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審判番号(事件番号) データベース 権利
取消2007300061 審決 商標
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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y0709
管理番号 1166110 
審判番号 取消2006-31043 
総通号数 95 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-11-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2006-08-23 
確定日 2007-10-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第4653972号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4653972号商標(以下「本件商標」という。)は、「Ingenio」の標準文字で書してなり、平成14年5月27日に登録出願、第7類「半導体製造装置」及び第9類「半導体検査装置,測定機械器具,半導体製造装置用制御装置,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気通信機械器具,半導体製造装置の運転状況を監視・警報するコンピュータ管理装置,半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラムその他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同15年3月14日に設定登録されたものであり、その後、一部放棄に係る指定商品並びに商品の区分第7類「電子決済端末に関する半導体製造装置」及び第9類「電子決済端末に関する半導体検査装置,電子決済端末に関する半導体製造装置用測定機械器具,半導体検査装置及び半導体製造装置用測定機械器具を除く測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電子決済端末に関する半導体製造装置用遠隔測定制御機械器具,半導体製造装置用遠隔測定制御機械器具を除く電気通信機械器具,電子決済端末に関する半導体製造装置用制御装置,電子決済端末に関する半導体製造装置の運転状況を監視・警報するコンピュータ管理装置,電子決済端末に関する半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム,半導体製造装置用制御装置及び半導体製造装置の運転況状を監視・警報するコンピュータ管理装置並びに半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラムを除く電子応用機械器具及びその部品」について、平成17年2月8日に本権の登録の一部抹消登録がされたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標は、その指定商品中第9類「コンピュータハードウェア,コンピュータソフトウェア及びこれらに類似する商品」について登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
(1)請求の理由
被請求人は、本件商標をその指定商品中、第9類「コンピュータハードウェア,コンピュータソフトウェア及びこれらに類似する商品」について、継続して3年以上日本国内において使用していない。
また、専用使用権者及び通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。
したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中、上記商品につき使用されていないものである。
よって、本件商標の登録は、上記商品について、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきであるから、請求人は本件審判につき請求の趣旨通りの審決を求める次第である。

(2)答弁に対する弁駁
(ア)被請求人は、答弁書において、本件商標は、被請求人により、「半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置」及び「半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム」に、その登録前の平成14年(2002年)から今日まで継続して使用している旨主張し、乙第1証ないし乙第14号証を提出している。
しかしながら、以下に詳述するとおり、被請求人は本件審判の請求登録(2006年[平成18年]9月11日)前3年以内における上記主張にかかる本件商標の使用を立証していない。
(イ)乙第1号証ないし乙第5号証について
被請求人は、本件商標が請求登録日前3年以内の使用を立証する証拠として、2002年[平成14年]10月31日付のプレスリリース(乙第1号証)、2002年[平成14年]10月31日付のプレスリリースがリストアップされているウェブサイト「過去のニュース」(乙第2号証)、2002年[平成14年]10月31日付のお知らせが掲載されているウェブサイト写し(乙第3号証)、2002年[平成14年]11月7日付記事が掲載されているウェブサイト写し(乙第4号証)、2002年[平成14年]11月1日付記事が掲載されているウェブサイト写し(乙第5号証)を提出している。
しかしこれらの証拠は、全て2003年[平成15年]9月11日(審判請求登録日前3年)より前の日付のものであり、請求登録日前3年以内の使用を立証するものではない。
請求人は、「今日まで継続して掲載されて」いると主張するが、そのことを示す証拠は一切示されていない。
