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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y03
審判 全部申立て  登録を維持 Y03
審判 全部申立て  登録を維持 Y03
管理番号 1154051 
異議申立番号 異議2006-90454 
総通号数 88 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-09-08 
確定日 2007-03-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第4960394号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4960394号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4960394号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示するとおりの構成よりなり、平成17年10月13日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布」を指定商品として、平成18年6月9日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当するものであるから、取り消されるべきである。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る「AROUM」の文字と「アローム」の文字を二段に書してなる、以下の登録各商標と、「アローム」の称呼において類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品中、「植物性天然香料」及び「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品」は、引用商標の指定商品と類似するため、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(ア)登録第4090481号商標は、平成8年5月27日に登録出願、第3類「芳香剤,脱臭機能を付加した芳香剤」を指定商品として、平成9年12月12日に設定登録されたものである。
(イ)登録第4164348号商標は、平成8年5月27日に登録出願、第5類「芳香機能を付加した脱臭剤,その他の脱臭剤(工業用のものを除く。)」を指定商品として、平成10年7月10日に設定登録されたものである。
(ウ)登録第4827888号商標は、平成16年2月28日に登録出願、第11類「家庭用電気式目覚まし機能付き芳香剤噴霧器,家庭用電池式目覚まし機能付き芳香剤噴霧器,家庭用電気式目覚まし機能付き芳香器,家庭用電池式目覚まし機能付き芳香器,家庭用電気式目覚まし機能付き消臭器,家庭用電池式目覚まし機能付き消臭器,その他の家庭用電熱用品類,便所ユニット,浴室ユニット,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,牛乳殺菌機,工業用炉,原子炉,飼料乾燥装置,暖冷房装置,冷凍機械器具,業務用衣類乾燥機,美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。),業務用加熱調理機械器具,業務用食器乾燥機,業務用食器消毒機,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,汚水浄化槽,し尿処理槽,業務用ごみ焼却炉,家庭用ごみ焼却炉,太陽熱利用温水器,浄水装置,電球類及び照明用器具,水道蛇口用座金,水道蛇口用ワッシャー,ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,流し台,アイスボックス,氷冷蔵庫,家庭用浄水器,浴槽類,あんどん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たんぽ,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式便器用いす,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,化学物質を充てんした保温保冷具,火鉢類」を指定商品として、平成16年12月24日に設定登録されたものである。
(エ)登録第4805056号商標は、平成16年2月28日に登録出願、第14類「腕時計,置き時計,懐中時計,自動車用時計,ストップウォッチ,柱時計,芳香機能付き目覚まし時計,その他の目覚まし時計,芳香機能付き時計,その他の時計,ゼンマイ,時計側,時計鎖,時計のガラス,時計バンド,針,振子,文字盤,その他の時計の部品及び附属品,貴金属,キーホルダー,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製針箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製宝石箱,貴金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念立て,身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその模造品,宝玉の原石,貴金属製コンパクト,貴金属製靴飾り,貴金属製喫煙用具」を指定商品として、平成16年9月24日に設定登録されたものである。
