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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 Y09
管理番号 1167826 
異議申立番号 異議2007-900024 
総通号数 96 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-01-15 
確定日 2007-11-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第4995372号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4995372号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4995372号商標(以下「本件商標」という。)は、「AYAYA」の文字を標準文字で表してなり、平成18年3月24日に登録出願され、第9類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年10月13日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)本願商標は、登録異議申立人 アバイア インコーポレーテッド(以下「申立人」という。)の所有する2000年(平成12年)5月22日アメリカ合衆国において商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して平成12年6月30日に登録出願され、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第9類、第35類、第37類、第38類、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(役務)を指定商品(指定役務)として、同14年11月29日に設定登録された登録第4626196号商標(以下「引用商標1」という。)、同じく2000年(平成12年)6月16日アメリカ合衆国において商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して平成12年6月30日に登録出願され、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第9類、第35類、第37類、第38類、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(役務)を指定商品(指定役務)として、同14年11月29日に設定登録された登録第4626197号商標(以下、「引用商標2」といい、一括して「各引用商標」という。)と外観上極めて近似する類似の商標であり、また、本件商標の第9類の指定商品中には、各引用商標の指定商品と同一又は類似の商品が含まれている。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、第9類の指定商品の登録は取り消されるべきものである。
(2)また、各引用商標は、通信及びその関連分野において海外及び日本国内で広く認識されているところ、本件商標は、この広く知られた各引用商標と外観上相紛れるおそれがあるものであるから、本件商標がその指定商品中、通信に関する商品に使用された場合、申立人の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、第9類の指定商品の登録は取り消されるべきものである。

3 当審の判断
(1)本件商標と各引用商標との比較
本件商標と引用商標1との外観上の類否について検討すると、本件商標は、前記したとおり「AYAYA」の欧文字を標準文字で表示したものである。他方、引用商標1は、別掲(1)のとおり「AVAYA」の欧文字を肉太に表し、さらに、各文字の端部分の上下には横棒を配してなるので、これに接する看者には安定感のある書体として看取されるものである。
そうすると、平凡な普通の書体で表示してなる本件商標と上記のとおり肉太で変化を付けて表された引用商標1とは、その構成において明らかな差異が認められるのに加え、第2文字目が「Y」と「V」の文字の差異を有するものであるから、両商標は、その表現方法及び描出方法において異なるものであり、これらを対比観察した場合はもとより、時と処を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上区別し得るものといわなければならない。
次に、本件商標と引用商標2との外観上の類否について検討すると、本件商標は上記のとおりであるのに対し、引用商標2は、「AVAYA」の欧文字を恰も製図用の機械を用いて描いた如く、各文字の右側の辺と次の文字の左側の辺とは平行になるように、やや肉太の線書きで正確に表示された構成よりなるものであり、一見して模様(図)のように看取される上に、引用商標1の場合と同じく、第2文字目が「Y」と「V」の文字の差異を有するものであるから、両商標は、その表現方法及び描出方法において異なるものであり、これらを対比観察した場合はもとより、時と処を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上区別し得るものといわざるを得ない。
そして、本件商標と各引用商標とを称呼及び観念上みても、本件商標は「アヤヤ」の称呼を生じ、特定の語義を有しない造語と認められるのに対し、各引用商標は「アバヤ」の称呼を生ずる同じく特定の語義を有しない造語と認められるものである。
そうすると、この両称呼は、共に短い3音の音構成において、相違する各音の音質の差により、十分に聴別できるものであり、また、観念においては、前記のとおり共に造語と認められるから比較し得ないものである。
してみれば、本件商標と各引用商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点よりみても、類似しない商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人より各引用商標の周知・著名性を立証するものとして提出された証拠(甲第4号証ないし甲第10号証、枝番を含む。)は、甲第8号証の引用商標の各国の登録状況を除き、すべてインターネット情報(写し)と認められるものであり、これらの証拠によれば、引用商標(特に、引用商標2)が通信及びその関連分野において使用されていること、そして、その製品、サービスがこの種の業界においてある程度認識されていることは認め得るとしても、各引用商標がその製品及びサービス(役務)に具体的に使用されてきた期間・その頻度、広告媒体等に関する証拠は提出されていない。
そうすると、これらの証拠によっては、各引用商標「AVAYA」が本件商標の出願前及び登録時に、我が国において通信関連の業務(商品・役務)を表示する商標として周知、著名であったものと認めることはできない。
加えて、本件商標は、前記(1)で認定、判断したとおり、各引用商標とは非類似の商標といえるものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者が各引用商標を連想・想起することはなく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
(3)むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(1) 引用商標1 登録第4626196号商標


別掲(2) 引用商標2 登録第4626197号商標

異議決定日 2007-10-29 
出願番号 商願2006-26123(T2006-26123) 
審決分類 T 1 652・ 651- Y (Y09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山本 敦子 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 小畑 恵一
津金 純子
登録日 2006-10-13 
登録番号 商標登録第4995372号(T4995372) 
権利者 株式会社アップフロントグループ
商標の称呼 アヤヤ 
代理人 臼井 伸一 
代理人 岡部 正夫 
代理人 本宮 照久 
代理人 越智 隆夫 
代理人 加藤 伸晃 
代理人 岡部 讓 

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