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審判番号(事件番号) データベース 権利
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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 129303132
管理番号 1160643 
審判番号 取消2006-30847 
総通号数 92 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-08-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2006-07-11 
確定日 2007-06-18 
事件の表示 上記当事者間の登録第2668938号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2668938号商標の「第29類 冷凍野菜,冷凍果実,加工野菜及び加工果実,第30類 穀物の加工品,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,第31類 野菜,果実,コプラ,第32類 飲料用野菜ジュース」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2668938号商標(以下「本件商標」という。)は、「PATIS」の文字を横書きしてなり、平成3年10月17日に登録出願、第32類「野菜、果実、加工穀物、加工野菜及び加工果実、豆乳、こうじ、酵母、イーストパウダー、ベーキングパウダー、麦芽」を指定商品として、同6年5月31日に設定登録され、その後、同16年7月21日に指定商品を第29類「冷凍野菜,冷凍果実,加工野菜及び加工果実,豆乳」、第30類「コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー」、第31類「野菜,糖料作物,果実,コプラ,麦芽」及び第32類「飲料用野菜ジュース」の商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中第29類「冷凍野菜,冷凍果実,加工野菜及び加工果実」、第30類「穀物の加工品,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー」、第31類「野菜,果実,コプラ」及び第32類「飲料用野菜ジュース」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)登録商標の使用について
被請求人は、答弁書において、「乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。以下同じ。)には、『patis』又はその字音表示である片仮名の『パティス』の文字が記載されている。なお、本件商標は、『PATIS』であるのに対し、使用商標は小文字の『patisfrance』等であるが、『france』や『フランス』は産地、販売地等を表示する自他商品の識別標識の機能を果たし得ない部分であるので、この程度の差異は社会通念上同一と認められるものというべきである。」と述べ、乙第1号証ないし乙第3号証に記載されている「patisfrance」又は「パティスフランス」の商標と、本件商標「PATIS」とは、社会通念上同一と認められる旨主張する。
本件商標は、甲第1号証に示されるとおり、欧文字の「PATIS」であり、一方、乙第1号証ないし乙第3号証に記載されている商標(以下「使用商標」という。)は、欧文字の「patisfrance」又は片仮名文字の「パティスフランス」であるところ、使用商標は、いずれも、同書・同大・同間隔で横書きにて不可分一体に書されており、その称呼「パティスフランス」も格別冗長というべき程のものでもない。よって、使用商標からは、「パティスフランス」の自然な称呼が生じるものである。
一方、本件商標からは、「パティス」の自然な称呼が生じるものである。
したがって、使用商標と本件商標とは、外観のみならず、称呼においても著しい差異を有するものであり、被請求人が主張するような社会通念上同一の商標とは到底いえないものである。
「patisfrance」又は「パティスフランス」の商標が一連不可分に称呼されることは、甲第2号証ないし甲第5号証の審決例からも裏付けられる。
(イ)請求に係る指定商品の使用について
被請求人は、本件商標を、その指定商品中「加工果実」である「黄梅などの缶詰」、「チェリーや洋ナシの缶詰」等について使用しているとして、乙第1号証、乙第2号証、乙第6号証及び乙第7号証を提出している。
(a)乙第1号証について
被請求人は、乙第1号証については、「発行日等が不明であるが、東京事業所は平成16年1月13日に東京都世田谷区太子堂より現住所に移転している。従って、このリーフレットがそれ以後に発行されたものであることは明白である。また、このリーフレットについては、現在も増刷を重ねている(乙第5号証)。」と述べている。
しかしながら、仮に、被請求人に係る東京事業所が、平成16年1月13日に現住所に移転し、乙第1号証に係る東京事業所の住所として前記移転後の住所が記載されているとしても、そのことをもって、乙第1号証に係るリーフレットが、その後、本件審判請求の登録(平成18年8月1日)前に発行されたことの証拠にはならない。また、同リーフレットが、実際に「頒布」された証拠も提出されておらず、商標法下での「使用」の定義に該当することが証明されていない。
また、乙第5号証からは、そこに記載されているリーフレットが、乙第1号証に係るリーフレットと同一のものであることは証明されていない。
(b)乙第2号証について
乙第2号証に係る商品については、「製菓材料」との記載があるのみで、それらの商品が、被請求人がその旨主張する、本件商標に係る「加工果実」であることは証明されていない。
(c)乙第6号証及び乙第7号証について
乙第6号証については、その作成日、作成者等が明らかではないが、その「商品名」に対応する「商品詳細」の根拠が明確ではなく、それらの商品が「加工果実」であることは証明されていない。(同様に、乙第3号証に係る商品の内容も明確ではなく、それらの商品が「加工果実」であることも証明されていない。)
また、乙第7号証についても、その撮影場所、撮影日等が、同証拠からは明らかではなく、被請求人が、乙第6号証に係る「商品コード」と対応すると主張する数字も、写真の下に手書きで記されているにすぎず、その対応関係が客観的に証明されているとはいえない。
(ウ)以上により、被請求人が提出している答弁書は、本件商標が、本件審判の請求の登録前三年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって、その指定商品について使用されていることを立証していないものであること明らかである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標の使用の事実
(1)商標の使用者
