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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y293032
審判 全部申立て  登録を維持 Y293032
管理番号 1154033 
異議申立番号 異議2006-90376 
総通号数 88 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-08-14 
確定日 2007-03-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第4949820号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4949820号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4949820号商標(以下「本件商標」という。)は、「NFD TAHEEBO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年2月13日に登録出願、第29類「タベブイア樹木の樹皮を主原料とする粉末状・顆粒状・錠剤状・カプセル状の加工食品,食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」、第30類「タヒボを原料とする茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」及び第32類「ビール,タヒボを使用してなる清涼飲料,タヒボを使用してなる果実飲料,ビール醸造用ホップエキス,乳清飲料,タヒボを使用してなる飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同18年3月10日に登録をすべき旨の審決がなされ、同年5月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)本件商標は、その構成中に、南米産の樹木であるノウゼンカズラ科タベブイア属アベラネダエの茶の原材料を示す名称として認識されている「タヒボ」に通ずる「TAHEEBO」の文字を有してなるから、これをその指定商品中の「タヒボを使用してなる茶」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。このことは、過去の審査例からみても首肯し得ることである(第1号証ないし第5号証)。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものであるから、取り消されるべきである。
(2)タヒボに含まれる新規物質「NFD(略称)」は、厚生省から医薬品とは認められていないにもかかわらず、本件商標の商標権者は、タヒボに含まれる新規物質「NFD」の抗癌効果を強調して、「TAHEEBO NFD」を販売しており、このことは、薬事法に違反する行為であって、このような背景を考慮した場合、本件商標は、「TAHEEBO NFD」を防御するために出願されたにすぎないものであるから、商標法第4条第1項第7号にも該当するものであり、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、上記のとおり、「NFD TAHEEBO」の欧文字を書してなるところ、その構成中、前半の「NFD」の文字は、直ちに特定の意味合いを理解・認識させることのないアルファベット3文字からなる造語と認められるものであり、後半の「TAHEEBO」の文字は、南米産の樹木であるノウゼンカズラ科タベブイア属アベラネダエの茶の原材料を示す名称として認識されているものである。
そこで、本件商標が「タヒボを使用してなる茶」以外の商品に使用された場合に、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるか否かについてみるに、「TAHEEBO」の文字部分は、茶の原材料を示す名称として認識されているものであるから、一義的には、「タヒボを使用してなる茶」を指称することは否定するものではない。
しかしながら、食品は、単一の素材からなるものばかりでなく、むしろ、その多くは、複数の素材が加工され、製造されているということができる。そのような場合、その食品に付される商標の構成中に、原材料を示す名称が含まれているときに、指定商品の表示として、その原材料を含んでいることが明示されていれば、これに接する取引者・需要者をして、その商品の品質(原材料)について誤認を生じさせるおそれはないということができる。
ところで、商標法第4条第1項第16号は、「誤認を生ずるおそれ」があれば足りることから、現実に存在する商品であるか否かにかかわらず、同号を適用し得るとしても、原材料として用いられることが想定され難い商品についてまで、同号を適用して、原材料による限定を付することは適切なこととはいえない。
しかして、本件商標の指定商品は、上記のとおり、「タヒボを原料とする茶」をはじめ、「タヒボ」を原材料として用いられている(あるいは、充分に想定され得る)商品については、「タベブイア樹木の樹皮を主原料とする粉末状・顆粒状・錠剤状・カプセル状の加工食品」、「タヒボを使用してなる清涼飲料,タヒボを使用してなる果実飲料,タヒボを使用してなる飲料用野菜ジュース」のように、「タヒボ」を商品の原材料の一部として使用していることが指定商品の表示として明示されているのであるから、商品の品質(原材料)について誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
そして、上記した商品以外の指定商品については、原材料による限定が付されてはいないが、それらの商品については、「タヒボ」が原材料として用いられている事実が認められないか、あるいは、「タヒボ」が原材料として用いられることが想定し難いことから、指定商品に限定が付されていないのであって、指定商品に限定が付されていないことによって、これら商品に接する取引者・需要者をして、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないというべきである。
この点について、申立人は、「タヒボを使用してなる茶」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある旨主張しているが、提出している証拠は、過去の審査例のみであって、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある商品の範囲を認定し得る具体的な証拠を何ら提出していない。
してみれば、本件商標は、これを「タヒボを原料とする茶」以外の「タベブイア樹木の樹皮を主原料とする粉末状・顆粒状・錠剤状・カプセル状の加工食品」、「タヒボを使用してなる清涼飲料,タヒボを使用してなる果実飲料,タヒボを使用してなる飲料用野菜ジュース」について使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはなく、また、その指定商品中の上記商品以外のいずれの商品について使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第16号に違反してされたものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第7号について
商標法第4条第1項第7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合及び商標の構成自体がそうでなくても、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するような場合も含まれるものと解されている。
しかしながら、本件商標は、上記したいずれの場合にも該当するものではなく、申立人が主張しているような事情は、本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当する理由には当たらないものというべきである。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2007-02-23 
出願番号 商願2004-12658(T2004-12658) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (Y293032)
T 1 651・ 22- Y (Y293032)
最終処分 維持  
前審関与審査官 稲村 秀子 
特許庁審判長 高野 義三
特許庁審判官 山口 烈
鈴木 新五
登録日 2006-05-12 
登録番号 商標登録第4949820号(T4949820) 
権利者 タヒボジャパン株式会社
商標の称呼 エヌエフデイタヒボ、エヌエフデイ、タヒボ 
代理人 辻本 一義 

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