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審判番号(事件番号) データベース 権利
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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z10
管理番号 1165898 
審判番号 取消2006-30944 
総通号数 95 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-11-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2006-08-03 
確定日 2007-06-07 
事件の表示 上記当事者間の登録第4628692号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4628692号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4628692号商標(以下「本件商標」という。)は、「WATERLASE」及び「ウオーターレーズ」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成13年9月20日に登録出願され、第10類「医療用機械器具」を指定商品として、平成14年12月13日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張の要点
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証(枝番号を含む。)を提出している。
1 請求の理由
被請求人は、本件商標の商標権者であるが、本件商標に係る指定商品「医療用機械器具」について、継続して3年以上日本国内において商標権者自ら使用していないものであり、また、本件商標の登録原簿に記載のとおり、専用使用権又は通常使用権のいずれの登録もなされていないので、審判請求の登録前3年以内において専用使用権者又は通常使用権者のいずれの使用もされていない。
よって、請求人は、商標法第50条第1項の規定により本件商標の登録を取り消す、との審判を請求する次第である。
2 弁駁の要点
(1)本件商標について
(ア)被請求人は、請求人が米国において開発・製造した歯科治療用レーザー装置(以下「本件商品」という。)に本件商標が直接付されて使用されている、との主張を行っている。
しかしながら、被請求人の提出に係る乙第5号証の1及び2等及び請求人の提出に係る米国で2001年4月に発行された歯科関係の情報誌である「DentalTown」(甲第3号証)等にみられるように、本件商品に付されている商標「Waterlase」は、請求人が米国において製造し販売を行っているものであって、被請求人が請求人の「本件商品」に本件商標を付して使用しているものではない。
後に詳述するが、被請求人は輸入代行業務を行っているのであって、「輸入」行為そのものにもあたらないものである。したがって、被請求人の「本件商品に本件商標を付して」との主張は誤りであって、本件商標の構成中のローマ文字の「WATERLASE」又は片仮名文字の「ウオーターレーズ」のいずれの使用もされていないことは明らかである。
(イ)本件商標の指定商品は、「医療用機械器具」であり、国際分類第10類に属し、「本件商品」もこの範疇に属するものである。
「医療用機械器具」は、人体の生命等に影響を及ぼすからその取り扱いには相当高度な注意が必要であり、その製造販売にあたっては、薬事法上、医療機器(一般医療機器及び同項の規定により指定する管理医療機器を除く。)の製造販売をしようとする者は、品目ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなければならないものとされている(薬事法第14条)。
前記「医療機器」については、薬事法第2条第4項に「この法律で『医療機器』とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等であって、政令で定めるものをいう。」と規定され(甲第4号証の2)、薬事法施行令第1条には、「薬事法第2条第4項に規定する医療用具は、別表第1のとおりとする。」と規定され、その31に「医療用焼灼(しやく)器」が記載されている(甲第4号証の3)。
請求人は、厚生労働大臣に対して外国製造医療用具製造承認申請書(甲第5号証)を提出(受付:平成17年3月31日)しており、「類別:器具機器 (31)医療用焼灼器」、「一般的名称:その他のレーザー手術装置およびレーザーコアグレーター」等の記載がある。
