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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y18
審判 全部申立て  登録を維持 Y18
管理番号 1164289 
異議申立番号 異議2007-900112 
総通号数 94 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-10-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-03-06 
確定日 2007-09-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第5012061号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5012061号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5012061号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成18年6月28日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年12月15日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下(1)ないし(3)のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1753431号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和54年2月28日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同60年3月25日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回に亘りなされ、さらに、平成17年8月24日に、指定商品について第14類、第18類、第21類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。
(2)登録第2050064号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和60年10月9日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年5月26日に設定登録されたものである。
(3)登録第3222076号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成5年8月25日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年11月29日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
(上記(1)ないし(3)の登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。)

3 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、図形のみからなり、一見して五弁の花柄の図形として認識され、引用商標と基本的着想及び構成が極めて近似する商標である。
したがって、本件商標と引用商標は、外観において類似する商標である。
また、本件商標に接する需要者・取引者は、本件商標から申立人の「五弁の花弁」の観念を想起するから、本件商標と引用商標は、観念上類似する商標である。
さらに、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は互いに抵触する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人の周知、著名な商標「デイジーマーク」と類似し、あるいはこれと極めて近似する商標であるから、これをその指定商品について使用するときは、需要者が申立人の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標である。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)のとおり、花弁の中心部に円輪郭を有する五弁の花の図形をフリーハンドで線書きし、さらに、これらの外周に、厚みをもった二重の五弁が形成されるように、内側に位置する上記五弁の花の図形に沿って線を描いてなるものである。
一方、引用商標は、別掲(2)のとおり、中心部に白抜きの円輪郭を有する黒塗りの五弁の花の図形を描いてなるものである。
そうすると、本件商標は、線で描かれた二重の五弁の花の図形であって、該二重の五弁に大きな特徴を有する、いわば抽象的図形として印象づけられるものであるのに対し、引用商標は、上述のとおり、白抜きの円輪郭を有
する五弁の花の図形を黒塗りで描いた抽象的図形として印象づけられるものであるから、両商標は、構成する各要素において著しい差異を有するばかりでなく、看者に与える構成全体の印象においても大きく相違するものである。
したがって、本件商標と引用商標は、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、互いに見誤るおそれはないというのが相当である。
また、本件商標は、花の図形を表したと理解されるものであるとしても、前記認定のとおり、抽象的に表現されているものであるから、これより直ちに特定の種類の花を想起、連想させるものではなく、したがって、特定の称呼、観念は生じないものというのが相当である。
これに対して、引用商標は、本件商標と同様に、一見して花の図形を表したものと理解されるとしても、抽象的に描いたものであるから、直ちに特定の種類の花を想起、連想させるものとはいえないが、申立人がその業務に係る商品「化粧品」に継続して使用した結果、「デイジーマーク」と称され、この種商品の需要者の間に知られているものと認められるから、これより「デイジーマーク」の称呼及び観念が生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標は、称呼及び観念については、比較することができない。
以上によれば、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
甲第5号証ないし甲第194号証を総合すれば、引用商標は、申立人の業務に係る商品「化粧品」について使用され、「デイジーマーク」と称されて、本件商標の登録出願時にはすでに、その需要者の間に広く認識されていたと認めることができる。また、引用商標は、上記化粧品のほか、バッグ、ベルト、マフラー、ポーチ、アクセサリー、Tシャツなどの被服等、ファッション関連の商品について使用されていた事実がある程度認められるが、引用商標がこれらファッション関連の商品について使用され、本件商標の登録出願前より著名性を獲得していたと認めることは、上記証拠をもってしては困難であるといわざるを得ない(なお、甲第196号証ないし甲第198号証は、化粧品の販売促進のために無償で配布される商品と認められる。)。
そして、引用商標が申立人の業務に係る商品「化粧品」を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より著名性を獲得していたものであるとしても、前記(1)で認定したとおり、本件商標と引用商標は、商標それ自体非類似の商標と認められるから、本件商標に接する需要者が直ちに引用商標を想起又は連想することは考え難く、したがって、本件商標をその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
(3)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標

(2)引用商標(登録第1753431号、登録第3222076号)

(3)引用商標(登録第2050064号)

異議決定日 2007-08-23 
出願番号 商願2006-60201(T2006-60201) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (Y18)
T 1 651・ 271- Y (Y18)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大橋 信彦林 圭輔 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 渡邉 健司
鈴木 修
登録日 2006-12-15 
登録番号 商標登録第5012061号(T5012061) 
権利者 株式会社コルバ
代理人 熊倉 禎男 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 松尾 和子 
代理人 中村 稔 

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