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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y25
審判 全部申立て  登録を維持 Y25
審判 全部申立て  登録を維持 Y25
管理番号 1162690 
異議申立番号 異議2006-90536 
総通号数 93 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-10-23 
確定日 2007-08-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第4976135号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4976135号商標の登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4976135号商標(以下「本件商標」という。)は、「JILL TOO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年1月11日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同18年8月4日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「本件商標は、1987年に設立され米国マサチューセッツ州に本社をおく高品質の婦人服・アクセサリー・靴等を販売する大手企業である申立人『ザ ジェイ.ジル グループ インク』が、その業務に係る商品『女性用被服』等に付して長年使用する商標として、本件商標の登録出願時には既に、全米をはじめ日本やその他多数の国で周知・著名性の程度が高い商標『J.JILL』(以下『引用商標』という。))と称呼、外観が類似し、観念を同一にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品には、申立人の使用に係る商品が数多く含まれているものである。そうとすると、本件商標をその指定商品に使用した場合には、これに接した取引者・需要者に対し、著名な引用商標を連想させ、その商品が申立人の業務に係る商品又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関連を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがある。さらに、本件商標は、他人の著名な商標と類似する商標を、不正の目的を以て使用する意図の下に出願し登録されたものというべきである。したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。」旨主張し、証拠方法として、甲第1ないし第37号証(枝番を含む。)を提出している。

3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、前記1のとおりであるところ、その構成に係る「JILL TOO」の各文字は、バランスよく簡潔に表示されており、これより生ずる「ジルトゥー」の称呼も3音と短く一気に称呼し得るものであるから、これよりは「ジルトゥー」の称呼のみを生ずる不可分一体の造語よりなるものと判断するのが相当である。
他方、申立人の使用に係る引用商標は、前記2のとおり「J.JILL」の欧文字よりなるところ、該構成文字は、語頭の「J」の後にピリオドを有するものの、同書、同大、等間隔に書され、これより生ずる「ジェイジル」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
加えて、「J.JILL」の表記は、一見して欧米人の人名を略記して表したものと理解される場合も少なくないことから、かかる構成にあっては、「ジェイジル」の称呼のみを生ずる不可分一体の商標として、把握、認識されるものと判断するのが相当である。
しかして、本件商標より生ずる「ジルトゥー」の称呼と引用商標より生ずる「ジェイジル」の称呼とは、称呼を識別する上で重要な位置を占める語頭音を含めて、その音構成及び構成音数において顕著な差異を有するものであるから、両称呼は、称呼上、何ら相紛れるおそれのないものである。
また、両商標の構成は、それぞれ前記のとおりであるから、外観上、十分に区別できる差異を有するものであり、さらに、観念においても、本件商標は造語と認められることから、この点においては比較し得ないものである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人より提出された甲各号証によれば、引用商標がアメリカ合衆国を含む数ヶ国に出願・登録されていることが認められ、また、引用商標が女性用被服に使用されていることは認め得るが、その周知・著名性を立証するための証拠は、大半が申立人の作成に係る米国で発行された2005年版の販売カタログ(英文)であって、これらの証拠によっては、引用商標が本件商標の登録出願時において、我が国の需要者の間に広く知られていたものとは認められず、かつ、本件商標の構成態様は、前述のとおりであり、引用商標とは外観、称呼、観念のいずれよりみても十分に区別できる別異の商標といえるものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合に、これに接する取引者・需要者が申立人の引用商標を連想・想起することはなく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、上記(1)(2)のとおり認定・判断し得るものであり、引用商標とは何ら相紛れるおそれのない非類似の商標といえるものであるし、また、商標権者が本件商標を採択使用する行為に不正の目的があったということもできない。
(4)結び
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2007-07-24 
出願番号 商願2006-1096(T2006-1096) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y25)
T 1 651・ 25- Y (Y25)
T 1 651・ 222- Y (Y25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 泉田 智宏林 圭輔 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 久我 敬史
関根 文昭
登録日 2006-08-04 
登録番号 商標登録第4976135号(T4976135) 
権利者 スチュアート-カーティス ファミリー トラスト
商標の称呼 ジルツー、ジルトゥー、ジル、ツー、トゥー、テイオオオオ 
代理人 宮武 敏夫 
代理人 藤田 美穂 

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