要するに、被請求人が本件商標を使用していると主張する「本件商品」は、薬事法上の厚生労働大臣の製造販売の承認が得られなければ、被請求人の販売自体が禁止されている商品である。
したがって、請求人が製造した「本件商品」を輸入販売しようとする場合であっても前記厚生労働大臣の製造販売の承認が必要であるから、被請求人が「本件商品に本件商標を付して」などということはあり得ないことである。けだし、当該行為が認められるならば、薬事法違反となるからである。
(2)被請求人である商標権者の立場
(ア)被請求人は、「被請求人は、請求人が米国において開発・製造した歯科治療用レーザー装置(「本件商品」)の日本国内での個人輸入代行業務に関する承諾を平成12年1月末に受けた。」と主張している。
(a)前述したとおり、薬事法上、厚生労働大臣の製造販売の承認が必要な「本件商品」は、被請求人である「日本デンタルケア株式会社」名義で輸入販売することはできないものである(薬事法第14条)。そこで、被請求人は、「日本国内での個人輸入代行業務」を行っている、との主張である。
(b)ここで、「輸入代行」とは、客の依頼に応じて個別商品の輸入手続を請け負うものであって、薬事法に基づく許可等が必要な業務にはあたらない、とされている。しかしながら、これはあくまで個人輸入の代行であるから、前記「客」の名義で行わなければならず、その輸入の手続を代行するにすぎない。そして、日本での未承認(厚生労働大臣の製造販売の承認を受けていないもの)の医薬品・医療用具等の広告を行うことは、薬事法第68条の規定によって禁止されている(甲第4号証の4)。
(c)しかして、被請求人は、「請求人…日本国内での個人輸入代行業務に関する承諾を平成12年1月末に受けた」と主張し、乙第1号証を提出している。
しかしながら、乙第1号証は、「日本国内での個人輸入代行業務に関する承諾」を得るためのものではなく、そのような証明となりうるものではない。
(d)請求人は、そのホームページ(甲第6号証)をみても分かるように、数々のトレーニングコースやセミナー等を開催しているが、被請求人の提出に係る乙第1号証も「Tetsuo Goto For successfuly attending the Millenium Training course…」の記載から分かるように、「Tetsuo Goto」という個人がそのようなトレーニングを受けたにすぎず、単なる終了証明書にすぎない。
(イ)また、被請求人は、「それ以後、被請求人は、本件商品の日本国内における個人輸入代行業務をほぼ一手に引き受け、少なくとも本件審判の予告登録前3年の間、被請求人の一事業部であるWhite net(本部)事務局を介して、本件商品に本件商標を付して、歯科医を対象とした個人輸入代行業務を行う」と主張している。
(a)答弁書における「それ以後、被請求人は、本件商品の日本国内における個人輸入代行業務をほぼ一手に引き受け」との記載については、請求人は不知。
(b)答弁書における「…少なくとも本件審判の予告登録前3年の間、被請求人の一事業部であるWhite net(本部)事務局を介して、本件商品に本件商標を付して、歯科医を対象とした個人輸入代行業務を行う」との記載のうち、「本件商品に本件商標を付して、」とする点に関しては、既に請求人の主張を述べた。
(c)しかしながら、「White net(本部)事務局」が被請求人である「日本デンタルケア株式会社」の一事業部であるとする点は明らかではない。けだし、「White net(本部)事務局」の実体が不明であるからである。
(d)乙第2号証は、「日本デンタルケア株式会社」の登記簿謄本であるが、「昭和63年7月8日会社設立、1.一般建築工事の設計・請負及び施工、2.室内装飾品・照明器具・家具及び厨房器具の販売、3.歯科医院の開業企画及び経営相談…」等の記載があり、乙第3号証として「株式会社NDC/White Net事務局/会社概要・沿革」を提出している。
しかしながら、乙第3号証の「<沿革>「昭和63年10月 嘔吐物処理剤オードキエール特許申請、…」については、平成2年(1990年)6月1日出願である。また、「平成6年1月 オードキエール特許取得第2893205号」の特許登録日は、平成11年(1999年)3月5日であり、乙第3号証の証拠としての信憑性が乏しいことは説明するまでもない(特許第2893205号特許公報:甲第7号証)。
(e)また、被請求人の提出に係る乙第4号証は、日本リージャス株式会社のバーチャルオフィスの契約に関する「契約名義確認書」であるが、日本リージャス株式会社のホームページ(http://www.regus.jp)によると、「バーチャルオフィスは、実際にオフィスを開設しなくても、信頼の高い住所をビジネスの窓口として利用できるサービスです。取引先からかかってきた電話はリージャスのサポートスタッフが応答・処理するため、お客様はご自分の業務に専念することができます。」(甲第8号証)とあり、要は、日本リージャス株式会社が電話の応答に関する業務を請け負っているものであって実体がないものである。
