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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y07
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない Y07
審判 査定不服 観念類似 登録しない Y07
審判 査定不服 外観類似 登録しない Y07
管理番号 1155611 
審判番号 不服2004-23843 
総通号数 89 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-11-22 
確定日 2007-03-30 
事件の表示 商願2003- 81619拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第7類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年9月19日に登録出願されたものである。
その後、指定商品については、当審における平成16年12月22日付けの手続補正書をもって、第7類「グラインダー用回転切断砥石」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
1 本願商標は、「たくみわざ」の平仮名文字と「匠の技」の文字を二行に縦書きしてなるものであるところ、該文字は、「手先又は器械で物を造ることを業とする人の技」程度の意味合いを理解、認識させる以上に格別顕著なところがなく、これを本願の指定商品に使用しても、需要者が何人の業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 本願商標は以下の商標又は登録商標と同一又は類似であって、その指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(1)商願2003-061205号商標は、「匠の技」の文字を横書きしてなり、平成15年7月4日登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具」を指定商品とする登録第5001821号商標(以下「引用商標1」という。)として同18年11月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第2673797号商標(以下「引用商標2」という。)は、「匠」の文字を書してなり、昭和61年4月28日登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成6年6月29日に設定登録、その後、同17年3月22日に商標権の存続期間の更新登録がされ、同18年3月8日に、第7類「コンピュータ支援設計により粘着紙をカッター又はレーザーにより裁断する自動裁断機,コンピュータ支援設計により合成樹脂板をカッター又はレーザーにより裁断する自動裁断機,金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,漁業用機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,ミシン,耕うん機械器具(手持ち工具に当たるものを除く。),栽培機械器具,収穫機械器具,植物粗製繊維加工機械器具,飼料圧搾機,飼料裁断機,飼料配合機,飼料粉砕機,牛乳ろ過器,搾乳機,育雛器,ふ卵器,蚕種製造用又は養蚕用の機械器具,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,ガラス器製造機械,塗装機械器具,包装用機械器具,陶工用ろくろ,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のもの及び「水車・風車」を除く。),陸上の乗物用の動力機械の部品,水車,風車,風水力機械器具,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,業務用電気洗濯機,修繕用機械器具,機械式駐車装置,乗物用洗浄機,業務用食器洗浄機,業務用電気式ワックス磨き機,業務用電気掃除機,芝刈機,電動式カーテン引き装置,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,軸・軸受・軸継ぎ手・ベアリング(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。),動力伝導装置(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。),緩衝器及びばね(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。),制動装置(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。),バルブ(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。)」、第9類「コンピュータ支援設計の自動作図機(CAD),製図用又は図案用の機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報機,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター」及び第16類「印字用インテル,活字,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開型板」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第3 当審の判断
