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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Z03 |
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管理番号 | 1159132 |
異議申立番号 | 異議2006-90590 |
総通号数 | 91 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-07-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2006-11-17 |
確定日 | 2007-06-18 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4979864号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4979864号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4979864号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成13年6月26日に登録出願され、第3類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同18年8月18日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 (1)引用商標 登録異議申立人の引用する登録第2221773号商標(以下「引用商標A」という。)は、「DON」及び「ドン」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和62年12月7日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成2年4月23日に設定登録されたものである。 同じく、登録第3351203号商標(以下「引用商標B」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成4年12月3日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同9年10月9日に設定登録されたものである。 (2)理由の要旨 ア 本件商標を構成する「DAWN」の語は、外来語辞典にも見受けることができないほど、日常使用する語ではなく、その称呼「ドーン」を明瞭に発音する一般の取引者・需要者は少ないといわなければならない。場合によっては、「ドーン」であり、「ドン」と称呼される場合も少なくないものである。 本件商標の拒絶査定不服審判では、「DAWN」の語義を「夜明け、あけぼの」とする観念上の差異を強調するが、むしろ一般の取引者・需要者を基準とした場合、その認識の相違は困難である。 仮に「DAWN」の称呼が「ドーン」としても、「ドーン」の長音「ー」の有無を「ドン」と聴別することは困難であり、むしろ「ドーン」と「ドン」は、称呼においては紛らわしいものである。むしろ、我が国での一般の取引者・需要者の感覚では「DAWN」の称呼「ドーン」は、「ドン」と同様に太鼓の音とか、大砲の音とかを連想し、「ドーン」と「ドン」は、聴別しがたいばかりでなく、共通の印象をもって認識されるものである。 したがって、簡易迅速を尊ぶ取引においては「ドーン」と「ドン」は、聴別しがたい語韻語調の近似したものとして聴取され、その結果、相紛れるおそれのある類似する商標とされるのである。 拒絶査定不服審判で「DAWN」の文字部分から「夜明け、あけぼの」等を意味する英語とされ、「DON」の文字部分は、「?様(スペインの敬称)、首領、?を着る、ドン(男子の名)」等を意味するとされ、両文字部分の観念は相違するものであるとしたが、「DAWN」の語は、外来語辞典にも見受けることができないほど、日常使用する語ではなく、加えて称呼「ドーン」と「ドン」を明瞭に聴別する一般の取引者・需要者は少ないと言わなければならない。 称呼「ドーン」と「ドン」は、明確に聴別しにくい近似した商標である以上、観念上の相違があるとしても、称呼における類似性を凌駕するものではない。そして、両商標の外観が相違するとしても、称呼において聴別しがたい相紛れるおそれのある類似する商標である以上、外観上の相違をもって非類似と認定すべき理由にはならない。 また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、それぞれ相抵触する。 したがって、称呼において聴別しがたい相紛れるおそれのある類似する商標である以上、観念及び外観において相違するものであっても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録された商標であり、取消されるべきである。 イ 本件商標を構成する「DAWN」の語は、拒絶査定不服審判においては「ドーン」の称呼が生じると認定されており、引用商標Bとは称呼において同一であり、称呼上相紛れるおそれのある類似する商標である。 また、本件商標の指定商品と引用商標Bの指定商品とは、相抵触する商品である。 したがって、両商標は「ドーン」の称呼において同一であり、称呼上相紛れるおそれのある類似する商標である以上、観念及び外観において相違するものであっても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録された商標であり、取り消されるべきである。 3 当審の判断 本件商標は、別掲(1)のとおり、その構成中顕著に大書された「DAWN」の文字部分に相応して「ドーン」の称呼を生ずるものであり、当該文字は特定の観念を生じない造語として看取されるとするのが相当である。 一方、引用商標Aは、「DON」及び「ドン」の構成文字からみて、「ドン」の称呼を生ずるものであること明らかであり、「DON」が「?様(スペインの敬称)、首領」を意味し、「ドン」の発音及び「首領」の意をもって親しまれたものであることから、「ドン」の称呼、「首領」の観念を生ずるものである。 そこで、本件商標の称呼「ドーン」と引用商標Aの称呼「ドン」とを対比すると、両者は、「ド」及び「ン」の音を共通にするが、長音の有無の差異を有し、極めて少音数であることにより、それぞれを称呼するときには語調・語感を異にするものであり、かつ、明らかな観念の相違によって、称呼上の音の相違を明確に認識して、互いに区別し得るものである。 さらに、両商標は、観念において相紛れるおそれはないものであり、外観構成は著しく相違するものである。 してみると、外観、称呼及び観念を総合勘案すれば、本件商標は、引用商標Aに類似する商標とはいえないと判断すべきものである。 また、引用商標Bは、別掲(2)のとおり文字と図形をデザイン化した構成よりなるところ、その構成全体として「ドーン」の称呼を生ずるものとは言い難く、特定の称呼・観念を生じさせることのない一種固有の標章からなるものというのが相当である。 しかして、本件商標と引用商標Bとは、外観構成において著しく相違するうえ、称呼及び観念については、比較することができないものである。 してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれよりみても、引用商標Bに類似する商標であるとすることはできない。 以上のとおり、本件商標は、両引用商標に類似する商標と認めることはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。 よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(1)本件商標 色彩の詳細については原本参照 別掲(2)引用商標B |
異議決定日 | 2007-05-31 |
出願番号 | 商願2001-58146(T2001-58146) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(Z03)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 渡口 忠次、荻野 瑞樹 |
特許庁審判長 |
田代 茂夫 |
特許庁審判官 |
岩崎 良子 小松 孝 |
登録日 | 2006-08-18 |
登録番号 | 商標登録第4979864号(T4979864) |
権利者 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー |
商標の称呼 | ウルトラドーン、ウルトラ、ドーン、フレッシュエスケープス、エスケープス |
代理人 | 村越 祐輔 |
代理人 | 塩谷 信 |
代理人 | 吉武 賢次 |
代理人 | 宮城 和浩 |
代理人 | 萼 経夫 |
代理人 | 館石 光雄 |
代理人 | 黒瀬 雅志 |