ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 一部取消 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y16 |
---|---|
管理番号 | 1160581 |
審判番号 | 取消2006-31044 |
総通号数 | 92 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-08-31 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2006-08-23 |
確定日 | 2007-06-13 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4703647号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4703647号商標の「文房具類」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4703647号商標(以下「本件商標」という。)は、「CLASSIC」の文字を標準文字で書してなり、平成14年7月31日に登録出願、第16類「封ろう,印刷用インテル,活字,マーキング用孔開型板,電気式鉛筆削り,装飾塗工用ブラシ,紙製包装用容器,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,印刷したくじ(おもちゃを除く。),紙製テーブルクロス,文房具類,書画,写真,写真立て」を指定商品として、平成15年8月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 2 請求人の主張の要点 請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 (1)請求の理由 本件商標は、その指定商品中の「文房具類」について、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、継続して3年以上日本国内において使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条の規定により取り消されるべきである。 (2)答弁に対する弁駁 (ア)登録商標の使用証明書(以下「乙第1号証」という。)によれば、これに添付された写真の撮影日は、平成18年5月22日と記載され、写真内部の右下にも「2006 5 22」の文字が見られるところから、該写真は、本件審判の請求前に撮影されたことになるが、本件審判の請求前に、このような写真を撮影し保存しておくことは不自然である。しかも、写真の撮影日とする平成18年5月22日は、本件審判の請求日である平成18年8月23日の3ヶ月と1日前にあたるものであり、これは、被請求人が商標法第50条第3項の規定を意識したものとみてとれる。 なお、写真内部に表示される撮影日は、撮影者によって任意に設定できるものであるから、撮影日を立証するものとなり得ないことはいうまでもない。 してみれば、乙第1号証に添付された写真は、本件審判の請求後に、本件審判請求が成立することを防ぐ目的でその撮影日を偽って撮影されたとみるのが妥当であるから、乙第1号証は、その成立について著しく信憑性を欠くものである。 (イ)仮に乙第1号証の成立が正当であるとしても、これをもって、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人が本件商標をその指定商品中の「文房具類」について使用した事実は何ら立証されていない。 すなわち、乙第1号証の写真には、本件商標と社会通念上同一と認められる「CLASSIC」の文字が付されたマーキングペン(以下「使用商品」という。)が写されているが、使用商品に如何なる者が「CLASSIC」の文字を付したのか、あるいはこれを付した者と被請求人との関係は全く不明である。 また、使用商品に記載されている文字は、英語、ドイツ語及びフランス語であって、日本語の文字は一切見出せない。このような使用言語からみて、使用商品は、ヨーロッパメーカーの商品か、主にヨーロッパで流通している商品と推認され、これが日本国内において流通している商品とは、にわかには信じがたいところである。 したがって、乙第1号証は、その内容がきわめて疑わしいものというべきである。 (ウ)以上のとおり、被請求人は、本件商標が商品「文房具類」に使用されている事実を何ら立証していないものであるから、本件商標の登録は、その指定商品中「文房具類」について、取り消されるべきである。 3 被請求人の答弁の要点 被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を「本件商標は、マーキングペン(使用商品)について、現在使用中である。」旨述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出した。 4 当審の判断 (1)乙第1号証について (ア)乙第1号証(登録商標の使用証明書)によれば、商標権者(被請求人)が本件商標をその指定商品中のマーキングペン(使用商品)について、現在使用中の旨の記載があること、また、乙第1号証に添付された4葉の写真には、「CLASSIC」の文字が付された使用商品が写されていること及びこれらの写真には、いずれも撮影日を表したと理解される「2006 5 22」の文字が表示されていることが認められる。 (イ)しかしながら、乙第1号証は、以下の理由により、使用の事実を立証するものと認めることができない。 なるほど、乙第1号証に添付された4葉の写真は、これらに表示された「2006 5 22」の文字より、本件審判の請求の登録(平成18年9月11日)前である2006年(平成18年)5月22日に撮影されたものと一応推測することができる。 しかし、写真上に表示される日付は、一般的に任意に操作をすることが可能であり、上記日付以外に、使用商品が本件審判の請求の登録前3年以内に、市場において実際に取引がされたとか、あるいは使用商品に関する広告がされたことなどを客観的に認めることができる証拠の提出は皆無である。また、乙第1号証の写真からは、いずれの者が使用商標を使用しているのかは明らかではない。しかも、使用商品に表示された言語は、日本語が一切なく、英語、ドイツ語、フランス語であるから、我が国の商取引の実情に照らしてみれば、使用商品が日本国内の市場に出回っていたとすることは、きわめて不自然であるといわなければならない。 してみれば、乙第1号証のみをもってしては、商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を使用商品について使用したと認めることはできない。他に上記認定を覆すに足る証拠の提出はない。 (2)むすび 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明したということはできない。また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、その指定商品中結論掲記の商品について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-03-22 |
結審通知日 | 2007-03-28 |
審決日 | 2007-05-02 |
出願番号 | 商願2002-64732(T2002-64732) |
審決分類 |
T
1
32・
Y-
Z
(Y16)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 大井手 正雄、鈴木 修 |
特許庁審判長 |
伊藤 三男 |
特許庁審判官 |
森山 啓 岩崎 良子 |
登録日 | 2003-08-22 |
登録番号 | 商標登録第4703647号(T4703647) |
商標の称呼 | クラシック |