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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Y093542
管理番号 1167691 
審判番号 不服2006-19296 
総通号数 96 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-08-31 
確定日 2007-11-13 
事件の表示 商願2005-102496拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「Meta Media」の欧文字を標準文字で書してなり、第9類、第35類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成17年11月1日に登録出願されたものである。
そして、指定商品及び指定役務については、平成18年7月25日付けの手続補正書により、第35類及び第42類の役務について補正された結果、最終的に、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」、第35類「広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,財務書類の作成,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,速記,筆耕,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,自動販売機の貸与」及び第42類「気象情報の提供,建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,社会保険に関する手続の代理,計測器の貸与,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,理化学機械器具の貸与,製図用具の貸与」である。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は『Meta Media』の文字を普通に用いられる方法より表してなるが、該文字は、特に、コンピューターに関係する分野で『アラン・ケイ(Alan Kay)が提唱した概念。各種メディアを統合したものとして、メタメディアを想定した。コンピュータが、メディアを超えた最初のメディアだという考えである。』(技術評論社発行『2003-'04年版 最新パソコン用語辞典』第14版931頁)、『Alan Curtis Kay氏が提唱した、『コンピュータはあらゆるメディアを統合したものであり、また代替品になりうる』という概念のこと。』(エクスメディア発行『超図解 パソコン用語辞典2003-04年版』初版1006頁)、『Alan Curtis Kay(アラン・ケイ)の提唱したコンピュータのこと。コンピュータは、メディアの垣根を越えたはじめての存在であるという考えに基づく。コンピュータは複数のメディアを統合し、人間の使い易いかたちで、個人で活用できるようになるという。』(秀和システム発行『最新2003年版 標準パソコン用語辞典』第4版624頁)として、一般に知られているものと認められるので、これを本願の指定商品及び指定役務(特にコンピューターに関連した商品・役務)に使用しても、それに接する需要者は、その商品・役務の概念(特徴)を説明していると認識し、何人かの業務に係る商品・役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「Meta Media」の欧文字よりなるものであるところ、原審説示のとおり、「メタメディア(Meta Media)」の語が「アラン・ケイ(Alan Kay)」氏の提唱したコンピュータの概念ないし理念を表すものとして、コンピューターに関係する分野において普通に使用されているものであることは、例えば、以下のような資料からも,その一端をうかがい知ることができるところである。(インターネットの検索は平成19年3月28日に実施。)
(1)http://www.jiten.com/dicmi/docs/k34/23195.htm
「メタメディア - マルチメディア/インターネット事典」のタイトルの下、
「音声、テキスト、画像、ビデオなどの既成メディアを統合し、人が活用できるようにするという考え方で、あらゆるメディアを超えたメディアとしてコンピュータが存在するというAlan C. Kayによって提唱された概念です。」との記載がある。
(2)http://www.big.or.jp/~mio/ga/dic/cdm_1.4/x70/cd35211.html
「MioCity : computing terms reference "terms"」のタイトルの下、「【メタメディア】[metamedia]」の見出しで、
「画像、音声、テキストなど各種のメディアを統合し、活用できるようにしたもの。アラン・ケイ(Alan Kay)により提唱された概念で、『コンピュータがメディアを超えた最初のメディアである』という考え方。」との記載がある。
(3)http://biography.sophia-it.com/content/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%82%A4
「アラン・ケイ (Alan Curtis Kay)とは | 略歴・経歴・プロフィール | Smalltalkの開発者」のタイトルの下、「アラン・ケイ」の見出しで、
「アラン・ケイとは、米国の科学者である。1940年、マサチューセッツ州スプリングフィールドに生まれた。オブジェクト指向プログラミング言語『Smalltalk』の開発や、コンピューターはメディアを超えたメディアであるという『メタメディア』の概念を提唱したことなどで知られている。」との記載がある。
(4)http://www.online-fd.com/edunet/DB/024.html
「創造・学習・コンピュータ(喜多一)」のタイトルの下、
「Alan Kay (Professor Adjunct, UCLA. President, Viewpoints Research Institute, 京都大学情報学研究科・客員教授)」、
「◆授業のテーマと目的:コンピュータはプログラミングすることで多様な機能を発揮できる万能の機械です。そして,それは様々なメディアを包含するメタメディアであり,創造のための強力なツールとなります。」との記載がある。
(5)http://www.socc.sfc.keio.ac.jp/~cyber/work/report/envinf/ws/society.html
「Social Development」のタイトルの下、
「一方ケイは76年、『パーソナル・ダイナミック・メディア』という報告書をまとめる。このなかで彼は、『メタ・メディア』という概念を提唱。コンピュータは言語を超えたメディアになりえる可能性を示唆する。コンピュータは可能性として、既存のメディアをシミュレートでき、さらにそれらを組み合わせたりできるので、メタなメディアであるということである。」との記載がある。
(6)http://agrinfo.narc.affrc.go.jp/fs/cdrom/3syou/306st/t0602.htm
「3.6.2 マルチメディア」のタイトルの下、
「コンピュータをあらゆるメディアの統合体として捉えること。これは抽象的で分かりにくいが,コンピュータはプログラマブルであるために,ソフトウェアとして実現すれば,既存のメディアをすべてメタファーとして表現できるとする考え方である。いわゆるメタメディアあるいはハイパーメディアという表現に近い。」との記載がある。
(7)1984/08/13, 日経産業新聞, 17ページ
「パソコン(3)どのように付き合うか??まず入力方法を習得(入門先端技術)」の見出しの下、
「コンピューターとは何か??この問いに、ひとことで答えることはできない。(中略)情報を伝達するテレビ、ラジオ、電話、出版などのメディアをまねすることもできる。あるときは電話になったり、本になったり、変身自在である。この点では、スーパーメディアとかメタメディアという名称がふさわしい。コンピューターは他の機械に比べて、この二つの特徴が際立っている。」との記載がある。
してみれば、本願商標は、その指定商品及び指定役務中、コンピューターに関連する分野の商品又は役務、例えば、「電子応用機械器具及びその部品」、「電子出版物」、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」、「電子計算機の貸与」、「電子計算機用プログラムの提供」について使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に上記概念ないし理念の実現を目指す商品又は役務であることを表したと認識するにとどまるものであり、自他識別標識として機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、需要者が何人かの業務にかかる商品又は役務であることを認識することができない商標であるといわざるを得ない。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第6号に該当するものとして本願商標を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-03-28 
結審通知日 2007-03-30 
審決日 2007-04-16 
出願番号 商願2005-102496(T2005-102496) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (Y093542)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 堀内 真一福田 洋子 
特許庁審判長 田代 茂夫
特許庁審判官 鈴木 雅也
青木 博文
商標の称呼 メタメディア 
代理人 三好 秀和 

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