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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y32
審判 全部申立て  登録を維持 Y32
審判 全部申立て  登録を維持 Y32
審判 全部申立て  登録を維持 Y32
審判 全部申立て  登録を維持 Y32
管理番号 1167787 
異議申立番号 異議2003-90697 
総通号数 96 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-10-24 
確定日 2007-11-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第4694572号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4694572号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第4694572号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示す構成よりなり、平成14年11月12日に登録出願、第32類「大麻種子エキスを含むビール風味の麦芽発泡酒」を指定商品として、同15年7月25日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
(1)本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、引用する登録4466060号商標(以下「申立人商標2」という。)は、別掲(3)に示す構成よりなり、平成11年9月7日に登録出願、第32類、第33類及び第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年4月13日に設定登録されたものである。
(2)申立人は、申立人商品「大麻種子エキスを含むビール」に付して、周知、著名であったとする別掲(2)に示す構成からなる申立人商標(以下「申立人商標1」という。)を引用している。
なお、申立人商標1及び申立人商標2をまとめていうときは、以下「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標は、商標法第4条第1項第7号、第10号、第11号、第15号、又は第19号に該当するから、同法43条の2第1号の規定により、第32類「大麻種子エキスを含むビール風味の麦芽発泡酒」ついて商標登録は取り消されるべきである旨申し立て、証拠方法として、甲第1号証ないし同第41号証(枝番号を含む)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第10号について
申立人商標1は、本件商標の出願時及び査定時において申立人が独占的にライセンスを供与するエッゲンベルク社及びAWAの業務に係る申立人商品「大麻種子エキスを含むビール」を表示するものとして、遅くとも本件商標の出願時である平成14(2002)年11月12日においては周知、著名であり、本件商標は、申立人商標1と類似する。また、本件商標の指定商品は、申立人商標1の申立人商品と同一又は類似である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人商標1は、本件商標の出願時である平成14(2002)年11月12日において、「大麻種子エキスを含むビール」を表示するものとして、著名であるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者又は需要者はあたかもエッゲンベルク社又はAWAと密接な関係にある営業主の業務に係る商品であるかの如く、出所について誤認、混同を生ずるおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第11号について
申立人商標2は、本件商標とはその外観において類似する。また、本件商標の指定商品は申立人商標2の指定商品と同一又は類似である。
(4)商標法第4条第1項第19号について
AWAの事実上の販売代理店であった本件商標権者が、周知、著名な引用商標と類似する本件商標を出願し、商標登録を取得する行為は、不正な目的を有することが明白である。
(5)商標法第4条第1項第7号について
本件商標権者は、本件商標を申立人商標と酷似させることにより、申立人商品と本件商標権の商品との出所の混同を助長させる行為を行っている。このような不正販売行為に利用する本件商標を出願し、商標登録を取得する行為は国際信義に反し、公序良俗を害するおそれがある。