(ウ)乙第6号証及び乙第7号証について
被請求人は、「2005年12月7日から9日まで開催された『SEMICON Japan 2005』等において配布された商品カタログ」として乙第6号証を提出し、「SEMICON Japan 2005」のパンフレットとして乙第7号証を提出している。
しかしながら、乙第6号証に係るパンフレットからは、その制作された日付も配布された日付も特定できない。「2005年12月7日から9日まで開催された『SEMICON Japan 2005』において配布された」との被請求人の主張も単なる主張に過ぎず、『SEMICON Japan 2005』において同種類の商品カタログが配布されたことを証明する証拠は全く提出されていない。
したがって、乙第6号証及び乙第7号証は、そもそも、本件商標が本件審判請求登録日前3年以内に使用されていたことを立証するための証拠にはなりえない。
(エ)乙第8号証について
被請求人は「見積書」として乙第8号証を提出する。
しかしながら、乙第8号証は単なる見積書であり、それ自体は、本件商標が審判請求登録日前3年以内に使用されていたことを立証するための証拠とはなりえない。
また、乙第8号証からは、具体的にどのような商品が取引きの対象になっているのか不明確であり、「本件商標は『半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置』及び『半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム』に使用されていた」という被請求人の主張を根拠付ける証拠ではない。さらに付言すると、この見積書1頁目には「Fab1.2 拡散炉 Ingenio-200Platform 新規設置」といった記載もあり、「Ingenio-200Platform」は第11類に属する「拡散炉」の範疇に属する商品ではないかと疑義を挟む余地もあるし、「設置工事」というサービスに関しての見積もりとも考えられる。
また、この見積書で使用されている「Ingenio」が、そもそも商標法上の商標として使用されているとは考えがたい。
いずれにしても、この見積書は、「本件商標が審判請求登録日前3年以内に『半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置』及び『半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム』に使用されていたこと」を立証する証拠にはならない。
(オ)乙第9号証について
被請求人は、ソニーセミコンダクタ九州株式会社が被請求人に宛てた注文書として乙第9号証を提出する。
しかしながら、同注文書からは、どのような商標がどのような商品に使用されていたのかが全く不明である。
したがって、乙第9号証は本件商標の使用を立証する証拠とはなりえない。
(カ)乙第10号証について
被請求人は、乙第9号証に基づいて納入された装置を説明する資料として、2006年10月5日発行の納入仕様書(乙第10号証)を提出する。
しかしながら、かかる仕様書は本件審判請求登録日である2006年9月11日以降に発行されたものであり、本件商標の使用を立証する証拠とはなりえない。
また、同納入書1頁目の「貴社御承認」の欄が空白となっており、証拠としての客観性に欠ける。
したがって、乙第10号証は本件商標の使用を立証する証拠とはなりえない。
(キ)乙第11号証について
被請求人は、本件審判請求の登録日前3年以内に本件商標に係る商品カタログを印刷したことを立証するための証拠として、株式会社グッドモーニング代表取締役社長田村克美氏作成の証明書を乙第11号証として提出する。
しかしながら、この証明書のみからでは株式会社グッドモーニングがどのような団体であるのか全く不明である。被請求人は株式会社グッドモーニングを「印刷会社」としているが(平成18年12月19日付証拠方法提出書1頁目)、請求人の調べたところによれば、同社は主としてデザインを行う会社である。このデザイン会社が実際にカタログ500部を印刷したのか不明であるし、同社が500部の印刷が行われたことを証明できる立場にあるものなのかも不明である。
また、株式会社グッドモーニングが作成した証明書は、同社が被請求人を顧客としていると推定されることに鑑みれば、信頼性の高いものではない。
同カタログの注文書・納品書など、客観的な証拠が示されていない現状においては、乙第11号証は本件商標の使用を立証する証拠とはなりえない。
(ク)乙第12号証について
被請求人は、株式会社ルネサンステクノロジに対する見積書として乙第12号証を提出する。
しかしながら、乙第12号証は単なる見積書であり、それ自体は、本件商標が審判請求登録日前3年以内に使用されていたことを立証するための証拠とはなりえない。
また、乙第12号証で取引きの対象とされているのは「Ingenio-300用Interface-B1」なる商品で「Ingenio」という商品ではない(乙第12号証第1頁)。
いずれにしても、どのような商標がどのような商品に使用されているのか、本件見積書からは全く不明であるから、この見積書は、「本件商標が審判請求登録日前3年以内に『半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置』及び『半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム』に使用されていたこと」を立証する証拠にはならない。
(ケ)乙第13号証及び乙第14号証
被請求人は、株式会社ルネサンステクノロジの注文書として乙第13号証を、同取引に関する納品書兼検査表として乙第14号証を提出する。
しかしながら、これらの証拠中に記載されている品名欄には「INGENIONノINTERFACEB1データベースコウ」と記載されており、本件審判において争いとなっている商標「Ingenio」の記載はどこにも見受けられない。
