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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Y25
審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Y25
管理番号 1169131 
異議申立番号 異議2007-900039 
総通号数 97 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-01-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-01-25 
確定日 2007-11-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第4998985号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4998985号商標の指定商品中、「被服,仮装用衣服,運動用特殊衣服」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4998985号商標(以下「本件商標」という。)は、「Vジャン」の文字を標準文字で書してなり、平成18年1月6日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として同年10月27日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
(1)登録異議申立人「美津濃株式会社」の申立理由の要旨
本件商標は、「Vジャン」の語を普通に用いられる方法で表示したにすぎず、「V字型の襟の形状であるジャンパー、ウインドブレーカー、ユニフォーム」等の観念を生ずるから、これをその指定商品中の「被服,仮装用衣服,運動用特殊衣服」に使用しても、商品の品質表示として認識され、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、また、前記語意に照応しない商品に使用されるときは、その品質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標の指定商品中、「被服,仮装用衣服,運動用特殊衣服」の登録については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、取り消されるべきである。
(2)登録異議申立人「ゼット株式会社」の申立理由の要旨
本件商標は、「Vジャン」を標準文字で書してなるところ、Vジャンとは野球の練習時等において着用されるVネック(又はV首)のジャンパーの略称として本件商標の登録出願前から一般的に使用されている語であるから、本件商標をその指定商品中、このような商品に使用した場合、需要者をして、単に商品の略称を表示したにすぎないと認識させるに止まり、自他商品の識別力を有さず、また、当該商品以外の商品に使用した場合、需要者をして商品の品質等の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、取り消されるべきである。

3 当審において通知した取消理由の要旨
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)中「ゼット株式会社」の提出に係る甲第10号証ないし甲第24号証(枝番号を含む。)(いずれも本件商標の登録査定前に発行された刊行物又はインターネット上で広告されたもの)によれば、以下の事実が認められる。
「Untitled Document」と題するホームページ(甲第11号証)における「2002年11月度のトピックス」の項目中「11月1日」欄には、「新グッズ・・・チームVジャンが完成」の見出しのもと、「野球用品やユニフォームには時代を反映する流行があるが、ここ1年ほどプロ・アマを問わず『すぐれモノ』と重宝されているのがVネックのジャンパー(略称・Vジャン)。防寒着の一種だが真冬に羽織るグランドコートのように重くなく、軽量で今頃の季節には最適。」との記載が認められ、また、「GRAND SLAM Photo Collection」と題するホームページ(甲第12号証)の「Photo Collection 野球部の活躍や話題を写真で紹介します。2004年10月」の項目に、「10月21日(木) めっきり寒くなってきている。練習後のグランド整備などでの光景も、Vジャンを着たりする選手の姿が見られるようになってきた。」との記載が認められる。
さらに、「Vジャン」の語が上記Vネックのジャンパーを指称するものとして、スポーツ(特に野球)関連の雑誌やインターネット等を介して紹介され、かつ、市場において販売されていた事実が認められる。この事実は、登録異議申立人中「美津濃株式会社」の提出に係る甲第14号証及び甲第18号証ないし甲第20号証によっても認めることができる。
(2)前記(1)で認定した事実を総合すると、「Vジャン」の語は、主として冬場や春先などに防寒用として着用するV字形の襟ぐり(Vネック)の野球等用のジャンパーを略称するものとして、運動用特殊衣服等を取り扱う分野において、本件商標の査定時には普通に使用されていた事実が認められる。
そうすると、「Vジャン」の文字よりなる本件商標をその指定商品中、「V字形の襟ぐり(Vネック)のジャンパー」について使用しても、単に商品の品質を表示したと認識されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというべきであり、また、上記商品以外の「被服,仮装用衣服,運動用特殊衣服」について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
(3)以上のとおりであるから、本件商標の登録は、その指定商品中「被服,仮装用衣服,運動用特殊衣服」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものといわざるを得ない。

4 当審の判断
本件に関し、審判長は、商標権者に対し、平成19年7月10日付けで上記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もなかった。
そして、上記3の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、「被服,仮装用衣服,運動用特殊衣服」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものといわなければならないから、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
また、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、申立人の主張及び提出証拠を検討したが、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではなく、取り消すべき理由がないものと認められるから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2007-09-20 
出願番号 商願2006-465(T2006-465) 
審決分類 T 1 651・ 13- ZC (Y25)
T 1 651・ 272- ZC (Y25)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 大橋 信彦佐藤 松江 
特許庁審判長 山口 烈
特許庁審判官 鈴木 新五
寺光 幸子
登録日 2006-10-27 
登録番号 商標登録第4998985号(T4998985) 
権利者 株式会社アシックス
商標の称呼 ブイジャン、ジャン 
代理人 北村 修一郎 

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