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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Y03 |
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管理番号 | 1172816 |
審判番号 | 不服2006-22005 |
総通号数 | 99 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2008-03-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-09-29 |
確定日 | 2008-02-06 |
事件の表示 | 商願2004-117714拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、第3類「化粧品,せっけん類」を指定商品として、平成16年12月24日に登録出願され、原審における平成17年11月16日付け提出の手続補正書により、第3類「コエンザイムQ10を配合してなる美肌の生成を促すためのクリーム状の化粧品,コエンザイムQ10を配合してなる美肌の生成を促すためのクリーム状のせっけん類」に補正されたものである。 2 原審の査定の理由の要旨 原審では、「本願商標は、正方形を上下均等に二等分し、白地の上段部分に『美肌』の文字を配し、黒地の下段部分に白抜きで『Q10』の文字を配し、正方形の下に『active cream』の文字を書してなるところ、『美肌』は、『肌を美しくすること』を意味し、『Q10』は、『コエンザイムQ10』の略字を表す語として広くしられており、『active cream』は、『積極的に生き生きとはずむ素肌へ導く等の作用を促すクリーム』という意味合いを表す語として広く使用されているものであり、構成文字全体としても、『コエンザイムQ10を配合して、積極的に美肌効果を促すクリーム状のもの』との意味合いを認識させるにすぎず、前記正方形図形もありふれたものにすぎない。そうすると、本願商標を補正後の指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、別掲1のとおり、正方形を上下に2等分し、上段の白地の長方形の輪郭内に「美肌」の文字を、下段の黒塗りの長方形内に「Q10」の文字を白抜きで配し、その正方形の下に「active cream」の文字を書してなるが、構成中の「美肌」の文字は、「肌を美しくすること。また、美しい肌。」(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)の意味を有し、別掲2「新聞記事検索情報及びネット上の商品情報」の「(3)美肌について」によれば該文字が商品「化粧品」の品質(用途)を表示する語として一般に使用されている事実が認められる。 つぎに、「Q10」の文字は、「コエンザイムQ10」の略称と認識されるところ、該文字は「代謝を行うときに働く酵素の働きを助ける補助酵素。」を意味し、「抗酸化作用により、細胞を若々しく保つ効果があるとされる」(以上、2007年版イミダス1233頁)ことが知られており、同じく別掲2「新聞記事検索情報及びネット上の商品情報」の「(2)コエンザイムQ10について」によれば、該文字が商品「ローション,クリーム,目もと美容液,せっけん」の品質(内容)を表示する語として一般に使用されている事実が認められる。 さらに、「active cream」の文字は、別掲2「新聞記事検索情報及びネット上の商品情報」の「(1)アクティブクリームについて」によれば、「潤いのある肌にさせるクリーム」の意味合いを容易に理解、認識させ、商品「クリーム」等の品質、効能等を表す語として使用されている事実が認められる。 したがって、本願商標を構成する文字部分は、これを本願の指定商品に使用しても自他商品識別標識としての機能を有しないものと認められる。 なお、以上のことは、請求人も認めているところである。 また、請求人は、「この正方形図形のデザインは、上段の白地部分には美肌の文字が記され、下段の黒地部分にはQ10の文字が白抜きされたものであり、これら全てが合わさって一つのデザインを形作っているのであるから、本願商標は、少なくとも正方形の図形に囲まれた部分に関しては、一体且つ分離不可能な構成からなるものである。本願商標の正方形部分のデザインについて詳細にみていくと、正方形の上部を白、下部を黒にし、白と黒の分量を等分になるように配色をすることで、白と黒のコントラストが際立つようになっている。このように、コントラストを際立たせることで、遠くからでも判別できるようになっている。更に、文字部分についても、需要者の目にとまるように、白地部分には黒地の文字を、黒地部分には白地(白抜き)の文字を配置している。