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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y44
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y44
管理番号 1155485 
審判番号 不服2005-15127 
総通号数 89 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-08-08 
確定日 2007-03-23 
事件の表示 商願2004-101230拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「EPI-LASIK」の欧文字と「エピ レーシック」の片仮名文字を上下2段に横書きしてなり、第44類「美容,入浴施設の提供,医業,医療情報の提供,健康診断,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,はり,歯科医業,調剤,栄養の指導,医療用機械器具の貸与」を指定役務として、平成16年11月5日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由(要旨)
本願商標の構成文字「EPI-LASIK」「エピ レーシック」は、眼科医業における近視・乱視の視力矯正治療において、角膜上皮を専用の器械でむいてからレーザー照射を行う治療方法の一つを指す語として理解・使用されていることが下記のインターネット情報等により認められるものである。そうとすると、当該文字を本願指定役務中、例えば「近視・乱視の治療,近視・乱視の治療に関する情報の提供」等に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該役務が上記治療方法に係るものであることを認識するに止まり、単に役務の質を表示したものと把握し、理解するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。
<インターネット情報>
a.気になる医学、エピレーシック(epilasik)、エピレーシックは、マイクロケラトームではなくエピケラトームという機器を用いて角膜上皮のみの薄いフラップを作成して行うレーシックである。(http://www.k-igaku.com/lasik/term_06.php)
b.坂西眼科医院、エピレーシックは角膜上皮を専用の器械でむいてからレーザー照射を行う術式であり、ラセックやフレックススキャン-PRKとレーシックの良いところをとった術式といえます。むいた角膜上皮を戻すことが可能なため、ラセックやフレックススキャン-PRKよりも術後の疼痛が少なく、視力の回復が早い可能性があります。しかしレーシックよりは術後の疼痛はやや強く、視力の回復は遅い傾向にありますが、レーシックに比べ術後の眼球の強度も保たれ、理論的には屈折矯正手術の中でもっとも優れた術式といえます。(http://www.sakanishiganka.com/home.html)
c.南青山アイクリニックグループ、エピレーシックという新しいレーシックもあります、これはまだ始まったばかりの手術ですが、レーシックでの角膜フラップの代わりに、角膜上皮のみでフラップを作り、エキシマレーザーを照射するものです。角膜フラップがないので、角膜の強度がレーシックより保たれるといわれています。通常のレーシックの適応検査で、角膜が薄かった場合やわずかに足りないときでも、エピレーシックなら手術が可能な場合があります。(http://www.minamiaoyama.or.jp/news0504.html)

3 審判請求の理由(要旨)
(1)本願商標は、上記の構成よりなるところ、この商標は、あくまで出願人の手になる造語であって、審査官が指摘したごとく、当該構成文字が本願指定役務中、「近視・乱視の治療,近視・乱視の治療に関する情報の提供」の質・内容その他を直接表示するものとして、役務の取引上普通に使用され、認識され得るような事実は全くといっていい程見受けられない。
もっとも、審査官は、平成17年5月12日付けの拒絶理由通知書において、インターネットウェブサイト3件の記事を引用しているが、例えば、産業機械器具、産業廃棄物の収集・分別及び処分等の比較的限られた取引者・需要者により市場が成立する商品(役務)分野とは異なり、本願指定役務「医療,医療情報の提供」は、およそあらゆる一般消費者が需要者となり、供給者たる出願人その他の者と取引する機会を有しており、こうした観点から見ると、当該3件の記事がインターネットウェブサイト上に掲載された事実のみをもって、「EPI-LASIK」、あるいは「エピ レーシック」の文字が、一般消費者が大多数を占める本願役務の需要者・取引者に役務の質を表示する標章として認識される、とする認定は行き過ぎの感が拭えない。
