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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Z03 |
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管理番号 | 1167673 |
審判番号 | 不服2003-15631 |
総通号数 | 96 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-08-12 |
確定日 | 2007-10-31 |
事件の表示 | 平成9年商標登録願第123120号拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「ザラ」の片仮名文字と「ZARA」の欧文字を二段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成9年6月4日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第3223125号商標(以下「引用商標」という。)は、「ZAHRA」の欧文字を横書きしてなり、1993年5月28日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成5年11月29日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同8年11月29日に設定登録されたものである。 3 当審における審尋 請求人は、平成15年10月30日付け提出の手続補正書と、同16年1月20日付け、同年8月2日付け、平成17年2月9日付け、同年8月9日付け及び平成18年4月10日付け提出の上申書において、本願商標に対する拒絶理由を解消するために、引用商標の権利者と商標権の譲渡交渉中であること等を述べ、最終的に、「本願商標を引用商標の権利者に一旦譲り渡すことになったため、本願についての名義変更届を提出する予定であるが、これに必要な譲渡証書及び引用商標の権利者の委任状を現地代理人より取り寄せているところであり、名義変更届提出までには今しばらく時間を要する。」旨述べたため、平成18年6月22日付けの審尋書において、現状と今後の見通しの具体的な説明をした書面及び請求人の本国代理人とのやりとり等を行ったことを証する書面の提出を求めたが、これに対して請求人は、何ら応答をしていない。 4 当審の判断 本願商標は、上記1のとおり、「ザラ」及び「ZARA」の文字よりなる構成のものであるところ、該構成中上段の片仮名文字「ザラ」が、下段の欧文字「ZARA」の読みを表したものと容易に理解できることから、これより「ザラ」の称呼を生ずるものであり、また、下段の「ZARA」の欧文字が「とうもろこし」の意味を有するスペイン語(「西和辞典(増訂版)」1985年1月10日、株式会社白水社発行)であるとしても、我が国において、前記意味を有するスペイン語であることが広く知られているとはいい難く、本願商標に接する取引者、需要者が、これより「とうもろこし」の観念を認識するものとは認め難いものであるから、一種の造語として解されるとみるのが相当である。 これに対し、引用商標は、上記2のとおり、「ZAHRA」の欧文字よりなるところ、該文字が特定の意味合いを有する既成語とはいえないことから一種の造語として解されるとみるのが相当であり、これに接する取引者、需要者は、この種欧文字に接する場合の通例として、我が国において最も親しまれている英語又はローマ字式の読みをもって、これを「ザーラ」と読み、その称呼をもって取引に資する場合も多いとみるのが相当である。 そこで、本願商標より生ずる「ザラ」の称呼と、引用商標より生ずる「ザーラ」の称呼を比較するに、両称呼は、語頭の「ザ」の音に長音を伴うか否かの差異を有するところ、この長音は、前音の母音「a」に吸収されて、独立した一音としては明確には聴取され難く、僅かに余韻として残る程度の弱い音であるばかりでなく、比較的聴取され難い中間に位置することから、該長音の有無が称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼する場合には、全体としての語調、語感が近似し、互いに聴き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。 そして、本願商標と引用商標は、その外観を異にするものの、いずれもありふれた書体の文字のみからなり、その構成態様から特段強い印象を与えるものではなく、また、いずれも特定の観念を生じない造語というべきものであるから、両商標における外観及び観念は、称呼における類似性をしのぐほどのものではない。 してみれば、本願商標と引用商標とは、総合的に考察すれば、互いに類似する商標というべきであって、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。 したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-06-01 |
結審通知日 | 2007-06-05 |
審決日 | 2007-06-18 |
出願番号 | 商願平9-123120 |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(Z03)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 高山 勝治、小川 有三、堀内 仁子 |
特許庁審判長 |
中村 謙三 |
特許庁審判官 |
久我 敬史 岩本 和雄 |
商標の称呼 | ザラ、サラ |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 石川 義雄 |
代理人 | 小出 俊實 |