平成18年12月19日付証拠方法提出書第2頁において被請求人は、「乙第13号証及び乙第14号証において、『品名INGENIONノINTERFACEB1』と記載されているが、この記載は、入力ミスであって、正しくは、乙第12号証に記載されている通り、『品名:INGENIOノINTERFACEB1」であって、当事者間においては、当該品名の下に取引を行っている。」と主張している。しかしながら、これは被請求人の単なる主張に過ぎない。「当事者間においては、当該品名(Ingenio)の下に取引を行っている」という証拠が示せない以上、乙第13号証及び乙第14号証が本件商標の使用を立証する証拠とはなりえない。
(コ)APCシステムについて
被請求人の提出にかかる乙第1号証ないし乙第14号証は、いずれも本件商標の使用を立証する証拠とはなりえないことは上述の通りであるが、そもそも被請求人はアドバンストプロセスコントロール(APC)システムの名称として「Ingenio」という名前を使用しており、「半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置」及び「半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム」の商標としては使用していない。
被請求人提出にかかる証拠(乙第1号証ないし乙第14号証)からは、このAPCシステムがどのようなものであるか判然としないが、一般的には半導体製造工程におけるプロセス結果を測定し得られたデータを使用して、後の工程を制御する技術と考えられている。
してみれば、そもそも被請求人が使用する「Ingenio」は単なる技術の名前と考えられ、商品についての商標として使用されるものではない。
仮に、Ingenioが商標としての機能を発揮する態様で使用されるとしても、それは第7類「半導体製造装置用のエッチング装置及びその部品」(09A68)や第9類「半導体検査装置」、「半導体製造装置用制御装置」(10C01)についての使用と考えられる。
すなわち、「商標の使用」とは、通常「商品との関係において直接又は間接的に商標をその機能を発揮する状態におく行為」とされ、どの商品に商標が使用されているかは商品との関係において商標がその機能を発揮する状態で使用されているかを基準に判断すべきものであるところ、乙第1号証ないし乙第14号証を検討する限り、「半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置」及び「半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム」などに商標の機能を発揮する状態で使用されているとはいえない。
このことは、Ingenioなるものが半導体製造装置用のエッチング装置に搭載されるものであること、販売者(半導体製造装置メーカーである被請求人)、需要者(ソニーセミコンダクタ九州株式会社、株式会社ルネサステクノロジ等、いずれも半導体関連企業)、用途(半導体検査、半導体製造装置制御など)、販売経路などを総合勘案するとまさに半導体製造装置や半導体検査装置の範疇に属するものとして取り引きされていることからも明らかである。
本件商標は第7類「半導体製造装置」、第9類「半導体検査装置、半導体製造装置用制御装置」などを充分に含んでおり、商標「Ingenio」はすでに充分保護されているものと考えられる。もちろん、半導体検査装置や半導体製造装置用制御装置はコンピュータや電子計算機用プログラムを使用するものではあるだろうが、コンピュータやプログラムなどが単独で取引され、Ingenioがコンピュータやプログラム自体の商標として機能していない以上、コンピュータやプログラムに商標を使用しているとはいえない。
してみれば、被請求人に「半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置」及び「半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム」に関してまで商標法上の独占排他権といった極めて強力な権利を認める必要はなく、これを取消したとしても被請求人に特段の不利益は生じない。むしろ、実質的に商標法上の商標として使用していないものに強力な権利を与えることにより、商標法上重大な「空権化した商標」を放置することとになり、ひいては第三者の商業活動を狭め、また商標の変更・中止などといった非常に大きな負担を負わせることとなる。
(サ)甲第2号証は、被請求人の2003年の事業状況を説明した報告書であるところ、被請求人は同報告書の「5【研究開発活動】(4)レジスト塗布現像装置開発」という項においてAPC技術についてふれ、「APC」を「プロセスデータの記録、分析及び補正を、装置内や製造ライン内で自動的に行う制御技術」と説明している。
したがって、甲第2号証により、「Ingenio」は単なる技術の名称であること、及び、仮に商品商標であっても、使用されている商品はレジスト塗布現像装置や半導体製造装置用エッチング装置ないしその部品であることを立証する。
(シ)甲第3号証ないし甲第7号証は、被請求人以外の会社がAPCシステムないしAPC技術を説明した資料であるところ、Ingenioがその名称として使用されているAPCシステムないしAPC技術が半導体製造装置などに関する技術の名称であることを示す。
(ス)結語
以上詳述した通り、被請求人提出に係る乙第1号証ないし乙第14号証のいずれにおいても本件商標が請求に係る指定商品について審判請求登録前3年の間に使用されたことを証明していないものである。
よって、請求人は、本件審判について、速やかに請求の趣旨どおりの審決を求める次第である。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証を提出した。
