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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y12
審判 全部申立て  登録を維持 Y12
管理番号 1155840 
異議申立番号 異議2006-90519 
総通号数 89 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-05-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-10-16 
確定日 2007-03-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第4970352号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4970352号商標の登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4970352号商標(以下「本件商標」という。)は、次掲のとおりの構成よりなり、平成17年3月18日に登録出願、第12類「自動車,二輪自動車,自転車」を指定商品として、平成18年7月14日に設定登録されたものである。



2 登録異議申立ての理由(要点)
(1)引用商標
登録異議申立人 フォード モーター カンパニー(以下「申立人」という。)の引用に係る登録商標は、次の(ア)ないし(オ)である(以下、纏めては「引用商標」という。)
(ア)「FORD」の欧文字からなり、平成8年12月3日に登録出願、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」を指定商品として、平成10年4月3日に設定登録された登録第4132664号商標(以下「引用A商標」という。)
(イ)次掲のとおりの構成よりなり、明治43年7月22日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品(平成14年10月9日に、第7類「自動車の発動機の部品」及び第12類「自動車並びにその部品及び附属品,自動車の発動機(その部品を除く。),自動車のベアリング,自動車の緩衝器,自動車の制動機」と書換登録された。)として、明治43年12月14日に設定登録された登録第43834号商標(以下「引用B商標」という。)



(ウ)次掲のとおりの構成よりなり、昭和58年12月17日に登録出願、第12類「輸送機械器具、その部品および附属品」を指定商品として、昭和61年11月27日に設定登録された登録第1914872号商標(以下「引用C商標」という。)



(エ)「フォード」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成9年10月3日に登録出願、第12類「自動車並びにその部品および附属品」を指定商品として、平成11年3月19日に設定登録された登録第4253436号商標(以下「引用D商標」という。)
(オ)「フォード」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成9年10月3日に登録出願、第9類「消防車,自動車用シガーライター」ほか、商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成11年10月29日に設定登録された登録第4330329号商標(以下「引用E商標」という。)
引用商標の当該商標権は、いずれもその効力は存続中にある。
(2)引用商標の周知性
引用A商標は、申立人が1903年の会社設立以来、長年世界の自動車市場において使用している著名商標である(甲第7号証ないし甲第10号証)。
申立人は、米国を代表する自動車会社のひとつであり、世界で第2位の自動車メーカーでもある。申立人は1925年には日本フォードが設立され、自動車の生産を開始した。申立人の日本における企業活動の歴史は古く、他の自動車会社に先駆けて日本でのトップ自動車メーカーとしての地位を確立した。以上より、引用商標は、本件商標の出願時には日本を含めた世界各国において申立人の販売する商品を表示するものとして著名になっていたと確信する。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標は「ForU」の欧文字からなり、その文字に相応して「フォーユ」ないし「フォール」の称呼が生じる。一方、引用商標は、その文字に相応して「フォード」の称呼を生じさせる。本件商標と引用商標は、末尾において1音のみの差を有するものであり、かかる相違点は、聴者の注意を喚起しずらい語尾音における相違であり、両商標を一気に称呼した場合においては、互いに相紛れる類似の商標であるといえる。
さらに、本件商標は「ForU」の欧文字からなるところ、引用AないしC商標は、「FORD」ないし「Ford」の欧文字からなり、両商標の外観上、相違するのは末尾の文字1文字である。すなわち、両商標は、ともに欧文字4字からなり、語頭から3字までを共通にし、その差異は、同書、同大、等間隔で一体的に表された4文字構成中のわずかに1字であり,しかも4字目という、比較的目に留まりにくい語尾部に位置するにすぎない。そして、相違する「U」と「D」ないし「d」の文字自体、その態様から外観上近似した印象を与えるから、時と処を異にして接した場合、本件商標と引用AないしC商標は、外観上極めて紛らわしく、一般的な消費者である需要者は、混同するおそれがあるというべきである。
さらに、引用商標は、申立人のハウスマークであり、同人の生産・販売をはじめとしたすべての商品について使用されているものである。そして、かかるハウスマークは著名であることから、需要者をして、本件商標が引用商標と相紛らわしく、類似するものであるといわざるを得ない。特に、本件商標の指定商品は「自動車,二輪自動車,自転車」であり、これらの商品は、申立人の著名な引用商標について使用されているものであることからしても上記のことが容易に肯定できるものである。
(4)出所混同のおそれ
申立人の商品を表示するものとして著名な引用商標と同一又は類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、取引者・需要者をして、その商品が申立人の提供にかかわるものであるかのごとく、あるいは、同人と何等かの経済的・組織的関連があるかのごとく認識され、出所混同を生ぜしめるおそれがあることが極めて高いといわざるを得ない。
(5)むすび
以上から、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。

3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標の類否
本件商標は、上掲1のとおり「ForU」の欧文字からなるものであり、同書体で一連に表されているものであって、視覚上一体のものとして看取し得るものである。しかして、これより「フォーユ」ないし「フォール」の称呼が生じるとものとはいい難く、むしろ、本件商標のかかる構成文字からは「フォーユー」の称呼が生じるというのが自然である。そして、「フォーユー」の称呼も冗長なものでなく、平滑、流暢に称呼し得るものである。
一方、引用商標は、それぞれの構成文字に相応して、いずれも「フォード」の称呼を生じるものである。
そこで、本件商標より生ずる「フォーユー」の称呼と引用商標より生ずる「フォード」の称呼を比較するに、両称呼は、語尾において「ユー」の音と「ド」の音の差異を有するものであるところ、該差異音中、「ユ」と「ド」の音は、発音方法を別にする異質の音であるばかりでなく、前者の「ユ」の音は、前後に「o」と「u」の長音に挟まれていることから、比較的明瞭に強く発音され、聴取される音であるといえる。また、「フォーユー」の称呼は、全体として称呼するときは、「フォー」と「ユー」の間に発音上の強弱の差なく平坦に2音節として称呼されるのに対して、「フォード」の称呼は、全体として称呼するときは、「フォー」の「o」の音にアクセントが置かれ、かつ、語尾「ド」の音が詰まるように1音節として称呼されるものであるから、両称呼は、全体の語調、語感をも異にするものである。
さらに、外観上にあって、本件商標と引用AないしC商標は、ともに記憶するに難くない比較的短い欧文字4字からなり、たとえ、語頭から3字までを共通にするとしても、通常の注意力をもってすれば、語尾の綴り字「U」と「D」ないし「d」の字形の相違を見誤り、あるいは誤解して取引に当たる場合があるということはできない。
そのほか、本件商標と引用商標とを類似とすべき事由は見出せない。
(2)出所混同のおそれ
また、引用商標が世界の自動車市場において使用されている著名商標であって、本件商標の登録出願時において申立人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたものであるとしても、前記のとおり、本件商標と引用商標とは別異のものであって、ほかに両者が紛れ得るとする点は見出せないから、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者が直ちに引用商標を連想・想起し、申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものということはできないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
異議決定日 2007-03-01 
出願番号 商願2005-24103(T2005-24103) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (Y12)
T 1 651・ 271- Y (Y12)
最終処分 維持  
前審関与審査官 平松 和雄 
特許庁審判長 高野 義三
特許庁審判官 山口 烈
鈴木 新五
登録日 2006-07-14 
登録番号 商標登録第4970352号(T4970352) 
権利者 光陽工業股▲分▼有限公司
商標の称呼 フォーユー、フォーユウ、フォル 
代理人 田中 克郎 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 服部 雅紀 

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