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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y07 審判 全部申立て 登録を維持 Y07 審判 全部申立て 登録を維持 Y07 審判 全部申立て 登録を維持 Y07 |
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管理番号 | 1171190 |
異議申立番号 | 異議2007-900309 |
総通号数 | 98 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-02-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-07-04 |
確定日 | 2008-01-19 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5035892号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5035892号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5035892号商標(以下「本件商標」という。)は、「ハコベルコン」の文字を標準文字で表してなり、平成18年6月29日に登録出願、第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年3月30日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第4619332号商標(以下「引用商標1」という。)は、「コベルコ」の文字を横書きしてなり、平成13年8月30日に登録出願、第1類ないし第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年11月8日に設定登録されたものである。 (2)登録第4619333号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成13年8月30日に登録出願、第1類ないし第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年11月8日に設定登録されたものである。 3 登録異議申立ての理由の要点 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、産業機械・建設機械全般の分野において著名な引用商標1「コベルコ」とその前後に「ハ」と「ン」の文字と結合した本件商標「ハコベルコン」は、引用商標1「コベルコ」と類似する商標である。また、本件商標と引用商標1及び2から生じる称呼は、語頭音「ハ」と語尾音「ン」の有無という相違を有するにすぎず、両商標の全体を称呼した場合には、その語感、語調は相紛らわしいものであるから、本件商標と引用商標1及び2とは、称呼上類似する。そして、本件商標の指定商品は、「消毒・殺虫又は防臭用散布機(農業用のものを除く。)」を除いて、引用商標1及び2の指定商品と同一又は類似の商品である。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人は、1905年(明治38年)に合名会社鈴木商店の神戸製鋼所として創業を開始し、1911年(明治44年)に鈴木商店から独立して「株式会社神戸製鋼所」として発足して以来、約100年の歴史を経て現在に至っている。そして、申立人は、長年にわたり、業界トップクラスの大企業として、多岐にわたる事業を展開しており、1979年(昭和54年)には、その取扱いに係る商品及び役務について、「KOBELCO」なるブランドを採択した。それ以来、申立人は、引用商標1及び2を自己の商標として、商品・役務に独占的に継続して使用してきた。 また、申立人とその関連会社は、神戸製鋼グループを形成しており、これら企業の商号には、「コベルコ」の文字を冠するものが多数存在し、各種商品・役務の分野において引用商標1及び2を使用している。 したがって、上記事情からすれば、引用商標1及び2は、申立人及びその神戸製鋼グループの商標として、著名性を獲得しているものである。 また、本件商標は、引用商標1の前後に「ハ」と「ン」を付したものであり、さらに、申立人の取扱い商品には、本件商標の指定商品と同一又は類似の商品であるコンベヤ、ショベル、クレーン等の荷役機械器具や土木機械器具が含まれ、密接な関連性を有しているといえる。 したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標といわざるを得ない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、前記のとおり、「ハコベルコン」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって、同一の大きさ、同一の間隔で書され、外観上の一体性がきわめて強いものである。また、本件商標の構成文字全体より生ずると認められる「ハコベルコン」の称呼は、よどみなく称呼され得るものである。 そうすると、本件商標は、構成文字全体をもって、一体不可分の造語を表したと認識されるものであって、その構成中の「コベルコ」の文字部分のみが独立して印象づけられるものではない。 これに対して、引用商標1は、「コベルコ」の文字を書してなるものである。 してみれば、本件商標は6文字よりなるのに対し、引用商標1は4文字よりなるものであるから、両者は、構成する文字数において相違するのみならず、いずれも片仮名といった簡潔な綴り字よりなるものであるから、語頭の「ハ」及び語末の「ン」の文字の有無の差異を有することにより、通常の注意力をもってすれば、本件商標と引用商標1とを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上互いに紛れるおそれはないものといわなければならない。また、本件商標と引用商標2とは、外観上明らかに相違するものである。 さらに、本件商標は、その構成文字に相応して、「ハコベルコン」の称呼を生ずるものであるのに対し、引用商標1及び2は、その構成文字より「コベルコ」の称呼を生ずるものであるところ、本件商標より生ずる「ハコベルコン」の称呼と引用商標1及び2より生ずる「コベルコ」の称呼は、構成する音数において相違するばかりでなく、語頭の「ハ」及び語末の「ン」の各音の有無の差異を有するものであるから、これらの差異音が両称呼全体に及ぼす影響は大きく、それぞれの称呼を一連に称呼した場合は、全体の語調、語感が著しく相違したものとなり、互いに紛れるおそれはないというべきである。 また、本件商標と引用商標1及び2は、いずれも特定の観念を有しない造語よりなるものと認められるから、観念上比較することができない。 したがって、本件商標と引用商標1及び2は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 甲第10号証、甲第11号証、甲第14号証ないし甲第17号証、甲第21号証ないし甲第30号証によれば、引用商標1及び2は、申立人及びそのグループ会社の取扱いに係る商品等を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されていたとしても、前記(1)のとおり、本件商標は、その構成中の「コベルコ」の文字部分のみが独立して認識される商標ではなく、引用商標1及び2とは商標それ自体相違するものであるから、本件商標に接する需要者がこれより直ちに引用商標1及び2を想起又は連想することはないというのが相当である。 したがって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人のグループ会社等、申立人と業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 引用商標2 |
異議決定日 | 2007-12-28 |
出願番号 | 商願2006-60777(T2006-60777) |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Y
(Y07)
T 1 651・ 271- Y (Y07) T 1 651・ 262- Y (Y07) T 1 651・ 261- Y (Y07) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 手塚 義明 |
特許庁審判長 |
中村 謙三 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 津金 純子 |
登録日 | 2007-03-30 |
登録番号 | 商標登録第5035892号(T5035892) |
権利者 | 株式会社ホクエツ |
商標の称呼 | ハコベルコン |
代理人 | 川瀬 幹夫 |
代理人 | 小谷 悦司 |
代理人 | 吉井 剛 |
代理人 | 吉井 雅栄 |