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審判番号(事件番号) データベース 権利
取消2007300061 審決 商標
取消200630931 審決 商標
取消200631602 審決 商標
取消200631260 審決 商標
取消200631043 審決 商標

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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 025
管理番号 1170786 
審判番号 取消2006-31291 
総通号数 98 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-02-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2006-10-16 
確定日 2007-12-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第3225599号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第3225599号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第3225599号商標(以下「本件商標」という。)は、「エーライフ」の文字を横書きしてなり、平成6年3月29日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成8年11月29日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録は、平成18年10月31日になされている。

第2 請求人の主張の要点
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁及び口頭審理における陳述において、要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した(なお、平成19年6月15日付け弁駁書に添付の「甲第1号証」は、審判請求書に添付の「甲第1号証」と重複するため、これを「甲第3号証」とした。)。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、継続して3年以上日本国内において使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条の規定により、取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁
(1)株式会社「エーライフ矢崎」について
請求人の調査によれば、被請求人が通常使用権者であると主張する「株式会社エーライフ矢崎」(以下「エーライフ矢崎」という。)は、被請求人傘下のグループ関連会社であり、「矢崎生活協同組合」を法人化した企業であって、被請求人グループ内の従業員を対象にした購買部的な存在のようであり、その本質は小売業である(甲第3号証)。
そして、「エーライフ」は、会社と店舗の名前であって、「エーライフ」の標章を付した商品は扱っていない(甲第3号証)。

(2)通常使用権について
「エーライフ矢崎」が被請求人の関連会社であったとしても、両者の法人格は別である。
そうとすれば、被請求人は、「エーライフ矢崎」が本件商標の通常使用権者であることを証する通常実施許諾契約書等の証拠を提出すべきである。

(3)乙第1号証及び乙第2号証について
「エーライフ矢崎」は、(1)で述べたとおり、「矢崎総業株式会社」の子会社の一つである。
そして、「矢崎総業株式会社」は多数の子会社を有しているため、「エーライフ矢崎」が親会社である「矢崎総業株式会社」に納入する場合には、他の子会社からの商品納入と区別するために、納品書や請求書に納入元を明示する必要が生ずる。
確かに、乙第1号証及び乙第2号証の「品名」欄には、「エーライフ 長袖ブラウス9号 AM640-1」、「エーライフ 長袖ブラウス11号 AM640-1」と記載されており、「エーライフ」という名称が使用されている。しかしながら、当該「エーライフ」の標章は、商品の標章とは関係なく、納入元を明示する必要から記載されているものと解される。
したがって、乙第1号証及び乙第2号証だけでは、「エーライフ矢崎」が指定商品「被服」に本件商標を使用していた事実を立証することはできない。
被請求人が、「エーライフ」の標章を付した長袖ブラウスが存在するというのであれば、当該商品そのもの、又は、当該商品の写真を証拠として提出すべきである。少なくとも、「エーライフ」の標章を付した長袖ブラウスの納入に関する証拠だけでなくて、仕入先や製造元に関する証拠も提出すべきである。

(4)乙第3号証の1ないし5について
被請求人は、「エーライフ矢崎」、「A-life」等の標章を、「エーライフ矢崎」の店舗や駐車場の看板等に使用している写真を提出している(乙第3号証の1ないし5)。
しかしながら、乙第3号証をもって、「エーライフ矢崎」が、本件商標を、本件請求に係る指定商品に使用した事実を立証せんとすることは全く的外れである。
すなわち、被請求人が提出した証拠は、「エーライフ矢崎」が自己の商号や店名等に、小売業務のサービスマークとして「エーライフ」、「A-life」等を使用していた事実を立証しているにすぎないからである。
したがって、本件請求に係る指定商品に「エーライフ」を使用した事実を証明する証拠とはなり得ないのである。

(5)小売等役務商標制度について
被請求人は、小売等役務商標制度に関する法改正について種々述べているが、これは本件商標を小売等役務については使用していたが、そこで販売している商品には本件商標を使用していなかったことを自認しているに等しいものである。
また、「エーライフ矢崎」が「エーライフ」を使用して小売業を行っていたという事情は、本件審判とは無関係な事情であって、係る事情によって、本件審判の結論が左右されてる理由はない。
さらに、仮に、本件審判で被請求人の商標権が取り消されたとしても、そのことから直ちに、被請求人が「エーライフ矢崎」という名称で小売業を続けることができなくなるわけではない。
加えて、仮に、請求人が本件請求に係る指定商品について、「エーライフ」の商標の登録を行ったとしても、被請求人は以前と何ら変わることなく本件請求に係る指定商品の全てに関して小売等役務を指定役務として商標登録することは可能である。
そうとすれば、殊更に、被請求人を保護する必要はないというべきである。