乙第1号証「商品リーフレット」、乙第2号証「雑誌広告」及び、乙第3号証「納品書(控)」には、本件商標権者である日仏商事株式会社が表示されている。
なお、商標「patisfrance」、「パティスフランス」を使用している商品の過去3年間の販売実績は乙第6号証のとおりである。
(2)使用に係る商品
乙第1号証には、「加工果実」である「黄梅などの缶詰」が記載されている。乙第2号証には、「チェリーや洋ナシの缶詰」が記載されている。
なお、乙第7号証は、商標権者の倉庫に保管中の商標「patisfrance」、「パティスフランス」を使用している商品を撮影した写真である。記載されている番号は、乙第6号証の過去3年間の販売実績に記載している商品コードに対応している。
すなわち、「003066」及び「003065」は「アンズのシロップ漬け」、「003040」は「黒スグリのシロップ漬け」、「003030」は「すもものシロップ漬け」、「003490」は「チェリーのブランデー漬け」、「003090」及び「003080」は「りんごピューレ」、「003020」は「桜桃のシロップ漬け」、「003060」は「洋ナシのシロップ漬け」、「003070」は「栗のペースト」、「003010」は「黄梅のシロップ漬け」、「003050」は「こけもものシロップ漬け」である。
(3)使用に係る商標
乙第1号証ないし乙第3号証には、「patis」又はその字音表示である片仮名の「パティス」の文字が記載されている。なお、本件商標は、「PATIS」であるのに対し、使用商標は小文字の「patisfrance」等であるが、「france」や「フランス」は産地、販売地等を表示する自他商品の識別標識の機能を果たし得ない部分であるのでこの程度の差異は社会通念上同一と認められるものというべきである。
(4)使用時期
乙第1号証は、発行日等が記載されていないが、東京事業所は平成16年1月13日に東京都世田谷区太子堂より現住所に移転している(乙第4号証)。従って、このリーフレットが、それ以後に発行されたものであることは明白である。また、このリーフレットについては、現在も増刷を重ねている(乙第5号証)。乙第2号証には、夫々「2004年1月27日発行」「2004年3月26日発行」と記載されている。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者により指定商品中「加工果実」について使用していることが明らかである。

4 当審の判断
被請求人は、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出し、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者により指定商品中「加工果実」について使用している旨主張している。
そこで、被請求人の提出に係る前記証拠についてみるに、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。)及び乙第6号証によれば、「patisfrance」及び「パティスフランス」の各文字(以下「使用商標」という。)が使用に係る商標として記載されているが、使用商標は、構成各文字が同じ書体、同じ大きさ、等間隔で表されていて、外観上まとまりよく一体的に看取し得るものであって、これより生ずる「パティスフランス」の称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、使用商標は、その構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識し把握されるとみるのが相当である。
そうすると、使用商標は、「PATIS」の文字よりなる本件商標と社会通念上同一の商標とはいい得ない。
また、乙第1号証について、被請求人は、「発行日等が記載されていないが、東京事業所は平成16年1月13日に東京都世田谷区太子堂より現住所に移転している(乙第4号証)。従って、このリーフレットが、それ以後に発行されたものであることは明白である。また、このリーフレットについては、現在も増刷を重ねている(乙第5号証)。」と述べている。
しかしながら、東京事業所が、平成16年1月13日に現住所に移転し、乙第1号証に東京事業所の住所として前記移転後の住所が記載されているとしても、そのことをもって、乙第1号証のリーフレットが、その後、本件審判請求の登録前に発行されたことの証拠にはならない。また、同リーフレットが、実際に本件審判請求の登録前3年以内に頒布された証拠も提出していない。
そして、乙第5号証の請求書及び納品書によれば、品名を「パティスフランスリーフレット増刷」としているが、これが乙第1号証のリーフレットであるか否か不明である。乙第7号証の写真の番号は、乙第6号証の商品コードに対応しているとしているが、番号の記載がいずれも手書きであることから、その番号が商品コードに対応しているとは俄に認めることはできないばかりでなく、そもそも乙第6号証には、商品の数量、金額について記載されているが、その裏付けとなる証拠を何等提出していないから、商品の数量、金額が過去3年間の販売実績であるとは認められない。
さらに、被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品に使用していたことについて、前記乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)のほか、立証していない。
してみれば、被請求人が提出した証拠によっては、本件商標がその請求に係る指定商品について、被請求人により使用されていたことを証明する証拠とはなり得ないものであるから、本件商標は、被請求人により、継続して本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品について使用していなかったものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中第29類「冷凍野菜,冷凍果実,加工野菜及び加工果実」、第30類「穀物の加工品,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー」、第31類「野菜,果実,コプラ」及び第32類「飲料用野菜ジュース」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-04-19 
結審通知日 2007-04-25 
審決日 2007-05-08 
出願番号 商願平3-108035 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (129303132)
最終処分 成立  
前審関与審査官 神田 忠雄小林 薫 
特許庁審判長 伊藤 三男
特許庁審判官 岩崎 良子
森山 啓
登録日 1994-05-31 
登録番号 商標登録第2668938号(T2668938) 
商標の称呼 パチス、パチス、パティス 
代理人 山本 秀策 
代理人 安村 高明 
代理人 森下 夏樹 
代理人 辻 徹 

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