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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y41 |
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管理番号 | 1162586 |
審判番号 | 取消2006-31110 |
総通号数 | 93 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-09-28 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2006-09-05 |
確定日 | 2007-08-06 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4680498号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4680498号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4680498号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成14年8月15日に登録出願、第41類「娯楽の提供,オンラインによるゲームの提供」を指定役務として、同15年6月6日に設定登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べた。 本件商標は、本件審判請求日現在において既に登録後3年以上経過しており、しかもこの間、被請求人は、本件商標をその指定役務(審判請求書の取消事由の欄には「指定商品」とあるが、「指定役務」の誤記と認められる。)について使用した事実は存在しない。 したがって、本件商標は、継続して過去3年以上日本国内においてその指定役務について使用されていないものであるから、商標法50条1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。 3 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第7号証を提出した。 (1)商標権者による本件商標の使用について 被請求人は、平成16年7月16日以降、被請求人の運営する携帯アプリダウンロード専用サイトにおいて、ゲームをダウンロードさせるコーナーの名称として「ネットげーせん」を使用している。 (2)登録商標について 被請求人の使用に係る商標は、本件商標そのものではないが、本件商標の書体のみを変更しただけにすぎず、本件商標と同一の称呼・観念が生じるものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。 (3)使用について 本件商標の指定役務は、第41類「娯楽の提供、オンラインによるゲームの提供」であるところ、「ネットげーせん」は、携帯電話によりアクセスした専用サイトにおいて、携帯コンテンツであるゲームをダウンロードさせるコーナーの名称として携帯画面に表示されるものである。 したがって、「娯楽の提供」、「オンラインによるゲームの提供」を「電磁的方法により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する」ものであるから、「使用」に該当する(商標法第2条3項7号)。 なお、上記専用サイトのURL及び携帯コンテンツダウンロード時に入力を要求されるナンバーは、被請求人が平成16年7月16日より発売している「携帯アプリカード」に記載されている(乙第1号証)。 また、被請求人においては、「携帯アプリ 全員プレゼントキャンペーン」などとして、被請求人が発売するゲームソフト、ユーティリティーソフトの外側フィルムパッケージに、「携帯アプリカード」に相当するシールを貼付することにより(乙第2号証)、ゲームソフト等を購入した顧客に提供する場合もある。 (4)継続使用について 「上海 ドラゴンズアイ」(乙第2号証ないし乙第4号証)は、平成16年11月9日発売されたPCゲーム用ソフトである(乙第5号証)。 当該「上海 ドラゴンズアイ」(乙第2号証)のパーツケージには、「携帯アプリ 全員プレゼント」のキャンペーンシールが貼付されている。このシール表面に記載されたURLにより専用サイトにアクセスし、「携帯アプリ全員プレゼント」の画面(乙第6号証)において、裏面(乙第3号証)記載の「ゲーム・写真集・その他のアプリ用ナンバー」を入力すると、「ネットげーせん」(乙第7号証)の画面が出る。すると、「着信メロディプレゼント」は平成17年4月27日で終了しているとの表示がされている。 しかしながら、「上海 ドラゴンズアイ」(乙第2号証)のパーツケージに貼付された「携帯アプリ 全員プレゼント」のシール表面には「着メロ」との文字、裏面(乙第3号証)には、「着信メロディ用ナンバー」が記載されている。 そうとすると、上記「上海ドラゴンズアイ」は、平成16年11月9日以降、平成17年4月27日に発売されたものであることが明らかである。 そして、当該画面は「携帯アプリカード」が発売された平成16年11月9日以降、「着信メロディプレゼント」の終了告知をした平成17年4月27日の間、ダウンロードの対象となるコンテンツの変更のほか、画面表示・デザインの変更がされていない。 したがって、「ネットげーせん」は、遅くとも平成16年11月9日以降、現在まで使用されていたことが明らかである。 4 当審の判断 本件商標は、第41類「娯楽の提供,オンラインによるゲームの提供」を指定役務とするところ、被請求人は、本件商標の使用の事実を証明するものとして、「携帯アプリカード」の発売速報[2004/7/15更新](乙第1号証)、フリー百科事典「ウィキペデイア」の「上海(ゲーム)」を紹介している頁(乙第2号証)、「上海ドラゴンズアイ」パッケージの表面外観写真(乙第3号証)、同写真に添付されているシールの裏面が見えるようにして写した写真(乙第4号証)、「上海ドラゴンズアイ」パッケージの裏面外観写真(乙第5号証)、「携帯アプリプレゼント」のアプリ紹介画面をパソコンで表示してプリントアウトしたもの(乙第6号証)及び「ネットげーせん」の文字が表れている画面をパソコンで表示してプリントアウトしたもの(乙第7号証)を提出している。 