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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y44
管理番号 1175982 
審判番号 不服2007-9226 
総通号数 101 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-05-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-03-05 
確定日 2008-03-26 
事件の表示 商願2006- 22893拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第44類「美容整形外科医業」を指定役務として平成18年3月2日に登録出願されたものある。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4975361号商標(商願2006-2446号、以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成18年1月16日に登録出願、第44類「美容,理容,入浴施設の提供,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,動物の飼育,動物の治療,植木の貸与,農業用機械器具の貸与,医療用機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,芝刈機の貸与」を指定役務として、平成18年8月4日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおり、上段部に黒色円図形内に「abc」の欧文字及びその上に人が膝を抱えて座っている影絵風の図形を白抜きし、下段部に人が膝を抱えて座っている影絵風の図形を黒色で表した右側に「ASIAN BEAUTY CLINIC」の欧文字及び「アジアン美容クリニック」の文字を二段に書した構成よりなるところ、これらを構成する上段部の図形と下段部の図形及び文字の間は、間隔が置かれており、これらを常に一体のものとして把握しなければならない特段の事情があるものとは認められなく、それぞれが視覚的に分離して看取されるということは、構成自体から明らかである。
そうすると、本願商標に接する取引者・需要者は、構成中の上段部に書された図形及び文字と下段部に書された図形及び文字の各部分が、それぞれが独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとして捉え、取り引きに当たる場合も決して少なくないとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成中の上段部に書された黒色円図形内の「abc」の白抜き文字に相応して「エイビイシイ」の称呼をも生じるものとみるのが相当である。
他方、引用商標は、水色円図形及び「ABC」の欧文字を輪郭を水色で白抜き籠文字風に表し(前記円図形より「A」及び「C」の文字ははみ出している。)、並びに下部に、「ASIAN BEAUTY CREATE」の文字を水色で円図形の外側に書してなるものであり、引用商標に接する取引者・需要者は構成中、強く看者の注意を引く中央部に大きく書された「ABC」の籠文字部分が、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとして捉え、取り引きに当たる場合も決して少なくないとみるのが相当であり、該文字に相応して「エイビイシイ」の称呼をも生じるとみるのが相当である。
そうとすると、本願商標と引用商標は、外観において相違し、観念においては比較できないとしても、「エイビイシイ」の称呼において相紛らわしい類似の商標と認められるものであり、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務中に含まれているものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、「ABC(abc)」の文字をその構成の一部として使用した多数の商標登録がなされていることから、本願商標の構成要素の一部の「abc」という部分は、ありふれた商標であり「abc」単体では、極めて識別力が低く、「abc」の文字のみでは特別の意味を有しないので、自他役務の識別機能は有せず、本願商標の要部は、下段部に配された「アジアン美容クリニック」及び「ASIAN BEAUTY CLINIC」の文字部分であり、かかる要部の称呼をもって類否判断をする旨を主張している。
しかしながら、前記のとおり、本願商標の構成態様から、上段部の図形及び文字と下段部の図形及び文字を、常に一体のものとして把握しなければならない特段の事情があるものとは認められなく、それぞれが分離して看取され、独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当であり、本願指定役務に係る分野において、「ABC(abc)」の文字が普通に一般に使用され、自他役務の識別機能を有しないとはいい難いものである。
したがって、本願商標から「エイビイシイ」の称呼が生じないとする、請求人の主張は採用できない。
また、請求人は、過去の登録例をあげて、本願商標の登録の正当性を主張しているが、登録出願に係る商標が登録されるか否かの判断は、指定商品・役務等のそれぞれの取引の実情を考慮し、当該商標の全体の構成に基づいて、個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであって、その全体の構成を異にする登録例に拘束されるものではなく、本願商標が商標登録の要件を満たすか否かの判断を左右するものではないから、この点についての請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標

別掲2 引用商標(色彩は原本参照)


審理終結日 2008-01-17 
結審通知日 2008-01-25 
審決日 2008-02-05 
出願番号 商願2006-22893(T2006-22893) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y44)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 豊瀬 京太郎 
特許庁審判長 山口 烈
特許庁審判官 小田 明
寺光 幸子
商標の称呼 エイビイシイ、アジアンビューティクリニック、アジアンビューティ、ビューティクリニック、アジアンビヨークリニック、アジアンビヨー、ビヨークリニック 
代理人 北出 容一 

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