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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 103
管理番号 1157336 
審判番号 取消2006-30603 
総通号数 90 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-06-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2006-05-22 
確定日 2007-04-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第2486288号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2486288号商標(以下「本件商標」という。)は、「WHIP」及び「ホイップ」の各文字を上下二段に横書きしてなり、平成2年12月6日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年12月25日に設定登録され、その後、同15年1月7日に商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」を指定商品とする書換の登録が同16年8月11日にされたものである。

第2 請求人の主張の要点
請求人は、「本件商標の指定商品中、第3類に属する『せっけん類,歯磨き,化粧品』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1ないし第4号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、第3類に属する指定商品「せっけん類,歯磨き,化粧品」に関して、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても継続して3年以上日本国内において使用されている事実が存せず、かつ、本件商標を使用していないことについての正当な理由も認めることができないから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その指定商品中の第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品」について、その登録は取り消されるべきものである。
2 弁駁の理由
乙第5ないし第17号証によって、被請求人は、通常使用権者によって本件商標と社会通念上同一の商標が使用されている旨主張するが、通常使用権者の使用している商標は、本件商標と社会通念上同一の商標には該当しないものである。
(1)乙第5号証に示されている写真を検討するに、石けんと思われる商品のパッケージ中央に付されている商標は、上段に通常使用権者を示す「Kao」(「丸囲みのR」表示あり)、中段に大きな文字で「Pure」、下段には比較的小さな文字で「Whip(「丸囲みのR」表示あり) Soap」 の一連表示を配してなる三段併記の商標(以下「Pure」 商標という。 )が使用されている。
本審判の取り消し対象となっている商標は、あくまで上段に欧文字の「WHIP」、下段に片仮名文字の「ホイップ」 を配してなる商標であり、本件使用商標と本件商標を対比すると外観、称呼及び観念の点で顕著に相違しており、被請求人が主張するような社会通念上同一の使用に該当するものではない。
改めて、通常使用権者の使用態様を検討すると、石けんのパッケージ中央に他の文字に比してかなり大きな書体で表されている文字は「Pure」 であり、本件商品に接する需要者にとって自他商品識別標識として当該部分が強く認識させる部分と考えられる。
本件商標に接した需要者層においては、上段の「Kao」 部分は著名な石けんメーカーである花王株式会社(以下「花王」という。)を示す商標として理解され、下段の「Whip Soap」 は小さく表示されている点や、本件商標が使用されている商品が「石けん」 であることを考慮すると、自他商品識別力は無く、あくまで付記的部分と認識させるものであって、本件使用商標の要部は、あくまで「Kao」や「Pure」部分と認識されるものである。
さらに、乙第5号証掲載の左側写真では、包装箱中央に配されている説明書き部分に「 ・・・泡へのこだわり・・・、ピュアホイップソープ・・・ 」という記述が見受けられ、この部分の記述及びパッケージデザインを考慮すると、通常使用権者自身「ピュアホイップソープ」という一連の名称で当該商品を識別していることが窺えるものであり、「ピュアホイップソープ」と本件商標とは、社会通念上同一の商標に該当しないことは明らかである。