(2)なお、以上の主張に関連して「LASIK」(商標登録第4097187号)、(b)「レーシック」(商標登録第4097188号)及び(c)「れーしっく」(商標登録第4097189号)が、第44類「医業,医療情報の提供」その他を指定役務として出願され、登録を認められているという事実を指摘する。これらが商標登録出願されたのは、いずれも平成7年11月15日となっており、その登録出願当時においてはすでに、「眼科医業における近視・乱視の視力矯正治療」の一種である「LASIK(レーシック)」について、わが国の多くの医療機関にその技術の導入がなされており、加えて、当該治療方法が、単なる学術論文、もしくは専門書に止まらず、わが国で発行される一般の書籍・雑誌にもその効果等について盛んに紹介・検討がされるようになった時期、といっていいと思われる。
かかる情勢下において、上記の商標が出願されその登録を認めたということは、たとえ書籍・雑誌等(インターネットウェブサイトの記事を含む。)への記載があったとしても、それをもって直ちに商標の識別力が喪われたということにはならず、なお取引者・需要者において、該商標登録を自他役務の識別標識として認識し得る、と庁が認めたことの証左に他ならないし、本件出願人が、別件商標「CR LASIK/シーアール レーシック」の登録出願(商願2004-19038)を平成16年3月2日付けで行ったところ、上記商標登録がこれに類似するとして、商標法第4条第1項第11号に該当するという拒絶理由通知書(発送日平成16年9月24日)を受けた。
そこで、これに対し出願人は上記商願の手続きに並行して、当該拒絶理由通知書に引用された登録商標について、商標法第50条第1項の規定にもとづく商標登録取消の審判を請求したところ、いずれの商標登録についても取消すべきものとする旨の審決がされ、この結果、該別件商標の登録が認められているものであるから、該別件商標は、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号には該当せず、自他役務の識別力を十分有する商標として設定の登録が認められたということになる。
(3)翻って、「EPI?LASIK」あるいは「エピ レーシック」の文字が今日わが国においてどれだけ一般消費者に浸透し、近視・乱視の治療方法の一種として既知のものとなっているのかを考えると、上記(a)ないし(c)の登録出願当時の状況はもとより、本願商標ときわめて似た構成からなる商標「CR LASIK/シーアール レーシック」(商標登録第4881868号)の登録査定時における取引状況と比較しても、当該構成文字が全体として「クリーンルームにおいて行われる、角膜上皮を専用の機械でむいてからレーザー照射を行う視力矯正治療」であることを容易に理解させる、とするには甚だ心許ない状況といわなければならない。
してみれば、本願商標を構成する文字「EPI-LASEK」あるいは「エピ レーシック」が論文・書籍・雑誌・インターネットウェブサイトその他に記載されている事実のみをもって、直ちに需要者が役務の質・内容その他を表示したものと把握し理解するにすぎないものと断じることはきわめて不当かつ不合理であって、ひいては法趣旨にも反するものと考える。
したがって本願商標は、出願人の創作に基づく造語であって、十分に自他役務の識別力を有する商標であり、登録を受け得るものと確信する。

4 当審の判断
本願商標は、「EPI-LASIK」の欧文字と「エピ レーシック」の片仮名文字を書してなり、その指定役務は「医業,医療情報の提供」ほか、第44類に属する指定役務として登録出願されたものであること上記のとおりである。
そして、請求人(出願人)は、大旨、本願商標は、同人の創作に基づく造語であり、当該構成文字が本願指定役務中「近視・乱視の治療,近視・乱視の治療に関する情報の提供」の質・内容その他を直接表示するものとして、役務の取引上普通に使用され、認識され得るような事実は全くといっていい程見受けられないし、これを構成する文字が論文・書籍・雑誌・インターネットウェブサイトその他に記載されている事実のみをもって、直ちに需要者が役務の質・内容その他を表示したものと把握し理解するにすぎないものと断じることはきわめて不当かつ不合理である旨述べて、本願商標が自他役務の識別力を有する商標であると主張しているので、以下検討する。
(1)本願商標の創作性等について
