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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 29
審判 全部申立て  登録を維持 29
管理番号 1162694 
異議申立番号 異議2007-900013 
総通号数 93 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-01-09 
確定日 2007-08-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第4993593号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4993593号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4993593号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成17年1月28日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同18年10月6日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要旨
ア 申立人の業務及び商品
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、米国オレゴン州に所在し、食品の製造・販売を行っている法人であり、ポテトチップを中心とした種々の食品を製造し、「KETTLE」という社標を使用して、これら製品を世界中で販売している。申立人は世界各地に600名前後の従業員を抱えており、昨年度の売上は、約1億8400万ドルである。同社の製品中、最も有名なのは、手作りの自然食品ポテトチップである。申立人が商標「KETTLE」を使用して販売する当該製品は、米国における自然食品ポテトチップの市場におけるシェアの約5割を占めている。
申立人は、世界各地で商標「KETTLE」を使用しているため、米国だけでなく世界各国においても、ポテトチップをはじめとする各種食品について、商標「KETTLE」又は「ケトル」を登録している。一例を挙げれば、日本、中国、カナダ、EC、オーストリア、ベネルクス3国、ドイツ、デンマーク、スペイン、フィンランド、フランス、英国、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スウェーデンなどである。
商標「KETTLE」は、手作りの自然食品ポテトチップなどの食品に使用される商標として世界的に著名であり、米国の雑誌やメディアからも、数多くの賞を与えられている。
そして、日本においても、以前から、申立人の製造・販売している「KETTLE」ブランドのポテトチップ等が、輸入・販売されており、現在に至るまで継続的に販売されている。
イ 出所混同のおそれ
(ア)上述したように、申立人の業務について使用されている商標「KETTLE」は、ポテトチップをはじめとする食品類に使用される商標として世界的に著名である。
(イ)申立人の商標「KETTLE」は、「ケトル」の称呼および「やかん」の観念を以って取引に資される。
一方、本件商標の構成は、1に記載のとおりであり、「ケテル」の称呼を以って取引に資される。また、本件商標はオランダ語で「やかん」を意味する。
(ウ)申立人はポテトチップだけでなく、ナッツ、ピーナッツバター等の製造・販売も行っている。世界的な販売網を有する事業者が、食品一般を広く扱う場合があることは、我々が一般的に知るところである。また、ある程度の規模を有する事業者においては、企業経営の多角化や企業グループの形成により、同一の商標が食品一般について幅広く使用される場合があることも、我々が一般に知るところである。
特に、本件の場合、本件商標の指定商品中の「加工野菜」には、「調理用ポテトチップ」等の商品が含まれており、「加工野菜」と、申立人の主力商品であるポテトチップとは、近似する商品である。
(エ)以上の点を鑑みれば、本件商標をその指定商品に使用すれば、需要者は、本件商標が使用される商品が申立人の商品に係るものであると誤信するおそれがある。あるいは、本件商標が使用される商品は申立人と親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係を有し、同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信するおそれがある。
ウ 結語
本件商標は、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標であるから、商標法第4条第1項第15号の規定に該当し、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
本件商標は、別掲のとおり、十字状輪郭内に「ケテル」の片仮名文字を縦書きにし、「KE」及び「EL」の欧文字を左右に配した構成からなるものであるところ、「ケテル」の片仮名文字に相応して「ケテル」の称呼を生じるものであるが、オランダ語の我が国における普及程度を勘案すれば、特定の観念を生じさせない造語からなる標章として看取されるとみるのが相当である。
一方、申立人が商品ポテトチップ等に使用しているとする商標(以下「引用商標」という。)は、「KETTLE」の欧文字からなるものであり、これよりは「ケトル」の称呼を生じるものであり、「kettle」が「やかん」の意味を有する我が国で比較的知られた英語であることを勘案すれば、これより「やかん」の観念を生じさせるものというのが相当である。
そこで、本件商標と引用商標との類否についてみるに、両者は、それぞれの構成において顕著な外観上の相違があり、観念においては比較することができないものである。
また、「ケテル」と「ケトル」の称呼を比較してみても、3音という簡素な称呼の2音目において「テ」と「ト」の明確な差異があり、充分に区別し得るものである。
してみると、本件商標は、外観、観念及び称呼のいずれからみても、引用商標に類似する商標とは認められない。
そして、申立人提出の証拠を総合してみても、引用商標が、本件商標の出願時及び登録時においても既に、申立人の商品ポテトチップ等を表示する商標として、我が国の需要者の間で広く認識されるに至っていたものであると認めることはできない。
してみれば、上記の本件商標と引用商標との類似性の程度、引用商標の周知性の程度を勘案すれば、本件商標をその出願時及び登録時に指定商品に使用したとしても、これに接する者が引用商標を想起し連想して、当該商品を申立人あるいは同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品と誤信し、商品の出所の混同をするおそれがあったと判断することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。
以上のとおり、本件商標は前記条項に違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 本件商標


異議決定日 2007-07-20 
出願番号 商願2005-6699(T2005-6699) 
審決分類 T 1 651・ 13- Y (29)
T 1 651・ 271- Y (29)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐藤 達夫土井 敬子 
特許庁審判長 田代 茂夫
特許庁審判官 岩崎 良子
伊藤 三男
登録日 2006-10-06 
登録番号 商標登録第4993593号(T4993593) 
権利者 種村 武男
商標の称呼 ケテル 
代理人 加納 一男 
代理人 穂坂 道子 
代理人 村上 晃一 

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