(2)乙第6ないし第8号証において、価格表に記載されている品名は「花王ピュアホイップソープ」もしくは「ピュアホイップソープ」という名称である。
上記使用態様からは「純粋な泡立ちの良い石けん」という意味合いを想起させ、本件商標とは明確に観念を異にする。仮に「ソープ」部分が商品の普通名称を表し、要部が「ピュアホイップ」と考えた場合でも、やはり本件商標とは観念を異にするものである。
したがって、本提出証拠によっても社会通念上同一の商標の使用は証明されたとはいえない。
(3)乙第9号証においては、目次頁に「Pure」商標が使用されており、この使用態様もまた、上記(1)で述べたように社会通念上同一の商標の使用に該当しないものである。
次に、「ピュアホイップソープギフト(KPW)」の表記に関しても同様に社会通念上同一の商標の使用に該当しないものである。
(4)乙第10号証の納品伝票(写し)に関して、被請求人は「この品名の欄、にも上記乙第6ないし第8号証に示されている称呼(品番)と同一の『KPW05』が『Pホイップ KPW05 DP』と表わされギフト用ピュアホイップソープの90g×4コ入りケース24個が納品されている事実が認められ、この納品書において納品された商品『せっけん』は、『Whip Soap』の表示をもって使用されているものであり、乙第9号証の提案書に表示されている商品(せっけん)に、本件使用商標を付して販売されていることを立証するものであります。」と主張している。
しかしながら、納品伝票の対象となっている商品に付されている商標は、乙第6ないし第8号証に記載されている「KPW05」という品番が付されている「Pure」 商標であり、これもまた本件商標とは社会通念上同一の商標に該当しないことは上述したとおりである。
(5)乙第12ないし第16号証に関しては、やはり使用されている商標は「Pure」 商標であり、被請求人は「Whip Soap」を付して商品が販売されていることから、本件商標と社会通念上同一の商標が指定商品「石けん」 に使用されている旨主張するが、これもまた、本件商標と社会通念上同一の商標に該当しないことは上述したとおりである。
(6)乙第17号証は、通常使用権者である花王のホームページ上における製品カタログを印刷したものである。
内容を検討すると、乙第17号証の左側製品欄のうち化粧石けん欄に「花王ピュアホイップソープ」 の記載が見受けられ、石けんの詰め合わせと思われる写真の下に「K-PW-20」もしくは「K-PW-30」 の品番表記があり、さらにその下に「ピュアホイップソープ 90g 16コ」 や 「ピュアホイップソープ 90g 24コ」 の記載が見受けられる。
また、石けんと思われる商品のパッケージに使用されている商標は、あくまで「Pure」 商標であり、本件商標と社会通念上同一の商標の使用に該当しないことは明らかである。
(7)以上より、被請求人の提出した証拠のいずれによっても、本件商標とは社会通念上同一の商標の使用を証明したことにはならない。
なお、被請求人は、指定商品「石けん」との関係で、「Soap」が商品の普通名称を指すことから「Whip Soap」 の使用によって、本件商標と社会通念上同一の商標の使用である旨主張する。
しかし、本件の場合、過去の審決例とは事案を異にしており、一概に同列に論じることはできない。すなわち、「Whip」の語自体も自他商品識別力が極めて弱く、「Whip Soap」と一連で使用した場合、明確に「泡立ちの良い石けん」という観念が生じ、指定商品「石けん」との関係では一種の品質表示語に該当し、自他商品識別力が失われるような使用に該当する。このような自他商品識別力が失われるような使用は、本来的な商標の使用に該当しないものであり、商標の使用については、自他商品識別力が発揮されるような使用態様で用いられてこそ、初めて商標の使用に該当するものと思料する。
すなわち、本件商標の使用を証明するならば、「Whip」、「ホイップ」もしくはこれらの語を二段併記に使用するような、あくまで「Whip」の語が単独で認識されるような使用をしてこそ初めて商標の使用に該当する。
したがって、単なる品質表示語にすぎない「Whip Soap」 の使用態様では、本件商標を使用したことにはならない。

第3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1ないし第17号証を提出している。