請求人は、本願商標は、あくまで出願人の手になる造語であって、これが役務の取引上普通に使用され、認識され得るような事実は全くといっていい程見受けられない、と主張する。
(ア)レーシック(LASIK)について
請求人も述べるように、第44類「医業,医療情報の提供」その他を指定役務として出願され、登録が認められた「LASIK」(商標登録第4097187号)、「レーシック」(商標登録第4097188号)及び「れーしっく」(商標登録第4097189号)の登録出願当時(平成7年11月15日)においてはすでに、「眼科医業における近視・乱視の視力矯正治療」の一種である「LASIK(レーシック)」について、わが国の多くの医療機関にその技術の導入がなされており、加えて、当該治療方法が、単なる学術論文、もしくは専門書に止まらず、わが国で発行される一般の書籍・雑誌にもその効果等について盛んに紹介・検討がされるようになった時期、といっていいと思われる、と述べているところであり、「LASIK(レーシック)」の文字(語)自体は、眼科医業における「近視・乱視の視力矯正治療」の一種を表すものと理解させるとみて差し支えない。
この点は、各眼科医業者が各種治療情報等を紹介するインターネット上のホームページ情報によれば、例えば、(A)「錦糸眼科」のホームページ情報(http://www.kinshi.or.jp/index_bak_2.html)によれば、病院の歴史とした箇所に「1996 LASIKを日本で初めて実施」の記載ほか、「治療内容」とするウェブサイト(http://www.kinshi.or.jp/treat.html)において、「■レーシック治療とは/レーシック(LASIK)とは、レーザーを用いて視力を回復させる治療法です。角膜の一部を薄くめくり(めくった部分をフラップと呼びます)、角膜実質層にエキシマレーザーを照射します。これにより、角膜の形状を変化させ、屈折率を矯正します。近視では角膜中央部を平坦化させ、遠視では周辺を、乱視では特定の方向だけを変化させます。従来のレーシックよりも精密で安定したフラップを作成できるイントラレーシックが今、注目されています。」の記述、(B)「神奈川クリニック眼科/CR-LASIKセンター」のホームページ情報(http://ganka.kanacli.net/)内の「視力回復手術」とするウェブサイト(http://ganka.kanacli.net/surgery/)によれば、「レーシック(LASIK)は、レーザーにより近視・乱視・遠視を矯正する視力回復手術です。世界で数百万人が治療を受け、メガネ・コンタクトに代わる第3の選択肢として、日本でもポピュラーな手術となりつつあります。/神奈川クリニックでは、世界標準の衛生規格をクリアした専用手術室「クリーンルーム」でレーシックを行うというCR-LASIK(シーアールレーシック/クリーンルームレーシック)を実施しており、通常のレーシックよりもさらに高い安全性を実現しました。」の記述、(C)「品川近視クリニック」のホームページ情報(http://www.shinagawa-lasik.com/index.html)内のドクター紹介とするウェブサイト(http://www.shinagawa-lasik.com/profile/index.html)において、副院長のコメントとして「レーシックという言葉は、今では知らない方はいらっしゃらないというくらい日本でも普及し、現在の屈折矯正の主流となっている施術です。レーシックは角膜表層に特殊な手段でフラップを作成し、エキシマレーザーを使って屈折異常を治します。当院では、現在注目を集めているイントラレースという最新レーザーや、近視・遠視・乱視といった低次収差だけでなく、更にごくわずかな目のゆがみ(高次収差)をも矯正するウェーブフロントレーシックなどの最新の設備を備え、患者様に最高の医療を提供できるよう心がけています。」の記述、(D)「神戸クリニック」のホームページ情報(http://www.kobeclinic.com/index.html)内の「レーシックとは」とするウェブサイト(http://www.kobeclinic.com/about/index.html)において「■メガネ・コンタクトに代わる第三の視力矯正方法レーシック/レーシック(LASIK)は、Laser in Situ Keratomileusisの頭文字を取ってLASIKと読んでいます。/ギリシャ語でKeratosは「角膜」、Mileusisは「修正する」という意味です。ですから、LASIKとは、レーザーで角膜を修正するということです。実際の手術には、※エキシマレーザーが使用され、角膜の形状を変えることによって屈折率を変化させ、視力を回復させる方法です。このレーシックは、メガネ・コンタクトに代わる第三の視力矯正方法として注目を浴びている、最先端の医療技術です。」