(d)したがって、乙第2号証ないし乙第4号証によって、White net(本部)事務局が被請求人の一事業部であるとする事実を証明するものではない。
(ウ)また、被請求人の「歯科医を対象とした個人輸入代行業務を行う」との主張は、被請求人自ら「輸入代行業者」であることを自白したものであって、被請求人の本人使用がないことを認めたものである。
ちなみに、乙第6号証の1ないし10の「5.商品の保証は、個人輸入対象商品のメーカーが定めた内容に従う。(ウォーターレーズMDにおいてはバイオレーズ社が保証している。…」とあるように、輸入当事者は、請求人と顧客との間であることが分かる。
加えて、被請求人の主張によれば、乙第3号証によって、「White net(本部)事務局が日本デンタルケア株式会社の一事業部」であるというのであるから、「White net(本部)事務局」の活動も被請求人と同一視することができる。
(エ)以上の前提からまとめてみると、被請求人は、輸入代行業者であるから「本件商品」に日本で本件商標を直接付して使用することはできない。一事業部である「White net(本部)事務局」も同一である。
(3)被請求人による本件商標の使用について
(ア)被請求人は、「White net(本部)事務局及びこの事務局が運営するウォーターレーズ研究会を介して、本件商品の宣伝広告のためのセミナーを開催し、日本国内における本件商品の普及に努めてきている。」との記載からみて本件商標の宣伝広告を行っている、と主張しているように見える。
(イ)前述したように、未承認の医薬品・医療用具等の広告を行うことは、薬事法第68条の規定によって禁止されており、「White net(本部)事務局」も被請求人と同一であることは既に述べた。
(ウ)乙第5号証の1及び2の法的評価
(a)乙第5号証の1及び2は、請求人の本件商品に商標「Waterlase」が付されている写真を利用して被請求人の一事業部である「White net本部事務局」が作成した宣伝広告用チラシであることは明らかである。被請求人も証拠方法の説明において、「宣伝広告チラシ『Waterlase』 被請求人の一事業部であるWhite net本部事務局が歯科医を対象として発行している本件商品の宣伝広告チラシである。(乙第5号証の1参照)」としている。
(b)商標「Waterlase」は、請求人がそもそも米国において本件商品の製造・販売を行うために採択した商標であって、商標「Waterlase」は、 米国登録第2660361号として登録されている(甲第9号証)。そして、当該製品の日本への輸入は、既に説明したとおり、現在未承認であることからして、個人名義の輸入のみが認められ、被請求人の一事業部である「White net本部事務局」の名義では当該商品の輸入も認められるわけではなく、その宣伝広告も禁止されている。
(c)そうすると、被請求人の「本件商品」の商標は、「Waterlase」としながら、本件商標の欧文字部分「WATERLASE」が商標として掲載されているとの説明は、請求人の「Waterlase」を指しているにすぎず、被請求人の商標となりうるものではない。
けだし、「本件商品」の商標が「Waterlase」であることは、被請求人も認めており、同一の商品に重ねて被請求人の商標「WATERLASE」が使用される訳ではないからである。
(d)被請求人は、乙第1号証から明らかなとおり、「Certificate of Completion Tetsuo Goto For successfuly attending the Millenium Training course…」を本件商標の出願日前の2000年1月28日に取得し、請求人の会社情報を得る立場にあった。2001年4月に発行された歯科関係の情報誌である「DentalTown」(甲第3号証)も入手可能な立場にあり、この段階で既に本件商品の商標「Waterlase」を知得しており、これらの情報を奇貨として件外登録第4652115号商標「WATERLASER/ウォーターレーザー」(甲第10号証)と共に日本に出願して登録を得たものである。