(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)
(2)商標法第4条第1項第10号について
登録第4090481号商標は、商品「目覚まし機能付き芳香剤」との関係において、申立人の商標として需要者の間に広く認識されているため、本件商標の指定商品中「植物性天然香料」及び「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品」は、商標法第4条第1項第10号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
(ア)商標の類似性について
本件商標は、別掲に示すとおりやや図案化した「arome」の文字(「o」の上に黒丸(・)が逆三角形上に記載されている。以下同じ)を書してなるところ、申立人は本件商標と引用商標とは「アローム」の称呼を生ずるから類似すると主張するので、この点について検討する。
本件商標は、これと綴りを同じくする成語は見あたらず造語と認められ、直ちに特定の読みをもって親しまれた外国語を表したものとはいい難いものであるが、一般的に、特定の読みをもたない欧文字よりなる商標の称呼を特定する場合、これに接する取引者、需要者は、一般に親しまれたローマ字風或いは親しまれた外国語(英語)の知識をもって、当該商標の読みを特定して称呼する場合が多いということができるから、本件商標よりは、「アロメ」と称呼されるともに「アローメ」と称呼されることも少なくないものと認められる。
他方、引用商標は、それぞれその構成文字に相応して、「アローム」の称呼を生ずること明らかである。
してみれば、本件商標より生ずる「アロメ」及び「アローメ」の称呼と引用商標より生ずる「アローム」の両称呼は、各音の音質の差異等により、明瞭に聴別し得るものであるから、それぞれを一連に称呼しても、何ら相紛れるおそれはないものである。
また、本件商標と引用商標は、それぞれ前記の構成よりなるから、外観上、十分に区別し得る差異を有するものであり、さらに、観念においても引用商標は前記したとおり造語と認められるものであるから、両者は比較し得ないものであり、類似するものとは認められない。
(イ)商品の類似性について
申立人は、「植物性天然香料」については、「芳香剤」と非常に近似した商品として取り扱われ、また、実際の商品にあっても、「植物性天然香料」を主原料とする芳香剤が多数存在することについては、全ての証拠を提出することは不可能な状況にある。さらに、実際、商品の説明を読んだだけでは、「植物性天然香料」なのか、「芳香剤」「消臭剤」なのか区別のつけ難い商品も存在している。そのため、本件商標の指定商品中、「植物性天然香料」については、引用商標の指定商品中、「芳香剤、消臭剤」に類似する商品であると言わざるを得ない。また、本件商標の指定商品中、「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品」と「芳香剤、消臭剤、目覚まし機能付き芳香剤」については、いずれも主としてスーパーマーケットやホームセンター、ドラッグストアで販売され、一般家庭において使用するために主に成人女性により購入されているものである。実際の商品販売状況に関しても、「芳香剤・消臭剤」と「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品」とは、同一の店舗、しかも同一の近接する売り場に展示され販売されているものである。
さらに、商品の用途についても家庭において住居の掃除や清掃・洗濯に用いるものであり、用途についても共通する。このような状況を鑑みれば、上記商品は、商品の製造者、商品の流通経路及び需要者層を共通にするため、同一又は類似する商標が附された場合は、出所の混同を生ずるもので、商品同士が類似するものと言わざるを得ない、旨主張しているので、この点について検討する。
(i)「芳香剤」と「植物性天然香料」との類似性について
本件の指定商品中「植物性天然香料」は、「天然の植物から得られた香料をいう。レモン、ジャスミン、ラベンダー、オレンジなどの精油、油脂、果実成分などがある。(香粧品事典)」と認められるものであり、用途が特定されておらず、後に何らかの加工が施される原材料として香料製造者(一次加工業者)と最終品製造業者(二次加工業者)との間において、取引される商品であると認められる。
これに対し、「芳香剤」は、室内用の芳香剤や芳香ロウソクなどのように化粧品以外の製品を含めていう芳香製品(香りを主目的とした製品)と認められるものであり、製品製造業者と消費者との間において、取引される商品であると認められる。
商品及び役務の区分解説(国際分類第8版対応)によれば、香料類の項に、「この概念には、植物性天然香料、その他の各種香料及びそれらを原料として製造される薫料が含まれる。」と記載され、「<植物性天然香料>乃至<精油からなる食品香料>」の項に、「本類化粧品中の<香水類>は、薫料と同様に香料を原料として製造されるものであるが、化粧品に属する。この概念に属する「食品香料」は、精油(植物の花、葉、果実等から得られる芳香・揮発性の油)からなるものであり、精油以外の「食品香料」は第30類に属する。」と記載され、また、「<薫料>」の項に、「芳香を発することを主目的とする製品のうち、主として人の肌につけて使用されるものは、本類化粧品中の<香水類>に属し、それ以外で各種の香料を除いたものがこの概念に属する。」と記載されているものである。