1 被請求人は、平成11年1月12日、花王との間において、本件商標を指定商品「せっけん類及び化粧品」について、商標使用許諾契約書をもって通常使用権許諾の契約をなし(乙第1号証)、その後、平成13年(2001年)7月4日付の契約更新の申し入れ(乙第2号証)に対し、同年8月1日付の通常使用権許諾契約更新了承の通知書(乙第3号証)により、同18年11月30日迄の5年間の更新がなされたが、同年2月1日付の商標使用許諾契約書(乙第4号証)により、同11年1月12日付で締結した本件商標に係る商標使用許諾契約は解除するとの合意がなされ、新たに、本件商標を指定商品「せっけん類、化粧品」について、同18年2月1日より同21年1月31日までの3年間の通常使用権の使用許諾契約がなされ、現在その契約は有効に存続している。
2 乙第5号証は、2004年8月のギフト商品(せっけん)案内に「Whip Soap」の表示をもって使用している事実を示すものであり、これらの商品は、乙第6ないし第8号証に示す石鹸贈答品(デパート用)の品名「花王ピュアホイップソープギフト(DP)」の中の称呼(品番)「K-PW-05,10,15,20,25,30」において、本件使用商標は使用されているものである。
乙第9号証は、2006年(平成18年)1月作成の販売店向けの花王トイレタリーギフト売場つくりのご提案(提案書)においても、商品「せっけん」に本件使用商標が使用されている事実が認められ、「ピュアホイップソープギフト(KPW)」と表わされており、乙第6ないし第8号証の称呼(品番)と同一の商品であることは明らかである。
乙第10号証は、平成18年4月27日付の納品伝票(写し)であり、この品名の欄にも上記乙第6ないし第8号証に示されている称呼(品番)と同一の「KPW05」が「Pホイップ KPW05 DP」と表わされ、ギフト用ピュアホイップソープの90g×4コ入りケース24個が納品されている事実が認められ、この納品書において納品された商品「せっけん」は、「Whip Soap」の表示をもって使用されているものであり、乙第9号証の提案書に表示されている商品(せっけん)に、本件使用商標を付して販売されていることを立証するものである。
これらの商品は、全て包装における色彩が各年において相違するものであるが、商品「せっけん」に「Whip Soap」と使用しているものであって、本件商標を使用していることは明らかである(乙第5及び第9号証)。
本件使用商標を付した商品は、本件審判請求後においてもギフト商品として販売されており(乙第11ないし第16号証)、本件使用商標は、現在に至るまで通常使用権者によって使用されているものである。
乙第12ないし第17号証は、乙第11号証の領収書に基づいて購入した「Whip Soap」商標を付したギフトセットせっけんの写真及び包装箱の写真であり、乙第16号証の包装箱の側面写真には「K-PW-20」の称呼(品番)が表わされており、乙第6ないし第9号証に表わされている称呼(品番)と共通するものであり、本件商標が本件審判請求前3年以内において、商品「せっけん」について使用されていたことは上記した各証拠により明らかである。
本件使用商標が現在においても使用されていることは、インターネット検索(乙第17号証)によっても認められる。
なお、本件商標は、上記第1で示したとおりの構成をもって「WHIP」と「ホイップ」の文字よりなるものであり、通常使用権者における使用は、「Whip」の欧文字を使用商品「せっけん」との関係において「Whip Soap」と使用しておりますが、本件商標における片仮名文字部分「ホイップ」は、欧文字部分「WHIP」の読みに相当するものであり、本件商標と通常使用権者による使用商標とは、それぞれより生ずる唯一の自然称呼「ホイップ」を共通にするものであり、通常使用権者による「Whip」の使用及び、その後にその商品の普通名称を「Soap」と表わしての使用は、本件商標と社会通念上同一の商標として認識される商標の使用であることは、過去の審判決等よりみても明らかである。
したがって、本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標を、通常使用権者によって、本件商標の取り消しに係る指定商品に属する商品「せっけん」について、本件審判請求前3年以内において使用していたことは明らかな事実である。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)被請求人は、平成11年1月12日、花王との間において、本件商標を指定商品「せっけん類及び化粧品」について、商標使用許諾契約書をもって通常使用権許諾の契約をなし、その後、平成18年2月1日より同21年1月31日までの3年間の通常使用権の使用許諾契約がなされ、現在も、その契約は有効に存続しているものであって(乙第1ないし第4号証)、これらによれば、花王は、本件商標に係る通常使用権者と認められるものである。