1 商標の類否について
本願商標は別掲に示すとおり、「匠の技」の文字を縦書きしてなり、該漢字部分の右側にその読みと認められる「たくみ」及び「わざ」の文字を配した構成よりなるところ、その構成文字に相応して「タクミノワザ」の称呼を生じるものである。
他方、引用商標1は前記第2の2(1)のとおり、「匠の技」の文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「タクミノワザ」の称呼を生じるものである。
してみれば、本願商標と引用商標1とは、「タクミノワザ」の称呼を共通にする類似の商標といわざるを得ない。
つぎに、両商標の「匠の技」の文字からは、「職人の技」程度の意味合いを想起させる場合があるとしても、それにとどまるものとみるのが相当であって、本願商標及び引用商標1のいずれの指定商品との関係においても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そうすると、本願商標と引用商標1における「匠の技」の文字からは、いずれの指定商品との関係においても明確な観念は生じないものの、「職人の技」のごとき意味合いを想起させる点において、互いに紛らわしい商標であるといわざるを得ない。
また、両商標は、縦書きと横書きという相違はあるものの、構成文字又はその構成中に「匠の技」の文字を書してなる点で、外観上、共通の構成よりなるものである。
してみれば、本願商標と引用商標1とは、称呼を共通にし、観念及び外観においても互いに相紛らわしい類似の商標といわなければならない。
2 指定商品の類否について
本願商標の補正後の指定商品「グラインダー用回転切断砥石」と、引用商標1の第9類の指定商品中の「アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置」について、請求人は、これらの商品の需要者は、いわばその業界のプロであり、かなりの知識を有する人々であるから、上記商品を識別する能力を充分持っている旨主張していることを考慮しつつ、以下、これらの指定商品の類否について検討する。
(1)商品の類否に関しては、最高裁判所の判決においても、「指定商品が類似のものであるかどうかは・・・商品自体が取引上誤認混同の虞があるかどうかにより判定すべきものではなく、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認される虞があると認められる関係にある場合には、たとえ、商品自体が互いに誤認混同を生ずる虞がないものであっても、それらの商標は商標法・・・にいう類似の商品にあたると解するのが相当である。」(昭和33年(オ)第1104号判決 昭和36年6月27日判決言渡)、「商標の本質は、商品の出所の同一性を表彰することにもあるもの、と解するのが相当である。しかして、商標の本質が右のごときものである以上、商標の類否決定の一要素としての指定商品の類否を判定するにあたっては、所論のごとく商品の品質、形状、用途が同一であるかどうかを基準とするだけではなく、さらに、その用途において密接な関連を有するかどうかとか、同一の店舗で販売されるのが通常であるかどうかというような取引の実情をも考慮すべきことは、むしろ、当然であり・・・」(昭和37年(オ)第955号判決 昭和39年6月16日判決言渡)と判示されており、商品の出所の誤認混同のおそれの観点に立って判断すべきものであると解されるところである。
(2)そこで、本願商標と引用商標1の指定商品をみるに、本願商標の補正後の指定商品である「グラインダー用回転切断砥石」(以下「本件商品」という。)は、グラインダー(「円板状の砥石を高速回転させ,物を研削する工作機械」財団法人日本規格協会発行 JIS工業用語大辞典【第5版】)の部品あるいは附属品の一つとしてだけではなく、それ自体が独立した商品として取引されているものであること、また、該商品と引用商標1の指定商品中の「アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置」(以下「引用商品」という。)とは、いずれも主に金属を加工するものであり、製造業者、販売業者、販売店舗及び需要者層を共通にするものであることが、以下のインターネット上のウェブサイト及び新聞記事情報により認めることができる。
ア インターネット上のウェブサイト
(ア)「第1章 とりあえず知っておきたい基礎知識/グラインダ」の見出しの下、「あると便利なハンドグラインダ」の項には、「図2に示すハンドグラインダも回転する砥石を利用する工具である。図1の卓上グラインダと比べて薄い砥石を取り付け,溶接の後処理やバリ取り,場合によっては材料の切断に使用する。」との記載がある(http://www.nmri.go.jp/eng/khirata/metalwork/basic/grain/index_j.html)。
(イ)「株式会社マキタ」のホームページ中の「総合カタログ」の133頁には、ディスクグラインダ用切断砥石の写真が、同カタログの113頁には、電気溶接機の写真が、その商品情報とともに掲載されている(http://www.makita.co.jp/product/ecatalog/all.html)。
(ウ)「リョービ株式会社」のホームページ中の「パワーツール」の商品紹介には、例えば「ジスクグラインダG-1021」の別販売品として、取扱説明書の9頁に、「切断砥石 金属用(外径)100mm×(内径)15mm×(厚さ)2.4mm #24」などの記載がある(http://www.ryobi-group.co.jp/projects/powertools/pdf/mn_67.pdf)。また、「パワーツール」の商品紹介中の「発電・溶接」の項には、「ウェルダ」「バッテリウェルダ」などの溶接機の写真が、その商品情報とともに掲載されている(http://www.ryobi-group.co.jp/projects/powertools/products/category_list.php?cid=10&ckbnid=1&pf=5)。
