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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y25
審判 全部申立て  登録を維持 Y25
管理番号 1154041 
異議申立番号 異議2006-90395 
総通号数 88 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-08-17 
確定日 2007-03-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第4953139号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4953139号商標の登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第4953139号商標(以下「本件商標」という。)は、「ESS」の文字を標準文字で表してなり、平成17年10月12日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年5月19日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、下記(1)ないし(7)の7件である(以下、これらを併せて「引用商標」という。)。
(1)登録第675910号商標
「ESSO」文字を書してなり、昭和39年4月3日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同40年5月19日に設定登録され、その後、4回にわたって商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第685621号商標
「ESSO」文字を書してなり、昭和39年4月3日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同40年9月14日に設定登録され、その後、4回にわたって商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第693341号商標
「ESSO」文字を書してなり、昭和39年4月3日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同40年12月21日に設定登録され、その後、4回にわたって商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(4)登録第716775号商標
「ESSO」文字を書してなり、昭和39年4月3日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同41年8月16日に設定登録され、その後、4回にわたって商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(5)登録第794096号商標
別掲に示す構成よりなり、昭和41年11月22日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同43年9月30日に設定登録され、その後、3回にわたって商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(6)登録第808498号商標
別掲に示す構成よりなり、昭和41年11月22日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同44年2月22日に設定登録され、その後、3回にわたって商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(7)登録第844799号商標
別掲に示す構成よりなり、昭和41年11月22日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同45年1月31日に設定登録され、その後、3回にわたって商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
2 理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標の構成文字である3文字「ESS」は、そっくりそのまま引用商標の構成文字である4文字「ESSO」に完全に包含されている。このため、簡易迅速を旨とする商取引の現場においては、完全に共通する3文字「ESS」により、需要者・取引者が両者を見誤るおそれがある。また、引用商標からは「エッソ」の称呼が生じ、本件商標からは「イーエスエス」のほか「エッス」の称呼も生じ得ることから、「エッソ」と「エッス」の近似性を十分認めることが可能である。
したがって、本件商標は、引用商標と外観・称呼において近似することから、商標法第4条第1項第11号に違反するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、世界最大の石油化学企業であり、給油所の運営のみならず、潤滑油や各種石油化学品、帽子、ネームプレートまで販売している。引用商標は、日本国内で周知かつ著名な商標である。
著名な引用商標に近似した本件商標が使用された場合、申立人の企業グループに関連する会社が提供しているかの如く消費者に誤解される危険がある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反するものである。
(3)申立人は、証拠方法として、甲第1ないし第13号証を提出している。
3 結論
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号
本件商標は、「ESS」の文字よりなるものであるところ、これが「エッス」と読まれて自然であるとすべき理由は見いだせないから、この欧文字に相応して「イーエスエス」の称呼のみを生ずるとするのが相当であり、特定の観念を生じない造語からなるものと認められる。
他方、引用商標は、いずれも構成中の欧文字「ESSO」から「エッソ」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を生じない造語あるいは標章からなるものと認められる。
しかして、「イーエスエス」と「エッソ」の両称呼は、構成音数の差及び相違する各音の音質の差によって、明らかに区別し得るものであり、相紛れる余地はない。
また、本件商標と引用商標(1)ないし(4)とは、その構成中の「E」「S」「S」の文字を共通にするとしても、引用商標(1)ないし(4)は、それらの文字に続けて「O」を表したものであって、全体が3文字あるいは4文字の比較的簡素な構成において、末尾「O」の有無は、その外観全体から受ける印象を著しく異なるものとしているといわざるを得ず、時と所を異にしても、相紛れるそれはないとみるのが相当である。
そして、本件商標と別掲に示した引用商標(5)ないし(7)とは、後者の語頭「E」が丸みを帯びて表されている点と輪郭線の有無において、その構成態様が著しく相違しているから、本件商標は、これらと外観上相紛れるおそれはないものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、観念においては比較すべくもないものである。
してみれば、本件商標は、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標と判断することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号
上記のとおり、本件商標は、引用商標に類似する商標とは認められず、両者をさらに関連づけてみるべき理由は見いだせないから、両者は、別異の商標として看取されるものである。
してみると、引用商標が申立人の業務について我が国において広く認識されているものであり、その業務に係る商品に使用されているとしても、本件商標は、その登録出願時に、これをその指定商品に使用したとき、需要者が引用商標を想起、連想して、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信し、商品の出所について混同するおそれがあるとすることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
引用商標(5)ないし(7)


異議決定日 2007-02-22 
出願番号 商願2005-95168(T2005-95168) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y25)
T 1 651・ 26- Y (Y25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 白倉 理 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 鈴木 新五
久我 敬史
登録日 2006-05-19 
登録番号 商標登録第4953139号(T4953139) 
権利者 株式会社大西
商標の称呼 イイエスエス 
代理人 浅村 肇 
代理人 中川 博司 
代理人 望月 良次 
代理人 岩井 智子 
代理人 松本 尚子 
代理人 浅村 皓 
代理人 松本 康伸 
代理人 山田 威一郎 
代理人 土屋 良弘 

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