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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
取消200631314 審決 商標
取消200630921 審決 商標
取消2007300061 審決 商標
取消200631602 審決 商標
取消200631398 審決 商標

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審決分類 審判 一部取消 かけ込み使用を含めた商標の使用 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 1060712
管理番号 1157319 
審判番号 取消2006-30954 
総通号数 90 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-06-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2006-08-04 
確定日 2007-04-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第2708591号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2708591号商標の指定商品中、第6類「ばね」、第7類「緩衝器,ばね」、第12類「緩衝器,ばね」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2708591号商標(以下「本件商標」という。)は、「OPK」の文字を横書きしてなり、平成3年4月15日に登録出願、第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」を指定商品として、同7年7月31日に設定登録され、その後、同17年5月31日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同18年4月26日に指定商品を第6類「金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー,金属製の滑車及びばね(機械要素に当たるものを除く。)」、第7類「荷役機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),陸上の乗物用の動力機械の部品,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)(但しバルブを除く。),廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置」、第9類「ガソリンステーション用装置」及び第12類「荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素」とする書換登録がされているものである。

2 請求人の主張の要点
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を、要旨以下のように述べている。
(1)請求の理由
被請求人が、本件商標を、その指定商品中第6類「ばね」、第7類「緩衝器,ばね」及び第12類「緩衝器,ばね」についてここ3年間日本国内において継続使用している事実はない。しかも、本件商標については、専用使用権及び通常使用権の設定登録もなされていない。
したがって、本件商標は、その指定商品中の上記商品について、継続して3年以上日本国内において使用されていないので、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消されるべきである。
(2)弁駁の要点
(ア)被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証を提出して、「ハンドトラックやパワーリフタ等の荷役運搬機の構成部品である緩衝器及びばねが記載された取扱説明書・カタログ等に、本件商標を使用している。また、各営業所にて、緩衝器及びバネを荷役運搬機のオプション又は保守パーツとして製造・販売している。」と答弁している。
しかしながら、乙第1号証の表紙と末尾に表示されている標章は、件外商標登録第2708592号のそれであり、本件商標のアルファベットの3文字のみからなる「OPK」という構成態様ではないため、本件商標の使用であると認めることができない。
この点、乙第2号証における表紙の右肩部だけには、アルファベットの3文字「OPK」からなる本件商標が表示されているが、これは「乙第2号証」の表示と同時に、ゴム印を使って押捺されたものと推察され、その本件商標における従前からの客観的な使用事実に疑念があり、容認し難いものである。
(イ)いずれにしても、件外取消2002-30933号審決に示されているとおり、「商標法第50条の規定により登録商標をその指定商品に使用しているかどうかは、商標法における商品、すなわち、商取引の目的物としての流通性を有するものに登録商標が使用されているかどうかという点から検討されなけれならない。」ということである。
(ウ)このような観点から、本件の「ばね」と「緩衝器」について検討すると、乙第1号証は、被請求人のいう荷役運搬機(ハンドトラック)を商標法上の商品(それ自体独立して商取引の目的物となる流通性を有するもの)として取り扱っている取扱説明書であり、これに「緩衝器」は、記載されてもいない。
また、乙第2号証は、被請求人のいう荷役運搬機(リフター)を同じく商標法上の商品として販売していることを示すカタログであり、これには。「ばね」や「緩衝器」の記載すらもない。
つまり、乙第1号証の6頁及び7頁だけに「中国製ハンドパレットトラックパーツリスト」として挙げられた部品No.30、35、38-1及び38-2の「スプリング」(ばね)は、被請求人も「荷役運搬機の構成部品である」と自認しているように、その他の各種部品と併せて、完成品である荷役運搬機(荷役機械器具)を組み立てるための一要素(機械要素)を構成しているにすぎない。
(エ)したがって、先の取消2002-30933号審決において、「バルブ」につき認定されている内容と同じく、本件の「ばね」は、荷役運搬機(完成品)の一部品として組み込まれることにより、商標法における商品としての独立性を失うに至ったものといわねばならない。
(オ)被請求人は、「ばね」(スプリング)やその他の各種部品を、その部品メーカーから調達し、その組み込み完成した荷役運搬機(リフター、ハンドトラック)を、商標法上の商品として販売する上で、本件商標を使用しているにとどまり、「ばね」を商標法上の商品として、これに本件商標を使用しているわけではない。
なお、乙第2号証の末尾には「2006年3月現在」という記載があるのに比し、乙第1号証の発行年月日は、不明である。
(カ)以上のように、被請求人の答弁には理由がなく、その乙第1号証及び乙第2号証を観察するも、本件商標が本件審判請求の予告登録前3年以内に、その審判請求に係る指定商品について使用されていた事実を認めることはできない。その不使用についての正当な理由も認められない。

3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出している。
(1)本件商標は、「荷役運搬機(リフト、ハンドトラック)及びその付属部品」の開発・設計、製造及び付帯サービスを行っている被請求人が、遅くとも昭和39年以来使用しているものである。
そして、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内においても、「ハンドパレットトラック取扱説明書」(平成17年8月発行:乙第1号証)の6頁及び7頁並びに「物流自在総合カタログ」(平成18年3月発行:乙第2号証)の15頁に記載のとおり、ハンドトラックやパワーリフタ等の荷役運搬機の構成部品である緩衝器及びばねが記載された取扱説明書・カタログ等に、本件商標を使用している。また、被請求人は、各営業所にて、緩衝器及びばねを荷役運搬機のオプション又は保守パーツとして製造・販売している。
(2)したがって、本件商標を過去3年以上にわたって、その指定商品中第6類「ばね」、第7類「緩衝器,ばね」及び第12類「緩衝器,ばね」について継続使用した事実が見当たらない、とする請求人の主張は、根拠がなく理由がないものである。
よって、本件審判請求は、理由がない。