また、正方形全体をみた場合、上下対称となるような配色がなされている。つまり、この正方形部分のデザインは、全体として1つのデザインであり、一体なのであるから、全体としてみれば登録要件を具備している。」旨主張している。 ところで、本願の指定商品を取り扱う化粧品業界において、購入する年齢層・男女別に包装や容器がデザインされ、採択、使用されていることは周知の事実であるが、これをコエンザイムQ10を扱う包装用容器についてみた場合、別掲3「コエンザイムQ10の包装容器」の例に徴しても、文字の書体、包装容器の配色等についても工夫を凝らしていることが容易に理解できるところである。 そうとすれば、本願商標は、その構成文字中の「Q10」の文字が多少図案化され、長方形の白黒の地及び正方形の輪郭の図形の組み合わせから構成されているが、この程度のものは化粧品の容器等のデザインとして普通に採択される文字書体(図案化の程度)及び文字の背景(地)の図形と認められるから、普通に用いられる程度の範囲を超えるものとは認識し得ないものと判断するのが相当である。 してみれば、本願商標を本願の指定商品に使用したときは、取引者、需要者をして、単に商品の品質(原材料、効能等)を表示するものと認識されるから、自他商品識別標識としての機能を有さないものであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。 なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきであると主張しているが、請求人の挙げる登録例は、本願商標とその構成態様を異にするものであり、同一に論ずることはできない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 1.本願商標 2.新聞記事検索情報及びネット上の商品情報 (1)アクティブクリームについて (ア)アクティブクリームAO(http://eri-clinic.com/e-special/01.html) 「このクリームをなじませるだけでお肌が生き返ったような感覚になります。」旨記載されている。 (イ)ナチーバ スパ アクティブ ボディクリーム(http://www.cosme.com/product/ItemDetail-1000002570.html) 「海藻から抽出した成分がお肌を保護し、なめらかなお肌へと導きます。」旨記載されている。 (ウ)クラランス アクティブ ハンドクリーム(http://www.ibeautystore.com/detail/detail.asp?pid=6943) 「乾燥や摩擦によるダメージを受けがちな手元の皮膚に栄養を与え保護。肌のバランスを整えしなやかにします。」旨記載されている。 (エ)AKN アクティブクリーム(http://paris-paris.jp/?pid=5786393) 「必要な潤いを与えながら皮脂の過剰生産を抑え、毛穴を清潔な状態に導くクリーム。」旨記載されている。 (オ)アンデュマリ マリアクティヴクリーム(http://www.undeuxmari.com/news/news2007-10-11autumn.html) 「国産の天然ガゴメコンブから抽出したフコイダンと、レチノールを配合した高機能クリームです。滑らかにのびてべたつかず、お肌の潤いをしっかり保ちます。」旨記載されている。 (カ)Dr.BEFRE アクティブケアクリーム(http://ken-u.by.shopserve.jp/SHOP/KNYU0015.html) 「うるおい肌を持続させ、ふっくらとハリを保つ全身用しっとり保湿クリームです。」旨記載されている。 (キ)alva(アルバ) ラスール アクティブライン クリアアップ アクティブク(http://item.rakuten.co.jp/kenkocom/x447980h/) 「alva(アルバ) ラスール アクティブライン クリアアップ アクティブクリーム」は、お肌に潤いを与え、リラックスさせるアロマフェイスクリームです。アロエベラ、海藻、ホホバ油、カモミールエキス、リコリス抽出エキスなどを配合。alva(アルバ)のラスールシリーズは、オーガニックの植物成分を配合したスキンケアラインです。」旨記載されている。 (2)コエンザイムQ10について (ア)DHC Q10スキンケアシリーズ(http://top.dhc.co.jp/shop/link_basket/q10all/index.html) 「コエンザイムQ10を肌に補うローション。本来油性成分であり水溶性成分には溶けにくいコエンザイムQ10を、独自の技術によってローションへの配合に実現しました。厚生労働省が定めた国内基準上限濃度のコエンザイムQ10が顔のすみずみへと行きわたり、みずみずしさとふっくらとした弾力を与えます。」旨記載されている。 (イ)ビタミンローズASTAQ10クリーム(http://www.store-mix.com/ko-bai/product.php?pid=717603) 「ビタミンローズクリームは、国内基準上限濃度までのナノ化したコエンザイムQ10を配合。」旨記載されている。 (ウ)ニベアフォーメン アイリリーフQ10(http://www.kenko.com/product/item/itm_8826342072.html) 「ニベアフォーメン アイリリーフQ10(クリーム状目もと美容液)」は、コエンザイムQ10、クレアチンなどを配合した男性用目元専用クリームです。乾燥しがちな目もとに長時間続く潤いとハリ・ツヤを与えて、お肌を健康的な状態に保ちます」旨記載されている。 (エ)「コエンザイムQ10石鹸」(http://www.taitoshop.com/soap/q10soap.htm) 「今、注目をあびているコエンザイムQ10素材を石鹸にいたしました。 なおかつ、パール(真珠)とすぐれた保湿性を有するヒアルロン酸も加え高いレベルに仕上げました。」旨記載されている。 (3)美肌について (ア)メナード化粧品、サイシン成分を配合したスキンケア商品発売 (2005.06.30 日刊工業新聞 22頁) 「日本メナード化粧品(名古屋市中区、野々川純一社長、052・961・3181)は29日、ウマノスズクサ科の植物、サイシンの根に肌の透明感や潤いを保つ効果があることが分かったと発表した。 加齢とともに減るグルタチオン活性化酵素の働きを強め、肌本来の美肌力を高める。8月21日にこのサイシン成分を配合したスキンケア商品『薬用リシアルEX=写真』を発売する。 活性型グルタチオンはシミの元となるメラニンを薄くするほか、肌の黄色化を防いだり、アミノ酸の生成を促す美肌効果がある。同物質は美肌効果を発揮すると不活性型になるが、酵素の働きで再活性化する。 日本メナードは中国や日本で使われているサイシンが酵素の働きを強めることを突き止めた。60歳相当の皮膚細胞で実験した結果、約20%酵素の働きが活発化した。」との記載が認められる。 (イ)リンゴで美肌、化粧品を発売 JA全農長野 /長野 (2004.02.05 朝日新聞 東京地方版/長野 30頁) 「JA全農長野と福岡市の化粧品会社が、リンゴの天然成分ポリフェノールを含む無添加化粧品を共同開発し、1月末から販売している。商品名は『私はまっ赤な信州りんごです』=写真。農産物を使った化粧品の開発は県内では初めてという。 使用するリンゴは主にふじ、つがる、王林の3種類。リンゴに含まれるポリフェノール、ソルビトール、ビタミンCが肌荒れを防ぐという。香料や防腐剤を一切使用しない無添加化粧品。 昨年夏、福岡市の化粧品会社『ピュール』から依頼を受け、JA側がリンゴを提供。担当の佐藤一雄・果実課長は『商品を通してリンゴ自体のイメージアップにもつながれば』と期待している。 化粧品は、洗顔ソープ(100グラム・840円)、化粧水(150ミリリットル・1260円)など。県内のイトーヨーカドー5店(長野・上田・塩尻・南松本・エスパ松本)で販売中。今後、生協やAコープ各店でも取り扱う予定だという。」と記載されている。 (ウ)資生堂:「男に化粧」業界熱く “理想”はベッカム・新庄…--「美肌」新ブランド(2004.03.14 東京朝刊 7頁) 「『メトロセクシュアル』。日本では耳慣れない単語をキーワードに、化粧品メーカーが「新人類」の登場に熱い視線を注いでいる。これまでは整髪料や香水を使う程度だった男性たちが『スキンケア(肌の手入れ)』に対する関心を高めつつあり、飽和状態の既存市場を拡大させる消費者として期待されている。」旨記載されている。 3.コエンザイムQ10の包装容器 (1)http://item.rakuten.co.jp/kenko-keikaku/943675/ (2)http://www.okusuriyasan.com/cowaosrinaha.html (3)http://item.rakuten.co.jp/soukai/4987316080741/ (4)http://www.kenko.com/product/item/itm_8808663072.html |
審理終結日 | 2007-12-04 |
結審通知日 | 2007-12-07 |
審決日 | 2007-12-19 |
出願番号 | 商願2004-117714(T2004-117714) |
審決分類 |
T
1
8・
16-
Z
(Y03)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 酒井 福造、野口 美代子 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
岩本 和雄 鈴木 修 |
商標の称呼 | ビハダキュウテンアクティブクリーム、ビハダキュウテン、ビハダキュウジュー、ビハダ、アクティブクリーム、アクティブ |
代理人 | 岩堀 邦男 |
代理人 | 大沼 加寿子 |