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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y26
管理番号 1157359 
審判番号 不服2005-14198 
総通号数 90 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-07-25 
確定日 2007-04-16 
事件の表示 商願2004-108028拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ワッペン屋さん」の文字を標準文字で表してなり、第26類及び第40類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成16年11月26日に登録出願され、その後指定商品及び指定役務については同17年5月24日付け手続補正書により、第26類「ワッペン,衣服や鞄などに接着または縫着する刺繍された布片,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),腕章」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ワッペンを商う店』の意味合いを認識させる『ワッペン屋』の文字と、敬称を表す接尾語の『さん』の文字とを一連に『ワッペン屋さん』と書してなるから、全体としても『ワッペンを商う店』の意味合いを容易に認識させるにすぎないものであり、これをその指定商品・役務について使用しても、単に商品の販売場所・品質、役務の提供場所・質を表示したものと理解・認識するにすぎず、自他商品・役務の識別標識としての機能を果たすものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「ワッペン屋さん」の文字よりなるところ、その構成中の「ワッペン」の文字が、「(紋章の意、中世騎士の盾などに付けていたもの)ブレザー、コートなどの胸、腕などに付ける縫取りの装飾の類。また、これに模して作った紙、ビニール製の玩具。エンブレム」を意味し、「屋」の文字が「人の住むためにつくった建築物。いえ。家屋。住宅。屋根。その職業の家またはその人を表す語。家号や雅号、書斎に用いる語」を意味し(いずれも、広辞苑第五版:岩波書店発行)、全体として「ワッペンを提供する店又は人」の意味合いを認識、理解させる「ワッペン屋」の文字に、接尾語の一つで人名などの下に添える敬称である「さん」を結合したものと認められるものであって、本願商標全体からは、「ワッペンを商う店または人」の意味合いを理解させるものというべきである。
そして、これらのことは、以下の新聞記事情報及びインターネット上のホームページの掲載情報において裏付けることができる。
(ア)1990年9月22日付け読売新聞東京夕刊によれば、「[ウエルカムTEL]富士山で借りた「大切な杖」返したい」の見出しのもと「《・・・群馬県のワッペン屋さんで、富士山でも十種類のワッペンをいただいたそうです。・・・》」旨の新聞記事情報。
(イ)「海と丘の風が出会う街?京急エリア?」と題する京急不動産のホームページ(http://www.keikyu-fu.co.jp/net/ereainfo/yokosuka/)によれば、「横須賀」の表題のもと、「米軍横須賀基地のほど近く、異国情緒のあるお店が並ぶ商店街が”どぶ板通り”です。・・・異国風パブやプールバー、米軍放出品のお店、ワッペン屋さんなどが軒を連ねています。・・・」旨の掲載情報。
(ウ)「ニーコさんの旅行記」と題するトラベルマップのホームページ(http://4travel.travel.msn.co,jp/e/msn/traveler/ni-ko/album/10105912/)によれば、「ニーコさんの旅行記》神戸・神戸北野ホテル」の表題のもと、「高架下にあった小さなワッペン屋さん。中ではおじさんがミシンを踏んでオリジナルのワッペンをオーダーメイドで作っています。」旨の掲載情報。
(エ)「神戸元町商店街 潜入記07」と題するホームページ(http://www2.odn.ne.jp/~aat97410/motokoh/motokoh07.html)によれば、「オーダーワッペン作ります五00円から」の写真と共に、「ワッペン屋さん。もろパクリ系から、渋カッコいいものまで実に様々なワッペンが張り出されていた。」旨の掲載情報。
(オ)「ぽかぽか家族Tree Village」と題するホームページ(http://bloge.yahoo.co.jp/torukimuya/2256923.html)によれば、「父丸のワッペン」の表題のもと、ワッペンの写真とともに、「これは、横須賀市のドブいた通りのワッペン屋、刺繍屋さんで買ったもので?す。」とそれに対するコメント(2)として「どぶ板通りにワッペン屋さんありますね・・・」旨の掲載情報。
(カ)「えんぶはうす(ワッペン刺繍工房)」と題するホームページ(http://www.embhouse.jp/rank%5Ewa.htm)によれば、「★ワッペン参考価格★」の表題のもと、「オーダーワッペンは「高い」。に挑戦します。他の刺繍屋さん、ワッペン屋さんと比べてください。版代、ワッペン代とも安いですよ。」旨の掲載情報。
(キ)「Magasin Link」と題するホームページ(http://www.air-souvenir.com/Link/Magasin-link.html)によれば、店のマークと共に、「Hand Madeのワッペン屋さんです。・・・」旨の掲載情報。
そうとすれば、上記の新聞情報ないしインターネット上において、「ワッペン屋さん」と称し、「ワッペンを商う店又は人」の意味合いで使用されていると認められる。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、「ワッペンを商う店又は人」を意味するものと把握し、認識するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有する商標としては認識し得ないものと判断するのが相当である。
請求人は、登録審査例を上げて、商品○○に「屋さん」を付した「○○屋さん」という構成の商標が識別力を有するとして登録されているから本願商標も識別力を有する旨主張している。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号の趣旨は、商品や役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから、何人も使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであるから一私人に独占を認めるのは妥当ではなく、また、現実に使用され、あるいは、将来一般的に使用されるものであることから、出所識別機能を認めることができないものと解されるものであって、他に登録商標があることのみをもって、判断を拘束される法律上の根拠はないものである。そして、本願商標は、その判断時である審決時において、前記認定を妥当とするものであるから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき理由がない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-01-26 
結審通知日 2007-02-02 
審決日 2007-02-23 
出願番号 商願2004-108028(T2004-108028) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y26)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今田 三男 
特許庁審判長 小林 和男
特許庁審判官 日向野 浩志
寺光 幸子
商標の称呼 ワッペンヤサン、ワッペンヤ 
代理人 永島 郁二 

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