第4 当審の判断
(1)「引用商標」の周知・著名性について
甲第3号証ないし同第7号証及び同第9号証ないし同第38号証(枝番号を含む。)を精査してみても、オーストリアワインの輸入代理店 有限会社エイ・ダブリュー・エイ(兵庫県 ノベルト・テッシュ社長)が上記引用商標を付した「大麻種子エキス入りビール」を平成13年3月に日本において発売した事実及び2001年から2002年においてわが国において上記引用商標(その類似商標を含む。)を付した商品が他の商品とともに広告された事実は認められるにしても、該商品が申立人(アンドリアス クロイトナー)の業務に係る商品であることを示す記載は見当たらない。
これに対して、甲第4号証、同第5号証、同第7号証、同第9号証、同第13号証及び同第19号証によれば、引用商標を付した商品「大麻種子エキス入りビール」をオーストリアのエッケンベルグ社が製造、販売等をしていることが認められる。
甲第3号証ないし同第30号証によれば、平成13年から14年に、「大麻種子エキス入りビール」が新聞、雑誌等に掲載された記事等の写しであると認められるが、該新聞、雑誌の発行部数、使用地域が不明であって、この程度の証左の数、掲載回数をもって、引用商標が周知、著名であると認めることができない。
甲第31号証、同第32号証及び同第38号証の1及び2によれば、有限会社エイ・ダブリュー・エイが平成14年6月14日から同年12月31日まで「大麻種子エキス入りビール」の販促のキャンペーンを行っていたことが認められるが、引用商標が周知著名であることを証明するものとは認められない。
甲第38号証の1及び2には、平成13年1月から平成14年11月まで配布された販促品の数量、種類が記載されているが、その数量は僅かなものであるから、この程度の証拠をもって引用商標が周知著名であると認めることができない。
以上のとおり、申立人の提出する甲各号証によっては、引用商標が出願時すでに、周知、著名であったと認めることができないばかりでなく、申立人が異議申立書(10頁)において、「申立人商標1を付した申立人商品の日本における販売本数は、日本での販売開始時(2001年1月)から本件商標の出願時(2002年11月)までの約2年弱の間において約31万本まで達し、このような販売量からも遅くとも本件商標の出願時おいては申立人商標1は申立人商品を表示するものとして全国的に知られていたこと明らかである」旨述べているが、その証左を見いだすこともできない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
瓶ビール等のラベルの大きさ、色などのデザインには大同小異のものが数多く使用されているのが実情であるばかりでなく、本件商標及び引用商標にあっては、看者の注意を強く惹き、自他商品の識別標識としての機能を顕著に果たすのは、両商標構成中の読み易く、記憶し易い文字部分であると判断するのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、別掲(1)に示したとおり、その構成中、中央に「EXTRA HEMP」の文字を大きく表してなるから、その構成文字に相応して「エクストラヘンプ」の称呼をも生ずるものと判断するのが相当である。
これに対し、申立人商標2は、別掲(3)に示したとおり、大きく表した「SPIRIT OF HEMP」の欧文字から、「スピリットオブヘンプ」の称呼を生ずるものというべきである。
そこで、両称呼を比較するに、両者は、前半部において「エクストラ」と「スピリットオブ」の音に差異を有するから、称呼上明らかに聴別し得るものである。
つぎに、観念においては、本件商標からは、「極上の大麻」、引用商標からは、「大麻の魂」の観念を生ずるから、両者は、観念においても両者は相違するものと認められる。
さらに、外観においては、本件商標と申立人商標2は、共に青色の縦長楕円形の中央に各辺がギザギザ状の四角形を配し、その四角形内に黄色の二重の輪郭を設けているが、当該図形は装飾的なありふれた輪郭線の一種とみるのが相当であるから、自他商品の識別力は乏しいものと認められる。
また、本件商標と申立人商標2は、このギザギザの輪郭線の四角形を有しその上部に、前者は黄色い太陽を描いてなるのに対して、後者は日の出又は日の入りを描いてなる点において、その構成の軌を異にするものであるから、外観においても、区別し得る差異を有するものと認められる。
そうとすれば、本件商標及び申立人商標2が、外観において類似するとする申立人の主張は採用できない。
したがって、本件商標と申立人商標2とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
ところで、申立人商標1と申立人商標2は、その主たる構成要素であるギザギザの輪郭線の四角形内に「SPRIT OF HEMP」の文字とその上部に黄色で描かれた日の出又は日の入りを描いてなる点を同じくする類似のものと認められる。
そして、上記(1)のとおり、申立人からは、申立に係る商品「大麻種子エキス入りビール」の販売実績、販売地域、販売方法、広告宣伝の方法、回数、期間について、引用商標が周知、著名であると認めるに足りる証左の提出がなされていないから、引用商標が「大麻種子エキスを含むビール」に使用されて、出願時すでに、周知、著名性を獲得していたものと認めることができない。
そうとすれば、上記1において、本件商標と申立人商標2が非類似の商標と認められるとおり、本件商標は申立人商標1とも類似するものではなく、また、引用商標は周知、著名であったとも認められず、さらに、本件商標から申立人商標1を直ちに連想、想起させるとみなければならない共通点も見出せないものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接した取引者、需要者が申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について誤認、混同するおそれはないものとみるのが相当である。

(4)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
甲各号証を精査すれば、「有限会社エイ・ダブリュー・エイ」がオーストリアのビールメーカーであるキャッスルベルク・ブルワリー・エッゲンベルク社の代理店であることは認められるとしても、申立人(アンドリアス クロイトナー)の日本における輸入代理店である事を認めるに足る記載は見当らない。
そして、本件商標は、引用商標と類似するものではないばかりでなく、商標権者が不正の利益を得る目的、あるいは他人に損害を加える目的など不正の目的をもって使用するものとは判断し得ず、この点を認めるに足りる証拠もない。
また、本件商標権者が、本件商標を商標登録出願をするにあたり、申立人の承諾を受けることなく、本件商標を登録出願し商標権を取得し、その指定商品に使用とすることが、申立人の信用を不当に利用しようとするものとも認められず、国際信義に反するものであるということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当するとは認められない。

(5)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標


(2)申立人商標1


(色彩については、甲第3号証または同第9号証を参照)

(3)申立人商標2


異議決定日 2007-10-16 
出願番号 商願2002-95614(T2002-95614) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (Y32)
T 1 651・ 25- Y (Y32)
T 1 651・ 26- Y (Y32)
T 1 651・ 271- Y (Y32)
T 1 651・ 222- Y (Y32)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小畑 恵一 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 鈴木 修
岩本 和雄
登録日 2003-07-25 
登録番号 商標登録第4694572号(T4694572) 
権利者 株式会社エールジャポン
商標の称呼 スピリチュアライズエキストラヘンプ、エキストラヘンプ、ラガーウイズヘンプエキストラクト、エキストラ 
代理人 川又 澄雄 
代理人 佐藤 哲朗 
代理人 三好 秀和 
代理人 岩崎 幸邦 

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