上記した乙各号証によれば、平成16年7月16日に発売された「携帯アプリカード」(乙第1号証)を購入し、あるいは、被請求人が発売するゲームソフトパッケージ(乙第2号証ないし乙第5号証)を購入して、カードやゲームソフトパッケージに貼付されているシールに記載されているナンバーを入力して専用サイトにアクセスすれば、「ネットげーせん」の商標が表示されている画面(乙第7号証)に到達し、好みのゲーム等をダウンロードすることができたものと一応推認することができる。 ところで、近年、インターネットを通じてダウンロード可能な音楽データや各種の画像ファイルをはじめ、ゲームおもちゃ用のプログラム等が数多く存在しているが、これらは、「インターネットを通じてダウンロード可能な音楽データ」であれば、「レコード」等が分類されている商品区分第9類の類似群コード「24E01」の商品群に属し、「インターネットを通じてダウンロード可能な画像ファイル」であれば、「映写フィルム、録画済みビデオディスク及びビデオテープ」等が分類されている商品区分第9類の類似群コード「26D01」の商品群に属しており、また、「インターネットを通じてダウンロード可能なゲームおもちゃ用のプログラム」であれば、「家庭用テレビゲームおもちゃ、携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM」等が分類されている商品区分第9類の類似群コード「24A01」の商品群に属しているものである(特許庁商標課編「類似商品・役務審査基準」及び特許庁商標課編「商品及び役務の区分解説」参照)。 そして、現に、「ダウンロード可能な家庭用テレビゲームおもちゃ用又は携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のゲームプログラム」については、例えば、登録第4884029号商標、登録第4892883号商標、登録第4895040号商標、登録第4947369号商標等々、多くの登録商標の指定商品において指定されており、また、「ダウンロード可能な携帯電話機用ゲームソフト」についても、第9類の類似群コード「24A01」に属する商品として、例えば、登録第4924718号商標、登録第4909179号商標等の指定商品において指定されている。更に、例えば、登録第4670828号商標(平成14年6月21日出願)においては、「コンピュータネットワークを通じてダウンロードされる写真・映画・ビデオ作品又はゲーム用プログラム」は第9類の商品として登録されているのに対して、「コンピュータネットワークによる写真・映画・ビデオ作品又はゲームの提供(ダウンロードを伴わないもの。)」は第41類の役務として登録されている実情にある。 しかして、本件商標は、第41類「娯楽の提供,オンラインによるゲームの提供」を指定役務とするものであるところ、被請求人は、「『ネットげーせん』は、携帯電話によりアクセスした専用サイトにおいて、携帯コンテンツであるゲームをダウンロードさせるコーナーの名称として携帯画面に表示されるものである。したがって、『娯楽の提供』、『オンラインによるゲームの提供』を『電磁的方法により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する』ものであるから、商標法第2条3項7号にいう『使用』に該当する。」旨主張している。 しかしながら、本件商標の指定役務中の「オンラインによるゲームの提供」とは、そもそも、ダウンロードできないような形でオンラインによるゲームを提供する役務をいうものであって、「ダウンロード可能な携帯電話機用ゲームソフト」自体は、上記したとおり、第9類の類似群コード「24A01」に属する商品と解されているものであるから、上記した被請求人の主張及び乙各号証の記載からみれば、被請求人は、「ダウンロード可能な携帯電話機用ゲームソフト」という商品を被請求人が運営している「携帯アプリダウンロード専用サイト」を通じて販売(あるいは、プレゼントとして提供)しているものといわなければならない。 そうとすれば、被請求人が商品の販売の過程において、電磁的方法を利用しているとしても、「携帯アプリダウンロード専用サイト」に表示されている商標は、あくまでも、「ダウンロード可能な携帯電話機用ゲームソフト」という商品を提供するために表示されている商標であって、「オンラインによるゲームの提供」という役務に使用されているものということはできない。 そして、他に、本件商標がその指定役務である第41類「娯楽の提供,オンラインによるゲームの提供」について使用されていた事実を認めるに足る証拠は提出されていない。 (3)以上のとおり、被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成18年9月28日)前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件商標を取消請求に係る第41類「娯楽の提供,オンラインによるゲームの提供」のいずれかについて使用をしていた事実を証明したものということはできない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本件商標 |
審理終結日 | 2007-06-07 |
結審通知日 | 2007-06-11 |
審決日 | 2007-06-25 |
出願番号 | 商願2002-69390(T2002-69390) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Z
(Y41)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 長柄 豊 |
特許庁審判長 |
中村 謙三 |
特許庁審判官 |
津金 純子 小畑 恵一 |
登録日 | 2003-06-06 |
登録番号 | 商標登録第4680498号(T4680498) |
商標の称呼 | ネットゲーセン、ゲーセン |
代理人 | 五十嵐 啓二 |
代理人 | 樋口 豊治 |
代理人 | 西津 千晶 |
代理人 | 牛久保 美香 |