• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y33
管理番号 1167777 
審判番号 不服2006-65074 
総通号数 96 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-07-10 
確定日 2007-08-24 
事件の表示 国際登録第815912号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「KARIBSO」の欧文字を横書きしてなり、第32類及び第33類に属する商品を指定商品として、2003年9月18日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2003年10月24日を国際登録の日とするものである。そして、指定商品については2005年11月30日に国際登録簿に記録された取消しの通報があった結果、第32類の商品については取り消され、第33類「Alcoholic beverages(excluding beer).」となったものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2394837号商標(以下「引用A商標」という。)は、「Calypso」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年9月30日登録出願、第28類「酒類」を指定商品として、平成4年3月31日に設定登録され、その後、同14年2月5日に商標権存続期間の更新登録がされ、さらに同15年7月30日に指定商品を第33類「日本酒、洋酒、果実酒、中国酒、薬味酒」とする書換登録がなされたものである。
同じく、登録第2394838号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和62年10月27日登録出願、第28類「コーヒーリキュール」を指定商品として、平成4年3月31日に設定登録され、その後、同14年2月5日に商標権存続期間の更新登録がされ、さらに同16年7月28日に指定商品を第33類「コーヒーリキュール」とする書換登録がなされたものである。
以下、これらをまとめていうときは、単に「引用商標」という。
3 当審の判断
本願商標は、「KARIBSO」の欧文字よりなるから、該構成文字に相応して、「カリブソ」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。
他方、引用A商標は、「Calypso」の欧文字よりなり、該構成文字に相応して、「カリプソ」の称呼を生ずるものである。
また、引用B商標は、別掲のとおりの構成よりなり、色彩を施した図形と文字との結合よりなるところ、文字部分については、上段に横長扇型図形の中に「CALYPSO」の欧文字を大きく横書きし、中段の二重半円図形の内側にやや小さく「・LIQUORE DI CAFFE’・」の文字を配し、さらに下段の横長長方形図形の中に小さく、「LUXARDO」の文字を書してなるものである。
しかして、中段の「LIQUORE DI CAFFE’」の文字は、引用B商標の指定商品「コーヒーリキュール」を表した識別力のない文字部分と認められるから、上段に大きく書された「CALYPSO」の文字部分を捉え、これより生ずる「カリプソ」の称呼をもって商取引に資されることも決して少なくないものとみるのが相当である。
してみれば、引用B商標の構成中の「CALYPSO」の文字に相応して、「カリプソ」の称呼をも生ずるものというべきである。
そこで、本願商標より生ずる「カリブソ」の称呼と引用商標より生ずる「カリプソ」の称呼とを比較するに、両称呼は共に4音から構成され、称呼において識別上重要な要素をしめる語頭音「カ」を含め、「リ」「ソ」の3音を同じくし、異なるところは第3音における「ブ」と「プ」の音の差異のみである。
そして、該差異音の「ブ」と「プ」は、「フ」音の濁音と半濁音の関係にあり、「ブ」の音は両唇を合わせて破裂させる有声子音(b)と母音(u)との結合した音節であり、「プ」の音は両唇を合わせて破裂させる無声子音(p)と母音(u)との結合した音節であって、いずれも調音方法及び調音点を同じくする両唇音であるから、両者はその音質・音調においてきわめて近似する音であり、また、いずれも中間に位置することから、その差異が称呼全体に及ぼす影響は大きいとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似し互いに聞き誤るおそれがあるものといわなければならない。
次に、両商標の観念を比較するに、本願商標は、特定の意味合いを有しない造語であるのに対し、引用商標は、「西インド諸島トリニダード島で生れた民俗音楽。(カリプソ)(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)」の意味を有する語であることは認められるが、該観念上の差異を考慮しても、両商標の称呼の類似性を凌駕するとまではいい得ないものというべきである。
また、外観においても、本願商標と引用A商標とは同じ欧文字からなるものであり、また、引用B商標の全体とは、外観上の差異を有するとしても、前記したとおり、称呼上の類似性を凌ぐとまではいい得ないものである。
なお、請求人は、甲第4号証ないし同第8号証を提出して、引用商標の権利者である「ジロラーモ、ルクサルド、ソチエタ、ペル、アッツィオーニ社(以下「ルクサルド社」という。)」が、著名なイタリアのリキュール醸造会社であって、その商品には、常に「LUXARDO」の商標が付されており、引用B商標のみならず引用A商標においても、必ず「LUXARDO」の商標と共に使用されて「ルクサルド社のカリプソコーヒーリキュール」の観念を生ずると共に「ルクサルドカリプソコーヒーリキュール」あるいは「ルクサルドカリプソ」の称呼を生ずる旨主張するが、引用A商標から「ルクサルド社のカリプソコーヒーリキュール」の観念を生じ、「ルクサルドカリプソ」等の称呼を生ずることを認めるに足る証拠はなく、また、引用B商標中の「LUXARDO」の文字は、他の文字に比べて極めて小さく書してなることから、「カリプソ」の称呼をも生ずること前記認定のとおりであり、提出された証拠によっては、引用商標から、特定の観念及び称呼等が生じることにより、本願商標とは誤認を生じないとする請求人の上記主張は採用できない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼上類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品を包含するものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審理終結日 2007-04-05 
結審通知日 2007-04-10 
審決日 2007-04-23 
国際登録番号 0815912 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y33)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 豊田 純一 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 海老名 友子
鈴木 新五
商標の称呼 カリブソ 
代理人 河原 正子 
代理人 江崎 光史 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