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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y3043 審判 全部申立て 登録を維持 Y3043 |
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管理番号 | 1154040 |
異議申立番号 | 異議2006-90385 |
総通号数 | 88 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-04-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2006-08-11 |
確定日 | 2007-03-12 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4952545号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4952545号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4952545号商標(以下「本件商標」という。)は、「FOCACCINO」の欧文字を標準文字により表してなり、平成17年8月25日に登録出願、第30類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同18年5月12日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するから、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証(枝番を含む)を提出している。 (1)商標法第4条第1項第11号 (ア)引用商標 申立人が引用する登録第4402492号商標は、「FRAPPUCCINO」の欧文字を横書きしてなり、平成7年10月4日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として同12年7月21日に設定登録されたものである。 同じく登録第4227943号商標は、「FRAPPUCCINO」の欧文字を標準文字により表してなり、平成9年6月19日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿記載の役務を指定役務として同11年1月8日に設定登録されたものである。 同じく登録第4709878号商標は、「FRAPPUCCINO」の欧文字を標準文字により表してなり、平成14年10月11日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として平成15年9月12日に設定登録されたものである(以下、上記各商標をまとめていうときは「引用商標」という。)。 (イ)本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標とを対比すると、共に9音以上のアルファベットで表記された文字数の多い商標であって、語頭に「F」、そして語尾の「CCINO」との間にいくつかのアルファベット文字を有している、との共通点を外観上有している。 引用商標「FRAPPUCCINO」は、後述するように、申立人が1996年から日本で使用を開始したものであって、本件商標の登録出願時及び登録査定時のいずれにおいても、すでに日本では有名な商標となっていた。 また、商標を構成する文字の数が多くなればなるほど外観だけで感覚的に商標を認識する傾向が強くなり、「FRAPPUCCINO」が有名になっている状況において、このような傾向が強くなれば、外観上の共通点は、本件商標と引用商標とが同じであると需要者、取引者に認識させるに充分な共通点である。 したがって、本件商標と引用商標とは外観上、相紛らわしい類似の商標である。 なお、マカオ特許庁では、商標「FOCACCINO」と商標「FRAPPUCCINO」とが、前述の共通点を有することを理由に前者を拒絶している(甲第20号証)。 以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観上類似するものであって、 本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。 (2)商標法第4条第1項第15号 (ア)商標「FRAPPUCCINO」の著名性について 申立人は、全国的に出店しているコーヒーショップ「STARBUCKS COFFEE」の店舗において、持ち帰り可能なコーヒーや紅茶、ソフトドリンク等の飲料、パン、サンドウィッチ・デニッシュや菓子等の食品の販売・提供を行っている。 そして、第1号店を出店した1996年以降、申立人の店舗において商標「FRAPPUCCINO」を使用したコーヒー飲料・清涼飲料として販売し、また、店内でのメニュー、すなわち「飲食物の提供」にも商標「FRAPPUCCINO」を使用している。 これらの商品・役務について、多数の店舗で全国的に申立人が「FRAPPUCCINO」(フラペチーノ)を使用した結果、該商標は、申立人が行う業務において使用する代表的な商標の一つとなった。 (a)新聞記事に基づく著名性の立証 「FRAPPUCCINO(フラペチーノ)」が需要者・取引者に広く知られているものであることは、甲第6号証の1ないし20に示す多数の新聞記事からも裏付けられる。 たとえば、甲第6号証の11は、2004年5月9日に発行された産経新聞の記事のプリントアウトであり、また、前記に示す多数の新聞記事は、日経四紙及び朝日新聞・読売新聞・毎日新聞・産経新聞の全国紙のみであるが、地方紙やスポーツ紙・専門紙を含めれば膨大な数になる。 (b)雑誌記事・書籍等に基づく著名性の立証 申立人の商標「FRAPPUCCINO(フラペチーノ)」は、飲食関係の専門紙・ビジネス誌・情報誌等の雑誌にも多数紹介されている(甲第7号証の1ないし11)。 甲第7号証の11は、2005年1月に自由国民社から発行された「現代用語の基礎知識2005」の別冊付録第160頁の写しである。この証拠には「◆フラペチーノ(frappuccino):スターバックスの商標登録商品で、氷を砕いた飲みもの(フローズンドリンク)のことをいう。1995年にスターバックスが北米で初めてフラペチーノを販売した。」と記載されている。「現代用語の基礎知識」は有名な事典の一種であって、この書籍に掲載されていること自体、申立人の商標「FRAPPUCCINO(フラペチーノ)」が著名であることを十分に裏付けている。 (c)その他 前記のほかウェブサイト中にも、申立人の「FRAPPUCCINO(フラペチーノ)」に関するサイトが多数あり、また、特許庁の過去の判断においても、申立人の上記商標が周知・著名であることが認められている(商願07-79253号の拒絶理由通知・拒絶査定)。 さらに、甲第11号証は、申立人が海外で所有する商標「FRAPPUCCINO」の一覧であり、140以上の国や地域で商標登録を受けている。 (イ)まとめ 以上のとおり、本件商標がコーヒーショップ、コンビニエンスストアで使用された場合、需要者・取引者は、申立人の商標「FRAPPUCCINO」と誤認するおそれが極めて高い。また、区別できた場合であっても、前述の共通点に基づいて、誤認混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標の登録出願日前及び登録査定起案日の両時期において、申立人の商標は周知、著名であったから、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用するときは、申立人の事業に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に該当し同法43条の2第1号により取り消されるべきである。 3 当審の判断 申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当する旨主張しているので、以下、これらについて判断する。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、前記1のとおり「FOCACCINO」の欧文字を同書・同大・等間隔に横書きしてなるのに対し、引用商標は、前記2のとおり、「FRAPPUCCINO」の欧文字を同じく同書・同大・等間隔に横書きしてなるものである。 そこで、本件商標「FOCACCINO」と引用商標「FRAPPUCCINO」との外観上の類否について判断するに、両商標は、語頭の「F」及び後半部の「CCINO」の各文字を共通するとはいえ、中間部において「OCA」と「RAPPU」の各文字に差異を有するものである。 しかして、本件商標が9文字、引用商標が11文字とそれぞれ構成文字数を異にするばかりでなく、上記のとおり、中間部分の3文字と5文字の文字綴りが相違することを考慮すれば、たとえ、語頭の「F」及び後半部の「CCINO」の各文字の綴りを共通にするとしても、両商標は、外観上、十分に区別し得るものというのが相当である。 また、申立人が主張するように、たとえ、引用商標が周知・著名であるとしても、両商標は、前記したとおり構成文字数の相違及び中間部分の文字の相違を考慮すれば、結局、外観上類似するということはできない。 次に、両商標の称呼及び観念についてみるに、本件商標は、特定の意味合いを有する外来語とも認められないから、これより「フォカシーノ」または「フォッカシーノ」の称呼を生ずるものとみるのが自然であり、また、引用商標も特定の意味合いを有しない造語と認められるから、該構成文字に相応して「フラップシーノ」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。 してみれば、両商標は、その構成音数の相違及び前半部の「フォカ」または「フォッカ」と「フラップ」の音の相違により、称呼上相紛れるおそれはないというべきであり、また、前記のとおり、両商標は共に造語と認められるから観念においては比較すべくもないものである。 したがって、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれについても類似しない商標であるから、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとすることはできない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人の提出に係る甲各号証(枝番を含む)によれば、「FRAPPUCCINO」、「フラペチーノ」の文字からなる商標が申立人のコーヒーショップ等において使用され、相当程度、需要者、取引者に認識されているということは認めることができる。 しかしながら、本件商標と「FRAPPUCCINO」とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であること前記のとおりであるし、また、本件商標と「フラペチーノ」についても、外観上は互いに区別し得るものであり、称呼においても本件商標から生ずる「フォカシーノ」又は「フォッカシーノ」と「フラペチーノ」とは相紛れるおそれはなく、さらに観念においては比較すべくもないものである。 したがって、本件商標と申立人が使用する「FRAPPUCCINO」、「フラペチーノ」とは、別異の商標と理解、認識されるものというべきであるから、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、これが申立人又は申立人と何等かの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのごとく、商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれはないものと言わざるを得ない。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号にも該当しない。 (3)結語 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも該当しないから、同法第43条の2第4項にもとづき、本件商標の登録は維持するものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2007-02-22 |
出願番号 | 商願2005-79504(T2005-79504) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(Y3043)
T 1 651・ 271- Y (Y3043) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 手塚 義明 |
特許庁審判長 |
山田 清治 |
特許庁審判官 |
久我 敬史 鈴木 新五 |
登録日 | 2006-05-12 |
登録番号 | 商標登録第4952545号(T4952545) |
権利者 | ミラノ フード コンセプツ プライベート リミテッド |
商標の称呼 | フォカッチーノ、フォカッシノ |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 西浦 嗣晴 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 藤倉 大作 |
代理人 | 井滝 裕敬 |