• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y05
管理番号 1164258 
異議申立番号 異議2007-900114 
総通号数 94 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-10-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-03-15 
確定日 2007-09-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第5008211号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5008211号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5008211号商標(以下「本件商標」という。)は、「SYNERGIES +」の文字及び記号を横書きしてなり、2004年1月27日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成16年7月22日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年12月8日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2465167号商標(以下「引用商標1」という。)は、「シナジー」の文字を横書きしてなり、平成2年3月2日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年10月30日に設定登録され、その後、同15年7月23日に、指定商品を第1類、第2類、第3類、第4類、第5類、第8類、第9類、第10類、第16類、第19類、第21類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。
(2)登録第4602212号商標(以下「引用商標2」という。)は、「SYNAGIS」の文字を標準文字で書してなり、平成14年5月13日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年9月6日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由の要点
本件商標は、その構成中の「SYNERGIES」が要部であり、該語は、「共同作用、相乗効果」を意味する英語「SYNERGY」の複数形であり、「シナジーズ」の称呼が生ずる。
これに対し、引用商標1は、その構成文字より「シナジー」の称呼が生じ、「共同作用、相乗効果」を意味する英語「SYNERGY」の片仮名表記である。
したがって、本件商標と引用商標1は、称呼及び観念において類似する商標である。
また、引用商標2は、その構成文字より「シナジス」の称呼が生ずる。 したがって、本件商標と引用商標2は、称呼において類似し、かつ、外観においても相紛らわしい商標である。
さらに、本件商標の指定商品と各引用商標の指定商品は、同一又は類似の商品である。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してれされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)本件商標と各引用商標との類否について
(ア)称呼について
本件商標は、前記のとおり、「SYNERGIES +」の文字及び記号を書してなるものであるところ、「SYNERGIES」と「+」の間には、半字程度の間隔があり、外観上分離して看取されやすばかりでなく、「SYNERGIES」の文字と「+」の記号を結合して親しまれた意味合いが生ずるものとも認め難いところである。加えて、「+」は、「加える」などを意味するありふれた記号であって、主たるものが存在し、それに何か他のものを加えるといった意味合いを看取させるにとどまり、自他商品の識別機能がきわめて弱いものということができる。
そうすると、本件商標は、構成する文字及び記号を全体として称呼した場合の「シナジーズプラス」の称呼のほか、「SYNERGIES」の文字部分より単に「シナジーズ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
これに対して、引用商標1は、前記のとおり、「シナジー」の文字を書してなるものであるから、これより「シナジー」の称呼を生ずるものである。
また、引用商標2は、前記のとおり、「SYNAGIS」の文字を書してなるものであるから、これより「シナジス」の称呼を生ずるものである。
そこで、先ず、本件商標より生ずる「シナジーズ」の称呼と引用商標1より生ずる「シナジー」の称呼を比較するに、両称呼は、末尾において「ズ」の音の有無の差異を有するものであるところ、該「ズ」の音は、有声破擦子音「dz」と母音「u」とを結合した音であり、末尾に位置するものであるとしても、強く重く響く音であるといえるから、該差異音が両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえない。
したがって、両称呼をそれぞれ全体として称呼するときは、その語調、語感が相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないものとみるのが相当である。
次に、本件商標より生ずる「シナジーズ」の称呼と引用商標2より生ずる「シナジス」の称呼を比較するに、両称呼は、末尾部分において、「ジ」の長音の有無の差異及び「ズ」と「ス」の音の差異を有するものであるところ、比較的短い音構成よりなる両称呼において、上記差異音が両称呼全体に及ぼす影響は大きいものといえる。
したがって、両称呼をそれぞれ全体として称呼するときは、その語調、語感が相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないものとみるのが相当である。
(イ)観念について
「シナジー(synergy)」の語は、近時、例えば「シナジー効果」などのように使用され、「相乗作用、共同作用」等を意味するものとして知られているところ、該語が我が国において、複数形が存在すると一般に知られていると認めるに足る証拠は見出せず、本件商標中の「SYNERGIES」の文字より直ちに「シナジー(synergy)」の複数形を表したものと認識されるものとはいえない(なお、甲第12号証によれば、「synergy」の語には、「uncountable(不可算語)」の略である「U」が表記されている。)。
してみると、本件商標と引用商標1は、観念において同一のものとはいえず、したがって、観念上類似する商標ということはできない。
また、引用商標2は、特定の語義を有しない造語と認められるから、本件商標とは観念上比較することができない。
(ウ)外観について
本件商標中の「SYNERGIES」の文字部分と引用商標2は、中間部分において「ER」と「A」の文字の差異及び末尾部分において「E」の文字の有無の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、互いに見誤るおそれはないというのが相当である。
また、本件商標中の「SYNERGIES」の文字部分と引用商標1とは、外観上明らかに区別し得る差異を有するものである。
(エ)したがって、本件商標と各引用商標は、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2007-08-17 
出願番号 商願2004-67679(T2004-67679) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (Y05)
最終処分 維持  
前審関与審査官 渡邉 健司 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 岩本 和雄
鈴木 修
登録日 2006-12-08 
登録番号 商標登録第5008211号(T5008211) 
権利者 デイド ベーリング インコーポレーテッド
商標の称呼 シナージーズプラス、シナージーズ 
代理人 朴 暎哲 
代理人 早津 貴久 
代理人 遠藤 祐吾 
代理人 村木 清司 
代理人 橋本 千賀子 
代理人 松嶋 さやか 
代理人 村橋 史雄 
代理人 中山 健一 
代理人 高部 育子 
代理人 松原 伸之 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