(1)被請求人(商標権者)は、本件商標を、その指定商品中「半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置」及び「半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム」に、その登録前の平成14年(2002年)から今日まで継続して使用をしており、これらの商品は請求人が不使用を主張する商品群に包含されることについて明らかであるので、請求人の主張には理由がない。
(2)乙第1号証は、被請求人が2002年10月31日にプレスリリースした記事内容であって、その後、今日まで継続して掲載されており、同社のホームページにおけるサイト「過去のニュース」にて掲載されている2002年のサイト中に、『2002.10.31 エッチング装置対応アドバンストプロセスコントロール(APC)システムIngenio開発に関するお知らせ』に今日まで継続して記載され(乙第2号証)、これを受けて、「semiconportal」のサイトにおいて、「東京エレクトロン」として同様の標題にて係る記事が今日まで継続して掲載されている(乙第3号証)。さらに、APCシステム「Ingenio」に関する同様の記事が、EDリサーチ社によるサイト「μTechnology\Business 最新ニュース」(2002年11月7日)にて『TEL、エッチング装置対応APCシステム「Ingenio」開発』として(乙第4号証)、また、株式会社日経BPによるサイト「製造装置・部材\最新記事」にて『TEL、エッチャ向けAPCシステム「Ingenio」を開発』(2002.11.1)として同様の内容に係る記事が今日まで継続して掲載されている(乙第5号証)。
これらの資料によって、被請求人は、本件商標の下に、商品「半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置」及び「半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム」を販売することについて予告して、本件商標について今日まで継続して使用し、本件審判請求の予告登録日である平成18年9月11日前3年以内に日本国内において、本件商標を審判請求に係る指定商品に使用したことを立証する。
(3)乙第6号証は、被請求人により平成17年に制作され、2005年12月7日から9日まで開催された「SEMICON Japan2005」(SEMIジャパン主催)(乙第7号証)等において配布された商品カタログ「Thermal Processing Systems」「製品情報&テクノロジーガイド」である。
このカタログの表紙から数えて第10頁目下段に「Ingenio」として本件商標を、その指定商品「半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置」及び「半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム」に使用している。ここに「Ingenio-300」における「300」は、半導体ウエハーサイズが直径300mmを意味し、そのような半導体ウエハーを製造する装置に対応する商品であることを表している。
この資料によって、被請求人は、本件商標の下に、その指定商品「半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置」及び「半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム」を販売していることについて需要者に知らせて、本件審判請求の予告登録日である平成18年9月11日前3年以内に日本国内において、本件商標を審判請求に係る指定商品に使用したことを立証する。
(4)乙第8号証は、被請求人が、購買予定者である「ソニーセミコンダクタ九州株式会社」に対して、「Ingenio-200関連一式(詳細別紙参照)」を販売するに際しての見積書(NO.KSC-6401-02R1、平成18年6月23日)であり、乙第9号証は、この見積書に対して、ソニーセミコンダクタ九州株式会社が被請求人に宛てた注文書(2006年7月7日、見積りNo.KSC-6401-02R1)である。ここに「Ingenio-200」における「200」は、半導体ウエハーサイズが直径200mmを意味し、そのような半導体ウエハーを製造する装置に対応する商品であることを表している。
上記注文書に基づいて納入された装置「Ingenio-200」をより詳細に説明するために、「納入仕様書」(’06年10月05日発行、ソニーセミコンダクタ九州株式会社宛)を提出する(乙第10号証)。
これらの資料によって、その指定商品「半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置」及び「半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム」に関する取引書類である見積書・注文書に本件商標を付して、本件審判請求の予告登録日である平成18年9月11日前3年以内に日本国内において、本件商標を審判請求に係る指定商品に使用したことを立証する。
(5)乙第11号証により、被請求人は、本件商標の下に、その指定商品「半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置」及び「半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム」を販売していることについて需要者に知らせるための商品カタログを配布することに関し、本件審判請求の予告登録日である平成18年9月11日前3年以内に日本国内において、本件商標を審判請求に係る指定商品に使用する目的で当該商品カタログを印刷したことを立証する。
(6)乙第12号証ないし乙第14号証により、その指定商品「半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置」及び「半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム」に関する取引書類である見積書・注文書・納品書兼検査票に本件商標を付して、本件審判請求の予告登録日である平成18年9月11日前3年以内に日本国内において、本件商標を審判請求に係る指定商品に使用したことを立証する。