3 口頭審理における陳述
被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証に記載されている「長袖ブラウス9号」及び「長袖ブラウス11号」は「制服」であった旨述べているが、注文の数量が全部で3個というのは、親会社が子会社に注文する数量としては少なすぎると思われる。

第3 被請求人の答弁及び口頭審理における陳述の要点
被請求人は、「本件審判の請求は、成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。」との審決を求め、答弁及び口頭審理における陳述において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証の5を提出した。
1 被請求人の答弁
(1)使用の事実
本件商標は、次に述べるように、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、通常使用権者が、少なくともその指定商品中の「被服」に属する「長袖ブラウス」に使用していた。

(ア)エーライフ矢崎(本店所在地:静岡県裾野市御宿1500番地)は、本件商標の通常使用権者であって、静岡県内の裾野市、浜松市、沼津市ほか10個所の販売施設を有し、被服などの生活用品のほか、事務用品、酒及び一般食品等の販売業務を行っているものである。
通常使用権者は、その業務に係る商品を販売する店舗、店舗内売り場、屋外看板、駐車場及び営業車両に、本件商標及びこれをローマ字表示に変更して図案化した「A-life」等の商標を使用すると共に(乙第3号証の1ないし5)、その販売商品の一部については、商品や商品の包装その他に、同様の商標を付し、オリジナル商品として断続的に販売してきた。

(イ)乙第1号証及び乙第2号証は、2006年(平成18年)7月13日に、通常使用権者が発行した納品書及び請求書である。
同号証の品名欄には、「長袖ブラウス」の記載と共に、本件商標が明記されている。
同号証は、通常使用権者が、本件商標をその指定商品「長袖ブラウス」に関する取引書類に付して頒布したこと、及び「長袖ブラウス」を本件商標の下で販売していたことを示すものである。
なお、本件商標を付した各種商品の販売は、数ケ月間の実施を断続的に繰り返し反復したため、現時点で確保できた証拠方法に乏しいことを認めざるを得ないが、現在も証拠方法の調査・収集を進めており、必要であればさらに証拠方法を補充する意思がある。

(2)以上のように、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、通常使用権者が指定商品中の「長袖ブラウス」に使用していたものである。
また、乙第1号証及び乙第2号証に示された本件商標の使用は、平成18年7月13日当時のものであるから、商標法第50条第3項に規定する「審判の請求前3月からその審判請求の登録の日までの間」に該当するものでもない。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項ないし第3項に規定する商標登録の取消要件に該当するところがなく、請求人の主張が成立しないことは明らかである。

(3)小売等役務商標制度について
被請求人が商品区分第25類を含む計15区分の商品を指定して本件商標を登録取得した理由の一つは、本件商標の出願当時、小売役務を指定する役務区分が存在しなかったためである。
また、通常使用権者が、本件商標を長袖ブラウスなどに使用するだけではなく、乙第3号証の1ないし5に示すように、販売施設などに積極的に使用してきたことも、同様の理由に他ならない。
小売役務を指定して商標登録を取得する道が設けられていなかった当時、小売販売に係る商品を指定して登録商標を取得することは、商標の登録保護を獲得する唯一の方法であり、取得した登録商標を販売施設などに使用することも、商標登録を保全する正当な使用行為であった。
しかるに、今般の法改正によって、小売役務を指定して商標登録を取得することが可能になったことに伴い、販売商品を指定して商標登録を取得し保有している既存の商標権者は、困難な事態に直面しなければならない。
すなわち、今般の法改正を奇貨とする者が、既存の登録商標と商標・指定商品において同一・類似の新たな商標出願を行った上で、当該登録商標に対する不使用取消審判を請求した場合がこれに当たる。
このような場合、登録商標の使用が販売施設との関係でしかなされていないこと、あるいは登録商標が販売商品自体に使用されていても、その使用が小規模であったり断続的であることを理由に、商標登録を取り消される事態が生じるならば、既存の商標権者は法的保護実体の実在にも拘わらず登録保護を失わなければならない。のみならず、審判請求人が販売商品を指定する新たな商標登録を取得することとなるため、改めて小売役務を指定して登録を取得する道も閉ざされることになる。
商標登録制度を信じて誠実に行動した既存の商標権者が、法的保護実体の実在にもかかわらず登録保護から隔てられることは、もとより商標法の予定するところではないが、このような事態が放置されるならば、商標登録制度に対する信頼は揺らぎ、その円滑な機能が損なわれることは避けがたいものと思料する。
この点で、不使用取消審判の運営には特段の合理的配慮が求められるところであり、本件においても通常使用権者の誠実な商標使用によって蓄積された法的利益状態を参酌すよう希望する。

