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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Y25
管理番号 1162699 
異議申立番号 異議2006-90264 
総通号数 93 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-06-09 
確定日 2007-08-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第4935454号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4935454号商標の指定商品中、「メリヤス機械用編針,針類,被服用はとめ,テープ,リボン,編みレース生地,刺しゅうレース生地,房類,組みひも,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),ボタン類」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第4935454号商標(以下「本件商標」という。)は、「SMART CLOVER」の文字を横書きしてなり、平成17年7月4日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第26類「魚網製作用杼,メリヤス機械用編針,針類,被服用はとめ,テープ,リボン,編みレース生地,刺しゅうレース生地,房類,組みひも,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花,つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。),靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」を指定商品として、同18年3月10日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1201362号商標(以下「引用商標A」という。)は、別掲(1))のとおりの構成よりなり、昭和47年7月28日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同51年5月24日に設定登録され、その後、平成18年4月5日に、第8類、第14類、第16類、第20類、第21類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。
(2)登録第1115297号商標(以下「引用商標B」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和45年1月9日に登録出願、第13類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同50年4月14日に設定登録され、その後、平成17年7月6日に、第8類、第21類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。
(3)登録第4445981号商標(以下「引用商標C」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成11年12月20日に登録出願、第18類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年1月19日に設定登録されたものである。
(4)登録第4686452号商標(以下「引用商標D」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成14年9月19日に登録出願、第1類、第2類、第3類、第4類、第5類、第6類、第7類、第8類、第9類、第10類、第11類、第12類、第14類、第16類、第17類、第18類、第19類、第20類、第21類、第22類、第23類、第24類、第25類、第26類、第27類、第28類、第30類、第31類、第33類、第34類、第35類、第36類、第37類、第38類、第39類、第40類、第41類、第42類、第43類、第44類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成15年6月27日に設定登録されたものである。
(引用商標1ないし4をまとめていうときは、以下単に「引用商標」という。)

第3 登録異議の申立ての理由(要旨)
1 引用商標及び「clover」の語の周知・著名性について
本件商標は、指定商品に手芸・裁縫用品、即ち第26類「メリヤス機械用編針,針類,被服用はとめ,テープ,リボン,編みレース生地,刺しゅうレース生地,房類,組みひも,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),ボタン類」を含み、これら商品は、引用商標の指定商品とも抵触するものである。
申立人は、手芸・裁縫用品の専門・総合メーカーであり、「clover」の文字を自社の業務を表すものとして60年以上にわたって、継続的に使用してきたため、引用商標をはじめ、「clover」の商標は、申立人の業務を表すものとして周知・著名になっている。
2 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「SMART」と「CLOVER」の各文字を結合してなるところ、既成語ではないこと、及び全体として特定の意味合いが生じるものでないことから、「SMART」と「CLOVER」を常に一体のものとして捉えなくてはならない理由は見出せない。また、本件商標は、申立人の業務を表すものとして周知・著名な「CLOVER」を含むため、これをその指定商品中、手芸・裁縫用品に使用するときは、「CLOVER」の部分が注目され、取引に資される場合もあると言える。さらに、審査基準に照らしても、「CLOVER」を含む本件商標を引用商標と類似することは妥当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、手芸・裁縫用品について申立人の業務を表すものとして需要者に広く知られた引用商標を含むため、これをその指定商品に使用するときは、商品の出所について混同が生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

第4 取消理由通知
申立人の提出に係る甲第3号証ないし甲第7号証の2のパンフレット、新聞等に掲載された広告等によれば、「引用商標」は、申立人が、昭和21年に手芸・裁縫用品の製造業を開始して以来、今日に至るまで手芸・裁縫用品のメーカーとして営業活動を継続していること、申立人の業務に係る商品には、引用商標が表示され、申立人は、これら商品を本件商標の登録出願前より、朝日新聞に宣伝広告していた事実が認められる。また、引用商標について、糸、布地、針類等を指定商品とする防護標章登録がされ、さらに、「日本有名商標集」(2004年AIPPI・JAPAN発行)、「日本商標名鑑2000」(平成12年11月20日商標調査会発行)に掲載されたことが認められる。
以上によれば、引用商標は、申立人の業務に係る商品「手芸・裁縫用品」を表示するためのものとして、「手芸・裁縫用品」の分野においては、本件商標の登録出願前より、その需要者の間でよく知られていたものであるということができる。
他方、本件商標は、前記のとおり「SMART CLOVER」の文字よりなるところ、該文字は、構成全体もって、親しまれた熟語的意味合いが生ずるものとは認め難いものであって、容易に「SMART」と「CLOVER」の文字よりなるものと認められる。
また、本件商標の指定商品中「メリヤス機械用編針,針類,被服用はとめ,テープ,リボン,編みレース生地,刺しゅうレース生地,房類,組みひも,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),ボタン類」と申立人の業務に係る前記商品とは、その需要者、取引者等を同じくする密接な関連のある商品とみるのが相当である。
そうすると、かかる事情の下で、引用商標の欧文字部分と同じ綴り字を含む本件商標は、これをその指定商品中「メリヤス機械用編針,針類,被服用はとめ,テープ,リボン,編みレース生地,刺しゅうレース生地,房類,組みひも,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),ボタン類」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、周知著名になっている引用商標を連想、想起し、その商品が申立人若しくは同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、その指定商品中「メリヤス機械用編針,針類,被服用はとめ,テープ,リボン,編みレース生地,刺しゅうレース生地,房類,組みひも,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),ボタン類」について、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

第5 当審の判断
本件に関し、審判長は、商標権者に対し、平成19年1月18日付けで、前記第4の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もなかった。
そして、前記第4の取消理由は、妥当なものと認められるので、本件商標の指定商品中、「メリヤス機械用編針,針類,被服用はとめ,テープ,リボン,編みレース生地,刺しゅうレース生地,房類,組みひも,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),ボタン類」についての登録は、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
しかしながら、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、同法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではなく、取り消すべき理由がないものであるから、同法第43条の3第4項の規定により、登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲(1) 引用商標

異議決定日 2007-06-11 
出願番号 商願2005-60807(T2005-60807) 
審決分類 T 1 651・ 271- ZC (Y25)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 池田 佐代子 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 石田 清
小林 和男
登録日 2006-03-10 
登録番号 商標登録第4935454号(T4935454) 
権利者 財団法人省エネルギーセンター
商標の称呼 スマートクローバー、クローバー 
代理人 水谷 安男 
代理人 青山 葆 
代理人 島田 義勝 
代理人 樋口 豊治 

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