(エ)「産報出版株式会社」のホームページ中の「溶接ニュース」の欄における「2006年(平成18年)8月15日 第2678号」には、「・・・特別企画●日曜溶接が静かなブームに/『趣味の溶接』に広がり、カルチャー教室も開設/金属製の小物などを製作するため、『日曜溶接』が静かなブームを巻き起こしている。ユーザーの大半は実務経験者だが、金属加工用機材の販売を強化するホームセンターも増えており、すそ野は着実に広がっている。溶接が持っていた特殊技能のイメージも、次第に薄れつつあり手軽に溶接を楽しむ人が増えている。」との記載がある(http://www.sanpo-pub.co.jp/CONTENTS/NEWS/news-2006-B.html)。
(オ)「ホームセンター ビバホーム」のホームページ中の「取り扱い商品」の欄には、「ツールデポ」として「大工道具、作用後部、溶接機、電動工具、エアー工具、ホビー工具」の記載がある(http://www.vivahome.co.jp/merchandise/default.htm)。
(カ)「ホームセンター ムラウチホビー」のホームページ中の「店舗案内」における「取扱商品一覧」には、「DIY用品」の「電動工具」として、「ジスクグラインダー・両頭グラインダー、溶接機」の記載がある(http://www.murauchi-hobby.com/goods/diy.html)。
イ 新聞記事情報
(ア)1995年5月29日付け「日刊工業新聞」14頁には、「流れを読む/産業トレンド-注目されるホームセンター。海外生産開始企業も」と題して、「機械工具業界で、ホームセンター市場がこのところ注目されている。従来、一般ユーザーが対象と考えられてきた市場だが、最近は製品を店頭で手軽に選んで入手できることなどから、プロユーザーの利用も着実に増えている。・・・機械工具といっても種類は多いが、レンチなどの作業工具にとどまらず、現在ではハイス(高速度鋼)ドリルやエンドミル、ダイヤモンドカッター、オフセットトイシなどの切削・研磨工具や、ダイヤルゲージなど測定機器の一部までも主要なホームセンターで購入可能だ。」とする記事が掲載されている。
(イ)2001年6月29日付け「日刊工業新聞」17頁には、「正興商会、ポータブル直流アーク溶接機を発売」と題して、「【福岡】正興商会・・・は、ポータブル直流アーク溶接機『らくらくミニDC-1030』を発売した。・・・単相100ボルト電源の小型アーク溶接機はホームセンターなどで売られる製品が中心で、主に交流が用いられてきた。」とする記事が掲載されている。
(ウ)1981年10月3日付け「日経産業新聞」6頁には、「電動工具-リョービ、2社独占にくさび、技術力テコに成長(ニューパワー登場)」と題して、「・・・販売面ではDIY店やホームセンターといった日曜大工用品市場にいち早く着目、生産財とみなされていた電動工具に新しい販売径路を築いた。」とする記事が掲載されている。
(3)上記の事実を総合すれば、本件商品と引用商品とは、製造・販売業者を共通にすることも多く、また、その用途もともに金属の加工に関わる商品であり、ホームセンター等においても販売されていることが認められるところである。
そして、たとえ本件商品と引用商品について、請求人が主張するごとく、需要者がその業界の専門的知識を有する専門会社、専門家であったとしても、これらの商品は、ホームセンター等においても販売されていることは上記のとおりであって、近時、この種の大型量販店においては、事業者と一般消費者双方を対象として各種商品を陳列、販売している傾向が著しいところであるから、一般消費者を需要者とする場合も少なくないものといわなければならない。
してみれば、本件商品と引用商品とは、その製造部門、販売部門、用途及び需要者層において密接な関係を有するものであり、これらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは、その商品の出所について混同を生ずるおそれのある、互いに類似する商品にあたるというべきである。
3 上記1及び2のとおり、本願商標と引用商標1については、商標が類似の関係にあり、その指定商品においても、一部の指定商品が互いに類似する関係にあるといえるものである。
したがって、本願商標と引用商標2との類否について検討するまでもなく、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ない。
4 結語
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、登録をすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別掲】
本願商標

審理終結日 2007-01-23 
結審通知日 2007-01-26 
審決日 2007-02-08 
出願番号 商願2003-81619(T2003-81619) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (Y07)
T 1 8・ 264- Z (Y07)
T 1 8・ 262- Z (Y07)
T 1 8・ 261- Z (Y07)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大島 護 
特許庁審判長 澁谷 良雄
特許庁審判官 長柄 豊
長澤 祥子
商標の称呼 タクミノワザ 
代理人 中村 政美 

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