4 当審の判断
(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)乙第1号証は、「ハンドパレットトラック」なる商品(以下「使用商品1」という。)についての取扱説明書と認められるところ、その表紙の中央には商品の写真が掲載され、その最下段には、被請求人の所有に係る別件の登録第2708592号商標と同一の標章(以下「使用商標」という。)が被請求人の名称と共に記載されている。使用商標及び被請求人の名称は、上記取扱説明書の裏表紙にも記載されている。そして、上記取扱説明書の6頁及び7頁には、使用商品1の「パーツリスト」が掲載され、部品No.30、35、38-1及び38-2の部品名として「スプリング」の文字が表示されている。また、上記取扱説明書の裏表紙の右下隅には「H17.8.1000M(マル)」の文字が表示されている。
(イ)乙第2号証は、「物流自在総合カタログ」と題する商品カタログと認められるところ、その表紙の中央には各種商品の写真が掲載され、その最下段には、使用商標が被請求人の名称と共に記載されている。使用商標及び被請求人の名称は、上記カタログの裏表紙にも記載されている。
そして、上記カタログの15頁には、「パワーリフターU」及び「自走式パワーリフターSU」なる商品(以下、これらをまとめて「使用商品2」という。)について写真と共に説明されているものの、「ばね」又は「緩衝器」についての写真はもとより、その記述ないし説明は、一切見当たらない。使用商品2の本体には、使用商標が付されていることが確認できる。また、上記カタログの裏表紙の右下には、「2006年3月現在」の文字が記載されている。
(2)以上の認定事実によれば、乙第1号証の取扱説明書が完成品としての使用商品1についての取扱説明書であることは、その内容からして明らかである。そして、該取扱説明書の6頁及び7頁に記載された「スプリング」は、いわゆる「ばね」であるとしても、使用商品1の構成部品の一つにすぎず、これが独立した商品として個別に取引されていることを示す証拠はないし、また、この「スプリング」自体には、何らの標章も付されていない。
ところで、 商標法第50条の適用上、「商品」というためには、市場において独立して商取引の対象として流通に供される物でなければならず、また、「商品についての登録商標の使用」があったというためには、当該商品の識別表示として同法第2条第3項、第4項所定の行為がされることを要するものというべきである(東京高裁、平成12(行ケ)117号判決、平成13年2月28日言渡)。
これを本件について見ると、上記「スプリング」は、完成品たる使用商品1の部品であって、それ自体が市場において独立して商取引の対象として流通に供されているものとはいい難いものであり、商標法にいう商品ということはできない。
そうすると、上記取扱説明書が本件審判請求の登録日(平成18年8月22日)前3年以内の期間である平成17年8月に発行されたものであることが推認されるとしても、また、上記取扱説明書に表示された使用商標が本件商標と社会通念上同一といえる余地があるとしても、その使用商標は、使用商品1についての識別標識たる商標というべきであって、商品「ばね」についての商標ということはできないから、上記取扱説明書をもって本件商標が商品「ばね」について使用されていると認めることはできない。
さらに、乙第2号証の商品カタログも完成品としての使用商品2についてのカタログであることは、その内容からして明らかであるばかりでなく、使用商品2が掲載された頁のどこにも商品「ばね」又は「緩衝器」についての記述・説明はないし、他に「ばね」又は「緩衝器」が本件商標の下に独立した商品として個別に取引されていることを示す証左もない。
そうすると、乙第1号証と同様、上記商品カタログが本件審判請求の登録前3年以内の期間である平成18年3月に発行されたものであることが推認されるとしても、また、上記商品カタログに表示された使用商標が本件商標と社会通念上同一といえる余地があるとしても、その使用商標は、使用商品2についての識別標識たる商標というべきであって、商品「ばね」又は「緩衝器」についての商標ということはできないから、上記商品カタログをもって本件商標が商品「ばね」又は「緩衝器」について使用されていると認めることはできない。
(3)以上のとおり、被請求人の提出に係る証拠によっては、被請求人は、本件商標が本件審判の取消請求に係る指定商品第6類「ばね」、第7類「緩衝器,ばね」及び第12類「緩衝器,ばね」について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用されていることを立証したものとは、認められない。
その他、本件商標が上記商品について使用されていることを示す証拠はない。
(4)したがって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、本件請求に係る指定商品第6類「ばね」、第7類「緩衝器,ばね」及び第12類「緩衝器,ばね」について使用されていなかったものというべきであり、また、その使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められないから、商標法第50条の規定に基づき、その指定商品中の上記商品についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-02-19 
結審通知日 2007-02-22 
審決日 2007-03-08 
出願番号 商願平3-39411 
審決分類 T 1 32・ 12- Z (1060712)
最終処分 成立  
特許庁審判長 田代 茂夫
特許庁審判官 小林 由美子
柳原 雪身
登録日 1995-07-31 
登録番号 商標登録第2708591号(T2708591) 
商標の称呼 オオピイケイ 
代理人 矢野 寿一郎 
代理人 山下 賢二 

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