(2)乙第5号証は、花王の2004年8月のギフト商品として「せっけん」の掲載がされており、前記商品には、「Kao」(「丸囲みのR」表示あり)、「Pure」及び「Whip(「丸囲みのR」表示あり) Soap」 の文字が表示されていることが認められる。そして、前記「Whip(「丸囲みのR」表示あり) Soap」の文字構成中の「Whip」文字は、商品の普通名称「Soap」の文字が一文字分の間隔を空けて配されていること、かつ、登録商標であることを示したものとみられる「丸囲みのR」の表示を付していることからすれば、本件商標と社会通念上同一の商標といい得るものである。
(3)乙第6ないし第8号証は、2004年4月から2006年4月までの花王製品価格一覧表(家庭用)であり、石鹸贈答品(デパート用)の品名には「花王ピュアホイップソープギフト(DP)」、称呼(品番)には「K-PW-05,10,15,20,25,30」、及び目付には「ピュアホイップソープ 90g×4コ,8コ,12コ,16コ,20コ,24コ」の記載がある。
(4)乙第9号証は、2006年(平成18年)1月作成の花王トイレタリーギフト売場つくりのご提案(提案書)であり、商品「せっけん」とともに「ピュアホイップソープギフト(KPW)」の文字が記載されている。また、前記文字中の「KPW」は、上記(3)の称呼(品番)に記載されているローマ文字3文字と同じとみて差し支えないものである。
(5)乙第10号証は、平成18年4月27日付の「サイカヤ」宛の納品伝票(買取)であり、品名として「Pホイップ KPW05 DP」、納期として「18年4月28日」がそれぞれ記載されている。また、この品名欄中の「KPW05」は、上記(3)の称呼(品番)に記載されたものと同じとみて差し支えないものである。さらに、「Pホイップ」「DP」の各表示も「ピュアホイップソープ (DP)」を指すものとみて差し支えないと認められるものである。
(6)乙第12ないし第16号証は、ギフト商品としてのせっけんの写真及び包装箱の写真と認められるところ、前記商品及び包装箱には「Kao」(「丸囲みのR」表示あり)、「Pure」及び「Whip(「丸囲みのR」表示あり) Soap」 の各文字が表示されている。そして、前記「Whip(「丸囲みのR」表示あり) Soap」の文字構成中の「Whip」文字は、上記(2)と同様に、本件商標と社会通念上同一の商標といい得るものである。また、同第16号証の包装箱の側面写真には「K・PW・20」の品番、「花王ピュアホイップソープギフト」の文字が記載されており、これらは、上記(3)の称呼(品番)及び文字に記載されたものと同じとみて、差し支えないと認められるものである。
(7)乙第17号証は、花王のギフトカタログのホームページ(2006年7月18日)であり、ギフト用の商品「せっけん」とともに「K・PW-20,30」の品番、「ピュアホイップソープ 90g 16コ,24コ」の表示が記載されており、これらは、上記(3)の称呼(品番)及び文字に記載されたものと同じである。
2 以上の認定事実を総合すれば、通常使用権者である花王は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる「Whip」 の文字を商品「せっけん」及び商品の包装箱等に付して、商品「せっけん」を販売していたものとみるのが自然である。また、前記1(5)の納品伝票に記載された品名及び日付によれば、上記1(3)の石鹸贈答品(デパート用)に係る商品、または上記1(6)のせっけんを撮影した写真と同一又はこれらに類する商品が取引されたと推認し得るものであり、その時期は、平成16年4月から同18年4月までと認められる。そして、上記「Whip」の商標は、本件商標と社会通念上同一といい得るものである。
そうすると、通常使用権者は、本件審判請求の登録日である平成18年(2006年)6月7日前3年の期間内に、日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標を取消請求に係る指定商品中「せっけん」について使用していたことを証明したものと認めることができる。
3 以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-02-20 
結審通知日 2007-02-23 
審決日 2007-03-06 
出願番号 商願平2-136194 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (103)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 久我 敬史
鈴木 新五
登録日 1992-12-25 
登録番号 商標登録第2486288号(T2486288) 
商標の称呼 ホイップ 
代理人 岡村 憲佑 
代理人 松浦 恵治 
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