そうすると、「植物性天然香料」は、上記香料類中の「<植物性天然香料>乃至<精油からなる食品香料>」に属する商品であり、「芳香剤」は上記香料類中の「<薫料>」に属する商品ということができる。
上記(ア)及び(イ)の実情及び商品の関連性を勘案すると、本件商標の指定商品中「植物性天然香料」と「芳香剤」とは、原材料と完成品という関係にあるうえ、商品用途が全く異なるものであり、その製造(加工)業者、取引者、需要者が相違し、流通経路も異なっていることから、商品の製造(生産)、販売部門、用途及び需要者の範囲が異なるものといわざるを得ず、総合的に考慮するとしても双方を類似の商品とみるのは相当でないものである。
(ii)「芳香剤,目覚まし機能付き芳香剤」と「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品」との類似性について
前記商品及び役務の区分解説によれば、該商品中「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」は、化学剤であり、「つや出し剤」は、「物体のつやを出す目的で使用されるもの」、「せっけん類」は、「洗浄を目的とする化学製品」、「歯磨き」は、「歯を清潔にすることを目的とする化学製品」、「化粧品」は、「薬事法の規定する化粧品の大部分及び医薬部外品のうち、人体に対する作用が緩和なものであって、身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つことを目的として、身体に塗擦、散布等の方法で使用するものが含まれる」と認められるものであり、「芳香剤」とは、どちらも二次加工製品であるといい得ても、両者はその用途が全く異なるものであり、その販売等の取引業者、需要者を異にしており、流通経路も異なることからすると、両商品販売部門、用途及び需要者の範囲が異なるものといわざるを得ず、両商品を類似する商品と認めることはできない。
(iii)「消臭剤」と「植物性天然香料」及び「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品」との類似性について
申立人は、「消臭剤」についても、「植物性天然香料」及び「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品」と類似すると主張しているが、引用商標は、「消臭剤」を指定商品とするものではないが、類似する商品としては引用商標中の登録第4164348号の指定商品において「芳香機能を付加した脱臭剤,その他の脱臭剤(工業用のものを除く。)」を指定商品とするものである。
仮に前記「脱臭剤(工業用のものを除く。)」とした場合でも、該商品は「薬剤」の範疇に属する商品であり、その生産部門、販売部門、用途及び需要者等の範囲を同一にするとはいい難く、互いに非類似の商品に当たると解するのが相当である。
(ウ)以上からすると、本件商標と引用商標とは、その指定商品及び両商標の称呼、外観及び観念のいずれの点からしても、非類似の商標といわなければならない。
(エ)また、申立人は、上記「植物性天然香料」については、取引者、需要者により商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがある類似の商品であると主張するのみであり、また、「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品」についても、提出された証拠のみでは客観的に裏付けるものとは認められなく、採用することができない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
申立人は、登録第4090481号商標が、商品「目覚まし機能付き芳香剤」に使用され、需要者の間に広く認識されている商標である旨主張しているが、申立人の提出に係る甲第9号証ないし同第12号証(枝番号を含む)によっては、該商品が本件商標の登録出願時に広告、宣伝され販売されている事実は窺うことはできるとしても、その使用形態は「めざましアローム」であるから、該商標を使用して広く認識されているとは認めるに足りない。
そうとすれば、提出された上記甲各号証からは、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時に商標「AROUM」「アローム」が、需要者間に広く知られていたとは認め難いというのが相当である。
してみると、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しないものといわざるを得ない。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)

異議決定日 2007-02-20 
出願番号 商願2005-95432(T2005-95432) 
審決分類 T 1 651・ 264- Y (Y03)
T 1 651・ 262- Y (Y03)
T 1 651・ 25- Y (Y03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 寺光 幸子
小林 和男
登録日 2006-06-09 
登録番号 商標登録第4960394号(T4960394) 
権利者 有限会社萬屋
商標の称呼 アローム、アロメ 
代理人 齋藤 理絵 
代理人 幸田 全弘 

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