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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y2930
審判 全部申立て  登録を維持 Y2930
審判 全部申立て  登録を維持 Y2930
管理番号 1164251 
異議申立番号 異議2006-90541 
総通号数 94 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-10-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-10-27 
確定日 2007-08-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第4973430号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4973430号商標の登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第4973430号商標(以下「本件商標」という。)は、「FISK」の欧文字を標準文字で表してなり、平成17年11月25日に登録出願、第29類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年7月28日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人である「フリスク インターナショナル ナムローゼ フエンノートシャップ」(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下の4件である(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)。
(1)登録第2500058号商標(以下「引用A商標」という。)
別掲(ア)に示す構成よりなり、平成1年12月28日に登録出願、第30類「菓子、パン」を指定商品として、同5年1月29日に設定登録され、その後、同15年2月12日に商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換の登録が同17年1月12日にされたものである。
(2)登録第4087098号商標(以下「引用B商標」という。)
別掲(イ)に示す構成よりなり、平成8年2月28日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同9年11月28日に設定登録され、その後、同19年6月12日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第4310757号商標(以下「引用C商標」という。)
別掲(ウ)に示す構成よりなり、平成9年4月9日に登録出願、第5類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年9月3日に設定登録されたものである。
(4)国際登録第836328号商標(以下「引用D商標」という。)
別掲(エ)に示す構成よりなり、第30類に属する国際登録簿に記載のとおりの商品を指定商品とし、2004年(平成16年)4月16日にベネルックスにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、同年9月10日に国際登録され、その後、我が国において平成18年2月24日に設定登録されたものである。
2 理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標より生ずる「フィスク」の称呼と引用商標より生ずる「フリスク」の称呼とは、第2音における「ィ」と「リ」の音に差異を有するところ、該差異音は、母音を共通にし、その調音方法も、ともに舌音であって発音上似たものとなる。
そうすると、両者は、ともに同音数からなる比較的長い称呼で1音のみが異なり、しかもその異なる1音も母音を共通にするものであるから、称呼上類似する商標である。そして、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
本件商標は、申立人が「ミント菓子」を表示する商標として、長年使用して取引者、需要者間において、周知著名となっている「FRISK」の文字よりなる商標(以下「申立人商標」という。)と類似するものであるから、これをその指定商品に使用した場合、申立人の業務に係る商品と出所につき混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである。
(3)申立人は、証拠方法として、甲第1ないし第131号証を提出している。

第3 当審の判断
1 本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、前記第1のとおりであるところ、その構成に係る「FISK」の文字は、同書、同大、等間隔に書されており、これより生ずる「フィスク」の称呼も3音と短く一気に称呼し得るものであるから、これよりは「フィスク」の称呼のみを生ずる特定の意味を有さない一種の造語よりなるものと判断するのが相当である。
他方、引用商標は、それぞれ前記第2のとおりであるから、各構成に係る「FRISK」又は「フリスク」の文字に相応して「フリスク」の称呼を生ずるものと認められ、かつ、引用B商標は造語として看取されるものであるが、他の引用A商標、引用C商標、引用D商標は、「はね回る、飛び回る」程の意味合いを認識させるといえるものである。
しかして、本件商標より生ずる「フィスク」の称呼と引用商標より生ずる「フリスク」の称呼は、前者が3音、後者が4音で構成音数を異にするうえ、その語頭部で「フィ」と「フリ」の音に差異があり、一連に称呼した場合には、前者はつまったように発音・聴取されるのに対し、後者は一音ずつ区切るように発音・聴取されるといえるものであるから、この差異が短い両者の称呼を比較する上で称呼全体に及ぼす影響は大きく、それぞれを一連に称呼するときには語調・語感が相違し、相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。
また、両商標の構成は、それぞれ前記のとおりであるから、外観上、十分に区別できる差異を有するものであり、さらに、観念においても、本件商標は造語と認められるから、この点においては比較し得ないものである。
してみれば、本件商標は、引用商標と外観、称呼、観念のいずれの点からみても非類似の商標といわざるを得ない。
2 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
甲各号証によれば、「FRISK」の文字よりなる申立人商標は、我が国でもカネボウフーズ株式会社(パートナーシップ)により、1993年にはミントタブレット(錠菓)に使用され高い販売額を上げており、かつ、継続して相当額の宣伝広告費を掛けて販売促進に努めてきたことが認められる。
その結果、申立人商標は、日本の取引者・需要者の間でも周知・著名性を獲得するに至った商標と認め得るものである。
しかして、本件商標は、前記1で認定・判断したとおり、「FRISK」又は「フリスク」の文字よりなる引用商標とは外観、称呼、観念のいずれの点よりみても非類似の商標といえるものであるから、申立人商標と対比しても十分に区別できるものである。
加えて、甲各号証によれば、申立人商標が新聞、雑誌等の記事として紹介されるときには「フリスク」と表記されることが殆どであり、かつ、申立人商標が(写真等で)実際に使用されている構成態様をみると、「FRISK」の文字の影を横線で表し、全体に立体感をもたせ、さらに、文字中央のアルファベット1字「I」の上部に鋭利な縦長の三角形3つを配してなるという極めて創作的な構成態様となっており、本件商標と申立人の使用に係る申立人商標とは別異の商標といえること等を勘案すると、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が申立人商標を連想・想起することはなく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
3 結び
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(ア) 引用A商標


別掲(イ) 引用B商標


別掲(ウ) 引用C商標


別掲(エ) 引用D商標


異議決定日 2007-08-07 
出願番号 商願2005-110768(T2005-110768) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (Y2930)
T 1 651・ 25- Y (Y2930)
T 1 651・ 271- Y (Y2930)
最終処分 維持  
前審関与審査官 福島 昇 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 関根 文昭
久我 敬史
登録日 2006-07-28 
登録番号 商標登録第4973430号(T4973430) 
権利者 群馬製粉株式会社 株式会社アーシュ・ツジグチ
商標の称呼 フィスク 
代理人 松尾 和子 
代理人 中村 稔 
代理人 羽鳥 亘 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 羽鳥 亘 
代理人 藤倉 大作 

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