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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 Y09 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 取り消して登録 Y09 |
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管理番号 | 1157574 |
審判番号 | 不服2006-13867 |
総通号数 | 90 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-06-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-06-30 |
確定日 | 2007-05-30 |
事件の表示 | 商願2005-75570拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「ISUZU GLASS CO.,LTD.」の欧文字を横書きしてなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年8月11日登録出願、さらに、当審における同18年9月4日付け手続補正書により、指定商品を第9類「光学フィルター,紫外線透過ガラス,赤外線吸収ガラス,レンズ用ガラス,光学ガラス,伝導性ガラス,その他の加工ガラス(建築用のものを除く。),プロジェクター用レンズ,光学レンズ,補正レンズ(光学用のもの),その他の光学機械器具,フィルター(写真用のもの),その他の写真機械器具,理化学機械器具,映画機械器具,測定機械器具,デジタルカメラの色調の調整を行うためのフィルター,CCDカメラの色調の調整を行うためのフィルター,カラー複写機の色調の調整を行うためのフィルター」と補正されたものである。 2 原査定における拒絶の理由の要点 原査定は、以下の(1)及び(2)のとおりの認定、判断し、本願を拒絶したものである。 (1)本願商標は、先頭部分に「ISUZU」の文字を有してなるところ、その「ISUZU」の文字は、いすゞ自動車株式会社が生産・販売するトラックなどの自動車に使用してきた著名な商標「ISUZU」と同じ文字の綴りであるから、本願指定商品についての需要者・取引者はその商品がいすゞ自動車株式会社を出所としているかのように、商品の出所について誤認・混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (2)本願商標は、それぞれ商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする別掲の商標よりなる登録第1489811号商標(以下「引用商標1」という。)、登録第2267142号商標(以下「引用商標2」という。)、登録第2267143号商標(以下「引用商標3」という。)、登録第2300508号商標(以下「引用商標4」という。)、登録第2300509号商標(以下「引用商標5」という。)、登録第2300512号商標(以下「引用商標6」という。)、登録第2300513号商標(以下「引用商標7」という。)、登録第3071396号商標(以下「引用商標8」という。)、登録第3203479号商標(以下「引用商標9」という。)と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第15号について 本願商標は、前記のとおり「ISUZU GLASS CO.,LTD.」の文字を書してなるところ、その構成中の「CO.,LTD」の文字部分は、我が国において「株式会社」又は「有限会社」を意味する「company limited」に通ずる英語として広く親しまれ、商取引の場においては、企業名に付して法人形態を表す語として使用されているものであり、該文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を果たしていないか、自他商品の識別標識としての機能を果たしていたとしても、その機能は極めて弱いものと認識されるとみるのが相当であるから、これに接する取引者、需要者は、構成中の「ISUZU GLASS」の文字部分に自他商品の識別標識としての機能を見い出し、該文字部分をもって取引に資される場合も決して少なくないものと認められる。また、本願商標は、その構成から更に「GLASS」の文字を省略し「ISUZU」の文字のみを抽出して単に「イスズ」と称呼されることはないとみるのが相当であり、他に構成中の「ISUZU」の文字のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見い出せない。 そうすると、本願商標からは、その構成文字全体に相応して「イスズグラスカンパニーリミテッド」の称呼を生ずるとともに、上述のとおり、自他商品の識別標識としての機能を有すると認識される「ISUZU GLASS」の文字部分に相応して「イスズグラス」の称呼をも生ずるとみるのが相当であって、構成中の「ISUZU」の文字部分のみが独立して認識されないものといわなければならない。 してみれば、たとえ「ISUZU」の文字が、いすゞ自動車株式会社が自動車業界において広く使用している商標であり、上記企業の商標として、また、同企業の商号の著名な略称として広く認識されているとしても、本願商標は、その構成中の「ISUZU」の文字のみが独立して認識されるものではないから、請求人が本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、上記会社の略称を想起、連想するということはできないものである。 加えて、本願商標の指定商品と、引用商標1ないし9を使用する自動車業界で取り扱うガラス製品とは、その属する分野が異なり、取引の対象商品、製造業者、流通経路等の関連性が薄いものであって、かつ、商品の用途、商品の販売場所、需要者の範囲等を異にするものというのが相当である。 以上よりすれば、本願商標は、これに接する取引者、需要者が、その構成中の「ISUZU」の文字のみをとらえて、直ちにいすゞ自動車株式会社の商標として把握されるものとはいい得ないものであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、その商品が恰も前記会社又は同人と何らかの関係のある者の業務に係る役務であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。 (2)商標法第4条第1項第11号について ア 本願商標は、その指定商品について前記1のとおり補正された結果、引用商標1ないし3、8及び9の指定商品と同一又は類似の商品は、すべて削除されたと認められるものである。 したがって、本願商標が引用商標1ないし3、8及び9と類似するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。 イ 本願商標は、前記したとおり「イスズグラスカンパニーリミテッド」及び「イスズグラス」の称呼を生ずるものであり、構成中の「ISUZU」の文字のみを抽出して単に「イスズ」と称呼されることはないというのが相当である。 これに対し、引用商標4ないし7は、別掲のとおりの構成よりなるものであるから、その構成中の「ISUZU」の文字に相応して「イスズ」の称呼を生ずるものである。 そうすると、本願商標と引用商標4ないし7とは、その構成音数及び音の配列等において、明らかな差異を有するものであるから、それぞれを称呼するときは、全体の語感、語調が明らかに相違し聴き誤るおそれはないものであり、また、それぞれの外観において明らかに区別し得るものであり、さらに、両商標からは格別の意味合いを看取し得ないから、観念においては比較することはできないものである。 したがって、本願商標と引用商標4ないし7とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても非類似の商標であるといわざるを得ない。 (3)結び 以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するとした原査定は妥当なものではなく、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 引用商標1 引用商標2及び引用商標6 (色彩については原本参照のこと。) 引用商標3及び引用商標7 (色彩については原本参照のこと。) 引用商標4 引用商標5 引用商標8 引用商標9 |
審決日 | 2007-05-17 |
出願番号 | 商願2005-75570(T2005-75570) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(Y09)
T 1 8・ 271- WY (Y09) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 平松 和雄 |
特許庁審判長 |
小林 和男 |
特許庁審判官 |
長柄 豊 津金 純子 |
商標の称呼 | イスズガラスカンパニーリミテッド、イスズグラスカンパニーリミテッド、イスズガラス、イスズグラス、イスズ |
代理人 | 山田 威一郎 |
代理人 | 中川 博司 |
代理人 | 岩井 智子 |
代理人 | 松本 尚子 |
代理人 | 松本 康伸 |