2 口頭審理における陳述
(1)乙第1号証及び乙第2号証の原本は、紛失した。

(2)乙第1号証及び乙第2号証において、販売された「長袖ブラウス」は、制服である。

(3)商標権者と「エーライフ矢崎」との間では、通常使用権許諾に関する契約書は作成していない。

(4)「エーライフ矢崎」の主たる業務は、小売りである。

第4 当審の判断
1 通常使用権について
甲第3号証によれば、エーライフ矢崎は、被請求人傘下の関連会社であることが認められる。
そうとすると、仮に、被請求人とエーライフ矢崎との間に、本件商標についての通常使用権の許諾に関する契約書が存在しないとしても、両者の間には黙示的に、エーライフ矢崎が本件商標の商標権を使用することについて了解事項があったものと解することができ、エーライフ矢崎は、本件商標の商標権の通常使用権者とみて差し支えないというのが相当である。

2 乙第1号証及び乙第2号証
乙第1号証及び乙第2号証は、本件商標の通常使用権者とされる「エーライフ矢崎」が「矢崎総業株式会社(被請求人)」の東京ビジネスサービス部に宛てた2006年(平成18年)7月13日付けの納品書及び請求書であるところ、いずれも「品名」欄の「No.1」には、「エーライフ 長袖ブラウス9号 AM640-1」と、同じく「No.2」には、「エーライフ 長袖ブラウス11号 AM640-1」と記載され、それぞれの数量は、前者が「1」、後者が「2」である。

3 乙第3号証の1ないし5
乙第3号証の1ないし5によれば、通常使用権者の店舗入り口には「A-LIFE(図案化したもの)」が、同店舗内売り場には「A-LIFE(図案化したもの)矢崎」が、屋外看板には「酒/日用品/食料品/菓子 (株)エーライフ矢崎」及び「SHARP/エーライフ矢崎」が、営業用車には「A-LIFE(図案化したもの)矢崎」及び「株式会社 エーライフ矢崎」が、また、駐車場標識には「エーライフ駐車場」が、それぞれ表示されていることが認められる。

4 本件商標の使用について
乙第1号証及び乙第2号証によって、「エーライフ矢崎」は、2006年(平成18年)7月13日付けの納品書及び同日付の請求書をもって、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中の「長袖ブラウス」を取引したと、書面上推認することは可能である。
しかしながら、仮に、上記取引書類に記載された商品の取引が実際に行われたとしても、これに記載された「エーライフ」の記載から、直ちに取引された「長袖ブラウス」に本件商標が付されていたと認めることはできない。
すなわち、乙第1号証及び乙第2号証からは、「エーライフ矢崎」が、実際に、当該「長袖ブラウス」に本件商標が使用されている状態で、譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示したか否かは全く明らかではなく、被請求人は、上記取引書類に記載された「長袖ブラウス」に本件商標が使用されていることを明らかにする商品の写真等の提出を一切していない。
また、甲第3号証第5頁Q6:において「それで、ちょっと伺いたいんですけど、衣服とか、靴とか、あるいは食べ物とかで、そこの売店に売ってらっしゃるものに『エーライフ』ってブランドがあるんですか?」という質問に対して、「エーライフ矢崎」の女性スタッフが、同6頁A6:において、「いや、それは無いですね。『エーライフ』は会社と店舗の名前です。」と答えているところ、被請求人は、この点について明確には争っていない。
仮に、当該女性スタッフが述べたように、「エーライフ矢崎」は、本件商標「エーライフ」をブランドとしては使用していないとすれば、乙第1号証及び乙第2号証の品名欄に、あえて「エーライフ」と表示されている理由が判然としない。
加えて、被請求人が乙第1号証及び乙第2号証の原本を紛失したために、同号証が真正であるか否かを確認することができない。
そうすると、通常使用権者が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を請求に係る指定商品中の「長袖ブラウス」について使用したものと認めることはできない。
また、他にこれを覆すに足る的確な証拠の提出はない。