の記述、及び(E)「加藤眼科レーシックセンター」のホームページ情報(http://www.katolasik.com/index.html)内の「レーシックについて」とするウェブサイト(http://www.katolasik.com/lasik.html)において「レーシック(LASIK)とはエキシマレーザーによって角膜の表面形状を変化させ近視や乱視を矯正する方法です。レーシックが開発されてすでに10年以上が経過しその安全性、確実性、長期経過等が確認されています。レーシックはかつての近視手術のように不確実な効果をもたらすものではなく、従来の手術とは比較にならないほど安全かつ正確に近視を治すことができます。・・・日本では慎重な臨床治療試験を経て2000年1月に厚生労働省から認可がおりました。米国では毎年100万件以上の手術が行われ、近視の人の約10%がこの手術を受けていると言われています。日本でも毎年6万件以上手術が行われ、手術を受ける人は年々増加しています。レーシックの安全性に関して議論していた時代はすでに過去のものとなり、メガネ、コンタクトレンズ、レーザー治療のなかから自分にあった矯正方法を選ぶ時代になっています。」の記述などからも、「レーシック(LASIK)」の文字自体が視力矯正治療の一を認識させるものといえる。
(イ)レーシック手術の種類について
そして、上記眼科医業者のホームページ情報等によれば、角膜が薄い、強度の近視や乱視等の症状により色々な種類のレーシック手術があることが認められ、前出(B)「神奈川クリニック眼科/CR-LASIKセンター」のホームページ情報内の「視力回復手術」とするウェブサイトによれば、上述の「専用手術室「クリーンルーム」でレーシックを行うというCR-LASIK(シーアールレーシック/クリーンルームレーシック)」ほか「イントラレーシック/intra LASIK:イントラレースFSレーザーで角膜フラップを作成する新しいレーシックの手法です。」「レーシック/ LASIK:最も症例が多く、スタンダードな視力回復手術です。当院では全てクリーンルームで行われます。」「エピレーシック/Epi- LASIK:角膜が薄い方や目に強い衝撃のある格闘技など激しいスポーツをされる方におすすめです。」「ラセック/ LASEK:エピレーシック同様に角膜が薄い方などに適しており、以前から広く行われます。」等の掲載、同(C)「品川近視クリニック」のホームページ情報内の「レーシックのすべて/最新機器による最適治療」とするウェブサイト(http://www.shinagawa-lasik.com/subete/subete04.html)において、「その他の施術手技/エピレーシック/EPI- LASIK:エピレーシックとは、エピケラトームを使用して角膜上皮部分のみのフラップを作成する方法です。角膜の薄い方、格闘技など激しいスポーツをしているなど特別な方々に適しています。・・・上皮部分のみのフラップなので眼球の強度がLASEKと同等になります。LASIKでは適応しない方や角膜の薄い方、格闘技を行う方など、特別な方のみに行います。」の掲載、同(D)「神戸クリニック」のホームページ情報内の「視力矯正方法-EPI-LASIK」とするウェブサイト(http://www.kobeclinic.com/about/epi/index.html)において「視力矯正方法 EPI-LASIK:EPI Laser in situ Keratomilesis(エピレーシック)/■世界が注目するEPI-LASIK/・・・この角膜上皮をエピケラトームと呼ばれる新しい器機によって安全に剥離して、レーシックと同じような蓋(フラップ)を作成します。そのため、従来のレーシックと比べ、格段に薄いフラップを作成できるようになりました。それによってフラップ作成後の残りの角膜をたくさん残すことができ、これまで、PRKしか手法がなった方もエピレーシックを行うことで、従来のPRKに比べ術後の痛みを軽減でき、視力の回復も早まることが期待できるようになりました。」の記述が認められるところである。
(ウ)まとめ
してみると、拒絶理由通知書において引用したウェブサイト記事に加え上記の眼科医業における「レーシック(LASIK)」に係る視力矯正治療の現状をみるに、EPI-LASIK(エピレーシック)は、エピケラトームを使用して角膜上皮部分のみのフラップを作成する眼科手術方法を表すものとして、原審拒絶理由通知当時には、既に広く用いられていたといえるものであり、かかる構成文字からなる本願商標からは、原審説示のごとく、当該視力矯正治療を容易に認識させる状況にあったといわなければならない。
