLEARI」の部分から生ずる「オレアリ」の称呼をもって取引にあたることも決して少なくない。 これに対し、本件商標は、上記第1のとおりの構成よりなり、その欧文字部分「O’LEARY」からは「オレアリ」又は「オレアリー」という称呼が生ずる。 よって、本件商標と引用商標とは、称呼上互いに類似する商標であり、互いの指定商品も「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」について類似するため、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 引用商標は、甲第5号証ないし甲第7号証のとおり、日本において香水等を中心に広く販売されており、既に関連分野において周知になっている。引用商標の指定商品と本件商標の指定商品の同一・類似性から、両商標の需要者層はほぼ共通している。 ここで(1)において検討したとおり、本件商標は、その構成の一部「O’LEARY」の部分より「オレアリ」の称呼を有し、かつ引用商標は需要者に周知されていることから、「オレアリ」又は「オレアリー」の称呼を生ずる商標「O’LEARY」をその指定商品について使用した場合、仮に両者の商標が非類似であったとしても、引用商標を連想し想起するため、出所の混同を生ずるおそれがある。 よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 (3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。 第3 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、上記第1のとおり、「O’LEARY」の欧文字と「オリリー」片仮名文字を二段に書してなるところ、下段部の「オリリー」の片仮名文字が上段部の欧文字「O’LEARY」の自然的称呼を無理なく表したものとみられるから、「オリリー」の称呼が生じるというべきである。 他方、引用商標は、別掲のとおり、「NO」欧文字を包み込んだ図形の下に「NAJ-OLEARI」を配したものであるところ、該「NAJ-OLEARI」は短めのやや太いハイフンを介してなるが、いずれの文字もやや太く同書同大等間隔で、ハイフンを含めて全体として極めてまとまりよく一体的に表記されているものであるから、これよりは、「エヌエイジェイオレアリ」又は「ナジオレアリ」の称呼のみ生ずる全体として特定の観念を生じないものというのが相当である。 したがって、本件商標から生ずる「オリリー」の称呼と、引用商標から生ずる「エヌエイジェイオレアリ」又は「ナジオレアリ」の称呼とは、その構成音数において明らかな差異を有し、音感、音調を異にするものであるから、称呼上十分区別し得るものである。また、両者は、外観においても明らかな差異があり、観念においては比較できないものである。 したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 2 商標法第4条第1項第15号について 本件商標と引用商標とは、上記のとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるばかりでなく、申立人が「NAJ-OLEARI」のブランドが日本の需要者に周知であることを立証するとして提出した甲第5号証は「Naj-Oleari(ナハ オレアリー)」の表示のある商品広告の写し一枚であり、甲第6号証及び甲第7号証(枝番を含む。)は英文のみの書面の写し4枚のみであるから、これらの証拠によっては、引用商標が日本において香水等を中心に広く販売されており、既に関連分野において周知になっていることを立証するには不充分なものである。 そうすると、本件商標は、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 3 まとめ したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(引用商標) |
異議決定日 | 2007-12-19 |
出願番号 | 商願2006-82830(T2006-82830) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(Y03)
T 1 651・ 26- Y (Y03) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 神田 忠雄 |
特許庁審判長 |
小林 和男 |
特許庁審判官 |
小川 きみえ 石田 清 |
登録日 | 2007-03-30 |
登録番号 | 商標登録第5036353号(T5036353) |
権利者 | オリリー株式会社 |
商標の称呼 | オリリー、オオリアリー、リアリー |
代理人 | 藤谷 史朗 |
代理人 | 杉村 興作 |
代理人 | 来間 清志 |
代理人 | 長谷川 綱樹 |
代理人 | 杉村 憲司 |
代理人 | 末野 徳郎 |
代理人 | 澤田 達也 |