なお、これらの資料において、装置等の金額、具体的装置に関するIPアドレス番号等については、被請求人にとって機密情報に属するため、黒く塗りつぶした。
また、乙第13号証及び乙第14号証において、「品名:INGENIONノINTERFACEB1」と記載されているが、この記載は、入力ミスであって、正しくは、乙第12号証に記載されている通り、「品名:INGENIOノINTERFACEB1」であって、当事者間においては、当該品名の下に取引を行っている。
(7)以上述べたように、本件審判請求の予告登録日である平成18年9月11日前3年以内に日本国内において、被請求人(商標権者)が、その指定商品中、本件請求に係る商品に属する「半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置」及び「半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム」について、本件商標を使用していたことは明白である。
よって、本件商標は商標法第50条の規定に該当せず、同条の規定によりその商標登録を取り消す理由はないので、答弁の趣旨通りの審決を求める次第である。


第4 当審の判断
被請求人は、乙第1号証ないし乙第14号証を提出し、本件審判請求の予告登録日前3年以内に日本国内において、被請求人が、その指定商品中、本件請求に係る商品に属する「半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置」及び「半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム」について、本件商標を使用していた旨主張している。
そこで、被請求人の提出に係る上記証拠についてみるに、乙第6号証の商品カタログによれば、「INTEGRATION PROCESS CONTROLLER」の項に「Ingenio-300は、EES(Equipment Engineering System)時代に呼応し、装置性能を最大限に引き出す拡張モジュールです。…」、また、請求人の提出に係る甲第2号証の被請求人の2003年の事業状況を説明した報告書によれば、「5【研究開発活動】(4)レジスト塗布現像装置開発」の項に「…この装置では、e-Manufacturingに対応するAPCシステム「Ingenio TL CT」の搭載により、APC及びe-Diagnosticsにおける拡張性を高め、…」とそれぞれ記載されており、被請求人が使用しているとする「エッチング装置対応アドバンストプロセスコントロール(APC)システム」(以下「使用商品」という。)は、装置性能を引き出す拡張モジュールと認められる商品であり、レジスト塗布現像装置にはAPCシステムが搭載されていることから、使用商品は、請求に係る指定商品の範疇に属しないものとまではいい得ない。
そして、乙第6号証の商品カタログは、乙第11号証の証明書により該カタログは平成17年11月30日に500部印刷したことが証明されており、甲第2号証の報告書が2003年の事業状況を説明したものであることから、使用商品は、本件審判の請求の登録前3年以内に使用されていたものと認めざるを得ない。また、乙第6号証の商品カタログの「INTEGRATION PROCESS CONTROLLER」の項に表示されている「Ingenio」の文字と、甲第2号証の報告書の上記項に記載されている『APCシステム「Ingenio TL CT」』の文字中の「Ingenio」の文字部分は、いずれも本件商標と社会通念上同一の商標とみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、被請求人が提出した証拠を総合勘案すれば、被請求人により、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、継続して本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、使用商品について使用していたものといわなければならない。
なお、請求人は、乙第1号証ないし乙第14号証を検討する限り、「半導体の製造工程を制御するコンピュータ管理装置」及び「半導体の製造工程を制御するための電子計算機用プログラム」などに商標の機能を発揮する状態で使用されているとはいえない旨主張しているが、本件については、上記認定のとおりであるから、この点に関する請求人の主張は採用の限りでない。
したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-05-17 
結審通知日 2007-05-22 
審決日 2007-06-04 
出願番号 商願2002-43444(T2002-43444) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y0709)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 渡邉 健司
鈴木 修
登録日 2003-03-14 
登録番号 商標登録第4653972号(T4653972) 
商標の称呼 インヘニオ、インジェニオ、インゲニオ 
代理人 宮嶋 学 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 小泉 勝義 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 藤倉 大作 
代理人 松尾 和子 
代理人 吉武 賢次 
代理人 中村 稔 
代理人 井滝 裕敬 
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