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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y05 |
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管理番号 | 1152319 |
異議申立番号 | 異議2006-90268 |
総通号数 | 87 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-03-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2006-06-12 |
確定日 | 2007-01-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4936285号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4936285号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4936285号商標(以下「本件商標」という。)は、「クラマール」の片仮名文字と「KRAMAL」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成17年7月5日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年2月2日に登録査定、同年3月10日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人は、下記の2件の登録商標を引用している。 (1)登録第4384006号商標(以下「引用商標A」という。)は、「TRAMAL」の欧文字を横書きしてなり、平成6年4月19日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年5月19日に設定登録されたものである。 (2)登録第4575432号商標(以下「引用商標B」という。)は、「トラマール」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成13年3月6日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年6月7日に設定登録されたものである。 以下、(1)及び(2)の商標をまとめて「引用各商標」という。 3 登録異議の申立ての理由(要旨) 本件商標から生ずる「クラマール」の称呼と引用各商標から生ずる「トラマール」の称呼は、いずれも5音で構成されており、語頭に位置する「ク」と「ト」の音を異にするのみである。そして、両称呼に共通する「マ」の音は、長音を伴うため強く発音され、また、「ラ」の音も母音が「ア」であることからはっきりと強く発音されるものである。そのうえ、両者の差異音である「ク(ku)」と「ト(to)」の音は、子音「k」と「t」がいずれも無声音であり、その母音「u」と「o」も唇を窄めて発音する清音であって、調音方法を同じくし音感が近似した音といえるものである。 してみれば、本件商標と引用各商標とは、それぞれを全体として称呼するときには、その語調、語感が近似したものとなり、互いに聞き誤るおそれのある称呼上類似の商標である。また、本件商標と引用各商標は、外観上も極めて紛らわしい類似の商標であり、かつ、両商標は、いずれも「薬剤」を指定商品とするものである。 そして、近年における医薬品の取り違えによる医療事故を考慮すれば、商標同士を仔細に比較検討するよりは、全体の包括的な印象をもって類否判断されるべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。 4 当審の判断 本件商標と引用各商標とは、それぞれ前記したとおりの構成からなるものであるから、それぞれの構成文字に相応して、本件商標からは「クラマール」の称呼を生じ、引用各商標からは「トラマール」の称呼を生ずるものと認められる。 そこで、本件商標から生ずる「クラマール」の称呼と引用各商標から生ずる「トラマール」の称呼とを比較するに、この両称呼は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音において、「ク」と「ト」の音の差異を有するものである。しかして、この両音は、いずれも破裂音にして、明瞭に発音され、かつ、聴取されるものであるから、この音の差異が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれを一連に称呼するも、互いに聞き誤るおそれはないものというべきである。 そして、確かに、両称呼における「マ」の音は、長音を伴っていることから比較的強めに発音されるとしても、中間に位置する音であり、しかも、通鼻音であることから、聴者に格別強く聴取されるものとはいえない。 また、本件商標の欧文字部分と引用商標A及び本件商標の片仮名文字部分と引用商標Bの外観を比較してみても、いずれも、印象の強い語頭の文字において、明らかに字形の異なる「K」と「T」及び「ク」と「ト」の文字の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、両者の外観を見誤ることはないものというべきである。 さらに、両商標は、いずれも造語と認められるものであるから、観念については、比較すべくもない。 してみれば、両商標の指定商品が「薬剤」であることを考慮しても、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2006-12-20 |
出願番号 | 商願2005-61200(T2005-61200) |
審決分類 |
T
1
651・
26-
Y
(Y05)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 齋藤 貴博 |
特許庁審判長 |
高野 義三 |
特許庁審判官 |
山口 烈 井岡 賢一 |
登録日 | 2006-03-10 |
登録番号 | 商標登録第4936285号(T4936285) |
権利者 | 日本たばこ産業株式会社 |
商標の称呼 | クラマール、クラマル、ケイラマル |
代理人 | 江崎 光史 |