しかも、被請求人の一事業部である「White net」の代表者である「Tetsuo Goto」と請求人との間で2004年1月1日発効の契約書(甲第11号証)が交わされており、その10.で「The sale of products to Buyer in no way confers on Buyer and Buyer shall not claim and right, interest or license in any patents, patent applications, indicia or design copyrights or trademarks, trade names or brands of Seller.」が規定されている。
(e)要するに、被請求人の本件商標及び件外登録第4652115号商標「WATERLASER/ウォーターレーザー」は、上記契約にも違反してなされたものであって、本件商標は、薬事法上も契約法上においてもその使用が認められるべきものではない。
(エ)また、被請求人は、乙第7号証の1ないし23及び乙第8号証の1ないし4を提出し、「White net(本部)事務局及びこの事務局が運営するウォーターレーズ研究会を介して、本件商品の宣伝広告のためのセミナーを開催し…」と述べているが、そもそも乙第7号証の1ないし23は、「セミナーの企画・開催」等に関するものであって、本件商標の指定商品である「医療用機械器具」の使用でないことは明らかであり、乙第8号証の1ないし4も、単なるアンケートであって商標の使用に該当する証拠たりうるものではない。
(オ)以上のとおり、被請求人は、本件審判の予告登録前3年以内に日本国内において本件商標を請求に係る指定商品「医療用器械器具」について使用していないことは明らかである。
(4)通常使用権者による本件商標の使用について
(ア)被請求人は、乙第9号証の1ないし3を提出して、「被請求人を介して本件商品を購入した歯科医は、自らのホームページにおいて本件商品の宣伝広告用に本件商標を使用している。」と述べている。
しかしながら、被請求人も認めているように、請求人の商品である「本件商品」を購入した歯科医が自らのホームページでその性能の良さ等を記述しているのみであって、商標的使用にあたるものではない。そもそも個人のホームページ上に請求人の製造販売に係る「本件商品」を使用して患者に対して治療していることを告知する程度のものにすぎないものである。
(イ)また、被請求人は、乙第10号証の1ないし3を提出して、「被請求人を介して本件商品を購入した当該歯科医に対し、少なくとも平成16年8月以来、本件商標を本件商品の宣伝広告用にホームページに掲載することについての事実上の使用許諾を与えていた。」との主張を行っているが、これらの証明書に記載の「本件商品」は、前述した厚生労働大臣の製造承認が必要なものであって、本件商標を使用することができないものであるから、その使用許諾そのものが認められるものではない。
要するに、White net本部事務局を介して個人輸入した歯科医がホームページにおいて、前述したように、請求人の製造販売に係る「本件商品」を使用して患者に対して治療していることを告知する程度のものにすぎないものであって、商標の使用に該当するものではなく、「被請求人を介して本件商品を購入し本件商標を使用している歯科医は、実質的に、被請求人の意思に基づく本件商標の通常使用権者」ではない。
(ウ)以上のとおり、本件審判の予告登録前3年以内に日本国内において本件商標を請求に係る指定商品「医療用機械器具」について専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用しているものではない。

第3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第13号証(枝番号を含む。)を提出している。
1 商標権者による使用
(1)被請求人は、請求人が米国において開発・製造した「本件商品」の日本国内での個人輸入代行業務に関する承諾を平成12年1月末に受けた(乙第1号証)。
それ以後、被請求人は、本件商品の日本国内における個人輸入代行業務をほぼ一手に引き受け、少なくとも本件審判の予告登録前3年の間、被請求人の一事業部であるWhite net(本部)事務局を介して、本件商品に本件商標を付して、歯科医を対象とした個人輸入代行業務を行うとともに(乙第2号証ないし乙第4号証、乙第5号証の1及び2、乙第6号証の1ないし10)、White net(本部)事務局及びこの事務局が運営するウォーターレーズ研究会を介して、本件商品の宣伝広告のためのセミナーを開催し(乙第2号証ないし乙第4号証、第7号証の1ないし23、乙第8号証の1ないし4)、日本国内における本件商品の普及に努めてきている。
なお、歯科治療用レーザー装置が医療用機械器具に属することは自明である。
