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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y05
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y05
管理番号 1170707 
審判番号 不服2006-10498 
総通号数 98 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-02-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-05-22 
確定日 2007-12-12 
事件の表示 商願2005- 8918拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「おやすみ前」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」を指定商品として、平成17年2月4日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『おやすみ前』の文字を普通に用いられる方法で横書してなるところ、当該語の持つ意味合いよりすれば『おやすみ前(眠る前)に使用する商品』といった商品の使用方法を容易に直感させるに止まるというのが相当であり、これを指定商品中、例えば『薬剤,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,失禁用おしめ』等のおやすみ前(眠る前)に使用されることが想起できる商品に使用したときには、単に商品の使用方法を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり、「おやすみ前」の文字よりなるところ、その構成中の「おやすみ」の文字は、「『寝ること』の尊敬語。休息・休暇・休業などを丁寧にいう語。(「?なさい」の略) 就寝の際の挨拶語。」(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)等の意味を有する語であり、同じく「前」の文字は、「物の正面にあたるところ。ある時点より早いこと。」(同)等の意味を有する語であって、その構成文字全体として「寝る前、休息前」程の意味合いを容易に認識、理解するものである。
ところで、薬剤等を取り扱う業界などにおいて、商品のパッケージや説明書の中で、薬の成分、使用方法、使用時期、品質、効能を挙げて表示する等、需要者の選択を容易にするとともに、安全性、利便性を図っているところであり、需要者が症状や目的にあった商品を選択できるように努めている実情がある。
そして、それらの商品の使用時期、使用量等の情報は、商品のパッケージや説明書等の「用法・用量」や「商品説明」の項目に、明確に表示されているところであって、「おやすみ前」の文字、あるいは、同様の意味合いを表す「就寝前」の語が、本願の指定商品の商品説明、宣伝、広告等において、普通に使用されていることが、以下のインターネットの商品情報からも窺い知ることができる。
(ア)小林製薬株式会社のホームページにおいて「『アイボントロ?リ目薬』の基本は角膜のケアです。・・・さらにおやすみ前に『アイボントロ?リ目薬』でトローリと角膜を包み、そのまま、夜を通して角膜を保護していく。・・・『トローリとした粘性』と『寝ている間の角膜ケア』という特徴は、まさに、革命的な目薬だと自負しております。」(http://72.14.235.104/search?q=cache:ZmFL0DNvJsMJ:hint.kobayashi.co.jp/academy/aca_0310/index.html+%E3%81%8A%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%BF%E5%89%8D%E3%80%80%E7%9B%AE%E8%96%AC&hl=ja&ct=clnk&cd=2)の記載。
(イ)「タケダ漢方便秘薬 180錠」の見出しのもと「用法・用量 次の量を1日1回、就寝前に水またはお湯で、かまずに服用してください。・・・おやすみ前にはタケダ漢方便秘薬180錠」(http://item.rakuten.co.jp/sunhouse/10000479/)の記載。
(ウ)ケンコーコム株式会社のホームページにおいて「『ビューラック 50錠』は、おやすみ前に服用することにより、翌朝にはおだやかなお通じが期待できる便秘薬。」(http://www.kenko.com/product/item/itm_6621102072.html)、及び「『ユベラリッチ 28g』は、・・・水仕事の 後やお風呂上り、お休み前にご使用ください。・・・用法・用量・・・(ユベラリッチの効果的な使い方)・水仕事の後やお風呂あがり、おやすみ前に使用してください。」の記載。
(エ)小林製薬グループ爽快ドラッグのホームページにおいて「いびき防止薬 アンスノール・・・【いびき防止薬 アンスノールの商品詳細】●うるさいいびきに・・・●いびきが気になる方に・旅行先などでのお休み前に【効能・効果】いびきの一時的な抑制または軽減【用法・用量】就寝前、あおむけの姿勢をとり、各鼻孔に薬液5?6滴(約0.2mL)を滴下します。」(http://store.yahoo.co.jp/soukai/4987300513804.html)の記載。
(オ)「財団法人日本医療機能評価機構」のホームページにおいて「フマル酸ケトチフェン・・・内服:1回1mg,1日2回朝食後と就寝前」の記載。
(カ)「北海道鼻アレルギー情報センター」のホームページにおいて「喘息: 1回1カプセル(20mg)、1日3?4カプセル吸入(専用吸入用器具使用)〔朝、昼及び就寝前ないしは朝、昼、夕及び就寝前〕(症状緩解の場合、1日2?3カプセルに減量) 」(http://www.nasal-allergy.net/top/gaku_i/temp/14-15.html)の記載。
(キ)「北陸サプライ株式会社」のホームページにおいて「シルバーケア テークケア尿とりパッド 夜一枚安心パッド 夜就寝前の交換で、朝までぐっすり眠れます」(http://www.hokuriku-supply.com/data/index-n.html)の記載。
上記の実情からすると、薬剤等を取り扱う業界において、「おやすみ前」の文字は、その商品との関係において、「寝る(就寝)前」の意味合いを容易に理解するものであり、商品の使用時期を表したものと認識させるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、その指定商品中、商品の使用時期が重要な品質となる商品、例えば、薬剤、失禁用パットについて使用しても、これに接する取引者、需要者は、「寝る(就寝)前に服用、使用する商品」であることを表示したものと理解するにとどまるものであるから、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認められず、かつ、前記以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
なお、請求人は、「『おやすみ』の語は、指定商品『薬剤』との関係においても『眠る(寝る)前』の意味だけを直ちに認識させるものではない。」旨主張している。
しかしながら、市場において、「薬剤」等に「おやすみ前」の語が使用される場合には、一般的に、「眠る(寝る)前」の意味合いで使用されている実情にあることは、上記(ア)ないし(キ)において述べたとおりである。
そして、「おやすみ前」の語が自他商品の識別標識としての機能を有するか否かの判断にあって、当該取引の実情を無視することは適切でないから、請求人の主張は採用できない。
さらに、請求人は、他の登録例を引用して、本願商標は、自他商品の識別機能としての機能を有する旨主張しているが、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品等の取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるものであるから、請求人の挙げた商標登録例の存在によって、その認定は左右されないというべきである。
したがって、上記の請求人の主張も採用することができない。
以上のとおり、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨認定、判断した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-09-12 
結審通知日 2007-09-18 
審決日 2007-10-30 
出願番号 商願2005-8918(T2005-8918) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y05)
T 1 8・ 272- Z (Y05)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 齋藤 貴博 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 鈴木 修
堀内 仁子
商標の称呼 オヤスミマエ、ヤスミマエ 
代理人 川瀬 幹夫 
代理人 小谷 悦司 

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