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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y05
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y05
管理番号 1166012 
審判番号 不服2004-15591 
総通号数 95 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-07-27 
確定日 2007-10-03 
事件の表示 商願2003- 42846拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「Color」の欧文字を標準文字で書してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年5月26日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、同16年2月24日付け手続補正書において、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,衛生又は生理用パンティライナー,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用ナプキン,失禁用パッド,失禁用ライナー,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、『Color』の文字を書してなるところ、指定商品との関係では、『Color』の文字は、『色、色彩、(黒・白・灰色に対する)色つき』等を意味する英語(ランダムハウス英和辞典参照)であり、該語に由来する外来語の『カラー』の文字は、英語と同様に日常、広く一般に使われていることから、『色つきの商品』の如き意味合いを表すものと看取されるものである。そして、商品との関係においても、該『Color』の文字は、商品が色つきの商品であることを表示するために、本願の指定商品を含む各種の商品を取り扱う業界において普通に使われていることが認められる。してみれば、これをその指定商品中、『色つきの商品』に使用しても、単に商品の品質、色彩を表示するにすぎないものと判断する。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、「Color」の欧文字よりなるものであるところ、該文字は、一般に、広く親しまれた英語であることから、「色。色彩。着色。」(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)の意味を有する「カラー」の語を容易に理解するものである。
ところで、本願の指定商品を取り扱う業界に限らず、各種商品の販売にあたっては、消費者の志向やニーズに応えるため、あるいは、商品の区別や識別等を目的として商品に色彩が施されることは、普通に行われているところである。
そして、本願商標を構成する「Color」の文字に接する取引者、需要者は、該文字より、「色、色彩、彩色された、着色された」の意味を容易に理解するものであって、当該商品が、彩色・着色された商品であることを認識する場合も決して少なくないものである。
これを、本願指定商品についてみると、例えば、新聞記事情報、あるいは、インターネットのホームページの情報により、以下の実情を窺い知ることができる。
(1)「カプスゲル・ジャパン株式会社」のホームページにおいて「カプセル・・・Natural Color」(http://www.capsugel-jp.com/health_foods/products.html)、「カラー・・・カプスゲルのカラーカプセルで、製品の価値向上や差別化、また充填物のマスキングも可能になりました。・・・ゼラチンカプセル Color Variation」(http://www.capsugel-jp.com/health_foods/color.html)、「カラー・・・NPcaps カラー 」(http://www.capsugel-jp.com/health_foods/color_npcaps.html)の記載。
(2)「生理用ショーツ ヒップアップ&美脚タイプ ソフィスリムアップフィット」の見出しのもと「 size/colorをお選び下さい Mサイズ/ブロンズモカ(163373)・・・COLOR SIZE」(http://item.rakuten.co.jp/bentenshokai/4903111138180/)の記載。
(3)「PEACH JOHN/THE WEB」の見出しのもと「 PJ/ノーショウ・ローライズサニタリー・・・color:ローズ・・・color:ブラック・・・」(http://www.peachjohn.co.jp/item/pj/innerwear/307633.html)の記載。
(4)「カプスゲル・ジャパン、酸素透過率1/10分の植物由来カラーカプセル開発」(2006.09.15 日刊工業新聞)の見出しのもと「カプスゲル・ジャパン(神奈川県相模原市、・・・・)は14日、医薬品や健康食品向けの植物由来カラーハードカプセルを開発したと発表した。15日発売する。動物由来カプセルに抵抗感を持ち、製品外観面で差別化を図りたい顧客ニーズを取り込む。」の記載。
(5)「中日本カプセル株式会社」のホームページにおいて「ハードカプセルの種類 ・・・・皮膜 : ゼラチン(豚由来)、植物由来(プルラン、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース))その他カラーカプセル(天然色素)」(http://www.nakanihon-cap.co.jp/introduction/hard.html)の記載。
(6)「クオリカプス株式会社」のホームページにおい「カプセルショールーム・・・カラーバリエーション タール色素、天然色素、酸化チタンにより多彩な色調のカプセルをつくることができる。このカラーは、ゼラチンカプセルのカラー見本です。」の記載。(http://www.qualicaps.co.jp/capsule2.htm)
(7)「ケンコーコム株式会社」のホームページにおいて「キズリバテープ カラータイプ 3色20枚 商品説明分・・・カラーは、蛍光ピンク、蛍光イエロー、蛍光グリーンの3色。目立たせたい時などにぴったりです。」(http://www.kenko.com/product/item/itm_7522253072.html)の記載。