したがって、本願商標が出願人(請求人)により創造された言葉であるとか、これが「医業,医療情報の提供」にかかる役務において取引上普通に使用され、認識され得るような事実は全くといっていい程見受けられないということを認めることはできない(なお、商標法第3条第1項各号に該当するかどうかの判断時期は、査定又は審決時であって、登録出願時ではない。)。
(2)本願商標の自他役務の識別力等について
請求人は、本願商標を構成する文字が論文・書籍・雑誌・インターネットウェブサイトその他に記載されている事実のみをもって、直ちに需要者が役務の質・内容その他を表示したものと把握し理解するにすぎないものと断じることはきわめて不当かつ不合理である旨述べている。
しかし、上述したとおり、眼科医業における「レーシック(LASIK)」に係る視力矯正治療の現状からして、本願商標を構成する文字からは、当該視力矯正治療を容易に認識させるものである。
そして、商標法第3条第1項各号列挙のいわゆる自他商品又は役務の識別機能を有しない商標について商標登録できないこととするのは、「これらは通常、商品又は役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから何人も使用をする必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものだから一私人に独占を認めることは妥当でないこと、また、多くの場合にすでに一般的に使用されあるいは将来必ず一般的に使用がされるものであるから、これらのものに自他商品又は役務の識別力を認めることができないこと」と解されている(平成12年6月13日東京高裁 平成11年(行ケ)410号、社団法人発明協会発行 特許庁編「工業所有権法逐条解説」参照)。
そうすると、上記の視力矯正治療を認識させる本願商標をその指定役務中「医業,医療情報の提供」に使用しても、これに接する需要者(当該疾病に係る者が主たる需要者というべきであり、およそあらゆる一般消費者が需要者となり得るとまでいうことはできない。)は、当該役務の提供者が「エピケラトームと呼ばれる新しい器機」を備えて「レーシック(LASIK)」に係る視力矯正治療業務を行っていること、あるいは「エピ レーシック(EPI-LASIK)治療に係る情報提供業務を行っていることを表示したものと理解をするにとどまり、自他役務を識別する標識たる商標を表示したものとは認識し得ないものというのが相当であり、かつ、一私人に独占を認めるには妥当を欠くといわざるを得ない。
(3)「LASIK」等の別件商標登録について
請求人は、第44類「医業,医療情報の提供」その他を指定役務として出願され、登録が認められた「LASIK」(商標登録第4097187号)、「レーシック」(商標登録第4097188号)、「れーしっく」(商標登録第4097189号)及び「CR LASIK/シーアール レーシック」(商標登録第4881868号)が存在しているから、本願商標を構成する文字の書籍・雑誌等(インターネットウェブサイトの記事を含む。)への記載があったとしても、それをもって直ちに商標の識別力が喪われたということにはならず、なお取引者・需要者において、該商標登録を自他役務の識別標識として認識し得る、と庁が認めたことの証左に他ならない旨述べている。
しかし、別件登録商標の登録の是非を当審において直接評定し得ず、また、これに拘束されるべき格別理由もなく、その事例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは適切でない。そして、本願商標については前記(1)の認定を相当とするものであるから、この点に関する請求人の主張は考慮することはできない。
(4)結語
以上のとおりであるから、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-01-17 
結審通知日 2007-01-24 
審決日 2007-02-06 
出願番号 商願2004-101230(T2004-101230) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y44)
T 1 8・ 272- Z (Y44)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 久我 敬史 
特許庁審判長 高野 義三
特許庁審判官 小林 和男
岩本 和雄
商標の称呼 エピレーシック、エピ、イイピイアイ、レーシック、ラシック、エピラシック 
代理人 志賀 正武 
代理人 高橋 詔男 
代理人 渡邊 隆 
代理人 高柴 忠夫 

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