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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y25
管理番号 1159111 
異議申立番号 異議2006-90569 
総通号数 91 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-07-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-11-13 
確定日 2007-06-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第4976902号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4976902号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4976902号商標(以下「本件商標」という。)は、「クラブスコット」の文字を標準文字により表してなり、平成17年12月22日に登録出願、第25類「運動用特殊衣服」を指定商品として同18年8月11日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4599312号商標(以下「引用商標」という。)は、「SCOTT」の文字を横書きしてなり、平成7年9月1日に登録出願、第9類「サングラス,スキー用ゴーグル,オートバイ用ゴーグル,その他の眼鏡,保安用ヘルメツト」を指定商品として同14年8月30日に設定登録され、その後、同15年1月27日に商標権の一部放棄により指定商品中「サングラス(視力矯正機能を有さず、太陽光の放射線から保護する機能を有したサングラスを除く。),スキー用ゴーグル(礎力矯正機能を有さず、太陽光の放射線から保護する機能を有したプラスチック製レンズ付きスキー用ゴーグルを除く。),オートバイ用ゴーグル(視力矯正機能を有さず、太陽光の放射線から保護する機能を有したプラスチック製レンズ付きスキー用ゴーグル・オートバイ用ゴーグルを除く。),その他の眼鏡(但し、視力矯正機能を有さず、太陽光の放射線から保護する機能を有した視力矯正機能を有さず、太陽光の放射線から保護する機能を有した保護眼鏡を除く。)」について本権の登録の一部抹消の登録がされているものである。

3 登録異議申立ての理由の要点
本件商標と引用商標とは「スコット」の称呼を共通にする類似の商標であり、両商標の指定商品も類似のものである。さらに、引用商標は、スポーツ用品の分野において広く知られていることから、本件商標がその指定商品に使用された場合には、商品の出所の混同が生じる蓋然性が高く、両商標が互いに類似することは明らかである。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、上記1のとおり、同書同大の文字が等間隔で外観上まとまりよく一体に表されており、しかも、全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「クラブ」の文字部分が「政治・社交・娯楽、あるいは学校の課外活動で、共通の目的によって集まった人々の団体。また、その集合所。」を意味する語であるとしても、かかる構成においては特定の商品又は商品の品質、用途等を具体的に表示するものとして直ちに理解できるものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分の一種の造語として認識し把握されるとみるのが自然である。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「クラブスコット」の一連の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。
申立人は、引用商標がスポーツ用品の分野において周知性を獲得しており、本件商標からは「引用商標たるSCOTTの愛好者」の如き意味合いが想起され、本件商標がその指定商品に使用された場合には、商品の出所について誤認混同が生じ得る蓋然性が高い旨主張し、証拠を提出している。
しかしながら、提出に係る証拠によれば、引用商標がスキー用ゴーグル、スキーウェア等の商品について使用されていることが認められるものの、その使用の期間、地域、規模、宣伝広告の事実等をはじめ、引用商標を使用した商品の販売数量、売上高、市場占有率等の具体的事実が明らかでなく、該証拠によっては、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者、需要者間に広く認識されているとまではいい難い。そうすると、本件商標がその指定商品に使用された場合に、これに接する取引者、需要者が「スコット」の文字部分に着目して引用商標を連想、想起するようなことはなく、まして、本件商標から「SCOTTの愛好者」なる意味合いを想起することはないというべきであるから、申立人の主張は採用することができない。
また、申立人は、本件商標の商標権者の名称が「株式会社スコット」であることから、簡易迅速を重んずる取引実情に鑑みると、本件商標は「スコット」の文字部分のみによって簡略に称呼、観念される旨主張しているが、そのことを立証する証左が一切ないし、他に「スコット」の文字部分のみを分離抽出して観察すべき格別の理由は見出し難く、本件商標については上記のように判断するのが相当であるから、申立人の主張は採用することができない。
他方、引用商標は、その構成文字に相応して「スコット」の称呼を生ずるものであり、また、欧米における男性名を表したものとして認識し把握されるものである。
しかして、本件商標から生ずる「クラブスコット」の称呼と引用商標から生ずる「スコット」の称呼とは、「クラブ」の音の有無という顕著な差異により、明瞭に区別することができるものである。また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、本件商標が親しまれた既成の観念を有しないものである以上、観念上両者を比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、その指定商品と引用商標の指定商品との類否について検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2007-05-22 
出願番号 商願2005-123594(T2005-123594) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (Y25)
最終処分 維持  
特許庁審判長 小林 和男
特許庁審判官 石田 清
小川 きみえ
登録日 2006-08-11 
登録番号 商標登録第4976902号(T4976902) 
権利者 株式会社スコット
商標の称呼 クラブスコット、クラブ、スコット 
代理人 城山 康文 
代理人 神林 恵美子 

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