(2)したがって、被請求人である商標権者が本件審判の予告登録前3年以内に日本国内において本件商標を請求に係る指定商品「医療用機械器具」について使用しているから、「当該登録商標に係る指定商品『医療用機械器具』について、継続して3年以上日本国内において商標権者自ら使用していない」という請求人の主張は失当である。
2 通常使用権者による使用
(1)上述のように、被請求人が本件商標を使用する本件商品については、被請求人が日本国内における個人輸入代行業務をほぼ一手に引き受けている。したがって、日本国内において本件商品を所有する歯科医は、そのほとんどすべてが被請求人を窓口として購入した医師である。
被請求人を介して本件商品を購入した歯科医は、自らのホームページにおいて本件商品の宣伝広告用に本件商標を使用している(乙第9号証の1ないし3)。
しかるに、被請求人は、被請求人を介して本件商品を購入した当該歯科医に対し、少なくとも平成16年8月以来、本件商標を本件商品の宣伝広告用にホームページに掲載することについての事実上の使用許諾を与えていた(乙第10号証の1ないし3)。
したがって、被請求人を介して本件商品を購入し本件商標を使用している歯科医は、実質的に、被請求人の意思に基づく本件商標の通常使用権者であることは明らかである。
(2)なお、請求人は、商標登録原簿に通常使用権者の登録がないことを根拠として通常使用権者が本件商標を使用していないと主張しているが、不使用取消審判においては、実務上、登録されていない通常使用権者であっても使用している事実が立証されれば、不使用取消は免れると判断される(乙第11号証ないし乙第13号証)。
(3)したがって、被請求人の意思に基づく通常使用権者が本件審判の予告登録前3年以内に日本国内において本件商標を請求に係る指定商品「医療用機械器具」について使用しているから、「当該登録商標に係る指定商品『医療用機械器具』について、審判請求の登録前3年以内において専用使用権者又は通常使用権者のいずれの使用もされていない。」という請求人の主張は失当である。
3 まとめ
以上のとおり、請求人の主張はいずれも根拠のないものである。
よって、本件審判請求は成り立たない。

第4 当審の判断
1 被請求人による本件商標の使用について
(1)被請求人が本件商標を使用していると主張する本件商品は、請求人が米国において開発・製造・販売している「歯科治療用レーザー装置」と認められ(乙第5号証の1及び2、甲第3号証)、本件商標の指定商品である「医療用機械器具」の範疇に属する商品というべきである。
そして、上記「歯科治療用レーザー装置」は、薬事法第2条第4項にいう「医療機器」に該当するものというべきであり、その製造販売には厚生労働大臣の承認を受けなければならないことは、同法第14条の規定から明らかである。また、上記厚生労働大臣の承認を受けていないものについては、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告が禁止されている(同法第68条)。
しかるに、被請求人が、本件商品について上記厚生労働大臣の承認を受けたものであることを示す証拠はない。
したがって、被請求人は、薬事法上、本件商品の販売はもとより、その宣伝広告もできないものというべきである。
(2)被請求人は、本件商品の日本国内における個人輸入代行業務に係る承諾を請求人から受けたと主張し、その立証証拠として乙第1号証を提出している。
しかしながら、乙第1号証は、被請求人の代表者が請求人による本件商品の修理・点検資格者養成課程を修了したことを示す単なる「終了証書」の写しであって、本件商品を日本国内に輸入することや個人輸入の代行業務等については一切触れられていないから、これをもって、請求人が上記承諾を与えたものとは到底いえない。
仮に、被請求人が上記個人輸入代行業務に係る承諾を受けたとしても、後述するように、個人輸入代行業務は商標法にいう「輸入」には該当しないものである。
(3)もとより、被請求人のいう個人輸入代行業務は、請求人の本件商品のユーザーが個人使用のために輸入する手続等を代行するものであって、被請求人自身が本件商品を輸入するものではない。本件商品のユーザーは、被請求人と「個人輸入代行業務契約」を締結して、被請求人に輸入手続を依頼し、輸入された商品は該顧客自身の責任のもとで使用されるというのであるから(乙第6号証の1ないし10)、本件商品のユーザーが輸入者として請求人の顧客の立場にある者というべきであり、被請求人による上記個人輸入代行業務が商標法にいう「輸入」に該当するものとはいい難い。
(4)被請求人は、本件商品の写真を掲載した宣伝広告用のチラシ(乙第5号証の1及び2)を発行したほか、歯科医師を対象とした本件商品の紹介セミナーを各地で開催するために宣伝広告用のチラシを作成配布しているとして乙第7号証の1ないし23を提出し、上記セミナーの開催希望アンケートを行ったとして乙第8号証の1ないし4を提出している。
