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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y30
審判 全部申立て  登録を維持 Y30
管理番号 1166171 
異議申立番号 異議2007-900096 
総通号数 95 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-11-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-02-26 
確定日 2007-09-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第5006440号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5006440号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5006440号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示す構成からなり、平成17年12月6日に登録出願、第30類「料理用の香辛料,化学調味料,香辛料,米粉,もち米粉,ビーフン,めん類,即席めん,卵めん,チキン及び魚のフライ用の小麦粉,食用粉類,穀物の加工品」を指定商品として、同年11月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
本件商標は、以下の(1)及び(2)の理由により、その登録を取り消されるべきものである。
(1)商標法第4条第1項第16号該当
本件商標の構成中、「UMAMI」の文字は、基本味の一つまたは「うまい味。また、その物。」の意味を有する「うま味」をローマ字表記したものであって、そのローマ字表記した「UMAMI」は、「うま味」を意味するものとして国際的に広く使用されているものであるから、本件商標が「うま味」を有しない各指定商品に使用された場合、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
(2)商標法第4条第1項第11号該当(副次的申立)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4556561号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)に示す構成からなり、平成12年11月29日に登録出願、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同14年4月5日に設定登録されたものである。
申立人は、本件商標の「UMAMI」の部分及び引用商標の「旨味」部分については識別力がないと考えている。それにも拘わらず、引用商標が構成中に縦書きの毛筆体で大きく「旨味」を表してなり、かかる構成要素から「ウマミ」の称呼が生じ、本件商標からも「ウマミ」の称呼が生ずるとすれば、本件商標は、引用商標と称呼を共通にする類似の商標であり、また、その指定商品も類似するものである。
申立人は、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第50号証(枝番を含む。)を提出している。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第16号該当について
申立人提出の甲各号証によれば、以下の事実が認められる。
(ア)「旨味(うま味)」が、「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」とともに、基本味の一として認められていること(甲第1号証ないし甲第3号証ほか)。
そして、「コツと科学の調理事典」(甲第11号証-3)の「うまみ(旨味)」の項には、「塩味、酸味、苦味、甘味のいずれにも入らない複雑なおいしさ。旨味物質は現在では数多く見つけられているが、そのうちのいくつかは科学調味料として工業的に生産されている。天然食品は、いずれも多少の旨味成分を含むが、その量の多いものと少ないものがある。多いものはだしの材料として用いる。」と記載されていること。
(イ)「うま味調味料の知識」(甲第8号証)の56頁以下には、「うま味は、英語でも“umami”と称し、“umami”という用語は国際的な学術雑誌にも立派に通用する。」との記載があること。また、「オックスフォード 食品・栄養学辞典」(甲第11号証)の「旨味」の項には、「umami」の欧文字が充てられ、「・・味覚の五原味の一つ・・」と記載されていること。
(ウ)「食料の百科事典」(甲第13号証)には、「“うま味”は基本味の一つとして科学的に認知されており、“UMAMI”は国際語として広く使われている。」と記載されていること。
そうとすれば、食品を取り扱う業界において、「UMAMI」の文字は、国内外を問わず、基本味の一つとされる「旨味」を表す語として使用され、取引者・需要者をして、当該意味合いを表示する文字(語)として看取され、認識されているものと認められる。
しかして、本件商標は、別掲(1)のとおり、図形及び「UMAMI」の文字からなるものであり、該「UMAMI」の文字は、指定商品との関係においてみれば、上記に照らし、「旨味」の意を欧文字をもって表記したと容易に看取させるものというのが相当である。
しかしながら、本件商標は、「旨味」の意味合いを表す「UMAMI」の文字を構成中に有するものではあるが、それをもって、直ちに、特定の商品の具体的な品質を把握させ、それ以外の商品と峻別して理解されるものとまではいうことができないとするのが相当であり、また、これを覆すに足りる証拠もみいだせない。
してみると、本件商標をその指定商品に使用したとしても、需要者をして、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるとすることはできないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は、別掲(1)のとおり、図形及び「UMAMI」の欧文字とからなるものであるところ、該「UMAMI」の欧文字は、本件商標の指定商品との関係においてみれば、前記(1)のとおり、「旨味」を表す文字(語)として看取され認識されるものと認められるから、自他商品の識別機能を有しないか、その機能が極めて弱いものである。
そうとすると、本件商標にあって、自他商品の識別機能を果たす部分は図形部分にあるというべきであり、該図形部分からは、特定の称呼は生じないとみるのが相当であるから、本件商標からは、何ら特定の称呼は生じないというべきである。
他方、引用商標は、その構成中「旨味」及び「うまみ仕立て」の文字が商品の品質を表示するものとして看取されるものであり、これらの上段に表示された図形と「伊藤園」の文字が自他商品の識別機能を果たす部分というべきである。そして、該図形部分からは、特定の称呼は生じないとみるのが相当であるから、引用商標からは、「イトウエン」の称呼のみを生ずるものというべきである。
したがって、本件商標と引用商標とが「ウマミ」の称呼を共通にするとの理由によって、両商標が互いに称呼上類似する商標であるとすることはできないものである。
他に、本件商標が引用商標に類似する商標であると判断すべき理由はみいだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第16号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(1)本件商標

別掲(2)引用商標

異議決定日 2007-08-29 
出願番号 商願2005-114342(T2005-114342) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (Y30)
T 1 651・ 262- Y (Y30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 藤村 浩二 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 久我 敬史
関根 文昭
登録日 2006-11-24 
登録番号 商標登録第5006440号(T5006440) 
権利者 ブリスフル センタニー インターナショナル リミテッド
商標の称呼 オオテイ、ウマミ 
代理人 藤倉 大作 
代理人 古関 宏 
代理人 松尾 和子 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 中村 稔 

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