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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 Y09163841
審判 一部申立て  登録を維持 Y09163841
審判 一部申立て  登録を維持 Y09163841
審判 一部申立て  登録を維持 Y09163841
管理番号 1155800 
異議申立番号 異議2006-90318 
総通号数 89 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-05-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-07-10 
確定日 2007-03-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第4941726号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4941726号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第4941726号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、2004年11月5日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成17年4月20日に登録出願、第9類、第16類、第38類及び第41類に属する商標登録原簿のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成18年3月31日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する国際登録商標は、以下の(a)ないし(c)とおりである。
(a)国際登録第815515号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、2002年12月6日カナダ国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、第16類、第25類、第28類、第41類及び第42類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2003年6月6日に国際登録、そして、我が国において平成18年10月13日に設定登録されたものである。
(b)国際登録第815516号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、第16類、第25類、第28類、第41類及び第42類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2003年6月6日に国際登録、そして、我が国において平成18年10月13日に設定登録されたものである。
(c)国際登録第860800号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、第9類、第16類、第28類、第41類及び第42類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2004年12月7日に国際登録、そして、我が国において平成18年12月1日に登録査定されたものである。
(以下、これら商標をまとめていうときは、「引用商標」という。)

第3 登録異議の申立ての理由の要旨
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第19号に該当すると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証を提出している。
1 商標法第4条第1項第11号について
国際商標登録を所有する申立人は、日本国内においてディストリビューターを介してこれらの商標を数年来にわたり書籍やテレビ放送番組において広範囲に使用してきた(甲第5号証ないし甲第10号証)。特に申立人の商標の重要な構成要素である「CSI:」がいかに日本国内で著名であるかは、インターネットサイト、DVDカセットの販売の種類(シリーズ)、過去数年間にWOWOW放送で連日のように放映されてきたことからすれば明らかである(甲第11号証ないし甲第18号証)。「CSI:」を重要な構成要素とする申立人の商標は、刑事もののテレビ番組として今日まで親しまれてきている。
申立人の商標の著名性からすれば、申立人の商標の出所表示機能は本件商標によって稀釈化される。また、本件商標の存在は申立人に係る商標の重要な構成要素「CSI:」の名声を明らかに毀損する。
申立人の著名商標において特に「CSI:」が重要な構成要素を成していることを考えれば、本件商標が申立人の商標と記憶上の錯覚や印象上の間違いを引き起こすことは十分に考えられる。
本件商標の構成要素の一部「ci」と申立人に係る著名商標の重要な構成要素である「CSI:」の称呼は、「シーアイ」と「シーエスアイ」で中間音において2音異なっているものの、発音上、聴覚上印象の強い部分である「シー」と「アイ」が共通しているので全体の音感は極めて近似している。
以上のとおり、本件商標と申立人の所有する商標とは同一・類似の商品・役務を指定しており、両商標は称呼上、記憶上、印象上明らかに類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号によって拒絶されるべきものである。
2 商標法第4条第1項第19号について
申立人の商標は、日本国内のみならず世界各国で商標登録出願され商標登録を受けている(甲第19号証及び甲第20号証)。そして、これらの商標は「CSI:」を商標の重要な構成要素として世界各国において数年来にわたって刑事捜査番組としてテレビ放映をされ、北アメリカ、オーストラリア、フランス、スペイン、ドイツ、イタリア、イギリス、オランダにおいて記録的な高視聴率をあげてきた(甲第21号証ないし甲第25号証)。また、これらの商標は犯罪捜査に関係のあるビデオゲーム、ボードゲーム、トレードカード、玩具、衣類においても用いられてきた(甲第21号証)。例えば、英国における商標「CSI:」の使用状況は、別紙のとおりである(甲第26号証及び甲第27号証)。
このように、申立人に係る商標は「CSI:」を商標の重要な構成要素として日本国のみならず世界の重要な国々においてテレビ放映されてきた著名商標である。本件商標は、申立人の商標と同一・類似の商品・サービスの提供を企図したものであり申立人の著名商標の出所表示機能を稀釈化させることを目的として、あるいは申立人の取得した著名商標としての名声を毀損させることを意図したものであることは明らかである。本件商標は不正の目的をもって商標登録出願及び商標登録された類似の商標である。
申立人の所有する商標は、外国においては極めて著名であり、商標の重要な構成要素「CSI」は特徴的な文字で表現され、しかも、そのあとにはいろいろなシリーズに用いるため「:」コロンが付けられているという商標上顕著な特徴を有するものである。
申立人の日本を含む世界各国でのこれまでの商標の使用状況からすれば、本件商標は申立人の所有に係る商標に化体した信用、名声、顧客吸引力等に只乗り(フリーライド)するだけでなく、申立人のこのような信用、名声、顧客吸引力等が毀損させられることは明らかである。したがって、本件商標登録名義人は「不正の目的をもって使用する」に該当することは明らかである。
このような観点からも、本件商標は、また商標法第4条第1項第19号に定める「他人の業務に係る商品又は役務と表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同ー又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用するもの」に該当することは明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号によっても拒絶されるべきものである。
3 まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第19号に該当するので、その登録を取り消されるべきものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)のとおり、黒地の正方形の左下角部を三角形状に切り離し、該三角形状の部分をやや左上部にずらし上げたような幾何図形で、その黒地の正方形の右下部分に白抜きで「ci」の欧文字2字を配してなるものである。そして、本件商標は、その構成中の「ci」の欧文字を含めて全体として極めてまとまりが良いものであるから、これよりは「ci」の欧文字を含めた一つの特異な幾何図形商標とみるのが自然である。
他方、引用商標は、別掲(2)ないし(4)のとおりであるところ、その構成中顕著表されている「CSI:」の文字と記号部分より、「シーエスアイコロン」又は「シーエスアイ」の称呼を生ずるというのが相当である。
そして、仮に本件商標の「ci」の欧文字部分から、「シーアイ」の称呼が生ずるとしても、本件商標の「シーアイ」の称呼と引用商標の構成中の記号「:」(コロン)を略した「CSI」の文字より生ずる「シーエスアイ」の称呼とは、一字一字区切って発音されやすい特定の意味を有しない欧文字2字対欧文字3字であり、その音構成、構成音数において明らかな差異を有するものであるから、称呼上十分聴別し得るものである。また、両者は、外観においても明らかな差異があり、観念においては比較できないものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるといわざるを得ない。
2 商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、上記1のとおり、引用商標とは類似しない商標であって、申立人の商標の出所表示機能を稀釈化させることを目的、その名声を毀損させることを意図したものとはいえないものであるし、また、商標権者が不正の目的をもって本件商標を使用するものでもないというべきである。
3 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第19号に違反してされたものではないから、 同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(1) 本件商標


別掲(2) 引用商標1


別掲(3) 引用商標2


別掲(4) 引用商標3


異議決定日 2007-02-23 
出願番号 商願2005-35184(T2005-35184) 
審決分類 T 1 652・ 263- Y (Y09163841)
T 1 652・ 261- Y (Y09163841)
T 1 652・ 262- Y (Y09163841)
T 1 652・ 222- Y (Y09163841)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大島 康浩 
特許庁審判長 澁谷 良雄
特許庁審判官 山本 良廣
石田 清
登録日 2006-03-31 
登録番号 商標登録第4941726号(T4941726) 
権利者 エイアンドイー テレビジョン ネットワークス
商標の称呼 シイアイ 
代理人 福田 秀幸 
代理人 江藤 聡明 

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