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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 Y33
管理番号 1155849 
異議申立番号 異議2006-90635 
総通号数 89 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-05-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-12-08 
確定日 2007-03-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第4986955号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4986955号商標の商標登録を維持する。
理由 理 由
1 本件商標
本件登録第4986955号商標(以下「本件商標」という。)は、「竹葉」の文字を標準文字で表してなり、平成17年12月19日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年7月18日に登録査定、同年9月15日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、本件商標の指定商品中「日本酒」についての登録は、商標法第4条第1項第10号に該当するから、取り消されるべきである旨主張し、甲第1号証ないし同第33号証を提出している。
申立人は明治2年(1869年)の創業以来、商品「清酒」に商標「竹葉」(以下、「引用未登録商標」という。)を使用しているのであり、申立人の主要銘柄として、「大吟醸酒」、「吟醸酒」、「本醸造酒」、「純米酒」、「しぼりたて酒」等の清酒及び日本酒「にごり酒」に使用している。
このことは、申立人、日本酒造組合中央会及び石川県酒造組合連合会のホームページで確認することができ、また、石川県地酒振興協同組合の会員リストにも代表銘柄として記載され、石川県観光物産館内でも販売されている(甲第2号証ないし同第5号証)。
さらに、ウェブ検索サイト「YAHOO ! /JAPAN」での検索では、申立人の引用未登録商標がトップに表示され、同一銘柄は「清酒」には他に存在しない(甲第6号証)。
そして、引用未登録商標のレッテル(ラベル)の印刷発注から総販売実績を推測できる(甲第7号証)。
なお、申立人は以前に元代表者名義で、引用未登録商標を旧々第38類で商標登録を一時期、保有していた(甲第8号証)。
周知性について、同業者、能登町、商工会及び観光協会並びに取引先の酒問屋の証明書を提出する(甲第9号証ないし同第15号証)。
広告の実績については、昭和34年(1959年)に北陸新聞、中部日本新聞及び富山新聞に、昭和35年(1960年)及び昭和37年(1962年)に北國新聞へ、その後、平成18年(2006年)に北陸中日新聞へ広告を掲載している(甲第16号証ないし同第21号証)。
単行本及び雑誌への広告及び本文中の記事に掲載され石川県能登地方の銘酒として高い評価を得ている(甲第22号証ないし同第33号証)。
以上のように、申立人が引用未登録商標を商品「清酒」に継続して長年使用した結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の商標として取引者及び需要者の間で広く認識されていたものであって、同一又は類似する本件商標を、同一商品及びこれに類似する商品である「日本酒」に使用された場合、商品の出所について混同を生じるおそれがあることは明らかであるから、本件商標の指定商品中「日本酒」についての登録は、商標法第4条第1項第10号に該当するものであるから、取り消されるべきものである。

3 当審の判断
申立人提出の証左により、過去の一時期、引用未登録商標と社会通念上同一とみることのできる登録商標を所有していたこと、引用未登録商標を「清酒」に使用し続けてきたことを、伺い知ることはできるが、周知性の認定については、「商標法第4条第1項第10号が規定する『需要者の間に広く認識されている商標』といえるためには、それが未登録の商標でありながら、その使用事実にかんがみ、後に出願された商標を排除し、また、需要者における誤認混同のおそれがないものとして、保護を受けるものであること及び今日における商品流通の実態及び広告、宣伝媒体の現況などを考慮するとき、本件では、商標登録出願の時において全国にわたる主要商圏の同種商品取扱業者の間に相当程度認識されているか、あるいは、狭くとも1県の単位にとどまらず、その隣接数県の相当範囲の地域にわたって、少なくともその同種商品取扱業者の半ばに達する程度の層に認識されていることを要するものと解すべきである(昭和58年6月16日 東京高昭和57年(行ケ)第110号 無体集15巻2号510頁)」と判示されていることから、申立人提出の証左について、この点、以下に検討を加える。
(1)インターネットにおける検索手法(甲第2号証ないし同第6号証)は、通常、各検索サイトより公表されていないため、特定のサイトの検索結果のみをもって、その周知性を立証するとは認め難いものである。
(2)インターネット上のホームページ(甲第2号証ないし同第6号証)については、その開設時期、アクセス数等がなんら示されていないので、周知性の立証には不足するものである。
(3)レッテル(ラベル)の印刷発注がなされたこと(甲第7号証)は認められるが、それが商品「清酒」に使用された事実や販売量や販売地域等の具体的な証左もなく、レッテル(ラベル)の印刷発注の事実のみをもって、直ちに実際の商取引に供されたと認め難いものである。
(4)特定の者の証明書(甲第9号証ないし同第15号証)のみでは、周知性に係る地域範囲やその地域における同業者数が不明であり、いかなる地域において、どの程度の割合で知られているかの立証には、なり得ないものである。
(5)各新聞、書籍及び雑誌類(甲第16号証ないし同第33号証)については、その広告回数、広告費、発行部数、販売地域等が不明であり、これらの広告、掲載記事等のみをもって、直ちに周知性を立証するものとしては認め難いものである。
以上のとおり、申立人提出の、甲各号証によれば、引用未登録商標は、本件商標の登録出願時において、石川県のみならず、インターネット等の利用により、全国的に知り得る状態にあったものと推認されるものの、上記の判示にみられる「狭くとも1県の単位にとどまらず、その隣接数県の相当範囲の地域にわたって、少なくともその同種商品取扱業者の半ばに達する程度の層に認識されている」状態になっていたものとは、認められないというのが相当である。
そして、「竹葉」の語は、「たか‐は【竹葉】竹の葉。ささば。万葉集9『大我野おおがのの?刈り敷き廬いほりせりとは』」及び「ちく‐よう【竹葉】‥エフ 1.竹の葉。2.酒の異称。また、酒を入れる旅行用の竹筒。3.転じて、弁当。(岩波書店発行「広辞苑第5版」)」との記載がある成語であり、インターネットによれば、飲食店名や料理の名称に好んで採択・使用されているものである。
以上のことを総合すれば、引用未登録商標は、本件商標の登録出願時に、申立人が「清酒」に使用して「需要者の間に広く認識されている商標」に該当しないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2007-02-27 
出願番号 商願2005-118966(T2005-118966) 
審決分類 T 1 652・ 25- Y (Y33)
最終処分 維持 
前審関与審査官 佐藤 達夫 
特許庁審判長 澁谷 良雄
特許庁審判官 山本 良廣
石田 清
登録日 2006-09-15 
登録番号 商標登録第4986955号(T4986955) 
権利者 三和酒類株式会社
商標の称呼 チクヨー、チクバ 
代理人 宮田 正道 
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