5 小売等役務商標制度について
被請求人は、「本件商標を登録出願当時は、小売役務の商標制度が存在しなかったため、小売役務についての登録商標を取得することができなかったが、平成19年4月に小売役務の商標制度が導入された結果、第三者が既存の登録商標と商標及び指定商品と同一又は類似のものについて、新たな商標出願を小売等役務に行った上で、当該登録商標に対する不使用取消審判を請求した場合、被請求人のように、登録商標の使用が販売施設との関係でしかなされていないことや、登録商標が販売商品自体に使用されていても、その使用が小規模であったり断続的であることを理由に、商標登録を取り消される事態が生じることが予測され、既存の商標権者は、商標登録が取り消されるのみならず、審判請求人が販売商品を指定する新たな商標権を取得することとなるため、改めて小売役務を指定して登録を取得する道も閉ざされることになる。したがって、このような事態が放置されるならば、商標登録制度に対する信頼は揺らぎ、その円滑な機能が損なわれることは避けがたいものと思料するところであり、この点で、不使用取消審判の運用には特段の合理的配慮が求められる。」旨主張する。
小売等役務の商標制度が導入される以前においては、小売業者等おいてされる品揃え、商品展示、接客サービス、カタログを通じた商品の選択の工夫等といった、顧客に対するサービス(役務)についての商標の保護制度がなく、たとえば、小売業者等は、その取扱いに係る様々な商品を商品区分毎に、あるいは個別商品毎に商品を指定して商標登録出願する必要があったことは認め得るところであり、小売業者等を含め、商品の販売に関わる業者は、自己の業務に係る商品について、商品商標の商標登録出願をし、使用を欲する商標の保護を求める最善の方法を取ってきたものといえる(商品の製造ないし販売に関わる業者は、今もって変わるところがない。)。
また、平成18年法律第55号による商標法の改正(以下「改正法」という。)により小売等役務の商標制度が導入された際には、従前からの小売業等における使用により商標に化体された使用者の信用を維持し、既存の取引秩序を混乱させることのないようにするため、改正法の施行前から日本国内で不正競争の目的でなく、自己の業務に係る小売等役務について、既に使用している商標については、施行の際にその業務を行っている範囲内において、継続的使用権による継続的使用が認められ、また、改正法施行の日から3ヶ月間に出願された小売等役務を指定役務とする出願同士が競合する場合は、その出願した商標が改正法の施行前から日本国内で不正競争の目的でなく、自己の業務に係る小売等役務について使用している商標について商標登録を受けようとするものであるときは、使用に基づく特例の適用を主張することができ、未使用の商標に優先して商標登録が受けられるという経過措置が採用されているものである。
したがって、被請求人は、改正法の施行前から日本国内で不正競争の目的でなく、自己の業務に係る小売等役務について本件商標を使用していたのであれば、継続的使用権による継続的使用が認められるばかりでなく、本件商標について小売等役務を指定役務として出願するのであれば、使用に基づく特例の適用を主張することができるから、被請求人の「改めて小売役務を指定して登録を取得する道も閉ざされることになる」旨の主張は、当たらない。
一方、商標法第50条に基づく審判制度の趣旨は、商標法上の保護は、商標の使用によって蓄積された信用に対して与えられるのが本来的な姿であって、一定期間登録商標の使用をしない場合には保護すべき信用が発生しないかあるいは発生した信用も消滅してその保護の対象がなくなるし、他方、不使用の登録商標に対して排他的独占的な権利を与えておくのは国民一般の利益を不当に侵害し、かつ、その存在により権利者以外の商標使用希望者の商標の選択の余地を狭めるから、審判請求をする利益を有する者の請求によりこのような商標登録を取り消させることにある、というべきであり、要するに、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品のいずれかについて、登録商標の使用をしていたか否かを被請求人の提出に係る証拠により判断して、登録商標の使用の事実が認められず、かつ、使用してないことについて正当な理由がなければ、当該商標登録は取り消されるべきものである。
そして、上記4で認定したとおり、本件商標の通常使用権者が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を請求に係る指定商品中「長袖ブラウス」について使用したものと認めることはできないのである。
したがって、小売等役務の商標制度の存在の有無にかかわらず、商品の製造ないし販売に係る業者は、自己の業務に係る商品について、商品商標の商標登録出願をしている現状、小売等役務の商標制度導入の際に認められた継続的使用権の行使、及び不使用による商標登録の取消審判制度の趣旨を併せ考慮すれば、上記被請求人の主張は理由がないというべきである。

6 むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品について、登録商標の使用をしていたことを証明したということはできないし、また、使用していないことについて、被請求人の小売等役務の登録制度が存在しなかった等の前記主張が正当な理由に当たらないことはいうまでもないし、他に不使用の正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2007-10-31 
出願番号 商願平6-30909 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (025)
最終処分 成立  
前審関与審査官 村上 照美松本 はるみ 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 鈴木 修
渡邉 健司
登録日 1996-11-29 
登録番号 商標登録第3225599号(T3225599) 
商標の称呼 エーライフ 
代理人 生田 哲郎 
代理人 佐野 辰巳 
代理人 名越 秀夫 
代理人 浅賀 一樹 
代理人 齋藤 祐次郎 

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