(5)確かに、乙第5号証の1及び2並びに甲第3号証によれば、本件商品の本体及びチラシ中の写真には、本件商標と社会通念上同一といい得る商標「Waterlase」が付されていることが認められるが、これらは、請求人の業務に係る本件商品の写真を利用したものであって、それに表示された商標は、請求人が本件商品について使用するものと認識し理解されるというべきであって、被請求人が自ら付したものとは言えない。
(6)また、乙第7号証の1ないし23のセミナー宣伝広告用チラシは、歯科医を対象として本件商品の内容、使用方法等を紹介するセミナーという役務について宣伝広告するためのものであって、本件商品自体を宣伝広告するものとはいい難いし、乙第8号証の1ないし4のアンケートも同様である。
(7)以上のとおり、被請求人が本件商標を使用して行っていると主張する個人輸入代行業務は「輸入」に該当しないことはもとより、そもそも被請求人は、本件商品について薬事法に基づく厚生労働大臣の承認を受けておらず、自ら本件商品の製造販売をしたり、本件商品の輸入や宣伝広告をすることもできないのであるから、被請求人の主張は、前提において誤りがあり、採用することができない。
その他、被請求人が本件商標をその指定商品について使用していることを認めるに足る証拠はない。
してみれば、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、我が国において、被請求人によって本件商品について使用されているものということはできない。
2 通常使用権者による本件商標の使用について
(1)被請求人は、通常使用権者が本件商標を使用している旨主張し、その立証証拠として乙第9号証の1ないし3及び第10号証の1ないし3を提出している。
しかしながら、乙第9号証の1ないし3は、本件商品のユーザーたる歯科医のホームページの写しと認められるところ、その内容は、各歯科医が本件商品を用いて歯科医業を行っていることを説明するものであって、本件商品及び本件商標と社会通念上同一といい得る標章が表示されているものの、その標章は、歯科医業という役務の質、提供の用に供する物、内容等を示すために用いられているものであり、本件商品についての商標として認識し理解されるものではない。
また、乙第10号証の1ないし3は、該歯科医による証明書の写しと認められるところ、その内容は、本件商標を付して本件商品を上記ホームページに掲載することについて被請求人から許諾を受けたことを証明するものにすぎず、本件商標の具体的な使用について示すものではない。
その他、通常使用権者が本件商標をその指定商品について使用していることを認めるに足る証拠はない。
してみれば、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、我が国において、通常使用権者によって本件商品について使用されているものということはできない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人の提出に係る証拠によっては、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において商標権者、通常使用権者のいずれかが本件商標をその指定商品について使用していることを立証したものとは認められない。
したがって、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品について使用されていなかったものというべきであり、また、その使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められないから、商標法第50条の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-04-04 
結審通知日 2007-04-09 
審決日 2007-04-23 
出願番号 商願2001-85213(T2001-85213) 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (Z10)
最終処分 成立 
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 田代 茂夫
特許庁審判官 小林 由美子
青木 博文
登録日 2002-12-13 
登録番号 商標登録第4628692号(T4628692) 
商標の称呼 ウオーターレーズ 
代理人 高橋 淳 
代理人 仲村 圭代 
代理人 篠原 泰司 
代理人 藤中 雅之 
代理人 羽切 正治 
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