(8)「株式会社ワコールホールディングス」のホームぺージにおいて「生理用ショーツ CYX・157J \2,310 <ビギナータイプ>[特許出願中]●サイズ : J2S、JS、JM●カラー : サックス、ピンク」「http://www.wacoal.co.jp/products/junior/seiri/index.html」の記載。
(9)「花王株式会社」のホームぺージにおいて「ロリエ アクティブガード おでかけモード ベーシックショーツ Mサイズ・・・カラーはシルキーモカ。」(http://www3.kao.co.jp/laurier/lre_active_out_00.html)の記載。
(10)「有限会社ティー・オー・ピー府中店」のホームぺージにおいて「介護用品」に「安心パンツ 100 (S?Mサイズ)パッド不要の失禁用パンツ。 カラー:表示色のみ」(http://www.t-o-p.co.jp/)の記載。
(11)「自立さわやかパンツ・軽失禁対応パンツ」の見出しのもと「自立さわやか(ブリーフ型)330 カラー ホワイト・キャメル」(http://www.h3.dion.ne.jp/~humemura/newpage66.htm)等の記載。
(12)「(有)ファッションハウス シマネヤ」のホームぺージにおいて「失禁パンツ・・・カラー 白・・・ピーチ」(http://www2u.biglobe.ne.jp/~shimane/kaigo/pantu1a.htm)の記載。
(13)「BABY HEARTS」の見出しのもと「吸収パッド ナプキン用3枚入・・・カラー:キナリ・ピンク」(http://babyhearts.jp/?pid=876219)の記載。
(14)「独立行政法人医薬品医療機器総合機構」のホームページにおける「看者向医薬品ガイド」の「患者向医薬品ガイド一覧」において各薬剤の販売名のPDFファイル中に統一の様式のより、商品の特徴を「形状」「色」「識別コード」として表示(http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/whatsnew/guideCompanylist/companyframe.html)。
上記の事実を総合的に判断すれば、カプセル、生理用ショーツ、失禁用パンツ、薬剤等において、「Color」、「色」、及び、特に「カラー」の文字が色彩を施したもの、あるいは、材質やサイズ等とともに商品の色及びその種類を表示するものとして一般に使用されていることが認められるものである。
してみれば、本願商標は、「色」及び「カラー」の文字を容易に理解するものであり、これらの文字と同様の意味合いをもって使用されている「Color」の文字を、その指定商品中「薬剤,カプセル,生理用パンティ」等について使用しても、これに接する需要者等をして、自他商品の識別標識として把握されるものであるとみるよりは、当該商品が、色を選択できるように彩色・着色されたものであることを表示したもの、あるいは、自他の区別のために着色された商品の色彩を記載するための表示として理解するものであって、単に商品の品質を表示したものと認識するにすぎないものであり、かつ、前記文字に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるといわざるを得ない。
なお、請求人(出願人)は、原審における意見書において、過去の審決例を挙げて、本願商標が本願の指定商品について、商品が色つきの商品であることを表示するために出願人以外の不特定多数の当業者により使用されている事実は発見できなかった。有体物である以上色彩を有するのは当然であることからして、「カラー」の文字が、ある特定の色彩が施されていることを指称することにはならないものであり、また、「カラー」の文字からは、「色、色彩」、「顔色、有色人種、外見、個性」の他、「襟」、「海芋(サトイモ科の多年草)」、スイスの科学者「カラー」等の多様な意味を想起し得るものであるから、直ちに「色彩の付いた商品」を想起することはない旨主張している。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号の趣旨は、同号に列挙されている商標は、商品(役務)の内容に関わるものであるために、現実に使用され、あるいは、将来一般的に使用されるものであることから、出所識別機能を有しないことが多く、また、これを特定人に独占させることは適切でないために登録することができないものと解される。
そうすると、本願商標は、その指定商品との関係において、これに接する取引者、需要者をして、商品の品質を表示したものとして理解するに止まると判断するのが相当であること、上述のとおりである。そして、仮に同様の表示を他人が使用していないとしても、前記の趣旨からして特定人に独占させることは適切ではないものであるというべきである。
また、商標登録出願に係る商標が上記同条項に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品等の取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるものであるから、請求人の挙げた審決例の存在によってその認定は左右されないというべきであるから、上記、請求人のいずれの主張も認めることはできない。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、本件審判請求書において、「本願商標が登録されるべき詳細な理由及び証拠は追って補充する。」旨記載されていたところ、当審において、当該理由の提出について審尋を行ったが、相当の期間を経過するも、何らの応答もなかったものである。
しかしながら、審判請求書において、手続の経緯、拒絶査定の要点、査定の理由に承服することができない旨の記載があることから、意見書に記載された理由も、なお、当審において有効なものであるものとして、本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について判断した。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-08-01 
結審通知日 2007-08-06 
審決日 2007-08-21 
出願番号 商願2003-42846(T2003-42846) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (Y05)
T 1 8・ 13- Z (Y05)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 啓之渡邉 健司 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 小林 和男
堀内 仁子
商標の称呼 カラー 
代理人 網野 友康 

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